「ローンが残ってるのに売れるの?」
「貸すか売るか、何から調べればいい?」
突然の海外赴任辞令。うれしい反面、頭を占領するのは「買ったばかりの持ち家をどうするか」という現実的な問題ではないでしょうか。
実はこうした悩みを抱える方は多く、特に住宅ローンが残っている状態で赴任を打診されるケースは珍しくありません。
「売る・貸す・空き家のまま」の3択で迷い、ネットで情報を集めれば集めるほど混乱が深まる…そんな経験をしている方も多いはずです。
知識がないまま判断を進めると、金融機関への手続き漏れや、賃貸トラブル、帰国後に自宅へ戻れないといった想定外のリスクを招くこともあるので、正しい情報を整理しておくことが大切です。
この記事では、不動産×住宅業界のプロが『【ブログ】海外赴任で持ち家どうする?仁科さん3カ月で売却した実録』と題して紹介します。
海外赴任で持ち家をどうするか悩み抜いた末に決断を下した、仁科篤志さんの実録インタビューをもとに、同じ状況で迷っている方が後悔しない判断をするための視点をお伝えします。
同じ状況で迷っている方にとって、一つの道標になれば幸いです。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)

-
不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士

1社だけの査定額では、高いのか安いのか判断しにくいものです。CMでおなじみ『スーモ』の一括査定なら、約60秒で複数社にまとめて依頼できます。査定の実例や流れは、公式ページで確認してみてください。 ≫スーモの無料査定はこちら
【この記事の取材・確認方法】
この記事は、実体験者への取材・ヒアリング内容をもとに作成しました。不動産の種類や住まいの状況、当時の悩み、検討した選択肢、実際に取った行動、その後の暮らしの変化などを確認したうえで、個人が特定されないよう一部情報を調整。実務・専門的な判断を要する箇所は、不動産コンサルタントの執筆者・西田が補足。※体験談は個別事情に基づく内容であり、同じ結果を保証するものではありません。
【体験談】海外赴任で持ち家どうする?ローンや管理不安を捨て売却で得た新生活

早速、海外赴任で持ち家をどうするか悩み抜いた末に売却を決断した、仁科篤志さんにお話を伺います。
- 仁科 篤志さん(仮名)

-
【年齢】35歳【居住地】タイ・バンコク在住(大阪府の持ち家を売却)
大手電機メーカー営業職。2020年に大阪府内の新築一戸建て(4LDK・3,600万円)を購入後、わずか1年3カ月で会社からバンコクへの3年間の海外赴任を打診される。残債約3,400万円を抱えたまま「売る・貸す・空き家のまま」の3択に悩み、赴任3カ月前に不動産会社へ相談。約3,650万円で売却し、ローン完済・諸費用を差し引いても約120万円を手元に残して渡航した。現在は駐在3年目。
プロ20年 仁科さん、本日は
お時間をいただき
ありがとうございます
仁科さん こちらこそ、同じ状況で
悩んでいる方の少しでも
参考になれば嬉しいです
仁科さんは大手電機メーカーの営業職として勤務し、2020年に大阪府内の新築一戸建て(4LDK)を3,600万円で購入。
ところが、購入からわずか1年3カ月後に会社からタイ・バンコクへの3年間の海外赴任を打診されるという、想定外の展開が待っていました。
残債はまだ約3,400万円。赴任まで残り3カ月という状況の中で、持ち家をどうするかという決断を迫られた仁科さんの実録を、詳しくお聞きしていきます。
- 海外赴任で持ち家をどうするか、3択(売る・貸す・空き家)で悩んだ「判断の分かれ目」は?
- 「貸す・空き家維持」を検討した際、最も懸念した管理コストとトラブルリスクは?
- 住宅ローンが残る中、短期間で「完済+手残り120万円」を実現させた売却戦略は?
- 海外赴任で持ち家をどうするか悩み、住宅ローンや管理が不安な人へアドバイス
それでは、赴任直前の3カ月間に何が起き、仁科さんがどう動いたのか、一つひとつ聞いていきましょう。
海外赴任で持ち家をどうするか、3択(売る・貸す・空き家)で悩んだ「判断の分かれ目」は?
海外赴任が決まった瞬間、仁科さんの頭の中には「売る・貸す・空き家のまま」の3択が同時に浮かんだといいます。
プロ20年 赴任の打診を受けた時、
最初に何を考えましたか?
仁科さん 正直、パニックでした
買って1年ちょっとなのに
どうすればいいんだと
妻と深夜まで情報収集を続けながら、3つの選択肢をひとつずつ検討したそうです。
まず「貸す」については、家賃収入でローン返済をまかなえる点が魅力でした。
ただし仁科さんが抱えた疑問は、住宅ローンのまま賃貸に出せるのか、という点でした。
プロ20年 住宅ローンは原則として
「自分が住む」ことを条件に
借りているわけですから
仁科さん そうなんです
「無断で貸したらローン一括返済を
求められる可能性がある」と知って
かなり焦りました
金融機関によっては、海外赴任のようなやむを得ない事情であれば、事前に相談することで賃貸を認めてもらえる場合もあります。
しかし承認が下りるかどうかは金融機関次第で、必ず許可が出るとは限りません。
プロ20年 まず金融機関への
事前相談が必須というのは
意外と知られていないですよね
次に「空き家のまま維持する」については、帰国後にそのまま住み続けられる安心感がある一方で、無人の状態が3年続くことへの不安がぬぐえなかったといいます。
仁科さん 固定資産税は払い続けるし
修繕が必要になっても
遠くから対応できない…
そして「売る」という選択肢。
購入から日が浅く、新築プレミアムが残っているうちに売れれば、ローン残債を上回る売却額も狙えるのではと気づいたことが、売却に傾く大きな分かれ目になりました。
プロ20年 築浅は買い手にとっても
安心感が高いので
売り手有利になりやすいんです
仁科さん 何より3年間、遠く離れた
海外からローンを払いながら
空き家や賃貸を管理する自信がなかった
「管理できる自信がない」というのは、とても正直な判断軸だと思います。
実際、海外赴任中の持ち家管理は、想像以上にハードルが高いのが現実です。
「貸す・空き家維持」を検討した際、最も懸念した管理コストとトラブルリスクは?
「貸す・空き家のまま」それぞれの選択肢を具体的にシミュレーションしていくにつれ、仁科さんの中で懸念点がどんどん積み上がっていったそうです。
プロ20年 実際にどんなリスクを
想定していましたか?
仁科さん まず「貸す」で一番怖かったのは
入居者とのトラブルです
海外にいながら対応できないので
仁科さんが実際にシミュレーションした、賃貸に出す場合の主なリスクと管理コストがこちらです。
| リスク・コストの種類 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 入居者トラブル | 家賃滞納・近隣クレーム・原状回復の揉めごとなど、海外からの対応が困難 |
| 空室リスク | 入居者が見つからない期間もローン返済は続く。家賃収入をあてにした返済計画は注意が必要 |
| 管理会社への委託費用 | 家賃収入の5~10%程度が相場。入居者募集時には別途広告費も発生する場合がある |
| 修繕・設備対応 | 給湯器・エアコンなどの故障は貸主負担が原則。海外から業者手配が必要になることも |
| 帰国時に退去してもらえない場合がある | 定期借家契約以外では、帰国後に自宅へ戻れないリスクがある |
プロ20年 特に「帰国後に戻れない」問題は
見落とされがちです
定期借家契約の活用が重要ですね
仁科さん そこまで調べて
「あ、賃貸ってかなり準備が
いるんだ」と気づきました
一方、「空き家のまま維持する」場合にも、維持コストは確実に発生します。
- 固定資産税・都市計画税が毎年かかる(立地・広さによるが年間10万~20万円前後が目安)
- 火災保険・地震保険の継続加入が必要
- 定期的な換気・通水・外観チェックが必要(管理を誰かに依頼する場合は費用が発生)
- 台風・地震などで損傷した場合の修繕費が突発的に発生するリスクがある
- 空き家にする場合も金融機関への事前連絡が必要(無連絡での長期空き家は契約違反とみなされるリスクがある)
仁科さん 3年間ずっとローンを払いながら
さらに維持費もかかる
それを海外から続ける覚悟が持てなかったです
住宅ローンの月々の返済に加えて維持費が重なると、3年間の総コストは想定よりも大きく膨らむことになります。
こうした試算を重ねるほど、仁科さんの中で「売却」という選択肢の現実感が増していったのです。
プロ20年 賃貸は家賃収入があっても
管理コストを引くと
収支がほぼトントンになる場合も多いです
住宅ローンが残る中、短期間で「完済+手残り120万円」を実現させた売却戦略は?
赴任まで残り3カ月という状況で、仁科さんはどう動いたのでしょうか。
プロ20年 売却を決めてから
最初に取り組んだことは
何でしたか?
仁科さん まず住宅ローンの銀行に
「海外赴任で売却したい」と
相談しに行きました
住宅ローンが残った状態での売却は、売却代金でローンを完済し、同時に抵当権を抹消する「売却+完済」の段取りが必要です。
金融機関に事前相談した上で、残債の確認と売却スケジュールの見通しをすり合わせることが、最初のステップになります。
プロ20年 その後、不動産会社は
どのように探しましたか?
仁科さん 知人に紹介してもらった会社と
自分でネット検索した地元の会社
計3社に査定を依頼しました
査定額は3社とも3,580万円~3,700万円の範囲でした。
その中で仁科さんが最終的に1社に絞った理由を、こう話します。
仁科さん 査定額より、担当者の
「なぜこの価格なのか」の説明が
一番腑に落ちた会社に決めました
プロ20年 売却で一番大切なことは
何だったと感じましたか?
仁科さん 不動産会社選びです
タイムリミットがある中で
信頼して任せられるかどうかが全てでした
査定額の高さだけで会社を選ぶのではなく、根拠のある説明と担当者への信頼感を基準にすることが、短期間での成約につながる大きな要因になります。
選択時に各社の売却実績数を確認できるので、どの会社に査定を依頼するか迷わずに進められます。
≫スーモで査定額を比べる(無料)
※査定後に売るかどうかは自由です
※面積はおおよそでも進められます
媒介契約を結んだのは赴任2カ月前。
売り出し価格は3,680万円に設定し、内覧から約3週間後に購入希望者から3,600万円の指値が入りました。
仁科さん 担当者と相談して
3,650万円で再提示したところ
すんなり合意してもらえました
売り出しから約6週間で成約。赴任前に売却を完結させることができました。
プロ20年 ローン残債約3,400万円に対して
3,650万円での成約は
十分すぎる結果ですね
仁科さん 諸費用(仲介手数料・登記費用など)を
差し引いても約120万円が手元に残り
バンコクでの生活立ち上げ資金になりました
売却にかかった費用の内訳は、おおよそ以下の通りです。
| 費用の種類 | 目安額 |
|---|---|
| 仲介手数料(成約価格の3%+6万円+消費税) | 約126万円 |
| 抵当権抹消登記費用(司法書士報酬含む) | 約3万円 |
| 印紙税・その他書類費用 | 約2万円 |
| ローン一括返済手数料 | 金融機関により異なる(数千円~数万円程度) |
プロ20年 仲介手数料だけで
100万円超えになるので
売却益から逆算して考えることが大切です
赴任まで3カ月という厳しいスケジュールの中でも、初動を早く動けたことが、売却活動の時間を最大限に確保できた最大の要因だったと仁科さんは振り返ります。
海外赴任で持ち家をどうするか悩み、住宅ローンや管理が不安な人へアドバイス
最後に、いままさに海外赴任が決まって持ち家のローンや管理に悩んでいる方へ、バンコク駐在3年目の仁科さんからメッセージをいただきました。
プロ20年 実際に売却して3年目になります。
今振り返って、売却の判断は
正解だったと感じますか?
仁科さん 100点だったとは言い切れません
でもローンと管理の不安を
丸ごと手放せた安心感は本物でした
「売却が全員にとっての正解ではない」と前置きしながらも、仁科さんが同じ状況の方に強く伝えたいことがあるといいます。
- 赴任が決まったらすぐ動く(時間がないほど選択肢が狭まる)
- まず金融機関に連絡して、ローンの残債と条件を確認する
- 「売る・貸す・維持する」は感情ではなく、コストとリスクで比較する
- 不動産会社は複数社に査定を依頼し、説明が納得できる担当者を選ぶ
- 帰国後の住まいは売却後に検討すればいい
プロ20年 帰国後の住まいはどう
考えているか、差し支えなければ
教えていただけますか?
仁科さん 妻とも話しているんですが
その時の家族構成や
ライフスタイルで決めようと
「売却したことで後悔はないか」という問いに対して、仁科さんはこう答えます。
「バンコクでの新生活、ローンと管理の心配をゼロにして家族と過ごせたこと。それだけで十分に価値があったと感じています」
海外赴任で持ち家をどうするかは、正直に言えば「絶対の正解」はありません。
ただ、「どうするか決められない」という状態のまま赴任日を迎えることだけは避けてほしいと、仁科さんは強調します。
プロ20年 本日は貴重な体験談を
ありがとうございました!
仁科さん 同じ状況で悩んでいる方の
背中をそっと押せたなら
嬉しいです
以上、海外赴任で持ち家をどうするか悩み、ローン残債3,400万円を抱えながら売却を決断した仁科篤志さんの実録インタビューをお届けしました。
仁科さんが売却を成功させた背景には、赴任まで3カ月というタイムリミットの中で、早めに不動産会社へ相談を持ちかけた判断がありました。
査定を通じて売却価格の見通しが立ったことで、ローン完済までの道筋が初めて具体的になったといいます。
プロ20年 査定は売却を決めてから
依頼するものと思われがちですが
迷っている段階でも十分に使えます
海外赴任が決まった直後は、やるべきことが山積みで持ち家の判断が後回しになりがちです。
査定自体はネットから無料で依頼できるので、「まだ決めていない」という段階でも、動いてみる価値は十分にあります。

1社だけの査定額では、高いのか安いのか判断しにくいものです。CMでおなじみ『スーモ』の一括査定なら、約60秒で複数社にまとめて依頼できます。査定の実例や流れは、公式ページで確認してみてください。 ≫スーモの無料査定はこちら
【赴任前チェック】海外赴任で持ち家をどうするか決める前に確認したい6つのこと

海外赴任で持ち家をどうするか迷った仁科さんは、「売る・貸す・空き家のまま」の3つを比べたうえで売却を選びました。
ただし、仁科さんとあなたでは、住宅ローンや赴任期間、帰国後の予定などが違うため、同じ結論が合うとは限りません。
プロ20年 売る・貸す・残すは
先に結論を決めず
材料を並べてから
比べると見えやすいです
海外赴任と持ち家についてブログで体験談を読んでも、「自分ならどうする?」の答えを出すには、まず自分の条件を具体的にすることが大切です。
| 確認したいこと | |
|---|---|
| 赴任期間と帰国後にこの家へ戻る可能性を家族で整理できていますか? | |
| 住宅ローン残債と借入先の扱いを確認できていますか? | |
| 売却時の査定額とローン完済後の手残りを確認できていますか? | |
| 賃貸に出した場合の収支と海外からの管理方法を整理できていますか? | |
| 空き家で残した場合の維持費と管理体制を整理できていますか? | |
| 赴任日から逆算して持ち家の方針を決める期限を置けていますか? |
すべてにチェックを付ける必要はありません。
チェックが付かなかった項目から読み進めれば、次に何を確認すればいいか整理しやすくなります。
赴任期間と帰国後にこの家へ戻る可能性を家族で整理できていますか?
持ち家を残すか手放すかを考えるうえで、まず整理したいのが海外赴任の予定期間と帰国後の暮らしです。
仁科さんの場合は3年間のバンコク赴任で、売却後の住まいについては、帰国時の家族構成やライフスタイルを見て決めようと夫婦で話していました。
プロ20年 数年後も同じ家が
暮らしに合うのかは
今の家族だけでは
決めきれないですよね
帰国後にこの家へ戻りたい気持ちが強い場合と、勤務地や家族の状況に合わせて住まいを選び直したい場合では、持ち家を残す意味が変わります。
家族の考えも含めて、「帰国したらこの家に戻るのか」まで話せているかを確認してみてください。
住宅ローン残債と借入先の扱いを確認できていますか?
住宅ローンが残っているなら、持ち家の3択を比べる前に現在の残債と借入先の条件を把握しておきたいところです。
仁科さんは購入から1年3カ月ほどで赴任が決まり、住宅ローン残債は約3,400万円ありました。
プロ20年 ローンが残っていても
まず条件が分かれば
選べる方法を
整理しやすくなります
実際に売却を決めた際も、最初に銀行へ海外赴任と売却について相談し、残債や手続きを確認しています。
売る場合だけでなく、貸す場合や空き家にする場合も借入先によって扱いが異なるため、自己判断せず金融機関へ確認できているかが重要です。
売却時の査定額とローン完済後の手残りを確認できていますか?
「売るかどうか」は気持ちだけで決めず、今売った場合のお金の見通しまで確認すると比較しやすくなります。
仁科さんは3社へ査定を依頼したところ、査定額は3,580万円~3,700万円の範囲でした。
プロ20年 査定額を見るだけでなく
ローンと費用を引いた
最後の金額まで見ると
判断しやすいですね
最終的には3,650万円で成約し、約3,400万円の住宅ローンを完済したうえで、諸費用を差し引いて約120万円が手元に残っています。
あなたの場合も、査定額だけではなく、売却価格からローン残債や諸費用を差し引いた結果まで確認できているかがポイントです。
賃貸に出した場合の収支と海外からの管理方法を整理できていますか?
持ち家を貸せば家賃収入を住宅ローンへ充てられる可能性がありますが、家賃だけを見て判断しないことが大切です。
仁科さんも当初は賃貸を魅力的に感じた一方、空室や修繕、入居者とのやり取りなどを海外から続けることに不安を感じていました。
プロ20年 家賃が入る安心だけでなく
何か起きたときに
誰が対応するのかまで
考えておきたいですね
賃料の見込みに加え、管理にかかる費用や空室時の負担、設備対応などを含めて見ないと、実際の収支は分かりません。
さらに、帰国後に再び住みたい場合は契約条件も関わるため、お金と管理の両方を整理できているかを確認してください。
空き家で残した場合の維持費と管理体制を整理できていますか?
空き家なら帰国後にそのまま住めますが、誰も住まなくても住宅ローンや維持に伴う負担は続きます。
仁科さんも、3年間ローンを返しながら固定資産税などを負担し、遠くから修繕へ対応することを考えた結果、空き家で残すことに踏み切れませんでした。
プロ20年 空き家は何もしない方法に
見えやすいですが
実際には管理する方を
決めておく必要があります
また、換気や通水、外観確認などを自分でできない間は、国内で誰かに管理を任せる必要があります。
赴任期間中にかかる費用と管理する方の両方が決まっているかまで整理してみてください。
赴任日から逆算して持ち家の方針を決める期限を置けていますか?
海外赴任の準備では仕事や引っ越しなども重なるため、持ち家について考えているうちに残された時間が短くなることがあります。
仁科さんは赴任まで残り3カ月の段階で動き始め、赴任2カ月前に媒介契約を結び、売り出しから約6週間で成約しました。
プロ20年 どの選択肢でも
時間があるほうが
確認してから決める
余裕を持ちやすいです
売却に限らず、賃貸や空き家管理でも、借入先への確認や任せ先の検討などに時間が必要です。
まず赴任日から逆算していつまでに方針を決めるかを置き、それまでに未確認の材料を集められる状態か確認してみてください。
- チェックが付かなかった中から、住宅ローン・売却時のお金・赴任中の管理など、結論への影響が大きい項目を先に確認する
- 必要な情報がそろった段階で、「売る・貸す・空き家で残す」を自分と家族の条件に合わせて比較する
仁科さんは売却を選びましたが、あなたに合う答えは条件によって変わります。
未確認の判断材料を一つずつ埋めてから選ぶことが、海外赴任で持ち家をどうするか納得して決めるための第一歩です。
もし希望以上で売れるなら売却を検討したい人へ
海外赴任で持ち家をどうするか迷いながら、なかなか一歩を踏み出せない方も多いと思います。
「高く売れるなら売却しようかな」
もしあなたも同じ気持ちなら、一度は無料査定に出してみることをおすすめします。
査定額を確認した結果、
- 希望以上で売れるなら
→具体的に売却を検討する - 希望未満でしか売れないなら
→現時点では持ち続ける ※他の方法を検討
プロ20年 実際にこうやって
判断する方が多いです
査定に出しても必ず売る必要はないので、まずは「いくらで売れるのか?」を知ることから始めてみて下さい。
なお、実際の査定では各不動産会社で数百万円の差が出るケースもあるため、1社だけの金額では判断しきれません。
複数社の比較には『スーモ売却(無料)』一括査定がおすすめです。
選択時に各社の売却実績数を確認できるので、どの会社に査定を依頼するか迷わずに進められます。
※面積はおおよそで大丈夫です
※査定後に売るかどうかは自由
【プロが深掘り】仁科さんが海外赴任前に売却へ傾いた4つの判断材料
仁科さんは「売る・貸す・空き家で維持する」の3択を検討した末、持ち家を売却しました。
ただし、この結論だけを見て「海外赴任なら売るのが正解」と考えるのは早いです。
購入から1年3カ月、住宅ローン残債約3,400万円、3年間の赴任予定、出発まで残り3カ月という条件が重なり、売却が成立しやすい条件がそろっていた点に注目する必要があります。
海外赴任で持ち家をどうするか迷い、同じようなブログ体験談を読むときも、結論をまねるのではなく、実体験者と自分との条件差を読むことが大切です。
- 査定3,580万円~3,700万円でローン完済が視野に入った
- 3年間の海外管理まで背負う負担が売却判断を後押しした
- 赴任まで3カ月でも価格根拠と期限をそろえて約6週間で成約した
- 帰国後に同じ家へ戻る前提を外せたことが売却を選びやすくした
仁科さんの数字と行動を追いながら、なぜ売却という判断が成り立ったのかを掘り下げます。
査定3,580万円~3,700万円でローン完済が視野に入った
仁科さんの持ち家は3,600万円で購入し、海外赴任が決まった時点の住宅ローン残債は約3,400万円でした。
3社へ査定を依頼した結果は3,580万円~3,700万円で、ここで初めて売却がローン完済まで届く可能性を具体的に考えられるようになったといえます。
ただし、「3,650万円で売れて残債が3,400万円だから250万円得をした」という計算にはなりません。
250万円をそのまま利益とは見られませんし、売却時には仲介手数料や登記費用なども差し引く必要があります。
プロ20年 購入価格よりも
今売った場合に
ローン完済できるかが
判断の軸になります
実際の成約価格は3,650万円で、諸費用を差し引いたあとに約120万円が手元へ残ったと仁科さんは話しています。
住宅ローンが残る持ち家を売却する場合は、原則として売却に合わせてローンを完済し、抵当権を抹消できる段取りが必要です。
金融機関でも、自宅を売却する場合はローン全額返済の準備が必要になる旨を案内しています。
仁科さんの場合は査定額だけを見るのではなく、売却後に残る金額まで見通せたことが、売却を現実的な選択肢に変えたと考えられます。
反対に、査定価格から売却費用を差し引くとローン残債を下回るケースでは、同じ海外赴任でも売却の難しさは大きく変わります。
3年間の海外管理まで背負う負担が売却判断を後押しした
仁科さんが貸す方法を検討したとき、最初に魅力を感じたのは家賃収入を住宅ローン返済へ回せる点でした。
しかし、調べるほど入居者対応や設備の修繕、空室、帰国時の扱いなどが気になり、「3年間、海外から管理する自信がない」という考えに傾いていきます。
ここは、海外赴任中の持ち家ローンを考えるうえで重要です。
家賃でローンを払えるかだけでは足りません。
プロ20年 賃貸収支だけでなく
海外から何を
判断し続けるのかまで
考えたいですね
住宅ローンは自宅としての利用を前提にした商品が基本で、転勤による一時的な賃貸を認める扱いがある金融機関でも、住めない事情が生じた場合は事前相談を求めています。
つまり、「海外赴任だから住宅ローンのまま自由に貸せる」と自己判断せず、借入先の金融機関へ事前相談することが欠かせません。
一方で、金融機関の承認が得られ、国内で信頼できる管理会社へ対応を任せられ、帰国後も持ち家へ戻りたい意思が強い方なら、賃貸を選ぶ意味は大きくなります。
帰国時期に合わせて貸したい場合は、契約期間の満了で更新なく終了する定期借家契約も選択肢になり、国土交通省も転勤時の持ち家活用を想定した制度として案内しています。
仁科さんの場合は、その準備や管理を3年間続けるよりも、ローンと持ち家管理を赴任前に切り離す価値を大きく感じたことが、売却を後押しした要素のひとつでしょう。
赴任まで3カ月でも価格根拠と期限をそろえて約6週間で成約した
仁科さんには、じっくり売れる時期を待つ余裕がありませんでした。
赴任まで残り3カ月の段階から銀行への相談と不動産会社探しを進め、3社へ査定を依頼しています。
その中で選んだのは最高査定額を提示した会社ではなく、査定価格の根拠を納得できる形で説明した会社でした。
売却までの流れを見ると、時間が限られた海外赴任ならではの判断がよくわかります。
| 時期・経過 | 仁科さんが取った行動 |
|---|---|
| 赴任まで残り約3カ月 | 住宅ローンの銀行へ相談し、3社へ査定を依頼する |
| 赴任2カ月前 | 不動産会社と媒介契約を結び、3,680万円で売り出す |
| 内覧から約3週間後 | 3,600万円の購入希望に対して3,650万円を再提示し、合意する |
| 売り出しから約6週間 | 3,650万円で成約し、赴任前の売却にめどをつける |
※時系列は仁科さんのインタビュー内容をもとに整理しています。
プロ20年 期限が短いほど
一番高い査定額より
その価格で売れる根拠を
聞くほうが大切ですね
注目したいのは、3社の査定が3,580万円~3,700万円だったのに対し、売り出し価格を3,680万円に設定した点です。
極端に高い価格から始めたわけではなく、査定帯から外れない3,680万円で市場へ出しています。
その後、3,600万円の購入希望に対して3,650万円を再提示して合意したため、値下げだけが成約理由だったとはいえません。
価格設定、不動産会社の動き、買主側の条件など複数の要素がかみ合い、約6週間で3,650万円の成約につながったと見るのが自然です。
反対に赴任まで半年以上あり、渡航前の売却を必須としない方なら、価格を調整するタイミングや売却期間の取り方は変えられます。
海外赴任が迫っているほど「いくらで売りたいか」だけでなく、「いつまでに、どの価格帯なら現実的に売れそうか」まで不動産会社と共有することが、後悔を減らすポイントです。
帰国後に同じ家へ戻る前提を外せたことが売却を選びやすくした
売却を決めやすくしたもう1つの背景が、帰国後の住まいに対する仁科さん夫婦の考え方です。
仁科さんは、帰国後について妻と話し合い、その時点の家族構成やライフスタイルで住まいを決める考えを持っていました。
つまり、帰国後の住まいを今の家に固定しなかったわけです。
プロ20年 売るか残すかは
家への愛着だけでなく
帰国後の暮らしを
固定したいかも大きいです
この考え方なら、3年間ローンと管理を続けて家を残す必要性は相対的に小さくなります。
一方で、「赴任が終わればこの家へ必ず戻りたい」という方では事情が変わります。
売却後に同じ家へ戻ることは難しいため、帰国後の再入居を最優先するなら、空き家として維持する方法や賃貸を含めて考える意味があります。
特に赴任期間がおおむね見えている場合は、定期借家契約を使って契約終了時期を設定する方法もあります。
ただし、定期借家契約には書面による契約や事前説明などのルールがあるため、「3年間だけ貸す」と口頭で決めれば済む話ではありません。
海外赴任の持ち家管理を続ける価値は、家そのものの条件だけでなく、帰国後にその家が必要かどうかで大きく変わります。
仁科さんが売却後3年目に「100点だったとは言い切れない」としながらも、ローンと管理への不安を手放せた安心感を振り返っている点からも、売却は利益だけを求めた判断ではなかったことがわかります。
以上、仁科さんの実体験をもとに、海外赴任で持ち家をどうするか考える際に、売却判断を左右した4つの材料を専門家目線で分析しました。
どこに査定を頼めばいいのか迷い、1社の金額だけで決めてしまう方は少なくありません。実際、3社以上に査定を出した612名の約75%が「最高値と最低値に100万円以上の差があった」と回答しています。複数社の比較に役立つプロ厳選の一括査定サイトを知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
「不動産査定はどこに頼めばいいの?」 「1社だけでは損するって聞いたけど?」 「まだ売るか決めていない…査定していい?」 いざ売却を考え始めたけど、こうした不安を抱えていませんか? 結論、不動産査定で大切なのは、「どの1 …
家・一戸建ての売却は、売る理由や住宅ローンの状況、物件の状態によって進め方や注意点が変わります。実際に家を売った方の体験談と、売却準備から査定・契約・引き渡しまでの全体像を下記の記事にまとめました。
「家を売りたいけど何から始めるの?」 「うちの一戸建ていくらで売れる?」 「ローンが残っていても売れるのかな」 家の売却を考え始めた方が、最初にぶつかるのがこの3つの疑問です。 不動産会社に相談すればいいと分かっていても …
この記事を読んだ人には下記もおすすめです。
ぜひあわせてチェックしてみて下さい。
「買ったばかりなのに売るなんて…」 「周りの目が気になって決断できない」 「同じ経験をした人の話が聞きたいな」 あなたと同じように、予期せぬ事情で買ったばかりの家を売るか悩んでいる方は、実は少なくありません。 転勤、家族 …
ブログまとめ:海外赴任が決まったら、持ち家の悩みは渡航前に解消しよう

今回の不動産とーくは『【ブログ】海外赴任で持ち家どうする?仁科さん3カ月で売却した実録』と題して解説しました。
プロ20年 海外赴任と持ち家の
もやもやは、少しは
軽くなりましたか?
海外赴任が決まってからの数カ月は、引き継ぎ、ビザ、予防接種、家族の学校探しと、やることが次々に押し寄せてきます。
その中で持ち家の話は「あとで考えよう」と後回しになりやすいものです。
でも、実際に赴任者の相談を受けてきた私の実感としては、後回しにした持ち家の問題だけが、渡航後もずっと重荷として残り続けます。
渡航してしまえば落ち着いて考えられる、と思う方は多いのですが、現実は逆でした。
赴任直後は言葉も勝手も違う環境で、住まい探しや職場の立ち上げに追われます。
しかも日本の不動産会社とのやり取りは時差をまたぐので、メールが一往復するだけで丸1日が過ぎていくことも珍しくありません。
仁科さんが3カ月で答えを出せたのは、特別な知識があったからではなく、「今の家がいくらなのか」という事実を早い段階で手に入れたからです。
数字が1つ入るだけで、迷いは選択に変わります。
プロ20年 悩む時間より
調べる時間を増やすほうが
答えは早く出ますよ
もし今、頭の中がぐるぐるしているなら、渡航日から逆算して期限を区切ってみてください。
- 渡航2カ月前までに、金融機関へローンの扱いを確認する
- 渡航2カ月前までに、査定を受けて売却した場合の手残りを把握する
- 渡航1カ月前までに、家族と方針をすり合わせて結論を出す
締め切りがあると、人は動けます。
赴任日という動かせない期日があることは、実はあなたにとって追い風でもあるんです。
業界歴20年以上「不動産コンサル西田」のアドバイス
最後に、少しだけ本音の話をさせてください。
私が海外赴任のご相談で気になるのは、ご夫婦のどちらか一方だけが持ち家の情報を抱え込んでいるケースです。
赴任する本人は仕事の準備で手一杯、パートナーは渡航生活の不安で頭がいっぱい。
その状態で「売る・貸す」の話をすると、お金の話が家族のすれ違いに発展してしまうことがあります。
プロ20年 査定書は家族会議の
たたき台として
けっこう役に立つんです
だからこそ、査定という「共通の資料」を先に用意しておくことをお勧めしています。
数字が目の前にあると、感情論ではなく現実の話ができるようになります。
そしてもう1つ、伝えておきたいことがあります。
売る・貸す・維持する、どれを選んでも「間違い」ではありません。
家族で話し合って納得して決めたなら、それがあなたにとっての正解になります。
私が20年見てきて後悔が残るのは、選んだ道そのものより、誰にも相談しないまま流れで決まってしまったときでした。
納得して選んだ道は、あとから振り返っても揺らぎません。
今はまだ何も決まっていない。
その状態こそが、いちばん自由に選べるタイミングなんです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
海外赴任は、あなたのキャリアにとって大きな一歩です。
持ち家のことを渡航前にすっきり片づけて、新しい土地での毎日に思い切り集中できるよう、心から応援しています。
以上『【ブログ】海外赴任で持ち家どうする?仁科さん3カ月で売却した実録』でした。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)

-
不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士

1社だけの査定額では、高いのか安いのか判断しにくいものです。CMでおなじみ『スーモ』の一括査定なら、約60秒で複数社にまとめて依頼できます。査定の実例や流れは、公式ページで確認してみてください。 ≫スーモの無料査定はこちら











