「実家を売るって、親への裏切りじゃないか…」
「頭ではわかってる。でも、踏み出せない」
「同じ気持ちの人は、どうやって乗り越えたんだろう」
実家じまいを前にして、こんな気持ちをぐるぐると抱えている方は少なくありません。
親が他界したり施設に入ったりすると、悲しみが落ち着く間もなく、空き家になった実家の今後という現実が押し寄せてきます。
「売ろうか」「でも寂しい」「つらい」、その繰り返しで、何カ月も決断できないまま時間が過ぎていく…。
ただ、「寂しいから」という理由だけで決断を先送りし続けることにも、現実的な代償があることだけは、頭の片隅に置いておいてほしいと思います。
この記事では、不動産×住宅業界のプロが『【体験談】実家じまい寂しい…つらい売却を乗り越えた有田さんの1年後』と題して紹介します。
実際に実家売却のつらさと向き合い、乗り越えた有田紗枝さん(53歳)の体験を通して、「寂しさを抱えたまま、どうやって前に進んだのか」をリアルにお伝えします。
同じ気持ちで悩む方の、小さな一歩のヒントになれば幸いです。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)

-
不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士

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【この記事の取材・確認方法】
この記事は、実体験者への取材・ヒアリング内容をもとに作成しました。不動産の種類や住まいの状況、当時の悩み、検討した選択肢、実際に取った行動、その後の暮らしの変化などを確認したうえで、個人が特定されないよう一部情報を調整。実務・専門的な判断を要する箇所は、不動産コンサルタントの執筆者・西田が補足。※体験談は個別事情に基づく内容であり、同じ結果を保証するものではありません。
【体験談】実家じまいで寂しい気持ちと売却に向き合った53歳の葛藤と変化

実家じまいが寂しい、つらいと感じながらも、現実と向き合い売却を決断した愛知県在住・有田紗枝さん(53歳)にお話を伺います。
- 有田 紗枝さん(仮名)

-
【年齢】53歳【居住地】愛知県
【自己紹介】愛知県在住の主婦。医療事務のパートをしながら2人の子どもを育て上げた。2年前に父親を亡くし、認知症の母親が施設へ入居したことをきっかけに、築38年の実家(木造2階建て・4LDK)の売却を決断。維持費や空き家リスクを前に頭では理解しながらも、幼少期の記憶が詰まった家を手放すことへの罪悪感と寂しさに長く苦しんだ。売却から1年が経った現在は「あの家で育ったから今の自分がいる」と思えるようになり、前向きに日々を送っている。
プロ20年 有田さん、本日は
つらい経験を打ち明けて
いただきありがとうございます
有田さん 同じ思いを抱えている方の
少しでも力になれれば
うれしいです
実家の売却から1年が経った今も、あの日々の記憶はくっきりと残っていると言います。
- 父親の急逝・母親の施設入居で「実家じまいが現実になった」と感じた瞬間は?
- 売却を決断するまでに「やっぱりやめようか」と迷い直した瞬間はあった?
- 査定担当者の前で涙がこぼれたとき、頭の中に何が浮かんでいた?
- 実家の片づけ・荷物の整理で「いちばんつらかった作業」は何だった?
- 引き渡し当日、玄関先で30分以上動けなかった理由を言葉にするとしたら?
- 寂しい気持ちで一番つらかったのはどのタイミング?どう乗り越えた?
- 実家売却が寂しい・つらいと感じながらも前に進みたい人へ伝えられること
それでは、有田さんが歩んできた2年間の経緯を、ひとつひとつ聞いていきます。
父親の急逝・母親の施設入居で「実家じまいが現実になった」と感じた瞬間は?
父親が急性心筋梗塞で亡くなったのは、2年前の秋のことでした。
プロ20年 突然のことで、
気持ちの整理もままならない
うちに手続きが続いたのでは?
有田さん 葬儀が終わったら
すぐに母のことが
のしかかってきました
父親が亡くなった時点で、すでに母親の認知症はかなり進んでいたそうです。
一人では実家に住み続けられない状況だったため、施設への入居を検討し始め、最終的に半年後に入居手続きが整いました。
有田さん 実家の鍵を受け取った日に
「あ、もうここには
誰も住まないんだ」と
がらんとした居間に父のメガネだけが残っていて、その光景が「実家じまい」の始まりを突きつけられた瞬間だったと、有田さんは静かに話します。
空き家になってからも、固定資産税や火災保険料、最低限の維持管理費など、年間約25万円のコストが静かにかかり続けていたと言います。
弟さんとも相談しながら、「いつかは決断しなければ」という気持ちは早い段階からあったそうです。
ただ、頭でわかっていても、心がついていかない。
そのギャップが、その後の長い葛藤の始まりでもありました。
売却を決断するまでに「やっぱりやめようか」と迷い直した瞬間はあった?
弟さんと話し合いを重ねて「売却する方向で」という結論に至ったのは、母親が施設に入居してから4カ月ほど経った頃のこと。
でも、その後もゆらゆらと気持ちが揺れ続けたと言います。
プロ20年 頭では決めたつもりでも、
気持ちがなかなかついてこない…
そういう方、本当に多いですね
有田さん 何かのはずみで
昔の記憶が出てくると
「やっぱりやめようか」って
特に印象的なエピソードを聞かせてもらいました。
実家の押し入れを整理していたとき、幼稚園の入園式前夜に家族4人で庭に出て撮った写真が出てきたそうです。
桜がまだ咲いていない庭で、父親が笑いながらカメラを構えていた。
その1枚の写真を手にしたとたん、「この家を売ったら、この記憶ごと消えてしまうような気がして」と有田さんは言葉を選びながら話します。
もうひとつ、忘れられない記憶があります。
18歳で上京する朝、玄関で母親と二人で泣いたこと。
有田さん 「行ってきます」って言ったら
母が声を上げて泣いて…
あの玄関をなくすのが怖かった
プロ20年 場所ではなく、
そこに刻まれた記憶を
手放す怖さですね…
それでも最終的に売却へ踏み切れたのは、「空き家のまま朽ちていく姿を見るほうが、もっとつらい」という思いからだったと言います。
実家売却は寂しい決断ですが、放置による老朽化や近隣への迷惑リスクを考えると、早めに動き出すことが家への誠意にもなると有田さんは感じたそうです。
査定担当者の前で涙がこぼれたとき、頭の中に何が浮かんでいた?
売却を決めたあと、有田さんの心はまだ揺れたままでした。
プロ20年 査定はどのように
会社を探されたんですか?
有田さん 一括査定を使いました
複数社の額を見比べられたのが
本当に助かりました
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各社の査定額は以下の通りです。
| 査定会社 | 査定額 |
|---|---|
| A社 | 980万円 |
| B社 | 1,050万円 |
| C社 | 1,020万円 |
| D社 | 890万円 |
査定額の差は最大160万円。複数社を比較したことで、相場を正確に把握できたと有田さんは振り返ります。
その後、訪問査定に来た担当者が実家の中を見て回っていたとき、居間のあたりで有田さんは思わず涙をこぼしてしまったそうです。
プロ20年 そのとき、頭の中には
何が浮かんでいたんですか?
有田さん 担当者さんが
「建物の状態は…」って話し出した瞬間
ここが「物件」になった、と感じて
長年家族が暮らした場所が、数字と状態で評価される。それは当然のことなのに、「物件」という言葉が自分の記憶に踏み込んできたような感覚がして、涙が止まらなかったと言います。
担当者の方がそっとティッシュを差し出してくれたこと、そしてその後「大切な家ですね」とひと言添えてくれたことが、今でも心に残っているそうです。
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実家の片づけ・荷物の整理で「いちばんつらかった作業」は何だった?
売却活動と並行して進めた実家の片づけ。
有田さんは弟さんと分担しながら、週末ごとに実家へ通い続けたと言います。
プロ20年 荷物の量はどれくらいでしたか?
相当な量だったと聞きましたが…
有田さん 38年分の生活が
丸ごと残っていたので
本当に途方に暮れました
洋服や食器、父親の仕事道具、母親が集めていた手芸用品…。
「捨てる」「残す」「弟に確認する」という3つの山に分けながら作業を続けました。
その中でいちばんつらかったのは、と聞いてみると、少し間を置いてこう答えてくれました。
有田さん 父の書斎の本棚を
片づけるときが
一番きつかったです
付箋がびっしり貼られた本、父親の手書きのメモが挟まった手帳。
「読んでいた本の種類を見て初めて、父がどんなことを考えていたのか少しわかった気がして」と、有田さんは目を細めます。
生前に会話できなかった部分を、遺品を通じて初めて知る、という経験は、喜びと悲しみが混ざった複雑な感情だったそうです。
作業が行き詰まったときは、「今日はここまで」と決めて切り上げることを自分に許すようにしたと言います。
無理に一気に片づけようとせず、自分のペースで進めることが、心を守ることにもつながったそうです。
引き渡し当日、玄関先で30分以上動けなかった理由を言葉にするとしたら?
売却活動は約3カ月で進みました。
複数社の査定額を比較して相場を把握できたことで、最終的には1,030万円での成約に至り、有田さんは納得感を持って契約を結べたと話します。
そして迎えた、引き渡しの当日。
プロ20年 いよいよ鍵を渡す日。
どんな気持ちで
実家に向かいましたか?
有田さん 「最後だから早めに行こう」
と思っていたのに
玄関の前で足が止まって
30分以上、玄関先に立ったまま動けなかった。
その理由を言葉にしてもらうと、こんな答えが返ってきました。
有田さん 中に入ったら
もう出てこなきゃいけない
それが怖くて
「最後に入る」ということが、「もう二度と入れない」と同じ意味になる。
その重さが、足を止めさせたのだと言います。
最終的に弟さんに背中を押してもらい、2人で中に入って各部屋を一回りしました。
「さよならじゃなくて、ありがとうって言いに来たんだ」と思い直してから、ようやく気持ちが落ち着いたと有田さんは話します。
寂しい気持ちで一番つらかったのはどのタイミング?どう乗り越えた?
売却前、売却中、そして引き渡し後。
それぞれの場面でつらさの種類が違ったと有田さんは言います。
プロ20年 実家を手放す寂しさは、
どのタイミングが
一番きつかったですか?
有田さん 引き渡しの翌日が
ダントツでつらかったです
翌朝、目が覚めた瞬間に
「もうあの家はない」という事実が、起きた瞬間にどっとのしかかってきたと言います。
引き渡し当日よりも、翌日の朝のほうがずっとつらかった。
プロ20年 非日常から日常に戻ったとき
ふっと現実に気づく…
その落差はつらいですね
しばらくは、ふとしたときに実家の夢を見たり、母親に電話して「家どうした?」と聞かれるのが怖くて連絡を後回しにしたりしていたそうです。
気持ちが少しずつ変わり始めたのは、売却から3カ月ほど経った頃のこと。
有田さん 自分の子どもが小さい頃の
アルバムを整理していたら
実家で撮った写真がたくさんあって
庭でバーベキューをした写真、父親の膝の上で眠っている子どもたちの写真。
「家はなくなっても、ここで過ごした時間は自分の中に残っている」と気づいたとき、涙は出たけれど、それまでとは違う涙だったと言います。
そして売却から1年が経った今、有田さんはこう話します。
有田さん あの家で育ったから
今の自分がいると
心から思えるようになりました
実家じまいの寂しい気持ちは消えないけれど、その家で育ったことへの感謝が、少しずつ悲しみの上に重なっていったと有田さんは静かに笑います。
実家売却が寂しい・つらいと感じながらも前に進みたい人へ伝えられること
最後に、同じ気持ちを抱えながら実家売却に向き合っている方へ向けて、有田さんに言葉をもらいました。
有田さん 泣いていいんです
つらくて当然なんです
それだけ大切な家だったんだから
有田さんが伝えたいことをまとめると、こうなります。
- 「寂しい」「つらい」という感情を、無理に消そうとしない
- 片づけや手続きは、自分のペースでいいと割り切る
- 思い出の品は写真に撮っておくと、手放しやすくなる
- 一人で抱え込まず、兄弟姉妹や家族、親戚と一緒に進める
- 複数社の査定額を比較することで、納得感を持って進められる
「決断を急ぐ必要はない。でも、決めたなら後悔しないための準備だけはしっかりと」と有田さんは言います。
実家売却はつらい経験です。
でも、その家で育った時間は誰にも奪えない、と有田さんは最後に静かに言い添えました。
プロ20年 つらい記憶を丁寧に
話してくださり
ありがとうございました
有田さん 売却は終わりじゃなくて
あの家への感謝を
形にする方法だったと思っています
以上、実家売却の寂しさやつらさと向き合いながら前に進んだ有田紗枝さんの貴重な体験談を、インタビュー形式で紹介しました。
「売ると決めてから動く」ではなく、「数字を知ってから考える」という順番でも、何もおかしくありません。
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【アンケート】実家売却後161人の回答|実家じまいは寂しいものだった?
![[売却後161人の回答]実家じまいは寂しいものだった?](https://realestate-talkbar.jp/wp-content/uploads/2023/01/r99r87b09.jpg)
実家じまいとは、両親との同居、他界、または施設や病院へ入る事を機に、誰も住まない実家を売却または処分すること。
過去の思い出や家族の絆を再確認する場合も多く、その寂しい、つらい思いから、実家がなくなるということを受け入れられず、なかなか一歩踏み出せない人も少なくありません。
そこで実際に、実家じまいで売却を経験した161人に『実家じまいは寂しいものだった?』と聞いて、アンケートを取ってみました。
プロ20年 結果は以下の通りです

- はい→129人(80.1%)
- いいえ→32人(19.9%)
上記の通り「はい(寂しいものだった)」と答えた人が全体の約8割にのぼりました。
この高い割合は、実家じまいが単なる不動産の売却ではなく、個人的な思い出や感情が詰まった場所を手放す行為でもあるということを物語っていると考えます。
幼少期から成長期にかけての大切な記憶、家族との絆や共有した瞬間を振り返らせるため、実家じまいでの売却は、多くの人にとって感情的に寂しい、つらいものとなるのでしょう。
どこに査定を頼めばいいのか迷い、1社の金額だけで決めてしまう方は少なくありません。実際、3社以上に査定を出した612名の約75%が「最高値と最低値に100万円以上の差があった」と回答しています。複数社の比較に役立つプロ厳選の一括査定サイトを知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
「不動産査定はどこに頼めばいいの?」 「1社だけでは損するって聞いたけど?」 「まだ売るか決めていない…査定していい?」 いざ売却を考え始めたけど、こうした不安を抱えていませんか? 結論、不動産査定で大切なのは、「どの1 …
実家じまいが寂しい・つらいときに確認したい6つの判断材料
有田さんは、実家を売却したほうがいいと頭では理解していても、思い出が詰まった家を手放す寂しさから何度も気持ちが揺れました。
一方で、実家を残す負担や家族との話し合い、売却価格などを1つずつ確かめたことで、納得できる決断につながっています。
実家売却が寂しいと感じているあなたも、まずは気持ちと現実の両方で何を確認できているかを整理してみてください。
| 確認したいこと | |
|---|---|
チェックが付かない項目は、売却を急ぐ理由ではなく、これから確認したい判断材料として考えていきましょう。
プロ20年 寂しさが残っていても
判断材料は少しずつ
整理していけます
急いで答えを出さなくて大丈夫です
今後、実家を誰が住む・使うのか整理できていますか?
有田さんの場合、父親が亡くなり、認知症が進んでいた母親も施設へ入居したことで、実家は誰も住まない状態になりました。
鍵を受け取った日に「もうここには誰も住まない」と実感したことも、実家じまいと向き合う大きなきっかけになっています。
まず確認したいのは、今後その実家を使う具体的な予定があるかです。
プロ20年 売るか残すかの前に
今後の使い道から
整理してみると
考えやすくなりますね
家族が住む予定や定期的に利用する目的がある場合と、今後も空き家になる場合では、残す意味も変わります。
「いつか誰かが使うかも」だけでなく、誰が・いつ頃・どのように使う可能性があるかまで整理できているか確認してみてください。
実家を残した場合の費用と管理負担を把握できていますか?
有田さんの実家では、空き家になったあとも固定資産税や火災保険料、最低限の維持管理費などで、年間約25万円のコストがかかっていました。
また、有田さんが最終的に売却へ踏み切った背景には、空き家のまま家が傷んでいくことへの不安もありました。
実家を残すなら、お金だけでなく、定期的に様子を見に行く方や管理を続ける負担も考える必要があります。
プロ20年 維持費だけを見るより
誰が管理を続けるかも
一緒に考えておくと
現実が見えやすいですね
費用を無理なく負担でき、管理を続けられる環境があるなら、急いで売却しない選択も考えられます。
反対に負担が続く場合は、費用と管理の両方をどこまで続けられるかを確認してから判断したいところです。
実家を売る・残す方向性を家族と話し合えていますか?
有田さんは弟さんと何度も相談し、母親が施設へ入居してから約4カ月後に「売却する方向で」と考えをまとめました。
それでも気持ちは揺れ続けており、家族で方向性を決めたからといって、寂しさまで一度に消えたわけではありません。
実家じまいでは、家族それぞれの考えを確認できているかが大切な判断材料になります。
プロ20年 家族で同じ結論でも
気持ちまで同じとは
限らないので
話す時間は大切ですね
売りたい方、残したい方、まだ決められない方がいるなら、その違いを把握しないまま進めないほうが納得しやすいでしょう。
結論だけでなく、今後の実家をどう考えているかまで共有できているか振り返ってみてください。
実家売却が寂しい・つらい理由を自分の言葉で整理できていますか?
有田さんが特につらく感じていたのは、家そのもの以上に、そこに刻まれた家族との記憶まで失うように感じていたことでした。
幼い頃の家族写真を見つけたときには、家を売ることで思い出まで消えてしまうような怖さを感じ、再び迷いが生まれています。
実家売却がつらいときは、「売りたくない」で止めず、何を失うことが一番寂しいのかを考えてみると、自分の気持ちを整理しやすくなります。
プロ20年 気持ちに名前がつくと
売る・残すとは別に
何を大切にしたいかが
見えやすくなりますよ
家そのものを残したいのか、家族との思い出を残したいのかでは、考えられる選択肢も変わります。
寂しさを無理になくす必要はなく、まずはその理由を自分なりに言葉にできているか確認してみてください。
手放す前に残したい思い出や品を選べていますか?
有田さんの実家には38年分の家財が残っており、弟さんと週末ごとに片づけを進めました。
父親の本や手帳などを整理する中で、初めて知った父親の一面もあり、片づけそのものが気持ちと向き合う時間にもなっています。
実家を売る可能性があるなら、処分を進める前に自分や家族が残しておきたい物を確認しておくことが大切です。
プロ20年 売却の準備より先に
残したいものだけでも
考えておくと
心残りを減らしやすいです
有田さんも一気に片づけず、つらくなった日は途中で切り上げながら進めていました。
まだ大切な品を選べていないなら、気持ちが追いつかないまま処分を進めないことも判断材料の1つです。
実家の売却見込み額と残す場合の負担を比べられていますか?
有田さんは4社へ査定を依頼し、査定額は890万円~1,050万円と最大160万円の差がありました。
複数の金額を確認したうえで売却を進め、約3カ月の売却活動を経て、最終的には1,030万円で成約しています。
実家を売るか迷っている段階でも、売却した場合にどの程度の金額になりそうかを把握しておけば、残す選択と比べやすくなります。
プロ20年 気持ちだけではなく
実際の数字も並べると
売る・残すを
冷静に考えやすくなります
売却見込み額が想定と違えば判断が変わることもありますし、反対に維持負担を許容できるなら、すぐに手放さない考え方もあります。
実家売却が寂しいと感じるときほど、どちらかへ決めつけず、売却と維持の現実を比べられる状態にしておくことが大切です。
なお、複数社の比較なら、全国約2,500社が集まる日本最大級の『HOME4U一括査定(無料)』が便利です。
約1分で最大6社にまとめて依頼でき、「実際に売るかどうか」を決める前に相場をしっかり把握できます。
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※査定後に売るかどうかは自由
- 家族の意向や今後の使い道など、結論を大きく左右する項目から確認する
- 費用・管理負担・売却見込み額など、現実面の情報も整理する
- 思い出や寂しい気持ちを置き去りにせず、必要な情報が揃ってから選択肢を比べる
チェックの数だけで、実家を売る・残すという結論を出す必要はありません。
未確認の項目を1つずつ埋めていくことが、実家じまいで後悔を残しにくい判断につながります。
有田さんの実家じまいを分析|寂しさを抱えたまま前へ進めた4点
有田さんは、母親が施設へ入居してから約4カ月後に弟さんと「売却する方向」で話をまとめましたが、その後も何度も「やっぱりやめようか」と気持ちが揺れています。
この実体験で大切なのは、寂しさが消えたから売却できたわけではないことです。
売る理由を自分なりに持ち、家族と一緒に進めながら現実の数字も確かめることで、寂しさを抱えたままでも納得できる決断へ近づいていきました。
- 寂しさが消えるのを待たず「なぜ売るのか」を言葉にできた
- 思い出を「家そのもの」から切り離せたことが売却後の支えになった
- 弟との話し合いと役割分担が「1人で手放す決断」にしなかった
- 維持費と査定額を知ったことで感情だけの判断を避けられた
プロ20年 実家売却では
気持ちの整理と
現実の整理を分けると
考えやすくなりますね
実家じまいが寂しい方ほど「もっと気持ちが落ち着いてから」と考えがちですが、有田さんの経過を見ると、気持ちが揺れていても進められる準備があることがわかります。
ここから、有田さんの判断を分けた4つの材料を掘り下げます。
寂しさが消えるのを待たず「なぜ売るのか」を言葉にできた
有田さんは売却する方向を決めたあとも、家族写真を見つけるたびに「やっぱりやめようか」と迷っています。
特に大きかったのは、「家を売ったら、この記憶ごと消えてしまうような気がして」という感覚でした。
それでも最終的に踏み切れた背景には、「空き家のまま朽ちていく姿を見るほうが、もっとつらい」という有田さん自身の考えがあります。
プロ20年 売ることだけでなく
残した場合の未来まで
考えられたことが
大きかったと思います
つまり、有田さんの判断は「実家が不要になったから」という単純なものではありません。
実家を残したい気持ちと、誰も住まない築38年の家をこのまま維持する現実を比べた結果、手放す理由が少しずつ自分の中で整理されていったと考えられます。
実家の売却が寂しいとき、寂しさをなくすこと自体を決断の条件にすると、いつまでも答えが出ない場合があります。
大切なのは感情を押し込めることではなく、「なぜ残したいのか」と「なぜ手放す必要があるのか」を分けて考えることです。
プロ20年 寂しい気持ちと
売る必要性は
同時に存在しても
おかしくないんです
もちろん、今後家族が住む予定があるなど、有田さんとは条件が違えば結論も変わります。
「寂しいから残す」「負担だから売る」の2択にしないことが、あとから自分の判断を受け止めやすくするポイントです。
思い出を「家そのもの」から切り離せたことが売却後の支えになった
有田さんが特につらかったのは、家という建物だけでなく、そこで過ごした家族との時間まで失うように感じていたことでした。
入園式前夜の家族写真、18歳で上京する朝に母親と泣いた玄関、父親の書斎に残された本や手書きのメモなど、片づけのたびに過去の記憶がよみがえっています。
実家売却がつらいと感じる背景には、このように「家がなくなること」と「思い出がなくなること」が心の中で重なっている場合があります。
プロ20年 家を手放す場面では
建物よりも先に
記憶を失う怖さが
出てくることがあります
有田さん自身、その感覚が変わったのは売却から約3カ月後でした。
自分の子どものアルバムを整理していると、実家の庭でバーベキューをした写真などが何枚も見つかり、「家はなくなっても、ここで過ごした時間は自分の中に残っている」と気づいています。
ここで注目したいのは、売却前に寂しさを克服したわけではないことです。
実際、最もつらかったのは引き渡しの翌日で、気持ちが変わり始めるまでには時間がかかっています。
プロ20年 売った直後につらくても
判断が間違いだったとは
限らないところは
覚えておきたいですね
引き渡し当日も、有田さんは玄関先で30分以上動けませんでしたが、弟さんと各部屋を回り、「さよならじゃなくて、ありがとうって言いに来たんだ」と思い直しています。
実家との別れ方を自分なりの形にできたことも、その後に思い出と家を切り離して受け止めるための支えになったと考えられます。
弟との話し合いと役割分担が「1人で手放す決断」にしなかった
有田さんの実家じまいでは、弟さんの存在も見逃せません。
売却する方向を話し合っただけでなく、38年分残っていた家財の片づけを週末ごとに分担し、迷う品は「弟に確認する」という形で整理していました。
さらに引き渡し当日、玄関から動けなくなった有田さんを支え、最後は2人で家の中へ入っています。
プロ20年 家族との合意は
売るかどうかだけでなく
途中の負担を分ける意味も
大きいんですよね
有田さんの経過を整理すると、弟さんとの関わりは次のように続いていました。
| 場面 | 有田さんと弟さんの進め方 |
|---|---|
| 売却を考える段階 | 話し合いを重ね、売却する方向を共有する |
| 実家を片づける段階 | 週末ごとに通い、作業を分担する |
| 処分に迷う段階 | 「弟に確認する」品を分け、1人で決めない |
| 引き渡しの日 | 2人で各部屋を回り、最後の時間を共有する |
ここからわかるのは、家族合意は1回の話し合いで終わるものではないということです。
方向性だけ共有しても、その後の片づけや思い出の品の扱いを1人へ任せきりにすれば、実家売却のつらい負担が特定の方へ集中してしまいます。
プロ20年 方向性が同じでも
片づけの考え方まで
同じとは限らないので
途中の共有も大切ですね
反対に、兄弟姉妹で実家への思い入れや今後の考えが違う家庭では、有田さんと同じペースでは進まない可能性があります。
その場合も、いきなり全員が同じ気持ちになることを目指すのではなく、「方向性」「片づけ」「残す品」などを分けて話すほうが、意見の違いを整理しやすくなります。
維持費と査定額を知ったことで感情だけの判断を避けられた
有田さんの決断には、気持ちだけでなく現実の数字も関わっています。
空き家になった実家には固定資産税や火災保険料、最低限の維持管理費などで年間約25万円がかかり、売却時には4社の査定を受けました。
| 確認した内容 | 有田さんの実体験 |
|---|---|
| 空き家の維持費 | 年間約25万円 |
| 4社の査定額 | 890万円~1,050万円 |
| 査定額の最大差 | 160万円 |
| 実際の成約価格 | 1,030万円 |
| 売却活動の期間 | 約3カ月 |
こうした数字は、実家を売るべきだと結論づけるものではありません。
むしろ、感情とは別に「この家を残す現実」と「売った場合の現実」を把握できたことに意味があります。
プロ20年 数字は売却を
急がせるためではなく
選択肢を現実的に
考える材料なんです
特に注意したいのは、査定額をそのまま売却価格だと思わないことです。
査定額は、その金額で売れることを保証する数字ではありません。
有田さんは4社で最大160万円の差があり、最終的に1,030万円で成約しましたが、「複数社へ査定したから1,030万円で売れた」とまで因果関係を断定することはできません。
プロ20年 査定は金額だけでなく
なぜその価格なのかまで
聞いて比べることが
納得感につながります
ただ、1社の評価だけで決めず複数の数字を見たことは、有田さんが売却価格を考えるうえで判断材料のひとつになっています。
実家じまいが寂しいときほど、気持ちだけで「残す」「売る」と決めず、維持する現実と売却する現実を両方見てから判断することが後悔を減らす助けになります。
以上、実家売却が寂しい、つらい気持ちと向き合った有田さんの実体験から、前へ進む判断を支えた4つの材料を専門家視点で分析しました。

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まとめ:売却の寂しさに悩んでいい。まず一歩だけ踏み出してみよう
今回の不動産とーくは『【体験談】実家じまい寂しい…つらい売却を乗り越えた有田さんの1年後』と題して解説しました。
プロ20年 今のお気持ちに
少しでも寄り添えていたら
うれしいのですが
3,000件を超える相談を受けてきて、私にはひとつ確信のようなものがあります。
それは、「寂しい」と迷った方のほうが、あとから穏やかな顔をしているということ。
反対に、話し合いもせずすぐに決めてしまった家族が、数年後に気持ちのすれ違いを抱えて相談に来られる例を、私は何度も見てきました。
つまり今あなたが感じている迷いは、決断を遅らせる邪魔ものではなく、大切に扱おうとしている証拠なんです。
実際に、売却から時間が経って気持ちが落ち着いたと話す方には、共通点がありました。
- 売る・売らないの前に、自分で期限を決めていた
- つらい気持ちを、家族か誰かに一度は言葉にしていた
- 売却の理由を「必要だったから」と自分で説明できていた
- 売却したお金の使い道を、家族で先に決めていた
どれも、お金や条件の話ではありません。
中でも意外に効くのが、最後の項目です。
親の施設費に充てる、供養やお墓の費用にする、兄弟姉妹で公平に分ける。お金の行き先が決まると、売却が「手放す行為」から「引き継ぐ行為」に変わります。
実家じまいの寂しさは、売却価格の高さでは埋まらない。だから、気持ちの側の準備も同じくらい大事にしてほしいと思っています。
プロ20年 悲しみは消すものではなく
少しずつ形が変わるもの
そう考えると気が楽になりますよ
有田さんも、寂しさが消えたわけではありませんでした。
ただ、感謝がその上に重なっていった。その順番なら、あなたにもきっと歩けます。
業界歴20年以上「不動産コンサル西田」のアドバイス
最後に、感情の話ではなく、あえて実務の視点をひとつお伝えします。
実家をいつ売るかを考えるとき、多くの方が見落としているのが買主側の住宅ローン事情です。
古い木造住宅は、築年数が進むほど買主が組めるローンの年数や金額が絞られやすくなります。
つまり、家が古くなることは「価格が下がる」だけの話ではなく、買える方の数そのものが減っていくということ。
プロ20年 売り出す時期の差が
そのまま買主の数の差に
つながってしまうんです
私がこの話をするのは、急かしたいからではありません。
「気持ちが固まるまで待つ」という選択にも、静かに現実が動いているという事実を、知らないまま迎えてほしくないからです。
そこでお勧めしたいのが、決断と情報収集を切り離すという考え方です。
売ると決めていなくても、複数の会社に査定を頼んで数字を見ておくだけで構いません。
その数字は、兄弟姉妹との話し合いでも、親への説明でも、あなたの言葉に落ち着きを与えてくれます。
プロ20年 まだ心の準備が整っていない今こそ、
動かせるのは気持ちではなく情報のほうです
あなたの実家が、いくらで、どんな方に必要とされているのか。それを知ることから始めてみませんか?

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ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
つらいテーマの記事を最後まで読めたということは、あなたはもう向き合い始めています。
急がなくて大丈夫。ただ、今日できる小さな一歩を1つだけ選んでみてください。その1つが、来年のあなたを支えてくれます。
以上『【体験談】実家じまい寂しい…つらい売却を乗り越えた有田さんの1年後』でした。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)

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不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士
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