【体験談】マンション売却が寂しい…長谷川さんが後悔せず進めた全記録
「売る理由は分かってる。でも、なぜか踏み出せない」
「子どもと過ごした家を手放すのが、怖くて仕方ない」
「売ったあと、後悔しないかどうかが一番不安…」

マンション売却を前に、こうした気持ちを抱えている方は少なくありません。

転居・住み替え・相続など、売却の理由はそれぞれ違っても、「長年暮らした家を手放す寂しさ」は、多くの方が共通して感じるものです。

ただ、その感情は「売ってはいけないサイン」ではありません。

むしろ「寂しい」という気持ちを見て見ぬふりをしたまま進めることが、のちの後悔につながりやすいという現実があります。

この記事では、不動産×住宅業界のプロが『【体験談】マンション売却が寂しい…長谷川さんが後悔せず進めた全記録』と題して紹介します。

26年間、横浜のマンションで家族の歴史を刻んできた長谷川由美子さんが、どう感情と向き合い、どう決断し、売却後どんな気持ちになったのか——その全記録をお届けします。

「売るべきか迷っている」という方ほど、最後まで読んでみてください。

この記事の執筆者
西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)
西田 喜宣|クラウドハーツ・リアルエステート代表
不動産×住宅業界20年。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。ブログ120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士
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この記事のほかにも、当サイトでは数多くの不動産売却体験談を公開しています。売却全体の正しい流れや、他の経験者の成功・失敗談をまとめて見たい方は『家・マンション・不動産売却の全記録!7人の体験談・売る流れを完全解説』をあわせてご覧ください。

【体験談】マンション売却が寂しい…26年分の思い出との向き合い方

長谷川 由美子さん

今回お話を伺うのは、神奈川県在住の長谷川由美子さん(58歳)です。

今回お話を聞いた実体験者
長谷川 由美子さん(ハセガワ ユミコ)
長谷川 由美子さん
【年齢】58歳【居住地】神奈川県
【自己紹介】元医療事務。夫と結婚してから26年間、横浜市内の築31年3LDKマンションで暮らしていた。築5年の中古物件として購入し、子ども部屋の壁に残る身長の跡や、家族で過ごしたリビングの小さな傷を見るたびに、売却への寂しさが込み上げた。きっかけは、静岡県に住む母の入院と退院後の見守り。住宅ローンは残り約620万円だったが、夫婦で話し合い、実家に通いやすい場所へ住み替えることを決意。不動産会社3社に査定を依頼し、4カ月悩んだ末に3,380万円で成約した。現在は賃貸住宅へ移り、家族写真と食器棚を新居に持ってきている。売却を終えた今は、家を捨てたのではなく、家族を大切にするために次の暮らしへ移ったと思えるようになった。※プライバシー保護により仮名
プロ20年プロ20年

長谷川さん、本日は
貴重なお時間をいただき
ありがとうございます

長谷川さん長谷川さん

こちらこそ、同じように
マンション売却を前に
迷っている方の参考になれば

26年間、横浜市内の3LDKマンションで家族4人の暮らしを刻んできた長谷川さん。

売却を経て今は賃貸住宅へ移り、「家を捨てたのではなく、家族を大切にするために次の暮らしへ移った」——そう穏やかに語ってくれました。

マンション売却に「寂しい」という気持ちが拭えない方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

質問項目

  1. マンションの売却を考えたきっかけは?
  2. 「売るのは正解なのか」と迷った理由は?
  3. 特に手放しづらかった思い出は?
  4. 売却活動中、寂しい気持ちが強くなった場面は?
  5. 4カ月悩んだ末に売却を決断できた理由は?
  6. 鍵を渡した日、どんな気持ちだった?
  7. 売却後、寂しさとどう折り合いをつけた?
  8. マンション売却が寂しい人へ、今だから伝えたいことは?

それでは、長谷川さんの率直な気持ちと、売却に至るまでの経緯を詳しく聞いていきましょう。

マンションの売却を考えたきっかけは?

売却を考え始めたのは、2年ほど前のことでした。

プロ20年プロ20年

売却を検討されたのは、
どんなきっかけが
あったんですか?

長谷川さん長谷川さん

静岡に住む母が
転倒して骨折したんです
退院後も一人にはできなくて

退院後、母は自宅に戻れるまでに回復しましたが、また一人で何かあったらという不安が頭を離れなかったそうです。

当時、長谷川さんが住んでいた横浜のマンションから静岡の実家まで、車で2時間以上かかります。

長谷川さん長谷川さん

週に1回は様子を見に行きたいのに
往復するだけでへとへとで
続けられる距離じゃなかったんです

子どもたちはすでに独立していたため、夫婦2人で話し合い、実家へ通いやすい場所への住み替えを検討し始めました。

プロ20年プロ20年

親の見守りをきっかけに
住み替えを考える方は
実は少なくないですよ

子育てを終えた50代は、次の暮らし方を考え直す節目でもあります。

「売るのは正解なのか」と迷った理由は?

状況としては売却に向けて動き出すべき場面でも、心がそう簡単についてくるかどうかは別の話です。

プロ20年プロ20年

頭では理解していても
気持ちの整理がつかない…
そういう方、本当に多いですよ

長谷川さん長谷川さん

そうなんです
「正しい選択だ」と分かっているのに
なぜか決断できなくて

長谷川さんが迷い続けた理由は、大きく3つありました。

  • 26年間という長い時間をともに過ごした「生活の場」を失う感覚があった
  • 「ここで孫を迎える日もあったかもしれない」という将来への思いが残っていた
  • 売ってしまったら、あの頃には二度と戻れないという喪失感があった
長谷川さん長谷川さん

頭と心がちぐはぐで
夜、眠れない日も
何度かありました

「売る理由は分かってる。でも、なぜか寂しい。」

感情の迷いは「決断が間違っている」サインではなく、それだけ大切に暮らしてきた証拠です。

プロ20年プロ20年

迷いが深いほど、
その家での暮らしが
充実していたということですね

特に手放しづらかった思い出は?

26年という時間は、家のあちこちに痕跡を残すものです。

プロ20年プロ20年

特に「ここだけは
手放したくない」と感じた
場所や思い出はありましたか?

長谷川さん長谷川さん

子ども部屋の壁の
鉛筆の跡ですかね…
毎年、身長を測っていたんです

長男が3歳のときに引っ越してきて、その後生まれた長女とともに、毎年誕生日に壁に鉛筆で身長を記録していた長谷川さん。

引っ越し荷物をどけて壁を見たとき、ずらっと並ぶ細い線と年号が目に入り、しばらく動けなかったそうです。

長谷川さん長谷川さん

リビングの床にも
誕生日パーティーで
ついた小さな傷があって

何年前のどの誕生日についた傷か、はっきりと記憶していると言います。

ベランダにはプランターの跡も残っていて、毎年夏に子どもと育てた朝顔のことを思い出したとのこと。

長谷川さん長谷川さん

朝顔が咲くたびに
子どもが大喜びしてて…
それも、もう終わりなんだなって

子どもの笑い声、朝顔の水やりをした朝の空気、夕食の匂い——写真には残らない記憶が、家のあちこちにしみついているものです。

プロ20年プロ20年

家を売るというのは
物件を手放すだけでなく
記憶の場所を手放す感覚ですよね

その感覚こそが、多くの方がマンション売却を「寂しい」と感じる根っこにあると思います。

売却活動中、寂しい気持ちが強くなった場面は?

売却活動が進むにつれて、気持ちが揺れる場面が何度もありました。

プロ20年プロ20年

ちなみに、査定額は
どのように確認されましたか?

長谷川さん長谷川さん

一括査定サービスを使ったんです
自分では相場がよく分からなかったので
複数社の意見が聞けて助かりました

査定を依頼したのは3社。各社の査定額と提案内容をまとめると以下の通りです。

査定した会社の特徴 査定額 印象・提案内容・根拠
大手不動産会社①
(全国展開・知名度高)
3,480万円 周辺の成約事例を複数資料で提示。
「築31年の割に室内の状態が良い」と評価し、3カ月以内の売却を前提にした強気の価格設定だった
大手不動産会社②
(全国展開・知名度高)
3,200万円 「築年数を踏まえた現実的な価格」と説明。
買い手のターゲット層(子育て世帯)についての分析が丁寧で、安心感があった
地元密着型の不動産会社
(横浜エリア専門)
3,350万円 同沿線での売却実績が豊富。
「この路線は実需の需要が安定している」と具体的な根拠を示してくれた。担当者の対応が親身だった
※査定額はあくまで売り出し時の参考価格です。実際の成約額とは異なります。

最終的にA社に依頼し、売り出し価格3,480万円からスタート。

約2カ月の売却活動を経て、3,380万円で成約しました。

プロ20年プロ20年

複数社に査定を依頼すると
価格の根拠や各社の姿勢が
比較しやすくなりますよね

査定のやりとりは冷静にできた長谷川さんでしたが、その後の片付けで心が大きく揺れます。

長谷川さん長谷川さん

子ども部屋を片付けているとき
昔の教科書とか出てきて
手が止まってしまって

内覧が入るたびに部屋を整える作業も、じわじわと気持ちに影響していきました。

見ず知らずの方が自分の家の押し入れを開け、キッチンの引き出しを確かめ、子ども部屋の壁の鉛筆跡に気づくかもしれない——その場面を想像するだけで、胸がきゅっとなったそうです。

長谷川さん長谷川さん

内覧後に部屋に戻ると
誰かがいた空気が残っていて
それが妙に堪えました

買主が決まり、担当者から「正式に申し込みが入りました」と連絡が来たとき。

長谷川さん長谷川さん

ほっとする気持ちと
寂しさが同時に来て
どっちが本当の自分か分からなくて

売却が現実になっていくにつれて、気持ちの揺れは大きくなっていく——そう感じた方は少なくないはずです。

4カ月悩んだ末に売却を決断できた理由は?

査定を依頼してから実際に売り出すまで、長谷川さんは4カ月間悩み続けました。

プロ20年プロ20年

最終的に「売ろう」と
決断できたのは
何が決め手でしたか?

長谷川さん長谷川さん

母が「また転んだら」って
思うたびに、今のままじゃ
ダメだと感じていたんです

心が揺れていても、母の見守りという現実は変わりません。

夫婦で何度も話し合い、整理した判断材料は以下の通りです。

判断した内容 長谷川さんの状況
子どもの独立 長男・長女ともに独立済みで、3LDKは夫婦2人には広すぎる状態だった
住宅ローン残債 残り約620万円。売却益でローンを完済できる見込みがあった
母の見守り 静岡の実家まで車で2時間以上。通いやすい場所への住み替えが急務だった
今後の暮らし 夫婦2人の生活を見直すうえでも、住まいのダウンサイジングが現実的だった
長谷川さん長谷川さん

条件を並べて見ると
「売らない理由」が
感情だけだと気づいたんです

とはいえ、感情だけが理由だと気づいても、それで気持ちがすっと楽になるわけではありませんでした。

長谷川さん長谷川さん

「それでも寂しい」が
なくなるわけじゃないんです
でも、動ける気持ちになれたんです

プロ20年プロ20年

感情と条件を
切り分けて整理することが
前に進む第一歩になりますよね

感情を否定するのではなく、感情と条件を切り分けて考えたことが、前に進む力になりました。

「寂しい」という気持ちと「それでも動く」という決断は、同時に持っていていい——長谷川さんはそう実感しました。

鍵を渡した日、どんな気持ちだった?

決済と引き渡しを終えた日——長谷川さんは最後に玄関に立ちました。

プロ20年プロ20年

鍵を渡した日のことを
できる範囲で
聞かせてもらえますか?

長谷川さん長谷川さん

玄関のドアを閉めたとき
26年分の記憶が
ぶわっと浮かんできて

子どもたちが「ただいま」と飛び込んできた玄関。

深夜に仕事から帰ってきた夫を迎えた玄関。

何十回も繰り返してきた「いってきます」と「おかえり」の場所。

長谷川さん長谷川さん

エレベーター前で
涙が止まらなくて
夫も黙って隣にいてくれました

涙は、弱さではなく、26年間を大切に生きてきた証だと思います。

長谷川さんは泣きながらも、「これで良かったんだ」という感覚も確かにあったと話します。

長谷川さん長谷川さん

後悔はなかったですよ
でも寂しくないかといえば
それは嘘になります

プロ20年プロ20年

後悔がないのに寂しい
その二つは矛盾しない
大切な感情ですよ

売却後、寂しさとどう折り合いをつけた?

新居へ移ってから、しばらく気持ちの落ち着かない日々が続きました。

長谷川さん長谷川さん

新しい部屋に入ったとき
ものが少なくてがらんとして
余計に寂しかったんです

そんな中で、新居へ一緒に連れてきたのが、ずっとキッチンに置いていた食器棚と、家族写真でした。

プロ20年プロ20年

どうしてその2つを
選んで持ってきたんですか?

長谷川さん長谷川さん

食器棚は家族の食卓の
記憶そのものみたいで
手放せなかったんです

長谷川さん長谷川さん

写真は子どもたちの顔を
毎日見ていたくて
それだけは絶対に持ってきました

新しい部屋に食器棚が届いた日、「あ、ここが家になっていく」と感じたそうです。

思い出は物ではなく、自分の中にある——その感覚に気づいたとき、気持ちが少しずつ楽になってきたと言います。

プロ20年プロ20年

「家を売った」ではなく
「次の暮らしに移った」と
思えるかどうかは大きいですね

長谷川さん長谷川さん

そう思えるようになったのは
引っ越しから2カ月くらい
経った頃でしたかね

母の様子を見に行く頻度が上がり、顔色が良くなっていく母を見るたびに、「この選択は間違っていなかった」という確信が強まっていきました。

マンション売却が寂しい人へ、今だから伝えたいことは?

最後に、マンション売却を前に「寂しい」「本当にいいのか」と迷っている方へ、実体験からのメッセージを伺いました。

プロ20年プロ20年

同じように悩んでいる方へ
今だから言えることを
伝えてもらえますか?

長谷川さん長谷川さん

「寂しい」は
売ってはいけないサインじゃない
って伝えたいです

長谷川さんが後悔しないための決断に至るまで、意識したことが3つあります。

  • 「感情」と「現実的な判断材料」を分けて紙に書き出す
  • 家族(パートナー)と何度も本音で話し合う
  • 売却後の暮らしを具体的にイメージしてみる
長谷川さん長谷川さん

売ったあとの生活が
少しでも見えてくると
前向きになれましたよ

プロ20年プロ20年

売却後の暮らしを
イメージできると
決断後の後悔も減りやすいですよ

また、決断する前に確認しておいてほしいこととして、長谷川さんはこう付け加えます。

  • 複数の不動産会社に査定を依頼して、価格の根拠をしっかり確認する
  • 「なぜ売るのか」の理由を自分の言葉でもう一度整理する
  • 売らずに住み続けた場合のデメリットも正直に見つめる
長谷川さん長谷川さん

後悔しないためには
寂しさから目を逸らすより
寂しさと向き合うことでした

「家族を大切にするために、次の暮らしへ移る」——その言葉が、迷っている方の背中を少し押せるなら嬉しいと、長谷川さんは穏やかに笑います。

プロ20年プロ20年

本日は率直で
温かい体験談を
ありがとうございました!

長谷川さん長谷川さん

マンション売却が寂しくて
迷っている方の気持ちが
少し楽になれば嬉しいです


以上、26年間暮らした横浜のマンションを売却した長谷川由美子さんの、感情に寄り添った貴重な体験談をインタビュー形式でお伝えしました。

長谷川さんが「複数社に査定を依頼して本当に良かった」と話すように、査定は売却を決める前の「情報収集」として使うこともできます

1社だけに連絡すると、その価格が適正かどうか判断するすべがありません。

プロ20年プロ20年

査定額には会社ごとに
数百万円の差が出ることも
珍しくないんですよ

「売るかどうか迷っている」という段階でも、査定を依頼することに何ら問題はありません。

【チェックリスト】マンション売却前に整理したい気持ちと条件

「寂しい」という感情と向き合いながらも、長谷川さんが後悔のない決断に至れたのは、気持ちだけでなく現実的な条件もきちんと整理したからです。

マンション売却を迷っている方は、感情と条件を一緒に抱えてしまいがちですが、「気持ちの整理」と「売り時の条件確認」は、分けて考えることが大切です。

以下のチェックリストで、今のあなたの状況を確かめてみましょう。

プロ20年プロ20年

「売るかどうか迷っている」
という段階でも使えます
ぜひ正直にチェックしてみてください

【診断】□にチェックできます
項目
【診断結果】
  • 0~3個:準備の入口段階
    →まだ整理できていない点が多い状態です。感情と条件を一つずつ書き出すことから始めましょう
  • 4~6個:準備が進んでいる段階
    →方向性は見えてきています。未チェックの項目を一つずつ確認していくと、判断の軸が定まってきます
  • 7~9個:決断に近い段階
    →気持ちと条件の整理がかなり進んでいます。査定額の確認や家族との最終確認を進めましょう
  • 10~12個:決断できる状態
    →気持ちと条件の両面で準備が整っています。売却活動に向けて具体的に動き出せるタイミングです
※おおよその目安です。個々の状況によって判断は異なります。
プロ20年プロ20年

チェック数が少なくても
焦る必要はありません
一つ確認するごとに前進していますよ

マンション売却は、気持ちの整理と現実的な条件の確認、その両方が揃ってはじめて「納得のいく決断」に近づきます。

感情を置き去りにした決断は後悔を生みやすく、感情だけで動いた決断は準備不足につながりやすい——このチェックリストは、その両方をバランスよく整えるための道しるべです。

売却を検討しているなら、まずは今の自分の状態を正直に確かめることが、一番の近道になります。

マンション売却の寂しい気持ちと売却判断を切り分ける考え方

マンション売却を迷う多くの方が、「寂しい」という感情と「売るべきかどうか」という判断を、同じ問題として考えてしまっています。

プロ20年プロ20年

でも、この2つは
切り分けて考えるべき
まったく別の話です

長年暮らした場所を手放すときに寂しさを感じるのは自然なこと。私がこれまで関わってきた多くの売却相談でも、「寂しくない」という方にはほとんど出会ったことがありません。

寂しいという感情は、あなたがそこで丁寧に暮らしてきた証拠であって、売却判断が間違っている証拠ではありません。

感情に引っ張られずに自分が納得できる判断をするには、売却理由・今後の生活・資金面・税金や相続の4つの軸に分けて整理することが大切です。

まず「なぜ売るのか」の理由を書き出してみる

まず取り組んでほしいのが、売却を考えた理由を紙やメモに書き出すことです。

頭の中だけで考えていると、感情と理由がごちゃまぜになります。書き出すことで「なんとなく不安」が具体的な問題に変わり、整理がぐっと進みます。

転居・住み替え・相続・ローン負担・家族構成の変化など、理由はさまざまですが、書いてみると「売る理由のほうが多い」と気づく方も少なくありません。

以下の4つの問いを、実際に書き出してみてください。

  • 売却を考えた最初のきっかけは何か
  • 売らなかった場合、どんな問題が残るか
  • 売った場合、どんな変化が起きるか(プラス・マイナス両面)
  • 急いで判断すべき事情があるか、またはないか
ケイスケ

書いてみると
「売る理由のほうが多い」と
気づく方も少なくなさそうですね

感情を否定せず、でも感情だけに引っ張られないようにするための第1歩として、まずここから始めてみましょう。

今後の生活と資金面を分けて整理する

売却判断がなかなか固まらない方の多くは、生活面と資金面の不安が一緒くたになっています。

この2つを分けて整理するだけで、何が不安でどう動けばいいのかがはっきり見えてきます。

整理する軸 具体的な確認事項 注意点
今後の生活
  • 売却後はどこに住むか決まっているか
  • 住み替え先の目途はついているか
  • 家族全員の合意は得られているか
家族間の認識のズレが、売却後のトラブルにつながりやすい
資金面
  • 住宅ローンの残債はいくらか
  • 売却価格でローンを完済できるか
  • 売却後に手元に残る資金はいくらか
残債が売却価格を上回る「オーバーローン」の場合、通常の売却ができないケースがある

オーバーローンの状態では、金融機関との交渉(任意売却など)が必要になる場合があります。

気になる方は早めに不動産会社へ相談することをおすすめします。

カエデ

オーバーローンって
言葉は聞いたことあったけど
自分に当てはまるかどうか
確認したことなかった…

また、住み替えを検討している方は「売り先行」か「買い先行」かの順序も重要です。

順序を誤ると、仮住まいが必要になったり、一時的にローンを二重に抱えるリスクが生じる場合もあります。

税金・相続が絡む場合は専門家への確認が必要

税金や相続が絡む場合は、感情や直感だけで判断せず、必ず専門家に確認を取るべきです。

プロ20年プロ20年

適用できる特例や手続きの内容が
個別の条件によって大きく変わる
からです

たとえば居住用のマンションを売却する場合、「3,000万円の特別控除」(居住用財産の特例)が使えるケースがあります。

ただし、居住実態の有無・過去の利用状況・買い替えの有無などの条件次第で適用の可否が変わるため、「たぶん使えるだろう」と思い込んで進めると、売却後に想定外の税負担が生じる可能性があります。

また、相続したマンションを売却する場合は、2024年4月に義務化された相続登記にも注意が必要です。

相続によって不動産を取得したことを知った日から原則3年以内に登記を行わないと、10万円以下の過料の対象になる場合があります。

確認先は内容によって異なりますが、以下を目安にしてください。

確認すべき内容 相談先
居住用財産の特例・軽減税率の適用可否 税務署 または 税理士
譲渡所得税の計算(取得費・売却費用の算出) 税理士
相続登記の手続き・期限の確認 司法書士
売却価格の相場・ローン残債との兼ね合い 不動産会社
※上記はあくまで一般的な目安です。個別の状況によって異なりますので、必ず各専門家にご確認ください。

私の経験上、税金の特例は「知っているかどうか」だけで手取り額が数百万円変わることもあります。

売却前に確認するのが鉄則です。

「売るべき」か「売らないべき」かは、あなたが決めること

売却すべきかどうかの答えは、誰かが代わりに出せるものではありません。

私の立場から「売ったほうがいい」とも「売らないほうがいい」とも断言できないし、するべきでもないと思っています。

プロ20年プロ20年

大切なのは、自分の状況を感情と
切り分けて整理した上で、
自分が納得できる判断をすること

「寂しい」という気持ちは、売却の後も続くかもしれません。

でも、「なぜ売ったのか」「どう考えて決めたのか」が自分の中でしっかり整理されていれば、その寂しさは時間とともに薄れていく傾向があります。

あなたが後悔のない判断をするための材料を整えることが、この記事でお伝えしたいことです。


以上、マンション売却の寂しい気持ちと売却判断を切り分ける考え方について解説しました。

感情を大切にしながらも、理由・生活・資金・税金の4つの軸でしっかり整理することが、後悔のない判断につながります。

寂しい…マンションを売却する前にやっておきたい5つのこと

売却前の準備を整えておくことが、感情に流されずに動き出せる一番の近道です。

なぜなら、「寂しい」「本当に売っていいのか」という気持ちが残ったまま売却活動に入ると、価格交渉や契約の場面で判断がぶれやすくなるからです。

売却前にやっておきたい5つのこと

  1. 写真や動画でマンションの記録を残す
  2. 家族と思い出を振り返り、気持ちの区切りをつける
  3. 売却の相場・査定・条件を事前に整理する
  4. 不動産会社に依頼する前に確認事項を把握する
  5. 準備に期限を決めて、タイミングを逃さない

これら5つを事前に済ませておくことで、売却活動を自分のペースで進められます。

1.写真や動画でマンションの記録を残す

売却前にぜひやってほしいのが、自分が暮らした空間を写真や動画で記録することです。

引き渡してしまえば、その空間には二度と戻れません。

日常の中では当たり前すぎて気づかない景色も、記録に残しておくことで「ここで暮らしていたんだ」という実感が、後になってじわりと心の支えになります。

撮影しておきたい場所の目安は以下の通りです。

  • リビング・ダイニング・各居室など、日常を過ごした室内
  • 窓からの眺め(朝・夜など時間帯を変えて)
  • 玄関まわり・バルコニーなど、専有部分の細部

なお、エントランス・廊下・駐車場といった共用部分を撮影する場合は、管理規約で撮影が制限されているケースや、他の居住者の方が映り込むプライバシーの問題が生じる場合があります。

掲示物や他の方の車のナンバーなどが映らないよう配慮した上で、管理規約も事前に確認しておきましょう。

引き渡した後に「あの景色を残しておけばよかった」と後悔する方は少なくありません。

売却を決めたら、早めに撮影しておくことをおすすめします。

リョウヘイ

窓からの景色って
住んでいるときは
当たり前すぎて撮らないですよね

2.家族と思い出を振り返り、気持ちの区切りをつける

記録を残したら、次は気持ちの整理です。

「寂しい」という感情は、無理に押し込めるよりも、しっかり向き合ったほうが後に引きずりにくくなります。

気持ちの区切りをつけるために、具体的に取り組んでほしいことをいくつか紹介します。

  • 家族でそのマンションにまつわる思い出話をする
  • 思い出の品をゆっくり整理して、手放すものと残すものを分ける
  • 近所をひと回り歩いて、見慣れた景色を改めて目に焼き付ける
  • よく使ったお店や通い慣れた道を、最後にもう一度訪れてみる

気持ちに区切りがつくと、売却活動中の迷いや後退りが減り、前向きに判断できるようになる傾向があります。

プロ20年プロ20年

感情の整理がついている方と
そうでない方では、売却活動中の
判断の安定感が明らかに違います

3.相場・査定額・売却条件を事前に整理しておく

気持ちの整理ができたら、次は数字と条件の整理です。

売り出す前に「いくらで売れるか」「いつまでに売るか」「売った後はどこに住むか」の3点を自分なりに把握しておきましょう。

項目 確認のポイント 調べ方・目安
売却相場 近隣の成約価格を把握する レインズマーケットインフォメーション・SUUMOなどで確認
査定額の目安 価格のばらつきを複数社で比較する 最低2~3社に査定を依頼する
売却期限 「いつまでに売りたいか」を決める 一般的な目安は3~6カ月
住み替え先の条件 売却後の住まいを大まかに決める 候補エリア・家賃・購入予算を整理する
※売却期間の目安はエリアや物件条件によって異なります。

査定はあくまで「売れる可能性がある価格」であり、確定値ではありません。

複数社の査定を比較することで相場感が養われ、不動産会社との価格交渉でも冷静に対応しやすくなります。

ケイスケ

査定額って1社だけ聞くと
その価格が正しいと
思ってしまいそうですよね

4.不動産会社に依頼する前に確認すべきことを知っておく

不動産会社に正式に依頼する段階になったら、媒介契約の内容をしっかり確認することが大切です。

「よくわからないまま契約してしまった」という声は多く、後でトラブルになることも少なくありません。

事前に把握しておきたい主な確認事項は以下の通りです。

確認事項 ポイント
媒介契約の種類 専属専任・専任・一般の3種類があり、複数社への依頼可否や報告義務が異なる
契約期間 上限3カ月(専属専任・専任の場合)。期間満了後は自動更新されないため、継続する場合は更新手続きが必要
仲介手数料 売買価格の3%+6万円(税別)が上限の目安。内容と金額を事前に確認する
売り出し価格の決め方 査定額と相場をもとに、売主と不動産会社が話し合って決める。高すぎると売れ残るリスクがある
※仲介手数料の上限は売買価格によって異なります。上記は売買価格が400万円超の場合の速算式による目安です。

特に売り出し価格については、「少しでも高く売りたい」という気持ちは当然ですが、相場より大幅に高い価格では問い合わせ自体が来にくくなり、結果的に値下げを重ねて相場以下になるケースもあります。

最初の価格設定が売却の成否を左右すると言っても過言ではありません。

依頼前にこれらを頭に入れておくことで、不動産会社との打ち合わせで主体的に動けるようになります。

プロ20年プロ20年

媒介契約の種類は
どれが正解とは一概に言えません
物件の状況や希望する
売却スピードで変わります

マチ

最初に高く出しすぎて
ずっと売れなかった…
という話を身近で聞いたことあります

5.準備に期限を決めて、売却のタイミングを逃さない

ただ、準備に時間をかけすぎて売却のタイミングを逃すことも、また一つのリスクです。

不動産市場は時期や金利動向・周辺の供給状況によって変化します。

「もう少し整理してから」「気持ちが固まってから」と先延ばしにしている間に、市況が変わったり競合物件が増えたりすることもあります。

目安として、以下のような期限設定をおすすめします。

  • 記録・思い出の整理:売却を決めた日から2週間以内(時間が経つほど踏み出しにくくなるため)
  • 相場調査・複数社への査定依頼:1カ月以内(早めに相場感をつかむことで価格判断がブレにくくなるため)
  • 不動産会社との媒介契約:査定完了から2週間~1カ月以内(市況は変わるため、判断したら早めに動くことが大切)
※上記はあくまで一般的な目安です。個人の状況に応じて調整してください。

気持ちの整理と売却の準備は、並行して進めることができます。

「完全に気持ちが整ってから動く」必要はなく、動きながら気持ちが整っていくことも多いものです。

期限を決めて行動することが、後悔のない売却への近道になります。


以上、マンションを売却する前にやっておきたい5つのことを紹介しました。

準備を一つひとつ積み重ねることで、寂しさを感じながらも「自分で決めた」という納得感を持って、次のステージへ踏み出せます。

まとめ:マンション売却の寂しさは、後悔しない準備で軽くできる

今回の不動産とーくは『【体験談】マンション売却が寂しい…長谷川さんが後悔せず進めた全記録』と題して、下記の項目を解説しました。

この記事で解説したこと

  1. 【体験談】マンション売却が寂しい…26年分の思い出との向き合い方
  2. 【チェックリスト】マンション売却前に整理したい気持ちと条件
  3. マンション売却の寂しい気持ちと売却判断を切り分ける考え方
  4. 寂しい…マンションを売却する前にやっておきたい5つのこと
プロ20年プロ20年

長谷川さんの体験談、
いかがでしたか?
「寂しさ」への向き合い方が
少し変わりましたか?

マンション売却に「寂しい」と感じることは、弱さでも迷いすぎでもありません。

それだけ大切に暮らしてきた証であり、その感情と正直に向き合った人ほど、後悔の少ない決断ができる傾向があります。

業界歴20年以上「不動産コンサル西田」のアドバイス

20年以上この仕事をしていると、マンション売却で後悔する方に共通するパターンが見えてきます。

「気持ちの整理がついてから動こう」と思い続けた結果、市場の状況が変わり、売り時を逃してしまうケースです。

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「寂しい」という感情は
売却活動をしながらでも
整理されていくものなんです
長谷川さんがまさにそうでしたよね

感情が完全に整ってから動く必要はありません。

長谷川さんも、査定を依頼した段階ではまだ迷っていました。それでも動き出したことで、4カ月後に納得の決断ができています。

「売るかどうか」を決める前に、まず「いくらで売れるか」を知っておくことが、迷いを具体的な判断に変える第一歩になります。

その際に意識してほしい点が3つあります。

  • 査定は必ず複数社に依頼する(長谷川さんのケースでは3社の査定額に最大280万円の差があった)
  • 査定額だけでなく、各社が示す「根拠と提案内容」まで比較する
  • 査定の場を、担当者の人柄や対応を見極める機会としても活用する
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査定額の差を見るだけでも
「この家の価値」への
解像度がぐっと上がります
迷っている方こそ
早めに動いてほしいですね

長谷川さんが鍵を渡した日に「後悔はなかった」と言えたのは、感情に向き合いながら、同時に現実的な準備を重ねてきたからです。

「寂しい」という気持ちは、正直に抱えたまま前へ進んでいい——この記事がそう思えるきっかけになれば幸いです。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

「売るべきか、このまま住み続けるべきか」——その答えは、誰かに決めてもらうものではなく、自分の気持ちと条件を整理した先に見えてくるものです。

あなたが納得できる決断に、この記事が少しでも役立てていたら嬉しいです。

以上『【体験談】マンション売却が寂しい…長谷川さんが後悔せず進めた全記録』でした。

この記事の執筆者
西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)
西田 喜宣|クラウドハーツ・リアルエステート代表
不動産×住宅業界20年。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。ブログ120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士
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