「65過ぎたら自宅を売ってはいけないって?」
「高齢者が家を売ってはいけない理由は何?」
老後の住まいをどうすべきか、悩んでいる高齢者の方は少なくありません。
そんな中、雑誌やネットの記事を読んでいると、“老後は最後まで自宅を売ってはいけない”などと書かれていることがあります。
こういった意見を目にして、決断に踏み切れなくなる方も多いと思いますが、本当にそうなのでしょうか?
そこでこの記事では、不動産×住宅業界のプロが『【体験談】最後まで自宅を売ってはいけない?関口さん68歳老後の真実』と題して、貴重な経験を紹介します。
最後まで読めば、高齢者が家を売ってはいけないといわれる理由の真意と、後悔しない決断をするために本当に考えるべきことが分かります。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)

-
不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士

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【この記事の取材・確認方法】
この記事は、実体験者への取材・ヒアリング内容をもとに作成しました。不動産の種類や住まいの状況、当時の悩み、検討した選択肢、実際に取った行動、その後の暮らしの変化などを確認したうえで、個人が特定されないよう一部情報を調整。実務・専門的な判断を要する箇所は、不動産コンサルタントの執筆者・西田が補足。※体験談は個別事情に基づく内容であり、同じ結果を保証するものではありません。
【体験談】最後まで自宅を売ってはいけない?68歳の決断と結果

最後まで自宅を売ってはいけないという情報を耳にしたことはありませんか?
特に老後、高齢者の方が家を売ってはいけない理由として、環境の変化による心理的ストレスや、住み慣れた場所を失う喪失感がよく語られます。
しかし、全ての高齢者の方に当てはまるのでしょうか。
今回お話を伺う関口千鶴さんは、68歳で築42年の自宅売却を決断し、新天地で充実した日々を送っています。
- 関口 千鶴さん(仮名)

-
【年齢】68歳【居住地】埼玉県
元小学校教諭で65歳定年退職後、夫と二人で川越市の築42年の一戸建てに居住していた。階段昇降が膝に負担となり、庭の草取りも困難になってきた頃、長女夫婦が名古屋へ転勤。孫の成長を近くで見守りたいという強い希望から、思い切って自宅売却を決断した。売却代金1,980万円を元手に名古屋市内の駅近バリアフリーマンションを購入し、週末には孫の習い事送迎や一緒に遊ぶ日々を満喫。地域のボランティアサークルにも加入し、新しい友人関係も構築できている。「環境を変える勇気が、第二の青春をもたらしてくれた」と笑顔で語る充実した老後生活を送っている。
プロ20年 関口さん、本日は貴重な
お時間をいただき
ありがとうございます
関口さん こちらこそ、私の経験が
同じように悩んでいる方の
参考になればうれしいです
元小学校教諭として65歳まで勤め上げた関口さん。
退職後は夫と二人で埼玉県川越市の木造一戸建てに住んでいましたが、長女夫婦の名古屋転勤をきっかけに人生の大きな決断をします。
- 老後に自宅の売却を考え始めたきっかけは?
- 「住み慣れた家を手放す」不安や迷いはなかった?
- 売却を決めてから実行するまで何カ月かかった?
- 新居選びで「絶対に譲れない条件」は何だった?
- 環境が変わって心理的ストレスは実際どうだった?
- 「売って正解だった」と実感したのはいつ?
- 家を売ってはいけないと悩む高齢者の方へひと言
老後の住まいを売却するかどうか、正解は一つではありません。
関口さんの実体験から、後悔しない決断のヒントを探っていきましょう。
老後に自宅の売却を考え始めたきっかけは?
関口さん 実は2つの理由が
重なったんです
関口さんが老後に自宅の売却を考え始めた背景には、身体的な負担と家族への思いがありました。
まず一つ目は、階段の昇り降りが膝に負担になってきたことです。
築42年の木造2階建てで、寝室は2階にありました。
朝起きて1階のリビングへ降りる時、夜寝る前に2階へ上がる時、毎日の動作が少しずつ辛くなっていったと言います。
関口さん 手すりを使いながら
ゆっくりゆっくり上がるように
なっていました
さらに庭の手入れも負担になっていました。
月2回の草取りが日課でしたが、しゃがんだ姿勢を長時間続けるのが困難に。
プロ20年 日常動作の変化は
売却検討のきっかけに
なりやすいですね
そして二つ目のきっかけが、長女夫婦の名古屋転勤でした。
可愛い孫の成長を近くで見守りたい。
週末に一緒に過ごせる距離に住みたいという強い希望が、売却を真剣に検討する決め手になったそうです。
関口さん 孫が小学生になる前に
そばにいてあげたかったんです
このように関口さんの場合、最後まで自宅を売ってはいけないという固定観念よりも、老後をどう生きたいかという前向きな気持ちが勝りました。
「住み慣れた家を手放す」不安や迷いはなかった?
売却を考え始めても、すぐに決断できたわけではありません。
プロ20年 住み慣れた家を手放すのは
大きな決断ですよね?
関口さん 正直、すごく迷いました
42年間の思い出が
詰まっていましたから
子供たちが巣立った部屋、毎朝コーヒーを飲んだダイニング、夫と二人で手入れしてきた庭。
長年暮らした環境を離れることへの不安と寂しさは、簡単に振り切れるものではなかったと振り返ります。
特に気になったのは、新しい土地に馴染めるかどうかでした。
川越での友人関係や地域のつながりを失うことへの心配もあったそうです。
関口さん この年齢で新しい人間関係を
築けるのか不安でした
さらに、夫の反応も気がかりでした。
最初に売却の話を切り出した時、夫は黙り込んでしまったと言います。
プロ20年 その後、ご主人はどんな
反応をされたんですか?
関口さん 1週間くらい考えて
「お前が決めたなら」と
言ってくれました
定年後も近所の仲間とゴルフを楽しんでいた夫にとって、環境を変えることは大きな決断でした。
ただ、孫の顔を頻繁に見られることや、バリアフリーの住まいで安心して暮らせることを考えると、納得してくれたようです。
周囲からは「老後に家を売ってはいけない」という意見も聞こえてきました。
- 環境が変わると認知症のリスクが高まる
- 高齢になってからの引っ越しは体力的に大変
- 新しい土地で孤立してしまう可能性がある
プロ20年 周りの声に揺れる
気持ちもあったのでは?
関口さん 確かに不安は
ありましたが…汗
やはり、孫と過ごす時間を優先したいという思いが勝ったと関口さんは語ります。
家族で何度も話し合いを重ね、最終的には「やってみよう」と前向きに捉えられるようになったそうです。
売却を決めてから実行するまで何カ月かかった?
決断してから実際に動き出すまでには、準備期間が必要でした。
関口さん 売却を決めてから
引っ越しまで約7カ月
かかりました
プロ20年 具体的にどんな流れで
進めていったんですか?
まず最初の2カ月は、不動産会社選びに費やしました。
インターネットで調べ、複数の会社に査定を依頼し、地元に詳しい会社3社と大手2社の計5社から話を聞いたそうです。
関口さん 各社で査定額が200万円以上
違っていて驚きました
その後、売却活動の開始から買い手が見つかるまでに約3カ月。
築42年の物件でしたが、駅から徒歩12分という立地と、リフォームの余地があることが評価されました。
プロ20年 売却活動では何が
一番大切でしたか?
関口さん 不動産会社選びですね
担当者の誠実さと
熱意が決め手でした
最終的に選んだのは、地元で長く営業している大手不動産会社でした。
担当者が定期的に進捗報告をしてくれたことや、内覧対応時の細やかなアドバイスが心強かったと振り返ります。
残りの2カ月は、新居探しと引っ越し準備に充てました。
長年溜まった荷物の整理は想像以上に大変だったものの、不要な物を手放すことで気持ちもすっきりしたそうです。
プロ20年 計画的に進められた
ことが成功の鍵ですね
なお、複数社の比較には『スーモ売却(無料)』一括査定がおすすめです。
選択時に各社の売却実績数を確認できるので、どの会社に査定を依頼するか迷わずに進められます。
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※査定後に売るかどうかは自由
新居選びで「絶対に譲れない条件」は何だった?
名古屋での新居探しには、明確な条件がありました。
プロ20年 新居を選ぶ時、どんな点を
重視されましたか?
関口さん バリアフリーと
駅からの距離は
絶対条件でした
関口さんが新居に求めた条件は以下の通りです。
- バリアフリーのマンション
- 駅から徒歩10分以内
- 長女宅まで電車で30分以内
- スーパーや病院が近くにある
- 日当たりの良い南向き(または東向き)
特にこだわったのは、段差のない室内環境でした。
将来さらに高齢になっても安心して暮らせる住まいを最優先に考えたそうです。
関口さん 階段のない生活は
本当に快適です
玄関から室内まで完全にフラットで、廊下も車椅子が通れる幅があります。
浴室には手すりが設置され、トイレも広々とした作りです。
プロ20年 将来を見据えた住まい選びは
老後の安心に直結しますね
また、駅近という立地にもこだわりました。
車の運転をいつまで続けられるかわからないため、公共交通機関でどこへでも行ける環境を重視したのです。
関口さん 実際、週末は電車で
娘の家に通っています
さらに、周辺環境の充実度も確認しました。
徒歩5分圏内にスーパーが2軒、内科クリニックが1軒、歯科医院も近くにあります。
日常生活に必要な施設が揃っていることで、老後の安心感が全く違うと実感しているそうです。
売却代金の1,980万円を元手に、駅近の中古マンションを購入できました。
プロ20年 老後の生活を具体的に
イメージできていたから
良い選択ができたんですね
環境が変わって心理的ストレスは実際どうだった?
最後まで自宅を売ってはいけないといわれる大きな理由の一つが、環境変化によるストレスです。
プロ20年 実際に引っ越してから
ストレスは感じましたか?
関口さん 最初の1カ月は
正直戸惑いました
引っ越し直後は、スーパーの場所や病院の位置がわからず、道に迷うこともあったそうです。
近所に知り合いが一人もいない環境で、孤独を感じる瞬間もあったと振り返ります。
ただ、関口さんの場合は孫との新生活が大きな支えになりました。
週末には孫の習い事の送り迎えを手伝ったり、一緒に遊んだりと、新しい日常が始まったのです。
関口さん 孫の笑顔を見ると
引っ越してよかったと
心から思えました
地域に馴染むまでの期間は、約3カ月ほどかかったそうです。
転機になったのは、マンションの掲示板で見つけた地域のボランティアサークルでした。
プロ20年 新しいコミュニティとの
出会いがあったんですね
月2回の公園清掃活動に参加したことで、同世代の友人ができました。
活動後のお茶会では、おすすめのスーパーや病院の情報を教えてもらい、生活の不便さも徐々に解消されていったと言います。
積極的に地域の活動に参加することで、予想以上に早く馴染めたそうです。
関口さん 川越とは違う新鮮さが
毎日の楽しみに
なっています
心理的ストレスについては、以下のような変化があったそうです。
- 引っ越し直後(1カ月):不安と戸惑いが強い
- 3カ月後:生活リズムが整い始める
- 半年後:新しい環境を楽しめるようになった
- 1年後:完全に地域に溶け込んだ
プロ20年 前向きな目的があると
環境変化にも適応
しやすいですね
関口さん 何より孫との時間が
想像以上に充実しています
毎週土曜日は孫と一緒に料理やパン作りなどを楽しみ、日曜日は公園で遊ぶのが定番になりました。
孫の成長を間近で見守れることが、何よりの生きがいになっていると笑顔で語ります。
「売って正解だった」と実感したのはいつ?
老後に家を売ってはいけないという不安を乗り越えた関口さん。
プロ20年 売却して正解だったと
思えたのはいつ頃ですか?
関口さん 実は引っ越して
2週間後でした
意外にも早い時期に実感があったそうです。
その日、孫が習い事から帰ってきて「おばあちゃん、ただいま!」と玄関で声をかけてくれました。
すぐに抱きしめられる距離に孫がいる幸せを感じ、この決断は間違っていなかったと確信できたと言います。
関口さん 孫の声が聞こえる日常が
何よりの宝物です
また、日常生活の快適さも実感のきっかけになりました。
階段を使わない生活は、想像以上に体への負担が少なく、膝の痛みも軽減されたそうです。
プロ20年 身体的な面でも
良い変化があったんですね
買い物や通院も、駅近の立地のおかげでストレスフリーになりました。
- スーパーまで徒歩3分で買い物が楽になった
- 内科クリニックが近くて安心感が増した
- 電車移動が便利で行動範囲が広がった
- バリアフリーで家事の負担が減った
関口さん 川越では車がないと
不便でしたが今は
全て徒歩圏内です
さらに、新しい友人関係も充実してきました。
ボランティアサークルで知り合った方々と、月1回ランチ会を開くようになったそうです。
第二の人生を楽しむ仲間ができたことで、毎日が充実していると語ります。
プロ20年 環境を変える勇気が
新しい可能性を
開いたんですね
振り返ってみれば、最後まで自宅を売ってはいけないという考えに縛られていたら、今の充実した生活はなかったかもしれません。
関口さん 決断して本当に
良かったと思います
家を売ってはいけないと悩む高齢者の方へひと言
最後に、同じように悩んでいる高齢者の方へメッセージを伺いました。
関口さん まず「どう生きたいか」を
考えてほしいですね
関口さんが特に伝えたいのは、売る・売らないの結論を急ぐのではなく、老後をどう過ごしたいかを明確にすることの大切さです。
関口さん 私の場合は孫との時間が
何より大切だったんです
老後に家を売ってはいけないという意見も、確かに一理あります。
環境の変化が心理的ストレスになるケースもあるでしょう。
ただ、それは全ての高齢者の方に当てはまるわけではありません。
プロ20年 前向きな目的があれば
環境変化も乗り越えられる
可能性がありますね
関口さんからのアドバイスは以下の通りです。
- 老後の理想の暮らしを具体的にイメージする
- 家族とじっくり話し合う時間を持つ
- 焦らず自分のペースで決断する
- 不安があれば専門家に相談する
- 売却後の新生活も前向きに楽しむ
関口さん 周りの意見も大切ですが
最後は自分の気持ちを
信じてください
やむを得ない事情で不本意に売却する場合は、確かに心理的負担が大きくなりやすいでしょう。
しかし、老後資金を充実させたい、バリアフリー住宅で暮らしたい、家族の近くに住みたいなど、前向きな理由があるなら話は別です。
プロ20年 目的を持った売却なら
新しい人生の始まりに
なりますね
最後に、関口さんはこう締めくくってくれました。
プロ20年 関口さん、本日は貴重な
体験談をありがとう
ございました
関口さん 皆さんの輝かしい老後を
心から応援しています
以上、最後まで自宅を売ってはいけないという不安を乗り越え、充実した老後を送る関口千鶴さんの貴重な体験談を、インタビュー形式で紹介しました。
自宅がいくらで売れるかを知らないまま、売る・売らないを決めるのは案外むずかしいものです。
関口さんも金額がはっきり見えたことで、名古屋の駅近マンションという次の暮らしを具体的に描けました。
プロ20年 金額は売る合図ではなく
判断材料の1つとして
受け止めてほしいですね
もし査定額を見て「この家を残したい」と思えたなら、それも立派な結論でしょう。

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【老後の住まいチェック】自宅を売る・売らない、どちらが合っている?
「最後まで自宅を売ってはいけない」といわれても、その言葉があなたの暮らしに当てはまるかは別の話です。
大切なのは一般論ではなく、今の住まいと体調、お金の状況を正直に見つめること。
プロ20年 答えを急ぐ前に
今の状況を整理すると
判断がぐっと軽くなりますよ
下記のチェックリストで、あなたの現在地を確かめてみて下さい。
| 項目 | |
|---|---|
- 0~2個
→今の家に住み続ける選択が合っている状態です。売らない前提で、維持費と将来の修繕計画を整えておきましょう - 3~5個
→まだ急ぐ段階ではありません。自宅の相場や住み替え先の情報を、少しずつ集め始めるのがお勧めです - 6~8個
→売る・売らないを本気で比べる時期です。まず自宅がいくらで売れるかを知り、住み続ける費用と並べて考えましょう - 9個以上
→住み替えのメリットが大きい可能性があります。体力と気力に余裕があるうちに動くと、選べる道が広がります
チェックの数は、正解を決めるものではなく、あなたの現在地を示す目印です。
そして本当に見るべきは数より重さ。体やお金に関わる項目が1つでも当てはまるなら、数が少なくても重いと考えて下さい。
老後に家を売ってはいけないか悩む方に多いのが、「まだ大丈夫」と判断を先送りするパターン。
プロ20年 チェックが少ない方も
数年ごとに見直すと
変化に気づきやすくなりますね
体力が落ちてから慌てて動くと、選択肢が一気に狭まります。
売る・売らないの結論より先に、今のチェック結果を家族と共有してみませんか?
数字と事実をそろえてから話し合うことが、後悔の少ない決断への近道になります。
同じ不動産でも、査定額は数百万円単位で変わることがあります。地域での実績、担当者の経験、売却戦略、査定時に見るポイントが各社で異なるからです。後悔のない売却につなげたい方は、業界20年のプロがまとめた『不動産一括査定おすすめサイトTOP3!プロ厳選ランキング』をぜひご覧ください。
不動産一括査定サイトとは、たった1回の入力で複数社に査定依頼でき、その結果をまとめて比較できる「無料」のサービス。 実際に使うとわかりますが、自分で1社1社を探す時間や来店の手間を考えると、とっても効率的です。 ただし、 …
最後まで自宅を売ってはいけない?老後に持ち家を手放すリスクと例外
結論から言うと、最後まで自宅を売ってはいけないという説は、当てはまる方と当てはまらない方に分かれます。
老後に持ち家を手放すリスクは確かにありますが、売らずに住み続けるほうが苦しくなる場合もあるからです。
プロ20年 どちらが正しいかより
あなたに当てはまるかを
一緒に見ていきましょう
私は20年以上この仕事をしてきて、売って後悔した方も、売らずに後悔した方も見てきました。
ここでは、その両面を順番に整理していきます。
老後に家を売ってはいけないといわれる理由は主に4つある
まず、なぜこういわれるのか。根拠を知らないまま迷い続けるのは、いちばんもったいないと私は感じます。
- 住み慣れた環境を離れることで心理的な負担がかかる
- 年齢や収入、保証人の有無などによって賃貸住宅を借りにくい場合がある
- 売却代金を生活費に回すと、資産が目減りしていく
- 一度手放した家は、同じ条件で買い戻すのが難しい
私の相談現場でつまずく方が多いのは、2つ目と4つ目です。
賃貸については、年金収入だけだから一律に借りられないわけではありません。ただし、家賃の支払い能力や保証会社の審査、緊急連絡先などを慎重に確認される場合があります。
プロ20年 高齢者の入居を受け入れる
賃貸住宅もありますが
選択肢には地域差があります
4つ目も見過ごせません。
同じ広さ、同じ立地の住まいを後から探しても、価格や条件が当時と同じとは限らないためです。
つまり、売却は簡単には元に戻せない決断。
だからこそ慎重に、という意味で語られているのが実情です。
売らずに住み続ける場合に残る負担も見落とさない
一方で、売らない選択にも費用と手間はついてきます。
私が相談を受ける中で「そこまで考えていなかった」と言われやすいのが、下記のような将来の出費です。
| 将来かかりやすい費用 | 確認しておきたい点 |
|---|---|
| 屋根や外壁の塗装・補修 | 建物の広さや劣化状況、使用する材料によって費用が大きく変わる |
| キッチンや浴室など水まわりの修繕・交換 | 部分修理で済むか、設備全体の交換が必要かで費用が変わる |
| 手すり設置や段差の解消などの改修 | 工事内容や住宅の構造によって費用が異なる |
| 固定資産税・都市計画税 | 所在地や評価額、軽減措置の適用状況によって税額が異なる |
| 火災保険・地震保険 | 建物の構造や所在地、補償内容、保険金額によって保険料が異なる |
なお、手すりの取り付けや段差の解消などは、要介護・要支援認定を受けている方であれば、介護保険の住宅改修費が使える場合があります。
対象工事に対する支給限度基準額は原則20万円で、所得に応じて1割~3割を自己負担します。
プロ20年 対象工事や申請手順が
決まっているので、着工前に
自治体やケアマネジャーへ確認を
もう一つの負担が、資産がすぐには現金にならないことです。
介護施設の費用や医療費が必要になった時、家という財産があっても、そのままでは支払いに使えません。
体力や判断力に余裕がない状態で慌てて売却を進めると、価格や引き渡し条件を十分に比較できないおそれがあります。
それでも売却を前向きに考えたほうがいい例外もある
では、どんな場合が例外なのか。
私が相談者に「売る前提で考えてもいいと思います」とお伝えするのは、次のようなケースです。
- 年金や貯蓄だけでは生活費をまかなえず、将来の資金不足が具体的に見込まれる
- 階段や段差が多く、今の家で安全に暮らし続けるのが難しい
- 家を引き継ぐ方がおらず、将来空き家になる可能性が高い
- 必要な修繕費と今後住み続ける期間を考えると、維持するメリットが小さい
- 家族の近くで暮らすなど、住み替えに前向きな目的がある
インタビューに答えてくれた関口さんは、まさに2つ目と5つ目が重なった状態でした。
プロ20年 目的が明確な売却なら
手放す不安だけでなく
新生活への期待も持てます
反対に、周囲に押されて決めた方は、引き渡し後も「あれで良かったのか」と迷いが残る場合があります。
同じ売却でも、自分で納得して選んだのか、周囲の意見だけで決めたのかによって、結果の受け止め方は変わります。
売却を考える際は、今の家に住み続ける負担だけでなく、住み替え後の生活を自分が納得して選べるかまで確認しておきたいところです。
家を売らずに老後資金を用意する方法と注意点を知る
資金だけが不安なら、すぐに家を手放さずに備える道もあります。
代表的な3つを、注意点まで含めて並べてみます。
| 方法 | 特徴 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| リバース モートゲージ |
自宅を担保に融資を受け、契約者が亡くなった後などに、相続人による返済や自宅の売却によって返済する仕組み |
|
| リースバック | 自宅を売却したうえで、家賃を払って同じ家に住み続ける方法 |
|
| 自宅を貸して 住み替える |
持ち家は残したまま賃料収入を得て、暮らしやすい住まいへ移る方法 |
|
どの方法にも自宅をすぐ手放さずに済む、または売却後も住み続けられる利点があります。ただし、金利や家賃、契約期間、更新・再契約の条件を十分に確認しないまま契約すると、予定していた暮らしを続けられない場合があります。
プロ20年 契約期間や解約条件は
分からないままにせず
書面で一つずつ確認を
私自身が相談者にお伝えしているのは、10年後、15年後も無理なく続けられるかという視点で選ぶことです。
当面の資金を確保できても、その後の金利や家賃、維持費の負担によって家計が苦しくなる可能性があるためです。
売ると決める前に確認しておきたいポイントを押さえる
売却へ気持ちが傾いた時ほど、足元の確認が効いてきます。
順番に見ておきたいのは、下記の4点です。
- 移り先にかかる総額を調べる(施設なら入居時費用と月額費用、賃貸なら初期費用や家賃、保証の条件)
- 税金の特例を確認する(一定の要件を満たすマイホームの売却では、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例がある)
- 名義と本人の意思を確認する(共有名義の不動産全体を売却するには、原則として共有者全員の同意が必要)
- 売る順番と引き渡し時期を決める(先に売るか、先に移り先を決めるか)
2番目の特例には適用要件があり、ほかの税制優遇と併用できない場合もあるため、売る前に税務署や税理士へ確認するのが安全です。
プロ20年 判断能力が低下すると
本人だけでは売却手続きを
進められない場合があります
3番目は特に大切です。認知機能が低下して売却の内容を理解し、判断することが難しくなった場合は、成年後見制度などの利用が必要になることがあります。
成年後見人などが本人の居住用不動産を売却する場合には、家庭裁判所の許可が必要になるため、本人が問題なく意思表示できる時より手続きが増えます。
先延ばしによって選べる方法が少なくなる可能性があるのは、老後の住まいで見落としたくない点です。
売る、売らないのどちらであっても、本人の希望や名義、必要な資金を元気なうちに整理しておくことが、あなた自身を守ってくれます。
以上、最後まで自宅を売ってはいけないといわれる理由から、売らずに住み続ける負担、そして例外となるケースや売る前の確認点まで解説しました。
老後、あなたの家をできるだけ高く売る際に「1番重要なこと」とは?

さて、老後に家を売る際には「できるだけ高く売りたい!」と考える人が大半ですよね。
結論から言うと、高く売るには「不動産会社選び」が最も重要になります。
ここで、過去に不動産売却を経験した287人に「売却で1番重要だったことは?」と聞いた結果が以下のとおりです。

- 不動産会社選び:158人(55.1%)
- 売り出し価格:57人(19.9%)
- 売るタイミング:41人(14.3%)
- 売却の知識:22人(7.7%)
- 掃除や荷物整理:9人(3.1%)
全体の半分以上が「不動産会社選び」と答える結果になりました。
高くかつ早く売る販売戦略の立案、見込み客への積極的なアプローチ、Webサイトやチラシの広告活動など、売却成功に必要なことはすべて「不動産会社」が進めるため、当然の結果と言えるかもしれませんね。
家の売却に強い!
不動産会社選びの3条件

断言しますが、今の家が高く売れるかどうかの8割は「不動産会社選び」で決まります。
売却の強さで選ぶなら、下記「3つの条件をすべて満たすこと」が大きなポイントです。
- 大手または地域で実績の多い会社
買い手のほとんどは、大手または地域で実績の多い会社を中心に集まります。アピールできる買い手が多いことは、高く売る・早く売る両方の実現に直結するため、地域で上位の会社だけに絞って選びましょう。
- 売却情報の拡散力がある
高くかつ早く売るには「1人でも多くの買主に情報をとどけること」が重要です。そのために、十分な広告量はもちろん、自社で情報をかこい込まず、協力他社への情報提供にも積極的な会社を選びましょう。
- 90%以上の顧客満足度
売却での実績や安心感のある対応などが、顧客満足度に大きく反映されます。90%以上、つまり10人中9人が満足する基準で選べば、売却成功の確率はグンと上がるはずです。厳しい基準ですが、大切な売却を信頼できる会社で進めるためにも、妥協せず選びましょう。
以上が売却の強さを判断する3つの条件です。
特に売却がはじめての場合、査定額や印象だけで会社選びをしがちで、その結果「安く売るハメに…」「なかなか売れない…」と後悔している人が本当に多いです。
そのため、できるだけ「3つの条件をすべて満たす」不動産会社選びを心掛けてみて下さい。
けど、そんな良い会社
探すの難しそうです…汗
プロ20年 厳選した大手2社を
紹介しておきますね
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| 顧客満足度 | 96.0% |
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| 対応地域 | 東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良・愛知・北海道・宮城・広島・岡山・福岡 ※一部地域を除く |
| ポイント | ・39年連続!売買仲介取扱数No1 ・100万件突破の取扱実績が強み ・270店舗のネットワークが心強い ・2人に1人が2ヶ月以内成約で早い ・年間相談31万組以上の人気ぶり ・経験豊富なスタッフの正確査定 ・宅地建物取引士の対応で安心 |
| 無料査定 | ≫ 三井のリハウス公式ページ |

予想より高い査定額が出て嬉しかったです。
売るかどうか迷っていて、まずは価格がわかって安心です。

地域の売却相場がよく理解できました。
無料でここまで詳しく調べてもらえるとは思いませんでした。

即日で査定結果を出してもらえました。
急いでいたのでこのスピード感はありがたかったです。
※取扱数No1:三井不動産リアルティグループの86~24年度全国売買仲介取扱件数|顧客満足度:2024年度|店舗数:2025.7.3時点
どちらか1社選ぶなら、広告量による拡散力の点で「SREリアルティ」をおすすめしますが、正直なところ優劣つけがたいです。
各社1~2分あれば査定依頼できるので、もし両方の対応地域に該当するなら『SREリアルティ』と『三井のリハウス』の2社共に査定を出して、実際の査定額や対応、提案などを直に比較してみて下さい。
プロ20年 直に比較すれば、
よりあなたに合った方を
選べるはずです
以上、老後に家を高く売る際に1番重要な「不動産会社選び」について、売却に強い条件からおすすめの大手2社まで詳しく解説しました。
不動産の売却は、最初に選ぶ会社を1社間違えるだけで数百万円の損をしてしまうシビアな世界です。経験者がどんな流れで売却を進め、いくらで売れたのか、不動産会社をどう選んだのか――。あらゆるシーンでの体験談と、知識ゼロから売却完了までの正しい流れを下記の記事にまとめました。
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まとめ:最後まで自宅を売ってはいけないかは老後の暮らしで判断しよう

今回の不動産とーくは『【体験談】最後まで自宅を売ってはいけない?関口さん68歳老後の真実』と題して、下記の項目を解説しました。
- 【体験談】最後まで自宅を売ってはいけない?68歳の決断と結果
- 【老後の住まいチェック】自宅を売る・売らない、どちらが合っている?
- 最後まで自宅を売ってはいけない?老後に持ち家を手放すリスクと例外
- 老後、あなたの家をできるだけ高く売る際に「1番重要なこと」とは?
プロ20年 老後の住まいへの不安は
少し軽くなりましたか?
ここまで読んで、答えが1つに定まらないと感じた方も多いと思います。
それは迷いではなく、あなたが自分の暮らしに正直だからこそ起こることです。
判断が揺れた時は、家の話をいったん離れて、下記の問いに戻ってみて下さい。
- この家で安全に暮らせるのは、何歳ごろまでだと思うか
- 売らずに住み続けたら、10年でいくらかかりそうか
- 移り先では、朝から夜までどう過ごしていたいか
- 今の判断を、数年後に見直す余地は残せるか
4つとも自分の言葉で答えられたなら、結論はもう半分見えています。
プロ20年 周りの意見も参考程度に
最後に決めるのは
暮らす本人ですからね
誰かの正解をそのまま借りると、うまくいかなかった時に納得できません。
インタビューに答えてくれた関口さんも、結論が出るまでに何度も気持ちが揺れたと話していました。
その迷った時間こそ、納得して決めるための大切な準備期間になります。
業界歴20年以上「不動産コンサル西田」のアドバイス
最後に、相談の現場でよくお伝えしている考え方を1つだけ紹介します。
それは、自宅を老後の最後の切り札として残しておくという順番の話です。
生活費が心配になった時、手をつける順番は預貯金、保険、そして最後に家。この順番を先に決めておくだけで、焦って売る事態を避けやすくなります。
プロ20年 順番が決まっていると
急な出費のときでも
慌てにくくなりますよ
もう1つ、「今は決めない」という選択にも期限をつけてみて下さい。
たとえば70歳、あるいは階段がつらくなった時。そう区切っておけば、保留が先延ばしに変わらずに済みます。
そして、その日が来た時に迷わないための準備が、自宅の価値をつかんでおくことです。
売る決心とは切り離してかまいません。知っておくことは、売ることと同じ意味ではないからです。
長い記事を最後まで読んでくれて、本当にありがとうございました。
もし今日感じたことを、家族に一言だけ話してみると、次の一歩がぐっと軽くなります。
あなたが「この選択でよかった」と笑って言える老後になることを、心から願っています。
以上『【体験談】最後まで自宅を売ってはいけない?関口さん68歳老後の真実』でした。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)

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不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士

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