【体験談】雨漏り10年放置で修理430万円…坂井さんの後悔と決断
「雨漏りには気づいてるけど、まだ大丈夫かな」
「修理費が怖くて、見積もりを取る気になれない」
「売却も頭をよぎるけど、損しないか心配だ」

気になりながらも「もう少し様子を見よう」と先延ばしにしてきた方は、きっと多いはずです。

「症状が軽いうちは大丈夫」と思っていても、雨漏りは目に見えない場所で静かに家を傷め続けます。

天井のシミの裏側では、屋根下地の腐食や断熱材の劣化が同時に進んでいることも珍しくありません。

この記事では、不動産×住宅業界のプロが『【体験談】雨漏り10年放置で修理430万円…坂井さんの後悔と決断』と題して紹介します。

実際に10年放置した末に430万円の見積もりへ直面し、売却・住み替えを決断した坂井さんの体験談を通じて、「なぜ放置がここまで危険なのか」「修理と売却、どう判断すべきか」をリアルな視点でお伝えします。

同じ後悔をしないためのヒントが、きっと見つかるはずです。

この記事の執筆者
西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)
西田 喜宣|クラウドハーツ・リアルエステート代表
不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士
【無料】あなたの家、今いくら?

1社だけの査定額では、高いのか安いのか判断しにくいものです。CMでおなじみ『スーモ』の一括査定なら、約60秒で複数社にまとめて依頼できます。査定の実例や流れは、公式ページで確認してみてください。 ≫スーモの無料査定はこちら

あわせて読みたい査定ガイド

売却を考え始めたら、まず「今の価値を知ること」がスタートです。くれぐれも、1社だけの数字では高いのか安いのかを判断できません。どのサイトから査定すべきか、依頼の流れまでまとめて知りたい方は『不動産査定はどこがいい?おすすめ一括査定サイト3選をプロが比較』もあわせてご覧ください。

【この記事の取材・確認方法】
この記事は、実体験者への取材・ヒアリング内容をもとに作成しました。不動産の種類や住まいの状況、当時の悩み、検討した選択肢、実際に取った行動、その後の暮らしの変化などを確認したうえで、個人が特定されないよう一部情報を調整。実務・専門的な判断を要する箇所は、不動産コンサルタントの執筆者・西田が補足。※体験談は個別事情に基づく内容であり、同じ結果を保証するものではありません。

【体験談】雨漏りを10年放置した結果…430万円見積もりから売却までの実録

雨漏りを10年放置した経験を話す坂井 恒一さん
※記事内の写真はイメージです

早速、雨漏りを10年放置した経験を持つ、埼玉県在住の坂井恒一さんにお話を伺います。

今回お話を聞いた方
坂井 恒一さん(仮名)
坂井 恒一さん
【年齢】62歳【居住地】埼玉県
元物流会社勤務で定年退職後は妻と二人暮らし。築46年の木造二階建て住宅で暮らしていたが、約10年前から続く雨漏りを放置した結果、カビや床のたわみが発生。住宅診断で屋根下地の腐食なども見つかり、修繕費は約430万円と判明した。老後資金への不安から3社へ査定を依頼し、最終的に自宅を売却。現在は中古マンションへ住み替え、雨の日も安心して暮らしている。
プロ20年プロ20年

坂井さん、本日は
貴重な体験を聞かせて
いただきありがとうございます

坂井さん坂井さん

同じ後悔をする方が
1人でも減れば、と思って
お話しすることにしました

坂井さんは元物流会社勤務で、定年退職後は妻と2人暮らし。

築46年の木造二階建てに27年間住み続けてきましたが、雨漏りを約10年放置した末に住宅診断で深刻な被害が判明し、修理見積もりは約430万円という現実に直面しました。

その後、売却を決断して中古マンションへ住み替えた経緯を、包み隠さず話してくれました。

質問項目

  1. 雨漏りに気づいた10年前、修理を先延ばしにした理由は?
  2. 雨漏りを10年放置した結果、家にはどんな被害が広がった?
  3. 「もう限界だ」と感じた出来事は何だった?
  4. 住宅診断で判明した被害と、430万円の見積もりを見た率直な感想は?
  5. 修理ではなく、売却を考え始めたきっかけは?
  6. 3社査定でわかったことは?
  7. 最終的に、売却→住み替えを決断した理由は?
  8. 今、雨漏りを放置している人へ伝えたいことは?

それでは、あの日に感じた「まだ大丈夫」という気持ちから始まる、10年間の経緯を詳しく聞いていきます。

雨漏りに気づいた10年前、修理を先延ばしにした理由は?

プロ20年プロ20年

雨漏りに最初に気づいたのは
いつ頃、どんな状況
でしたか?

坂井さん坂井さん

2階の和室の天井に
500円玉くらいのシミが
できていたのが最初でした

ちょうど子どもが大学に進学した年のことで、まとまった出費が重なる時期だったと言います。

「業者に電話で聞いたら『その程度なら数万円で直るケースが多い』と言われて、正直ほっとしたんです」と坂井さんは苦笑いします。

坂井さん坂井さん

雨が続いた後だけ
少し滲む程度だったので
まあ大丈夫かな、と

プロ20年プロ20年

「数万円で直る」と聞くと
今すぐ動かなくてもいい気に
なってしまいますよね

先延ばしが続いた背景には、こうした事情がありました。

  • 子どもの大学費用が重なり、出費を増やしたくなかった
  • 住宅ローンの返済が残っており、家計に余裕がなかった
  • 症状が軽微で「様子見でも大丈夫」と自分に言い聞かせていた
坂井さん坂井さん

「もう少し落ち着いたら」が
気づけば1年、2年と
積み重なっていきました

「あのとき無理してでも直しておけばよかった」と今は思うと、坂井さんは静かに言います。

雨漏りを10年放置した結果、家にはどんな被害が広がった?

500円玉ほどの小さなシミが、10年後にはどんな姿になっていたのか。

坂井さんは「気づいたときには、家の中がじわじわと崩れていた感じだった」と表現します。

坂井さん坂井さん

最初はシミだけだったのが
押入れのカビも床のたわみも
全部つながっていたんですよね

プロ20年プロ20年

雨漏りは侵入した水が
壁の中や床下で広がるので
表面に出た頃にはかなり
進行していることが多いですね

坂井さんの家で実際に起きた被害を、箇所別にまとめると次の通りです。

箇所 実際に起きた被害
天井・クロス シミが500円玉サイズから徐々に拡大。クロスが浮き、最終的に剥がれ落ちた
押入れ・壁内部 数年後にカビが発生。壁内にも広がり、部屋全体に独特のにおいが染みついた
2階の床 足裏でわかるたわみが出現。ぎしぎしと沈む感覚が続き、床下地の変形が判明
屋根下地(野地板) 住宅診断で広範囲の腐食が確認。垂木・棟木にも影響が及んでいた
断熱材 水を吸って劣化が進み、冬場の寒さが年々厳しくなっていた
※坂井さんの実体験をもとにした内容です。被害の進行は建物の状態や気候条件によって異なります。
坂井さん坂井さん

断熱材が悪くなっていたのは
住宅診断で言われるまで
全く気づいていませんでした

木造住宅に水分が長期間浸入し続けると、構造材の腐食が進み、最終的には建物の耐久性そのものに影響します。

表面に見えている被害は「氷山の一角」で、壁の中や屋根裏では目に見えない劣化が同時進行しています。

「最初の1~2年で対処していれば数万円で済んだかもしれない」という坂井さんの後悔は、雨漏りを放置することのリスクを如実に示しています。

「もう限界だ」と感じた出来事は何だった?

気になりながらも、なんとかやり過ごしてきた日々に終止符を打った出来事がありました。

プロ20年プロ20年

「もう放置できない」と
感じた決定的な出来事は
何だったのでしょう?

坂井さん坂井さん

夜中に2階から
ぽたぽたという音がして
目が覚めたんです

急いで2階へ上がると、和室の天井から雨水が数か所に分かれて垂れていました。

バケツを3個並べてもぎりぎりで、タオルを何枚も使いながら夫婦で対応したと言います。

坂井さん坂井さん

妻が泣きそうな顔で
「もうどうするの」って
言ったのが今でも忘れられなくて

プロ20年プロ20年

それは本当につらい夜
でしたね…ご夫婦の
気持ちも限界でしたね

坂井さん坂井さん

その夜ほぼ眠れなくて
翌朝すぐ住宅診断を
予約しました

雨のたびに「今夜は大丈夫か」とびくびくしながら眠る生活が、じわじわと心を削っていきます。

「あの夜がなければ、まだ先延ばしにしていたかもしれない」と坂井さんは振り返ります。

住宅診断で判明した被害と、430万円の見積もりを見た率直な感想は?

翌朝すぐに連絡を入れ、数日後に住宅診断(ホームインスペクション)を受けた坂井さん。

診断士が屋根裏に入った瞬間、「あっ、これは…」という声が聞こえてきたと言います。

坂井さん坂井さん

足元がふらつく感じがして
妻と2人で
しばらく言葉が出なかったです

プロ20年プロ20年

具体的にどんな被害が
判明したか、教えて
もらえますか?

  • 屋根下地(野地板)の広範囲にわたる腐食
  • 断熱材の水濡れ・劣化による断熱性能の著しい低下
  • 垂木・棟木の一部にまで腐食が進行
  • 2階の床下地が変形(たわみの直接原因)
  • 押入れ周辺の壁内部にカビが広く発生

修理の見積もりは、屋根の葺き替え・室内の復旧・一部補強工事を合わせて約430万円。

坂井さん坂井さん

紙に書かれた数字を見て
しばらく何も言葉が
出なかったです

放置によって被害が構造材まで及ぶと、部分補修では対応できず大規模な葺き替えや補強が必要になります。

修理費は初期対応の数十倍規模になることもあり、坂井さんのケースはまさにそのパターンでした。

坂井さん坂井さん

「早く動いていれば」とは
思いましたが
もう現実を受け入れるしかなくて

「430万円という数字を見て初めて、10年間の先延ばしのコストを体で実感した」と坂井さんは言います。

修理ではなく、売却を考え始めたきっかけは?

430万円という見積もりを受け取った坂井さんが、まず考えたのは「修理して住み続けるか、手放すか」という選択でした。

プロ20年プロ20年

修理の方向で進める
選択肢はなかったですか?

坂井さん坂井さん

最初は修理ありきで
考えていたんですが
冷静に計算したら無理でした

退職後の老後資金から430万円を切り崩すことへの不安。

そして「修理が終わっても、次はどこが壊れるかわからない」という漠然とした不安も頭から離れなかったと言います。

坂井さん坂井さん

妻と話し合って
「この家にこれ以上
お金をかけるべきか」と

プロ20年プロ20年

修繕コストを回収できる
見込みが立たなければ
資金の投入は慎重になりますよね

修理しても「また何か出てくるかもしれない」という不安が消えない家に、老後を安心して過ごせるか。

そう自問したとき、売却という選択肢が現実味を帯び始めたと坂井さんは話します。

3社査定でわかったことは?

売却を意識し始めた坂井さんが次に動いたのは、不動産会社への査定依頼でした。

プロ20年プロ20年

査定額はどのように
確認されましたか?

坂井さん坂井さん

一括査定サイトを使って
3社に同時に依頼したんです
あれは便利でしたね

プロ20年プロ20年

1社ずつ探す手間が
省けますし、複数社を
比較できるのが強みですよね

坂井さん坂井さん

雨漏りのことも正直に
伝えたうえで査定して
もらいました

「雨漏りがあっても査定してもらえるのか不安でしたが、3社とも問題なく対応してくれました」と坂井さんは言います。

査定結果と、坂井さんが受けた各社の印象をまとめると次の通りです。

査定額 担当者の説明・坂井さんの印象
A社 980万円 「建物は現状渡しで、土地値として評価しました」と説明。資料を見せながら丁寧に話してくれ、信頼感があった
B社 1,150万円 「解体して更地にすれば需要が見込めるエリアです」と、地域の土地相場データを資料で提示。根拠が明確だった
C社 760万円 「修繕費用を差し引いた価格です」とのことだったが、根拠の説明が少なく、なぜその金額なのかがわかりにくかった
※実際の査定額は物件の状態・立地・市場動向などによって異なります。
坂井さん坂井さん

3社で390万円もの差が出て
「こんなに違うのか」と
正直びっくりしました

プロ20年プロ20年

築年数が古い木造は
建物評価がほぼゼロになることが多く
土地の条件が査定額を決める鍵です

築年数の古い木造住宅は建物評価がほぼゼロになるケースも多く、土地の立地や広さが査定額を左右します。

B社の担当者からは「この立地なら更地渡しで需要が十分ある」と具体的なアドバイスをもらえたことが、最終的な会社選びの決め手になったと坂井さんは話します。

坂井さん坂井さん

査定額より少し下がって
1,080万円での成約でしたが
それでも十分納得できました

なお、複数社の比較には『スーモの一括査定』がおすすめです。

選択時に各社の売却実績数を確認できるので、どの会社に査定を依頼するか迷わずに進められます。

≫スーモで査定額を比べる(無料)
※査定後に売るかどうかは自由です
※面積はおおよそでも進められます

最終的に、売却→住み替えを決断した理由は?

査定結果が出そろい、坂井さんご夫婦は「売却して住み替える」という結論に踏み切りました。

プロ20年プロ20年

最終的な決め手は
何だったんでしょうか?

坂井さん坂井さん

老後の生活を考えたとき
この家を維持し続けることへの
不安のほうが大きくなって

坂井さんが売却・住み替えを選んだ理由を整理すると、以下のようになります。

  • 老後資金から430万円を切り崩すことへの不安が大きかった
  • 修理後も維持費・追加修繕のリスクが読めず、安心して住み続けられなかった
  • 子どもが独立しており、4LDKを夫婦2人で維持する必要がなかった
  • 売却益でローンなしの中古マンションへ住み替えられる見込みが立った
  • 管理・修繕の手間から解放されたかった
プロ20年プロ20年

老後を見据えると
維持コストと安心感の
バランスが重要ですよね

坂井さん坂井さん

今の中古マンションは
管理組合がしっかりしていて
雨漏りの心配が全くないです

売却活動は約3カ月で、現状のまま売り出したところ土地活用を検討していた買い手が見つかりました。

住み替え後は、雨の日でも不安を感じることなく過ごせていると言います。

「雨のたびにびくびくする生活から解放されただけで、生活の質がぐっと上がった気がします」という坂井さんの表情は、どこかすっきりとしていました。

今、雨漏りを放置している人へ伝えたいことは?

最後に、いま雨漏りを放置している方へ向けて、坂井さんから実体験を踏まえたメッセージをいただきました。

プロ20年プロ20年

同じ状況にいる方へ
一番伝えたいことを
お聞かせください

坂井さん坂井さん

「まだ大丈夫」は
雨漏りに限っては
通用しないということです

坂井さんが特に伝えたいことは、次の3点です。

  • 雨漏りは放置するほど被害範囲が広がり、修理費が膨らむ
  • 売却を考えるなら、家の状態が悪化する前に動いたほうが査定額に有利
  • 住み替えという選択肢は「逃げ」ではなく、現実的な問題解決の1つ
坂井さん坂井さん

私みたいに10年も
引っ張ってしまうと
選択肢が本当に狭くなります

「様子見」が続くほど、修理か売却かどちらの選択をしても負担は増える一方です。

「住宅診断でまず現状を把握して、それから修理か売却か判断するのが正解だったと、今なら言えます」と坂井さんは話してくれました。

プロ20年プロ20年

現状を正確に知ることが
すべての判断の
出発点になりますよね

坂井さん坂井さん

あの夜バケツを並べながら
「もっと早く動けば
よかった」と本当に思いました

「気になった時点で動く」という判断が、結果的に選択肢を広げ、後悔を減らすことにつながります。


以上、雨漏りを10年放置した結果、430万円の修理見積もりに直面し売却・住み替えを決断した坂井恒一さんの、貴重な実体験をインタビュー形式でお届けしました。

坂井さんが「査定してみて初めて、売却が現実的な選択肢になった」と話していたのが印象的でした。

プロ20年プロ20年

雨漏りがある家でも
土地の条件次第で
想定以上の価格がつく
ケースは少なくありません

「どうせ売れない」と諦める前に、まず現状の価値を知ることが大切です。

修理か売却かの判断は、査定額という「数字」を手にしてから考えても遅くはありません。

なお、複数社の比較には『スーモの一括査定』がおすすめです。

選択時に各社の売却実績数を確認できるので、どの会社に査定を依頼するか迷わずに進められます。

≫スーモで査定額を比べる(無料)
※査定後に売るかどうかは自由です
※面積はおおよそでも進められます

査定額を正しく見極めるために不動産の査定額は売却価格の目安であり、その金額での売却を保証するものではありません。査定額の高さだけでなく、算出根拠と担当者の説明もしっかり確認しましょう。

【現状チェック】雨漏りを10年放置した家で先に押さえたい6つの判断材料

天井のシミや壁の雨漏りをチェック
坂井さんは、約10年続いた雨漏りを住宅診断で調べた結果、屋根下地や構造材などにも劣化が見つかり、修理費は約430万円になりました。

その結果だけを見て「自分も売ったほうがいい」と考えるのではなく、今の家で何が確認できているかを整理することが大切です。

プロ20年プロ20年

同じ10年の雨漏りでも
家の傷み方や資金状況で
選べる方向は変わります
まず材料をそろえたいですね

次の表は、問題に当てはまる項目へチェックするものではありません。

判断に必要な情報まで確認できている項目にチェックを入れてください。

【確認】□にチェックできます

チェックが付かなかった項目は、まだ判断材料が不足している可能性がある部分です。

修理・売却・住み替えのどれを選ぶ場合でも、まず未確認の材料を順番に整理していきましょう。

雨漏りの原因と被害範囲を専門的に確認できていますか?

天井のシミや水滴だけでは、雨漏りが家のどこまで影響しているかまでは判断できません。

坂井さんの家でも、目に見えていた症状だけでなく、住宅診断によって屋根下地の広い範囲の腐食、垂木・棟木への影響、断熱材の劣化、2階床下地の変形などが見つかりました。

プロ20年プロ20年

雨漏りは見える症状と
内部の傷み具合が
一致しないこともあります
まず範囲を知るのが先ですね

そのため、雨漏りを10年放置している場合は、「シミが小さいから大丈夫」と見た目だけで決めず、原因と内部の状態まで確認できているかが最初の判断材料になります。

被害が限られている場合と、屋根下地や構造部分まで傷んでいる場合では、必要な修理も今後の選択肢も変わるからです。

現在の被害範囲を具体的に把握できているなら、この項目にチェックを入れてください。

修理内容と必要な費用の全体像を確認できていますか?

被害状況がわかっても、修理に必要な範囲と費用が不明なままでは、住み続けるかどうかを比べにくいままです。

坂井さんは住宅診断後、屋根の葺き替え・室内の復旧・一部補強工事を合わせて約430万円の見積もりを受け取りました。

プロ20年プロ20年

修理費は金額だけでなく
どこまで直す費用なのかも
合わせて見ておくと
判断しやすくなりますね

大切なのは、目先の雨漏りだけを止める費用ではなく、確認された劣化をどこまで直す必要があるかまで把握することです。

必要な工事が限られていれば修理して住み続ける選択を考えやすくなりますが、複数の場所に修繕が必要なら判断は変わるでしょう。

必要な修理内容と費用の全体像まで確認できていれば、チェックを入れてください。

修理費を出した後の家計・老後資金を確認できていますか?

修理できる金額かどうかだけでなく、支払った後の生活まで考える必要があります。

62歳で定年退職していた坂井さんは、老後資金から430万円を切り崩すことに不安を感じ、修理ありきだった考えを見直しました。

プロ20年プロ20年

払えるかどうかだけではなく
払った後の暮らしまで
見ておくことが
大事な判断材料ですね

一方、修理費を出しても今後の生活資金に十分な余裕があり、その家へ長く住みたい場合は、修理する方向も考えやすくなります。

だからこそ、修理後に残る資金と今後必要なお金を合わせて考えることが重要です。

修理費を支払った後も含めて家計の見通しを確認できているなら、この項目にチェックしてください。

今の家に今後も住み続ける必要性を家族で整理できていますか?

修理費だけで判断すると、「直せるなら直す」という考えに偏ってしまうことがあります。

坂井さんの場合は子どもがすでに独立しており、夫婦2人で4LDKを維持する必要性も売却・住み替えを考える材料になりました。

プロ20年プロ20年

家の状態だけでなく
これからの暮らしに
その広さや間取りが必要かも
一緒に考えたいですね

反対に、家族構成や生活の都合から今の家に住み続ける意味が大きければ、費用をかけて修理する判断にも理由があります。

大切なのは、過去ではなく今後の暮らしに家が合っているかを家族で考えることです。

「せっかく長く住んだ家だから」という思いだけでなく、今後の維持負担まで含めて話し合えているかを確認してください。

雨漏りがある現状のまま売る場合の価値を確認できていますか?

「雨漏りがあるから売れない」と思い込んでしまうと、修理する以外の選択肢を比べられません。

坂井さんは雨漏りの状況を伝えたうえで3社へ査定を依頼し、査定額は760万円・980万円・1,150万円と最大390万円の差がありました。

プロ20年プロ20年

雨漏りがある家ほど
評価の考え方に差が出る
場合もあります
金額の根拠も見たいですね

最終的には1,080万円で成約しており、現状のまま売った場合の価値を知ったことが、修理との比較を現実的にしました。

もちろん、売却価格は家の状態だけでなく土地や立地などによって変わるため、坂井さんと同じ結果になるわけではありません。

今の状態を伝えたうえで売却価値とその根拠を確認できているなら、この項目にチェックを入れてください。

住み替えた場合の住居費と生活の見通しを確認できていますか?

売却できそうだからといって、住み替えが自分に合うとは限りません。

坂井さんご夫婦は、売却によってローンなしで中古マンションへ住み替えられる見込みが立ったことも、決断を後押しする材料になりました。

プロ20年プロ20年

売った後の暮らしまで
数字で見えてくると
修理との比較もしやすく
なってきますね

反対に、売却後の住まいに大きな費用が必要だったり、生活環境が大きく変わったりするなら、今の家を修理するほうが合う場合もあります。

売却後にどこへ住み、どのくらい住居費がかかるかまで考えて、初めて修理との比較ができます。

売った後の生活が見えないまま手放す判断をしないためにも、住み替え後まで整理できていればチェックしてください。


【チェック後の見方】

チェックの数ではなく、重要な判断材料がそろっているかを確認してください。

  • チェックが付かなかった項目は、次に確認することとして整理する
  • 被害範囲・修理費・資金への影響など、判断を大きく左右する未確認項目から確かめる
  • 必要な材料がそろってから、修理・売却・住み替えを自分の条件で比べる

坂井さんは、住宅診断や修理見積もり、査定によってそれまで見えていなかった判断材料がそろったことで、売却・住み替えという結論を出せました。

あなたの場合も、チェックが付かない部分をそのままにせず確認していけば、「雨漏りを10年放置した家をこれからどうするか」を自分の条件で考えやすくなるはずです。

【プロが分析】雨漏りを10年放置した坂井さんが修理より売却を選んだ3つの理由

坂井さんは、最初から家を手放そうと考えていたわけではなく、住宅診断を受けるまでは「修理して住み続ける」ことを前提にしていました。

ところが調べてみると、屋根下地だけでなく、垂木・棟木・床下地・断熱材・壁内部まで被害が広がっており、修理見積もりは約430万円。

さらに、退職後の資金や今後の暮らしまで考えた結果、430万円をかけて直す意味そのものを考え直したことが、売却への大きな転換点になっています。

プロ20年プロ20年

430万円という
数字だけを見ると
修理か売却かで
迷って当然ですよね

この実体験を掘り下げると、判断を変えた理由は次の3つに整理できます。

坂井さんの判断が変わった3つの理由

  1. 電話で聞いた「数万円」が安心材料になり、被害の広がりに気づくのが遅れた
  2. 430万円の高さより、退職後の暮らしと築46年の家が合わなくなったことが大きかった
  3. 3社査定の760万~1,150万円が「直さず売る」選択を現実にした

ポイントは、「雨漏りを10年放置したら売るべき」という単純な話ではないことです。

坂井さんだから売却へ傾いた理由を順番に見ていきます。

電話で聞いた「数万円」が安心材料になり、被害の広がりに気づくのが遅れた

10年前、坂井さんが最初に見つけたのは、2階和室の天井にできた500円玉ほどのシミでした。

会社へ電話すると「その程度なら数万円で直るケースが多い」と聞き、坂井さん自身も「正直ほっとした」と振り返っています。

ただ、ここで注意したいのは、「数万円で直るケースが多い」は坂井さんの家を調べた修理見積もりではなかったことです。

その後の経過まで含めると、当初の認識と実際の状態には次のような差がありました。

時点 確認できたこと 判断への影響
約10年前 天井に500円玉ほどのシミ。電話では数万円で直るケースが多いと聞いた 症状も負担も小さいという安心材料になった
放置後 カビ、床のたわみ、雨水が数か所から落ちる状態まで進んだ 「様子を見る」という選択を続けにくくなった
住宅診断後 屋根下地、垂木・棟木、床下地、断熱材、壁内部などにも傷みが判明した 屋根の一部を直せば済むという前提が変わった
プロ20年プロ20年

雨漏りは入口だけ
直せば終わりとは
限らないところが
難しいんですよね

最終的な約430万円は、屋根の葺き替えだけではなく、室内の復旧や一部補強工事まで合わせた見積もりでした。

つまり、雨水が入る場所を直す工事と、すでに傷んだ部分を戻す工事が重なったことで、当初イメージしていた修理とは規模が変わったわけです。

一方で、雨漏りを10年放置した家が必ず430万円かかるわけではありません。

雨水の入り方や建物の構造、傷んでいる範囲によって必要な工事は変わるため、「何年放置したか」だけで修理費を判断することはできないからです。

坂井さんの実体験から学びたいのは、最初に聞いた金額の大小より、家の中で何が起きているかを早い段階で把握する重要性でしょう。

430万円の高さより、退職後の暮らしと築46年の家が合わなくなったことが大きかった

約430万円の見積もりを受け取ったからといって、それだけで売却が正解になるわけではありません。

坂井さんの場合は62歳で定年退職後、妻との2人暮らしで、子どもはすでに独立していました。

その状況で築46年の4LDKを直すには老後資金から430万円を出す必要があり、さらに修理後も別の場所が傷む不安を抱えていた点が大きかったと考えられます。

「430万円を払えるか」ではなく「払ったあと、この家でどんな暮らしが続くか」まで考えたことが重要です。

プロ20年プロ20年

修理費だけを見ると
判断しにくいですが
その先の暮らしまで
見ると整理しやすいですね

もし坂井さんが現役で安定収入があり、今後も家族で長く4LDKを使う予定だったなら、同じような修理額でも住み続ける判断になった可能性はあります。

反対に今回は、老後資金を大きく使っても、築46年の家を今後どこまで維持できるか読みにくいという事情が重なっていました。

加えて、夫婦2人になった坂井さんにとって、子どもが独立した後も4LDKを維持し続ける必要性は以前より下がっています。

そのため約430万円は、単なる「高い修理費」ではなく、今の家とこれからの生活が合っているかを見直すきっかけになったと見るほうが実態に近いでしょう。

雨漏りを10年放置して高額な見積もりが出ても、修理か売却かを金額だけで決めず、その家を直した先に何年、どんな暮らしをしたいのかまで含めて考える必要があります。

3社査定の760万~1,150万円が「直さず売る」選択を現実にした

坂井さんの判断でもう1つ大きかったのが、雨漏りの状態を正直に伝えたうえで3社へ査定を依頼したことです。

結果は760万円、980万円、1,150万円と開き、最高額と最低額では390万円もの差がありました。

単に査定額が違っただけではなく、建物をどう見るか、土地をどう評価するかという前提そのものが各社で違っていた点に注目したいところです。

実際に出た数字・結果 坂井さんの判断に与えた意味
3社査定760万~1,150万円 雨漏りがあっても売却できる可能性が数字で見えた
1,150万円の査定では土地需要を評価 建物を直して価値を戻す以外の出口が見えた
最終的に1,080万円で成約 約430万円をかけて修理してから売る必要はなかった
売却期間は約3カ月 土地活用を考える買い手との条件が合った

ここで誤解してはいけないのが、430万円かけて修理すれば、売却価格も430万円上がるわけではないことです。

坂井さんの場合、建物の傷みがあっても土地として評価する会社があり、実際に土地活用を考える買い手が見つかったため、修理前の売却が成立しました。

プロ20年プロ20年

売る前に直したほうが
得とは限りません
土地として見る買い手も
いるからなんですよね

一方、土地の需要や立地条件が違えば、同じ築年数や雨漏りの状態でも査定結果は変わります。

坂井さんの1,080万円という成約価格を、そのまま別の家へ当てはめることはできません。

また、坂井さんが3社すべてに雨漏りを正直に伝えた点も見逃せません。

現状のまま売ることと、不具合を隠して売ることは全く別です。

把握している雨漏りや住宅診断の内容は不動産会社へ正確に伝え、買い手にも建物の状態がわかる形で売買条件を整えることが、売却後のトラブルを避けるうえで大切になります。

坂井さんのケースでは、住宅診断で430万円という修理費を知ったあとに売却価格まで確認したことで、「直して住む」だけだった選択肢が「直さず売って住み替える」まで広がりました。


以上、雨漏りを10年放置した坂井さんの実体験から、430万円の修理より売却を選んだ理由と、同じ後悔を避けるために知っておきたい判断の背景を専門家視点で紹介しました。

まとめ:雨漏りをこれ以上放置せず、まずは調査で家の現状を明らかにしよう

雨漏りした家の住宅診断書と不動産査定書を見比べる
今回の不動産とーくは『【体験談】雨漏り10年放置で修理430万円…坂井さんの後悔と決断』と題して解説しました。

プロ20年プロ20年

雨漏りを10年放置した家の
現実、少し具体的に
イメージできましたか?

雨漏りを放置してきた方の多くは、怠けていたわけではありません。

子どもの学費、ローンの残り、退職後の生活…そのときどきで、家の修理より優先すべきものがあっただけです。

私はこれまで3,000件を超える相談を受けてきましたが、「あのとき動けなかった自分」を責めている方ほど、今も一歩を踏み出せずにいる傾向があります。

プロ20年プロ20年

過去は変えられませんが
これから増える損は
今日から止められますよ

必要なのは反省ではなく、今の家がどんな状態で、いくらの価値があるのかという事実です。

それさえ手元にあれば、修理でも売却でも、あなたが納得して選べます。

業界歴20年以上「不動産コンサル西田」のアドバイス

最後に、記事の中では触れなかった点を1つお伝えします。

それは、雨漏りの履歴は、売却するときに買主へ伝える義務があるということです。

黙って売ると、引き渡し後に「契約不適合責任」を問われます。買主から修理費を請求されたり、場合によっては契約を解除されたりするものです。

一方で、雨漏りを正直に伝えて契約書に明記し、現況有姿での引き渡しと責任の免責を売主・買主の合意として残しておけば、売ったあとに追いかけられる心配はほぼなくなります。

プロ20年プロ20年

「言わないほうが高く売れる」は
完全な誤解です
むしろ調査結果を出したほうが
買主は安心して判断できます

つまり、原因調査は修理のためだけのものではありません。

調査記録は、次のような場面でそのまま役立ちます。

  • 不動産会社に建物の状態を正確に伝えられる
  • 買主への告知資料になり、値引き交渉の材料を減らせる
  • 修理費と売却額を同じ土俵で比べられる
  • 家族に説明するときの共通の判断材料になる

調査は、修理を選んでも売却を選んでも無駄にならない。これが、私が調査を先にすすめる理由です。

今週できることに落とすなら、屋根の調査を1社に依頼し、同時に不動産会社2~3社へ査定を出す。この2つだけで判断材料はそろいます。

査定を受けたからといって、売らなければいけないわけではありません。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

10年迷い続けた方が、今日いきなり決断する必要はありません。

雨の夜に天井を見上げてため息をつく生活を、来年の今ごろまで続けるかどうか。それだけ決めれば、次の動きは自然と見えてきます。

以上『【体験談】雨漏り10年放置で修理430万円…坂井さんの後悔と決断』でした。

この記事の執筆者
西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)
西田 喜宣|クラウドハーツ・リアルエステート代表
不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士
はじめて査定を受ける方へ

どこに査定を頼めばいいのか迷い、1社の金額だけで決めてしまう方は少なくありません。実際、3社以上に査定を出した612名の約75%が「最高値と最低値に100万円以上の差があった」と回答しています。複数社の比較に役立つプロ厳選の一括査定サイトを知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

▼ 詳しく見る ▼
売却を進める前に確認したいこと現状に悩みや負担があっても、すぐに売却したほうがいいとは限りません。ローン残債、家族や親族の意向、今後の暮らしや維持管理を整理しないまま進めると、売ったあとに後悔することがあります。検討の際は、売却した場合と売却せずに今の状態を続けた場合を十分に比べることが大切です。

この記事を読んだ人には下記もおすすめです。
ぜひあわせてチェックしてみて下さい。

よく一緒に読まれる人気記事
よく一緒に読まれる人気記事