「マイホームハイ」とは、家を購入する際や新しい住まいに引っ越した際に感じる一時的な高揚感や幸福感をあらわす言葉です。
新しい家を手に入れることは、多くの人にとって人生の一大イベント。
長年の夢が叶う瞬間であり、新たな生活が始まる期待や喜びが自然と湧き上がってきます。
このようなポジティブな感情がピークに達し、一時的に「ハイ(高揚)」な状態になることが「マイホームハイ」と呼ばれています。
ただし、冷静な判断ができなくなる人も多く、必要以上に費用をかけてしまうケースも…。
喜ばしい反面、一時的な高揚感に流されて無計画な出費や判断を避けるためにも、冷静さを保つことが大切です。
この記事では、不動産・住宅業界18年のプロが『マイホームハイとは?注文住宅で起きた後悔…体験談まとめ』と題して紹介します。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)
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不動産 x 住宅業界18年。3,000人以上の売却・購入・住み替え等をサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。ブログ116万PV超 ≫運営者情報
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士
マイホームハイが起こる理由4つ
先に、マイホームハイが起こる理由は下記の4つです。
夢の実現
家を持つことは、多くの人にとって大きな夢や目標です。実際にその夢が叶ったときの達成感は格別です。自分の理想の家を手に入れた喜びが大きく、日常の些細なこともポジティブに感じるようになります。
新しい環境や可能性への期待
新生活が始まると、インテリアやライフスタイルの計画など、日々の生活に多くの楽しみが増えます。その期待感が高まり、日常がさらに輝いて見えることがあります。
ストレスからの解放感
家を購入するプロセスにおいて、物件探し、契約、住宅ローン、引っ越しなど、様々な準備や手続きにストレスを感じることも少なくありません。しかし、無事にすべてが終わると、そのストレスから解放され、達成感がマイホームハイに繋がることがあります。
家族や友人からの称賛
多くの人が親や友人を招待し、お披露目をする機会があります。その際に「素敵な家だね」「このインテリアがおしゃれ!」など他人に評価されることで、満足感が一層高まるのです。
[体験談]マイホームハイで後悔…なぜ?
実際に、注文住宅のマイホームハイで後悔した人に体験談を紹介します。
参考にしてくれい!
大山 隆弘さん(36歳・埼玉県)
夢中になって家の間取りや内装を考えていた時、完全に「マイホームハイ」でした。
自分が希望することはどんどん盛り込もうという勢いで、あまり深く考えずに決断をしてしまいました。
具体的に後悔しているのは、二階の大きなバルコニーです。
設計段階では「広々としたバルコニーでコーヒーを飲みながらリラックスできたら最高だ」と思い、大きなスペースを確保しました。
しかし、いざ住み始めると、バルコニーをほとんど使わないことに気づいたんです。
天気が良くても、外に出るよりリビングでくつろぐ方が好きだし、掃除も意外と手間でした。
広い分、雨が降るたびに掃除をしないと汚れが目立つし、維持管理に時間が取られます。
さらに、防水加工が必要だったり、定期的なメンテナンスが予想以上に高くつくことを後で知ってしまい、正直「無駄だったな」と感じています。
バルコニーを小さくして、その分リビングや収納にスペースを回せば良かったと、今では反省しています。
小松 美香さん(42歳・兵庫県)
「どうせなら贅沢をしよう!」と、マイホームハイの状態で高級キッチンを選んでしまいました。
友人が家に来た時に「素敵なキッチンね!」と言われたくて、最新のアイランドキッチンに、全ての設備をグレードアップ。シンクやコンロまでフルオーダーで特注しました。
でも、私がそれほど料理好きではなかったという事実です。
実際のところ、仕事が忙しくて外食やテイクアウトに頼ることが多く、せっかくの高級キッチンがほとんど使われることなく輝いているだけの状態に後悔。
夢のキッチンだと思って盛り上がっていたけれど、冷静に自分のライフスタイルを見つめ直してから決めるべきだでした。
松村 誠さん(50歳・北海道)
どうしても吹き抜けがある家に住みたい気持ちが強く、妻と相談して、広々とした吹き抜けをリビングに取り入れました。
その時は、天井が高いリビングで家族と過ごす姿を想像し、ワクワクしていました。
設計士さんも「開放感が出て素晴らしい選択です」と言ってくれたので、マイホームハイの状態で即決してしまったんです。
ところが、吹き抜けのせいで冬は家全体が寒い。暖房を強くしても、熱が上に逃げてしまい、結局二階だけが暖かくて一階は寒いままです。
しかも、光が入りすぎて夏は逆に暑く、冷房代もかかる始末。さらに掃除も大変で、天井のファンや窓の手入れが全く手が届かず、業者に頼むしかありません。
見た目に惑わされず、実用性をもっと考えるべきだったと後悔しています。
福井 沙織さん(29歳・愛媛県)
ガレージへのこだわりが昔からあって、主人にお願いして大きなガレージを設計に組み込みました。
私自身、車が好きで、車を趣味にしている友人たちと集まる時に自慢できるスペースが欲しいと思ったんです。
その時は、まさにマイホームハイで、ガレージ付きの家が完成するのが楽しみで仕方ありませんでした。
でも、現実は厳しかったです。まず、ガレージを作るのに多くの予算がかかり、その分他の部分で妥協しなければなりませんでした。
5年経った今ガレージをあまり使わなくなり、ほとんど物置と化しています。
山田 健介さん(45歳・新潟県)
見た目に一目惚れして決断してしまったのが、大きな窓です。特にリビングに大きな窓を設置して、光がたっぷり差し込む明るい空間を作りたかったんです。その時は「これで自然光をたっぷり浴びられる家になる!」と大喜びし、窓の大きさや配置を細かく指定しました。
ところが、住んでみると問題が。夏は直射日光が強すぎて、部屋が暑くなり過ぎるんです。結局、遮光カーテンを閉めて過ごすことが多くなり、せっかくの大きな窓の意味が薄れてしまいました。さらに、冬は窓からの冷気が予想以上に入り込んで、暖房をつけていても寒さを感じることが多かったです。
見た目だけでなく、断熱性能や日差しの角度など、もっと考えて設計すべきだったと反省しています。
木村 里奈さん(37歳・大阪府)
どうしても「ピンクの外壁が良い!」というこだわりを譲れませんでした。おしゃれな外観にしたいという思いが強く、家全体を淡いピンクに塗ることを決断。周りには「少し派手じゃない?」と言われましたが、マイホームハイ状態だった私は「個性があって素敵」と思い込んでいました。
しかし、実際に住み始めると、外壁の色選びに後悔が。最初は可愛いと思っていたピンク色が、季節や天気によってはくすんで見えたり、汚れが目立ったりするんです。また、周囲の家と比べて浮いてしまい、近所の目線が気になるように。外壁の塗り替えもかなりお金がかかるので、すぐに色を変えるわけにもいかず、後悔しています。
外観は一時の感情で決めず、長い目で見て無難な色にしておけば良かったと思っています。
松本 陽一さん(31歳・宮崎県)
自宅に映画館のようなシアタールームが欲しいと思い、専用の部屋を作ることにしました。
映画好きの私は、マイホームハイ状態で「これがあればいつでも映画を楽しめる」とワクワクして、費用も惜しまず最新の音響設備まで導入しました。
しかし、住み始めて気づいたのは、日常生活が忙しくて、映画をゆっくり観る時間があまりないということ。仕事や育児で時間が取れず、シアタールームはほとんど使わないまま。家族も映画にあまり興味がなく、完全に私の自己満足で作った部屋になってしまいました。
そのスペースをもっと実用的に使えるように設計すれば良かったと、今では少し後悔しています。
藤田 あかりさん(40歳・福岡県)
海外の雑誌で見たような大理石の床をリビングに取り入れることにしました。あの時は「豪華で高級感があって素敵!」と大興奮し、予算オーバーも気にせず決断しました。まさにマイホームハイ状態でした。
でも、実際に住んでみると、後悔の連続です。まず、冬は足元がとても冷たく、床暖房をつけてもなかなか暖まりません。そして、思った以上に滑りやすく、小さい子どもが転んで怪我をしてしまいました。さらに、大理石は掃除が大変で、少しの汚れや水滴でもすぐに目立ち、手入れが面倒です。
冷静になって、もっとメンテナンスや使い勝手を考慮して選べば良かったと、今では強く感じています。
以上、実際に注文住宅のマイホームハイで後悔した人に体験談を紹介しました。
まとめ:マイホームハイを防ぐための心構えを
今回の不動産とーくは『マイホームハイとは?注文住宅で起きた後悔…体験談まとめ』と題して、下記の項目を解説しました。
- マイホームハイが起こる理由4つ
- [体験談]マイホームハイで後悔…なぜ?
- まとめ:マイホームハイを防ぐ心構えを
いかがじゃったかの~?
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
マイホームハイは、多くの方が気づかないうちに陥ってしまう現象です。
特に、夢や理想にばかり目を向けてしまうと、冷静な判断を失い、後になって「もっと慎重に考えておけばよかった」と感じることも少なくありません。
今回の記事では、具体的な後悔の事例を体験談として紹介しました。
マイホームハイを防ぐためには、感情に流されるのではなく、現実的な視点で冷静に判断することが求められます。
家づくりで失敗せず夢を叶えるためには、足元をしっかりと固めて一歩一歩進むことが大切です。
また、家族や専門家と話し合いを重ねることで、現実的な期待を持つことができ、マイホームハイによる後悔を避けられるでしょう。
以上『マイホームハイとは?注文住宅で起きた後悔…体験談まとめ』でした。
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