「この先何十年も返済できる気がしない」
「今売ったら大損するだけなのでは…」
夢だったはずの新築マンションで、こんな気持ちを抱えたまま朝を迎えていませんか。
誰にも打ち明けられず、深夜にスマートフォンで相場を調べては、何も決められないまま画面を閉じる。そんな夜を繰り返している方は、決して珍しくありません。
新築マンションを後悔して売りたいと感じながらも、多くの方が動けずにいる理由は「損をするのが怖い」から。
ただ、悩んでいる間も時間は止まってくれません。築浅という一番の強みは、迷っている月日の分だけ静かに目減りしていきます。
この記事では、不動産×住宅業界のプロが『【体験談】新築マンション後悔で売りたい…松野さん1年4カ月の決断』と題して紹介します。
5,480万円の新築マンションを1年4カ月で手放し、住宅ローンを完済した松野さんの全記録に加えて、売っても住み続けても後悔しないための「撤退ライン」の引き方まで整理しました。
読み終えたとき、あなたの中の「どうしよう」が「まずこれを確かめよう」に変わっているはずです。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)

-
不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士
【この記事の取材・確認方法】
この記事は、実体験者への取材・ヒアリング内容をもとに作成しました。不動産の種類や住まいの状況、当時の悩み、検討した選択肢、実際に取った行動、その後の暮らしの変化などを確認したうえで、個人が特定されないよう一部情報を調整。実務・専門的な判断を要する箇所は、不動産コンサルタントの執筆者・西田が補足。※体験談は個別事情に基づく内容であり、同じ結果を保証するものではありません。
【体験談】新築マンション後悔で売りたい…1年4カ月の決断

早速、新築マンションを購入後に後悔を抱え、1年4カ月で売却を決断した神奈川県在住の松野由佳さんにお話を伺います。
- 松野 由佳さん(仮名)

-
【年齢】37歳【居住地】神奈川県
【家族構成】夫と5歳の息子との3人暮らし
都内のIT企業で働く会社員。2022年に5,480万円の新築マンションを購入した。入居後、リビングの日当たり、上階の足音、エレベーター待ち、機械式駐車場の使いづらさに悩むようになり、住宅ローン月15万6,000円に管理費や修繕積立金も重なって家計への不安が増加。半年以上迷った末に不動産会社4社へ査定を依頼し、購入から1年4カ月で売却。住宅ローンを完済したうえで近隣の賃貸へ住み替え、今は生活を立て直せたと感じている。
プロ20年 松野さん、本日は
貴重な体験談を
聞かせていただきありがとうございます
松野さん 同じように後悔している方の
背中を少しでも押せるなら
と思いました!
「買ったばかりで売るなんて恥ずかしい。でも、このまま住み続ける自信もない。」
そんな葛藤の中で深夜にスマートフォンを握りしめ、自宅マンションの相場を何度も調べた松野さん。
5,480万円の新築マンションを購入してわずか3カ月で「一生ここには住めないかもしれない」という気持ちが芽生え、半年以上悩んだ末に4社へ査定を依頼し、購入から1年4カ月で売却・住宅ローンを完済するに至りました。
今、同じように新築マンションを後悔して売りたいと感じている方に向けて、その全過程を包み隠さず話してくれました。
- 新築マンションを買って後悔した最初の違和感は?
- 「一生ここは無理かも…」と感じた決定的なストレスは?
- 住宅ローンと住居費は家計にどれくらい重かった?
- 新築マンションを売りたいと思っても動けなかった理由は?
- 4社に査定を依頼してわかった売却価格の現実は?
- マンション売却後、暮らしと気持ちはどう変わった?
- 今、新築マンションを後悔して売りたい人へ伝えたいことは?
それでは、入居直後に感じた違和感から、順を追って聞いていきます。
新築マンションを買って後悔した最初の違和感は?
松野さんが最初に感じた異変は、引っ越しを終えた翌朝のことでした。
プロ20年 入居してすぐ「あれ?」と
感じた瞬間はありましたか?
松野さん 朝カーテンを開けたら
お隣の建物の外壁が
目の前にあったんです
モデルルームでは大きな窓から光がさんさんと差し込んでいたのに、実際に住んでみると隣の建物との距離が近く、日中でも照明が必要な時間帯がある状況でした。
松野さんが購入した住戸は低層階で、複数の建物に囲まれた位置にあります。
営業担当者から「南向きで明るい」と説明を受けて信じていましたが、「南向き」という条件だけでは、周辺の建物配置による日照への影響は判断できません。
プロ20年 モデルルームは条件のいい住戸や
照明演出で明るく見えることが多く
実際の住戸とはギャップが出やすいんです
松野さん 現地に何度か足を運んで
時間帯を変えて確認すれば
よかったと今でも思います
購入前に「契約住戸と同じ向き・同じ階数の部屋」を実際に確認することが、こうしたギャップを防ぐ一番の方法です。
「一生ここは無理かも…」と感じた決定的なストレスは?
日当たりの問題だけなら、照明でカバーしようと割り切れたかもしれません。
でも、松野さんが「ここには一生住めない」と確信したのは、日々の暮らしの中で積み重なる別のストレスがあったからです。
プロ20年 具体的に、どんなことが
一番きつかったですか?
松野さん 上の階の足音が思ったより
はっきり聞こえていて
夜中に目が覚めることもあって
マンションの上階からの生活音は、構造や床材によって大きく異なります。
松野さんのケースでは、深夜に子どもが走り回る音がどすどすと響き、睡眠に支障が出る日もあったといいます。
さらに、子育て中ならではのストレスも重なりました。
- 朝の登園前、エレベーターが来るまで数分待つことがストレスに
- 機械式駐車場の出し入れに毎回3~5分かかり、急いでいるときに限って前に待ちがある
- 息子が廊下や共用部で走れず、「静かにして」と言い続けることに疲れた
- ゴミ捨てのルールや曜日の細かさが、育児との両立でかなり負担になった
松野さん 「マンションって
子育てに向かないな」と
感じる場面が多すぎて
プロ20年 1つ1つは小さなことでも
毎日のことだと積み重なって
じわじわ消耗しますよね
騒音・設備の不便さ・子育てのしにくさが同時に重なると、どれか1つに慣れようとしても別のストレスが上書きしてきます。
入居から3カ月、松野さんの心の中には「売りたい」という言葉が、静かにでも確実に根を張り始めていました。
住宅ローンと住居費は家計にどれくらい重かった?
精神的なストレスと同時に、松野さんの頭を悩ませていたのが毎月の住居費でした。
松野さん 住居費だけで毎月18万円近く
消えていく感覚は
本当につらかったです
松野さんの毎月の住居費と主な固定費を整理すると、次のようになります。
| 費目 | 月額(目安) |
|---|---|
| 住宅ローン返済額(変動金利) | 15万6,000円 |
| 管理費+修繕積立金 | 約2万2,000円 |
| 保育料 | 約5万円 |
| 車の維持費(ローン・保険・駐車場など) | 約4万円 |
| 合計 | 約26万8,000円 |
住居費・保育料・車の維持費だけで、月27万円近い固定費が家計を圧迫していたといいます。
プロ20年 変動金利は当初の返済額が
抑えられる一方、金利が上がると
返済額も増えるリスクがありますよね
松野さん 将来もし金利が上がったら
もう完全に家計が
回らないなと思っていて
「今は払えている」という状況と「この先もずっと払い続けられる」という確信は、全く別物です。
毎月じわじわと減っていく貯金を眺めながら、深夜にスマートフォンで売却相場を調べる日が続いていったのです。
新築マンションを売りたいと思っても動けなかった理由は?
「売りたい」という気持ちはあっても、すぐに行動できたわけではありませんでした。
プロ20年 売りたいと思いながら
半年以上悩み続けた理由は
どんなことでしたか?
松野さん 「買ったばかりで売るなんて
恥ずかしい」って気持ちが
ずっとありました
新築マンションを購入して1年も経たずに売るというのは、周囲にどう見られるか、という気持ちが先に立ってしまったといいます。
親や友人に相談することもできず、1人で抱え込んでいた時間が長かったそうです。
プロ20年 同じように感じている方は
実はとても多いんですよね
でも恥ずかしいことでは全くないです
そして、もう一つの大きな壁が「大損するかもしれない」という恐怖でした。
- 5,480万円で買ったのに大幅に安くしか売れないのでは…
- 売却額でローンを完済できなかったら、差額をどう工面するのか
- 購入時の諸費用(仲介手数料・登記費用など)はすでに消えており、さらに売却費用もかかる
- 早期売却で税負担が増えると聞いたことがあり、どれほど損になるかわからない
松野さん ローンを完済できなかったら
どうするんだろうって
ぐるぐる考え続けていました
頭の中だけで最悪のケースを想定し続けても、状況は何も変わりません。
半年以上、松野さんはその事実に気づきながらも、一歩が踏み出せずにいたといいます。
動けなかった時間が長いほど、ローン残高は減らず、精神的な消耗だけが積み重なっていきます。
4社に査定を依頼してわかった売却価格の現実は?
覚悟を決めて行動に移した松野さんが最初にしたのは、不動産会社への査定依頼でした。
プロ20年 査定額はどのように
確認されましたか?
松野さん 一括査定サイトを使って
まとめて申し込んだんですが
1つの入力で複数社に届くのが
楽でよかったです
プロ20年 査定額は会社によって
差が出やすいので
複数社に依頼するのは正解ですね
松野さんは合計4社から査定を受けました。その結果をまとめたものが以下の表です。
| 査定会社 | 査定額 | 印象・提案内容・根拠 |
|---|---|---|
| A社(大手) | 5,600万円 | 周辺の新築・築浅物件の成約事例を複数提示。「今は売り時」と強調し、早期売却を前提にした積極的な提案だった |
| B社(大手) | 5,380万円 | 査定根拠の説明が丁寧で信頼感があった。相場の上限・下限も示してくれ、価格の幅感が理解しやすかった |
| C社(地元) | 5,200万円 | エリアの販売実績が豊富で地域事情に詳しかった。「売れるまで時間がかかる可能性もある」と正直に話してくれた |
| D社(中堅) | 5,500万円 | リノベーション提案など購入希望者の層を広げる工夫の説明があった。内覧対応のアドバイスも具体的だった |
4社の査定額は5,200万円~5,600万円と、400万円の開きがありました。
松野さん 査定を受けるまで
「絶対に大損する」と
思い込んでいたんです
松野さん でも実際の数字を見たら
ローンを完済できる可能性が
あることがわかってきて
プロ20年 査定額がローン残高を上回れば
「アンダーローン」の状態なので
売却の選択肢が現実的になりますね
購入から1年4カ月が経過した時点でのローン残高は約5,320万円(購入諸費用・頭金を除いたローン元本ベース)。
複数の査定額がローン残高を上回る水準であったことが、松野さんが動き出せた最大のきっかけでした。
最終的に、丁寧な説明と根拠の明確さが決め手となりB社と媒介契約を締結。売却活動を開始してから約2カ月で買い手が見つかり、成約額は5,450万円でローンを完済することができました。
プロ20年 築浅物件は市場で評価されやすく
早期売却が実現しやすい傾向があります
早めに動くほど有利なことも多いです
新築・築浅マンションの価値は時間とともに下がりやすい傾向があるため、売りたいと思ったら早めに現状を把握することが大切です。
マンション売却後、暮らしと気持ちはどう変わった?
住宅ローンを完済し、近隣の賃貸マンションへ引っ越した松野さん。
売却後の暮らしは、どのように変化したのでしょうか。
松野さん 朝起きた瞬間の
あの重苦しさが
なくなったんです
プロ20年 毎朝感じていた憂鬱が
なくなるというのは
本当に大きな変化ですね
松野さんが今住む賃貸マンションは、購入していた物件と同じエリアです。
売却前後で住居費がどう変わったかを比べると、その差は一目瞭然です。
| 費目 | 売却前(新築マンション) | 売却後(賃貸マンション) |
|---|---|---|
| 毎月の住居費 | 約17万8,000円 | 約10万5,000円(家賃) |
| 管理・修繕費 | 約2万2,000円(別途) | なし(家賃に含む) |
| 設備トラブル対応 | 自己負担の可能性あり | 大家・管理会社へ連絡するだけ |
| 金利上昇リスク | あり(変動金利) | なし |
毎月の住居費が7万円以上減り、金利上昇への不安もなくなったことで、生活の余裕がはっきりと変わったといいます。
松野さん 息子と公園で遊んだ帰りに
「今日楽しかったね」って
言えるようになりました
もちろん、仲介手数料や引っ越し費用などの売却・移転コストはかかっており、手元に残った金額が大きかったわけではありません。
プロ20年 売却にかかる費用は
仲介手数料だけでも
売却額の3%+6万円が上限ですからね
後悔したまま何十年もローンを払い続けることと、早期に売却して生活を立て直すこと。どちらが「損」かは、毎月の収支や数字だけでなく、家族の時間や心の余裕も含めて考える必要があります。
今、新築マンションを後悔して売りたい人へ伝えたいことは?
最後に、今まさに同じ悩みを抱えている方へ向けて、松野さんから実体験に基づいたアドバイスをいただきました。
プロ20年 後悔を抱えながら
今も悩んでいる人に
一言お願いできますか?
松野さん まず査定だけでも
受けてみてほしいです
知るだけで気持ちが変わります
「動けなかった半年以上の時間は、正直もったいなかった」と松野さんははっきり言います。
- 複数社へ査定を依頼して、売却できる価格帯を把握する
- 査定額とローン残高を比べて、アンダーローンかどうかを確認する
- 査定の説明が丁寧で根拠が明確な会社を優先して選ぶ
- 「恥ずかしい」「もったいない」より、家族の生活の質を優先する
- 1人で抱え込まずに、パートナーと話し合う場をつくる
- 築浅のうちに動くほど、売却の選択肢が広がりやすいことを知っておく
プロ20年 悩んでいる時間が長いほど
資産価値は少しずつ下がるので
早めに現実を把握することが大事ですね
松野さん 私も動き出すまでが
一番しんどかったです
でも動いてみたら意外と早く進んで
新築マンションを後悔して売りたいと感じながら1人で抱え込んでいる間にも、時間と資産価値は確実に動いています。
「まだ早い」「もう少し様子を見よう」という先送りが、結果的に選択肢を狭めることになりかねません。
まず「売れる価格を知ること」だけでも、松野さんが証明してくれたように、そこから状況は動き始めます。
プロ20年 本日は赤裸々な体験談を
話してくださり
本当にありがとうございました!
松野さん 同じ状況で苦しんでいる方に
「動いてよかった」と
思える未来が来てほしいです
以上、新築マンションを購入後に後悔を抱えながらも1年4カ月で売却を決断し、暮らしを立て直した松野由佳さんの貴重な体験談をインタビュー形式でお届けしました。
「査定を受けて初めて、自分に選択肢があることがわかった」と松野さんは振り返ります。
後悔を抱えたまま動かずにいると、築年数が進むにつれて売却価格は少しずつ下がっていく傾向があります。
プロ20年 査定はあくまで
「現状を知るための手段」です
依頼したからといって、すぐに売らなければならないわけではありません。
「売れる価格を知っている状態」で考えるのと、知らないまま悩み続けるのとでは、判断の質がまるで違います。
【現状チェック】新築マンションを後悔して売りたいときの判断材料
松野さんは、入居後の日当たりや騒音、共用設備の使いづらさ、家計への負担が重なり、新築マンションを売りたいと考えるようになりました。
ただ、同じように後悔していても、売るか住み続けるかの答えは家庭ごとに変わります。
大切なのは、「つらいから売る」「買ったばかりだから我慢する」と決める前に、判断に必要な事実がそろっているかを確認することです。
プロ20年 後悔しているときほど
気持ちと数字を分けて
整理してみるだけでも
選択肢が見えやすくなります
以下は、松野さんの実体験から見えてきた、自分の場合を考えるための6つの確認項目です。
すでに確認できている項目にチェックを入れ、空欄になった項目は「まだ判断材料が足りていない部分」として見てみてください。
新築マンションで後悔している原因を具体的に整理できていますか?
「何となく住みづらい」という感覚のままでは、売却するほどの問題なのか、工夫すれば暮らし続けられるのかを判断しにくくなります。
松野さんの場合は、日当たりだけでなく、上階の足音、エレベーター待ち、機械式駐車場、子育て中の共用部での過ごし方など、複数のストレスが毎日の生活で重なっていました。
プロ20年 不満を1つずつ分けると
住み方で変えられることと
自分では変えにくいことが
見えてきやすいですね
たとえば家具配置や生活時間の工夫で軽くなる不満と、日照や建物設備、継続する生活音のように自分だけでは変えにくい問題では、考え方も異なります。
まずは後悔の原因を具体的な出来事まで分けることが、自分にとって今のマンションが合っているか考える土台になります。
住み続けた場合の毎月の住居費と家計への影響を把握できていますか?
新築マンションへの後悔は、暮らしにくさだけでなく、毎月の支払いへの不安が重なることで大きくなる場合があります。
松野さんは住宅ローンが月15万6,000円、管理費・修繕積立金が約2万2,000円で、さらに保育料や車の維持費も重なっていました。
今は支払えていても、貯金を取り崩している状態なら、「この先も続けられるか」は別に考える必要があります。
プロ20年 住宅ローンだけでなく
管理費や固定費も合わせて
家計全体で見るほうが
実態をつかみやすいですね
変動金利を利用している場合などは、現在の返済額だけを見て安心できるとは限りません。
住み続けた場合に家計がどう変化するかまで把握できていれば、「売りたい」という気持ちを数字の面からも整理できます。
自宅マンションの売却価格帯を複数の査定で確認できていますか?
「新築なのにすぐ売ったら大損するかもしれない」と考えていても、実際にいくらで売れそうなのかを知らなければ判断できません。
松野さんも査定前は大きく損すると考えていましたが、4社へ依頼すると査定額は5,200万円~5,600万円でした。
一方で400万円の差があったことからも、1つの査定額だけを売れる価格と思い込むのは避けたいところです。
プロ20年 査定額そのものより
なぜその金額なのかまで
確認できているほうが
判断しやすくなりますね
松野さんは、査定根拠や価格の幅を丁寧に説明した不動産会社を選び、最終的には5,450万円で成約しています。
新築マンションを後悔して売りたいなら、まず現実的に売却できそうな価格帯を把握できているか確認してみてください。
想定売却額からローン残高と売却費用を引いた資金状況を確認できていますか?
査定額がわかっても、それだけでは「売れるかどうか」の判断材料として十分ではありません。
松野さんが大きく動き出したきっかけは、購入から1年4カ月時点の住宅ローン残高が約5,320万円で、複数の査定額がローン残高を上回っていたことでした。
ただし、売却では仲介手数料や引っ越し費用なども発生するため、査定額とローン残高だけの比較では資金状況を正確につかめません。
プロ20年 売却価格だけを見るより
ローンと必要な費用まで
一緒に並べてみると
現実が見えやすいですね
松野さんは5,450万円で売却して住宅ローンを完済できましたが、売却・移転に費用がかかり、手元に大きな金額が残ったわけではありません。
あなたの場合も、売却後に実際どの程度の資金が残るのか、または不足するのかまで確認できているかが重要です。
売却後の住まい候補と住居費を具体的に比較できていますか?
「今の新築マンションを売りたい」という気持ちだけで考えると、売った後の生活が見えず、不安だけが大きくなりがちです。
松野さんは売却後、同じエリアの賃貸マンションへ移り、家賃は月約10万5,000円になりました。
それまでの住宅ローン月15万6,000円と管理費・修繕積立金約2万2,000円を合わせた負担と比べると、毎月の住居費は7万円以上減っています。
プロ20年 今の家だけを見るより
次の暮らしまで並べると
売る場合と残る場合を
比べやすくなりますね
一方で、転居先の家賃や広さ、立地などによっては、売却後の負担が期待したほど軽くならないケースもあります。
売った後にどこで、いくらで暮らすのかまで具体化しておくと、住み続ける場合との違いを現実的に考えられます。
住み続ける場合と売る場合で家族の暮らしがどう変わるか話し合えていますか?
住宅の判断では、お金だけでなく、家族が毎日どう過ごせるかも無視できません。
松野さんの場合は、上階からの音や共用設備の使いづらさだけでなく、子どもへ「静かにして」と言い続けることも負担になっていました。
売却後は住居費への不安が軽くなり、家族との時間にも気持ちの余裕を感じられるようになったと振り返っています。
プロ20年 家は資産でもありますが
毎日を過ごす場所なので
家族がどう暮らしたいかも
外せない判断材料ですね
反対に、今のマンションに住み続けるメリットが家族にとって大きいなら、それも立派な判断材料です。
「買ったばかりでもったいない」「周囲にどう思われるか」ではなく、これからの家族に合う暮らしはどちらかを話し合えているか確認してみてください。
- チェックできた項目は、すでに判断材料として整理できている情報です
- チェックできなかった項目は、売却や現状維持を決める前に確認したい情報です
- 特に売却価格帯・ローン残高・住居費など、判断への影響が大きい未確認項目から整理します
- 必要な情報がそろった段階で、住み続ける場合と売却する場合をあらためて比べます
新築マンションを後悔して売りたいと感じたときほど、結論を急ぐのではなく、チェックが付かなかった項目を1つずつ確認することから始めてみてください。
どこに査定を頼めばいいのか迷い、1社の金額だけで決めてしまう方は少なくありません。実際、3社以上に査定を出した612名の約75%が「最高値と最低値に100万円以上の差があった」と回答しています。複数社の比較に役立つプロ厳選の一括査定サイトを知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
「不動産査定はどこに頼めばいいの?」 「1社だけでは損するって聞いたけど?」 「まだ売るか決めていない…査定していい?」 いざ売却を考え始めたけど、こうした不安を抱えていませんか? 結論、不動産査定で大切なのは、「どの1 …
【プロが分析】松野さんの売却判断を左右した4つの分かれ目
松野さんの売却は、「新築マンションを買って後悔したから手放した」という単純な話ではありません。
日当たりや騒音など暮らしのストレスに家計への不安が重なり、最後に査定で売却の現実性が見えたことで、半年以上止まっていた判断が動きました。
プロ20年 売りたい気持ちだけでは
なかなか決められません
現実の条件が見えたことで
判断しやすくなったんですね
このケースの大きな特徴は、暮らしの負担・家計・売却可能性が同じ方向を向いたことです。
- 1つの不満ではなく「直しにくいストレス」が同時に重なっていた
- 月約17万8,000円の住居費と貯金減少が「様子見」を難しくした
- 4社査定の400万円差で「売れない不安」が現実の価格帯に変わった
- 同じエリアの家賃約10万5,000円へ移れたから売却後の生活まで描けた
新築マンションを後悔して売りたい方に大切なのは、松野さんと同じ結論を出すことではなく、松野さんだから売却へ進めた条件を自分の状況と切り分けて考えることです。
1つの不満ではなく「直しにくいストレス」が同時に重なっていた
松野さんが最初に後悔したのは日当たりでしたが、それだけで売却を決めたわけではありません。
入居後には上階からの足音、エレベーター待ち、機械式駐車場の出し入れ、子どもへ共用部で静かにするよう言い続ける負担まで重なり、専有部の工夫だけでは変えにくいストレスが複数ありました。
プロ20年 松野さんの場合は
不満の数よりも
逃げ場の少ない負担が
重なった点が大きいですね
ここは、売却判断を考えるうえで見逃せない部分です。
壁紙や収納など住戸内で改善しやすい不満が1つある場合と、日照・上階の音・共用設備など自分だけでは変えにくい問題が毎日続く場合では、住み続ける負担がまるで違います。
「対策できる不満か、住戸や共用部に結びつく不満か」によっても、売却を考える意味は変わってくるでしょう。
松野さんは入居から約3カ月で「売りたい」と感じ始めながら、実際に動くまで半年以上迷っています。
その経過を見ると、1日の出来事で勢い任せに売却したのではなく、暮らしの中で同じ負担が積み重なった末の判断だったことがわかります。
月約17万8,000円の住居費と貯金減少が「様子見」を難しくした
松野さんの住宅ローン返済額は月15万6,000円で、管理費と修繕積立金を合わせると住居費は月約17万8,000円でした。
さらに保育料約5万円、車の維持費約4万円もあり、インタビューでは貯金がじわじわ減っていたと振り返っています。
ただし、月約17万8,000円という金額だけを見て「住宅ローンが高すぎた」と決めつけることはできません。
世帯収入や貯蓄額が記事では示されていないため、この金額だけで家計が無理な水準だったとは判断できないからです。
プロ20年 同じ17万8,000円でも
家計への重さは
世帯ごとに変わるので
金額だけでは決められませんね
注目したいのは、住居費の金額より、家計が実際にどう変化していたかです。
松野さんの場合は貯金が減る状況に加えて、変動金利の住宅ローンだったため、今後の金利上昇まで不安材料になっていました。
気に入ったマンションなら負担を受け入れる考え方もありますが、毎日の暮らしに強いストレスを感じながら同じ住居費を払い続けるとなれば、意味合いは変わります。
反対に、貯蓄が安定して増えており、住まいの不満も改善できそうなら、同じ金額でもすぐ売却へ進む必要はありません。
松野さんの体験から見えるのは、「払えているか」だけでなく「この状態を続けたいか」まで見る必要があるという点です。
4社査定の400万円差で「売れない不安」が現実の価格帯に変わった
松野さんの判断が大きく変わったのは、4社へ査定を依頼したあとです。
購入価格5,480万円に対して査定額は5,200万円~5,600万円と会社によって400万円の開きがあり、その時点の住宅ローン残債は約5,320万円でした。
| 確認できた数字 | 専門家目線での読み方 |
|---|---|
| 購入価格5,480万円 | 購入時の価格であり、現在いくらで売れるかを直接示す数字ではない |
| 査定額5,200万円~5,600万円 | 会社によって400万円差があり、1社だけでは価格の幅をつかみにくい |
| ローン残債約5,320万円 | 残債を下回る査定も上回る査定もあり、売却後の完済可能性を具体的に考えられる段階になった |
| 成約価格5,450万円 | 査定額とは別に、実際の買主との売買で決まった価格 |
| 売却活動約2カ月 | このケースでは比較的早く買主が見つかったが、同じ期間で売れるとは限らない |
さらに興味深いのは、最高査定5,600万円を出したA社ではなく、5,380万円だったB社を選んでいることです。
査定根拠や相場の幅を丁寧に説明してくれたことを重視しており、最高査定額ではなく「なぜその価格なのか」を見て会社を選んだ点は参考になります。
プロ20年 査定額は買い取り価格ではなく
あくまで価格予測です
高い数字そのものより
根拠を見ることが大切ですね
そして、最終的な成約価格5,450万円はローン残債約5,320万円を約130万円上回りましたが、この差額をそのまま手残りと考えることもできません。
仲介手数料や引っ越し費用などが発生しているため、「売却価格が残債を上回った=持ち出しなく売れた」とは断定できないからです。
それでも松野さんにとって大きかったのは、「絶対に大損する」という漠然とした不安が、5,200万円~5,600万円という現実の価格帯へ置き換わったことでした。
4社査定の価値は高い金額を見つけたことではなく、売れる可能性と難しさの両方を数字で考えられるようになった点にあります。
同じエリアの家賃約10万5,000円へ移れたから売却後の生活まで描けた
松野さんは売却後、購入したマンションと同じエリアにある賃貸マンションへ住み替え、家賃は月約10万5,000円になりました。
インタビューでは売却前の住居費が月約17万8,000円だったため、売却後の住まいまで具体的に描ける状況だったことも判断を後押しした要素のひとつと考えられます。
プロ20年 売ったあとが見えないと
なかなか決断できません
次の暮らしまで含めて
考えることが大事ですね
ここで注意したいのが、購入価格5,480万円に対して5,450万円で成約したため、「30万円しか下がらず売れた」と単純に受け取らないことです。
購入時には諸費用が発生しており、売却時にも仲介手数料や引っ越し費用などがかかっているため、「買値との差30万円=実際の損失30万円」ではありません。
一方で、売却後は毎月の住居費が下がり、変動金利への不安もなくなったと松野さんは話しています。
つまり、この売却を評価するときは購入価格と売却価格だけを見るのではなく、売却後の住居費や暮らしの負担まで含めて考える必要があります。
もし次の住まいの負担が今より大きい、売却時に多額の資金が必要になる、希望する住まいが見つからないといった条件なら、松野さんと同じ結論にはならないでしょう。
新築マンションを後悔して売りたいときに重要なのは「買ったときからいくら損するか」だけではなく、今から先の暮らしを売却によってどう変えられるかまで見ることです。
以上、松野さんが新築マンションを購入から1年4カ月で売却した実体験をもとに、判断と結果を左右した4つの分かれ目を専門家目線で分析しました。
まとめ:後悔して売りたいなら、まず今の査定額から確認しよう
今回の不動産とーくは『【体験談】新築マンション後悔で売りたい…松野さん1年4カ月の決断』と題して解説しました。
- 松野さんは1年4カ月で売却し、住宅ローンを完済して暮らしを立て直した
- 後悔の深さは、生活・家計・気持ちの3方向から確認できる
- お金と暮らしと期限の撤退ラインが、売る・住み続けるの判断を助ける
プロ20年 松野さんの体験談は
あなたの状況と
重なる部分がありましたか?
新築マンションを買って後悔することは、判断を誤ったからではありません。日当たりも音も暮らしにくさも、住んでみて初めてわかることばかりです。
ただ、後悔したままの毎日を何十年も続けるのか、それとも今の価格を知って選び直すのか。ここだけは、あなた自身にしか決められません。
松野さんが変わったきっかけは、勇気でも決断力でもなく「今いくらで売れるかを知ったこと」でした。
数字がわかれば、売るという道も、納得して住み続けるという道も、どちらも自分の意思で選べます。
業界歴20年以上「不動産コンサル西田」のアドバイス
査定を受けるとき、多くの方が「まだ売ると決めていないのに申し訳ない」と感じます。
でも、それは伝えて大丈夫です。私は「売却も含めて検討中です」と最初に正直に話すことをすすめています。
理由は2つ。担当者があなたの状況に合った提案をしやすくなること、そして急かしてくる会社かどうかを、その反応で見極められることです。
プロ20年 この最初のひと言で
会社の姿勢がけっこう
はっきり見えてきますよ
そのうえで、査定額を受け取ったら、次の3つを担当者に聞いてみてください。
- 同じマンション内で過去に成約した住戸の価格と時期
- その査定額で売り出した場合、成約までにかかりそうな期間
- いま売りに出ている競合物件の数と価格帯
この3つがそろうと、査定額という1つの数字が、「いつ・いくらで売れそうか」という現実の輪郭に変わります。
金額だけを聞いて終わる方と、ここまで確認する方とでは、その後の納得感がまるで違うと感じてきました。
プロ20年 答えづらそうにする会社より
根拠を出せる会社のほうが
安心して任せられますよね
そして売ると決めていない段階でも、査定を受けること自体に不利益はありません。断ることも、時期を延ばすことも自由です。
後悔を抱えた新築マンションを売りたいのか、それとも撤退ラインを引いたうえで住み続けるのか。答えを出すための材料は、今日から集められます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
つらい気持ちを抱えながら、それでもここまで読み進めたあなたは、もう十分に前を向いています。
あとは「今いくらなのか」を確かめるだけ。その一歩が、松野さんと同じように、あなたの朝を軽くしてくれると信じています。
以上『【体験談】新築マンション後悔で売りたい…松野さん1年4カ月の決断』でした。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)

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不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士
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