「わかってはいるけど、悲しくて動けない」
「手放した後、本当に前に進めるのか不安」
同じ気持ちを抱えながら、今まさに追い詰められている方は少なくありません。
離婚、収入の激減、病気による休職、相続問題——家を手放さざるを得ない事情はさまざまでも、「長年暮らしてきた家を失う」という悲しさと喪失感は、どんな理由であっても変わらないものです。
ただ、一つだけ知っておいてほしいことがあります。「自分だけが特別につらいわけじゃない」と思えるだけで、気持ちが少し楽になることがあります。
つらい状況だからこそ、「同じ経験をした人がどう乗り越えたか」を知ることが、次の一歩を踏み出す力になるはずです。
この記事では、不動産×住宅業界のプロが『【体験談】家を売る悲しい経験。篠原さんが売却半年後に語った本音』と題して紹介します。
実体験者のインタビューを通じて、「悲しみを抱えながらでも前に進める」ことを、きっと感じてもらえるはずです。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)

-
不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士

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【この記事の取材・確認方法】
この記事は、実体験者への取材・ヒアリング内容をもとに作成しました。不動産の種類や住まいの状況、当時の悩み、検討した選択肢、実際に取った行動、その後の暮らしの変化などを確認したうえで、個人が特定されないよう一部情報を調整。実務・専門的な判断を要する箇所は、不動産コンサルタントの執筆者・西田が補足。※体験談は個別事情に基づく内容であり、同じ結果を保証するものではありません。
【体験談】泣く泣く、家を売ることに。悲しい売却決断と半年後の本音は?

早速、家を手放すことになった大阪府在住の篠原麻衣子さんにお話を伺います。
- 篠原 麻衣子さん(仮名)

-
【年齢】46歳【居住地】大阪府
大阪府吹田市の一戸建てで夫・長女・次女と4人暮らしだったが、2年前に夫がうつ病で長期休職。住宅ローンの返済が行き詰まり、泣く泣く任意売却を決断。次女の受験期と重なったこともあり、売却を決意するまで4ヶ月以上かかった。現在は同市内の賃貸アパートに転居し新生活を送っているが、「今でもふとあの家に帰りたくなる」と語る。
プロ20年 篠原さん、本日はつらい
経験を話してくださり
ありがとうございます
篠原さん 同じ状況で苦しんでいる方の
参考に少しでもなれれば
と思って話します
篠原さんは、夫と2人で3,480万円の住宅ローンを組んで購入した吹田市内の4LDK一戸建てで、家族4人が約10年間暮らしてきました。
2年前、夫がうつ病を発症して休職。傷病手当金だけでは月12万円のローン返済と生活費を賄いきれず、230万円あった貯蓄を取り崩しながらなんとか返済を続けていたといいます。
それでも昨年末に貯蓄が底をつき、3カ月分のローンを滞納。金融機関から催告書が届き、その後まもなく「期限の利益喪失通知」が送付されてきました。
「頭ではわかっていても、心がついていかない。」そんな状態のまま、篠原さんは家を手放すという決断に向き合っていくことになります。
- ローン滞納・催告書・任意売却…家を手放す流れはどう進んだ?
- 家の売却を決断するまで4カ月かかった、一番の理由は?
- 家族10年分の記憶が詰まった家を手放す日、何を感じた?
- 悲しみの中で家を手放した後、家族関係に変化はあった?
- 今も「あの家に帰りたい」と思うとき、その気持ちとどう向き合っている?
- 家を売るしかない…でも悲しくて踏み出せない人へ伝えたいことは?
それでは、篠原さんが歩んだ道のりと、手放した半年後にたどり着いた本音を、詳しく聞いていきましょう。
ローン滞納・催告書・任意売却…家を手放す流れはどう進んだ?
催告書が届いてから、篠原さんの生活は一変します。
プロ20年 催告書が届いたとき、
任意売却という選択肢は
すでに知っていましたか?
篠原さん 全然知りませんでした
ネットで調べて初めて知ったんです
任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった際に、金融機関の同意を得たうえで自宅を市場で売却する方法です。
競売と比べて売却価格が市場価格に近くなりやすく、引っ越し費用の一部を売却代金から捻出できるケースもあるなど、債務者にとってメリットが大きい選択肢として知られています。
プロ20年 任意売却を選んだ
決め手はどこにあったんでしょう?
篠原さん 競売になると近所に知られる
可能性があること、売値が
大きく下がることが怖くて
任意売却を知ったきっかけはネット検索でしたが、実際に動き出すには専門の不動産会社への相談が必要でした。
篠原さんが任意売却を選んだ決め手と、踏み切る前に感じていた不安は以下の通りです。
- 競売よりも高い金額で売れる可能性があると知った
- 売却活動の進め方を専門家に任せられる安心感があった
- 引っ越し費用を売却代金から一部出してもらえると聞いた
一方で、踏み切る前には「本当に成立するのか」「売れなかったらどうなるのか」という不安がずっとつきまとっていたといいます。
篠原さん 「失敗したら競売になる」
という恐怖が頭から
離れなかったです
任意売却ができる期間には限りがあり、競売の入札開始前までが期限です。迷っているうちにも手続きは水面下で進む。
だからこそ、動こうと思ったときが、一番早いタイミングといえます。
さて、篠原さんが任意売却を進めるにあたって、実際の査定額がどうだったのかも気になるところです。
プロ20年 売却に向けて動き出す中で
不動産会社の査定は
どのように確認しましたか?
篠原さん まずは複数社に一括査定を
行いました
任意売却にも対応してくれる
会社にあたりを付けたくて
複数の不動産会社に一括査定を依頼した結果が以下です。
| 査定会社 | 査定額 | 備考 |
|---|---|---|
| A社(地元専門会社) | 2,150万円 | 土地評価重視の査定 |
| B社(大手不動産会社) | 2,280万円 | 周辺成約事例を重視 |
| C社(地元専門会社) | 2,200万円 | 築年数と建物状態を総合評価 |
築約25年という建物の価値低下と、任意売却という条件が影響しています。
木造戸建ての場合、築20~25年を超えると建物価値はほぼゼロに近い評価となるケースが多く、売却価格は実質的に土地値が中心になります。
篠原さん 正直ショックでしたが
複数の査定を並べてみると
相場として納得できました
その後、売却活動は約5カ月で進み、実際の成約額は査定の中央値をやや下回る金額で着地しました。
複数の査定を比較したことで、金融機関との売却交渉でも根拠のある話し合いができたといいます。
一括査定なら、約60秒で依頼できる『スーモ売却(無料)』が使いやすいです。
思い入れのある家だからこそ、手放してから後悔しないよう、複数社の査定額を見比べたうえでじっくり考えるのがおすすめです。≫今の家の査定額を比べる(無料)
※査定後に売るかどうかは自由です
※面積はおおよそでも進められます
家の売却を決断するまで4カ月かかった、一番の理由は?
期限の利益喪失通知が届いてから、篠原さんが任意売却に踏み切るまでに4カ月かかりました。
頭では「もう手放すしかない」とわかっていても、なぜ決断できなかったのか。一番の理由を聞くと、篠原さんは少し間を置いてから答えました。
篠原さん 次女が中3で受験の年で…
「この時期に家を失わせる」
という罪悪感がすごくて
プロ20年 子どものために踏ん張りたい
という気持ち、
親なら当然だと思います
次女にとって、その家は中学3年間を過ごしてきた場所でした。
受験という大切な時期に転居を強いることへの罪悪感が、篠原さんを動けなくさせていたといいます。
4カ月の間に「やっぱりやめたい」と思った瞬間もありました。
篠原さん 不動産会社の担当者に
「進めましょう」と言われた日の夜
ひとりで泣き崩れました
「まだ諦めなくていいんじゃないか」「もう少し待てば夫が回復して返せるかも」という気持ちが何度も込み上げてきたといいます。
何度かサインを求められる書類を前に、ペンを持ったまま動けなくなったこともあったそうです。
あなたも同じような気持ちを抱えていませんか?
「わかっているのに、動けない」——それは弱さじゃなく、それだけ家族を大切にしてきた証しだと思います。
篠原さんの背中を最終的に押したのは、夫のひと言でした。
篠原さん 「俺のせいでごめん。でも
家族が一緒なら大丈夫」と
言ってくれて、やっと動けた
娘の受験については、転居後も学区内の賃貸を選んで通学を続けられるよう配慮しました。
「家を失っても、娘の環境を守れる方法を探す」という発想の転換が、決断の後押しになったと話します。
家族10年分の記憶が詰まった家を手放す日、何を感じた?
任意売却が成立し、いよいよ引き渡しの日が迫ってきました。
篠原さんたちが購入した家は築15年でしたが、そこで家族4人が過ごした時間は約10年。長女・次女の成長の記憶がすべてそこに刻まれていました。
プロ20年 気持ちの面でも
大変だったのでは…?
篠原さん もう大変なんてもんじゃなくて
子どもたちの写真を見つけるたびに
手が止まってしまうんです
2LDKの賃貸アパートへの転居が決まっていたため、4LDKで暮らしてきた荷物の多くを手放さなければなりませんでした。
「捨てる」か「持っていく」かを決める作業は、10年分の記憶を1つひとつ手放していく作業でもあったと、篠原さんは言います。
篠原さん 子どもたちが描いた絵とか
学校の作品とか、全部は
持っていけないから…
引き渡し当日、篠原さんは最後に家の中を一周しました。
子どもたちの身長を刻んできた玄関の柱。家族でご飯を食べたダイニング。長女が泣きながら勉強していたリビングのテーブル。
篠原さん 涙が出るかなと思ったら
なぜか不思議と穏やかで
「ありがとう」って言えました
それは悲しみとも、諦めとも違う感覚だったといいます。
「家が家族を守ってくれた10年だった」と、素直にそう思えた瞬間でした。
悲しみの中で家を手放した後、家族関係に変化はあった?
家を手放してから、篠原さん一家は吹田市内の2LDK賃貸アパートに転居しました。
プロ20年 新生活に移って
ご家族の様子は
どう変わりましたか?
篠原さん 最初の1カ月は正直
みんな元気がなかったです
特に次女が無口になって
受験期という大切な時期に転居を経験した次女は、しばらく口数が減りました。
しかし、引っ越しから1カ月ほど経つ頃には、少しずつ変化が出てきたといいます。
篠原さん 夫が少しずつ回復してきて
一緒にご飯を食べる時間が
また増えてきたんです
広さは以前の半分以下になりましたが、リビングとダイニングが一体になったので、その分だけ家族の顔が見えやすくなりました。
篠原さん リビングとダイニングが
一体になったので
自然と顔を合わせる時間が増えて
4LDKのときは、それぞれが部屋にこもることも多かったといいます。
でも2LDKになってからは、ご飯の後もリビングに家族が集まるようになったと話します。
そして次女は無事に志望校に合格。
合格の報告を受けた夜、家族4人で涙を流したと教えてくれました。
篠原さん あの家じゃなくても
合格できたって思えたら
少し気持ちが楽になりました
家族関係への影響を心配していた篠原さんにとって、それが一番の救いになったといいます。
今も「あの家に帰りたい」と思うとき、その気持ちとどう向き合っている?
家を手放してから約半年が経った今も、ふとした瞬間に「あの家に帰りたい」という気持ちが込み上げることがある、と篠原さんは正直に打ち明けます。
篠原さん 夢に出てくるんです
あの家で家族4人でいる夢
目が覚めると切なくなって
プロ20年 それだけ大切な場所だった
ということですよね
その気持ちにどう向き合っていますか?
篠原さん 最初は「ダメだ、忘れなきゃ」
って思っていたんですが
それが余計につらくて…
あるとき、篠原さんは考え方を変えました。
「あの家が好きだった、という気持ちは消さなくていい」と思えるようになったといいます。
プロ20年 喪失感を否定しないことが
気持ちの整理には大切なことも
ありますよね
「悲しんでいいし、懐かしんでいい。ただ、そこで立ち止まらない」という気持ちの持ち方が、篠原さんにとっての向き合い方になっています。
今は新しいアパートに、少しずつ「自分たちらしさ」を足していっているといいます。
篠原さん お気に入りのカーテンを
選んだり植物を置いたり
小さいけど楽しいですよ
悲しみが消えたわけではない。でも、悲しみと一緒に前を向くことはできる。篠原さんの半年間は、そのことを静かに教えてくれます。
「懐かしむことと、前に進むことは、同時にできる」——この言葉が、同じ思いを抱えている方の心にも届けばと思います。
家を売るしかない…でも悲しくて踏み出せない人へ伝えたいことは?
最後に、今まさに同じ状況で苦しんでいる方へ向けて、篠原さんの実体験からのメッセージを伺いました。
プロ20年 「もっと早く動けばよかった」
と思うことはありましたか?
篠原さん 正直あります
催告書が来てから4カ月
迷った時間がもったいなかった
任意売却には期限があります。相談が遅れるほど、選べる方法は少なくなっていくため、「早く動く」ことが選択肢を守ることにつながります。
一方で、「手放して後悔していない」と思えることについても聞きました。
篠原さん ローンの重さから解放されて
夫が少しずつ元気になって
いくのを見られていること
篠原さんが、今悩んでいる方に特に伝えたいポイントをまとめると、次のようになります。
- 「悲しい」「手放したくない」という気持ちは、そのまま抱えていていい
- ただし動けるうちに専門家へ相談する。迷っている間にも時間は減っていく
- 子どものことが心配なら、転居後の環境をどう守るかを一緒に考える
- まずは査定で相場を知ることが、現実と向き合う第一歩になる
「家を手放すのは、家族を捨てることじゃない」と篠原さんは言います。
家はなくなっても、家族と過ごした時間と記憶は誰にも奪えない。篠原さんが半年かけてたどり着いた、その言葉がとても印象的でした。
プロ20年 篠原さん、本日は
本当に貴重なお話を
ありがとうございました!
篠原さん この記事が、今つらい思いを
している方の背中を
少しでも押せたら嬉しいです
以上、家を売るという悲しい決断を経験した篠原麻衣子さんの、半年後の本音をインタビュー形式でお届けしました。
プロ20年 査定するだけなら無料ですし
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今の家の価値を知ることが、悲しみの中でも「次の一手」を考えるきっかけになります。
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家を売るのが悲しい・寂しいときに整理したい6つの判断材料
篠原さんは、家族4人で約10年暮らした家への思いと現実の間で揺れ、任意売却を決断するまで4カ月以上かかりました。
家を売るのが悲しい、寂しいと感じるときは、その気持ちだけで「売る・残す」を決めるのではなく、今の家に住み続けられる条件と手放した後に守りたい暮らしを分けて考えることが大切です。
あなたの場合、どこまで判断材料がそろっているでしょうか?
| 確認したいこと | |
|---|---|
今の家に住み続けた場合の家計と返済の見通しを把握できていますか?
「できれば家を売りたくない」と思っていても、まず確認したいのは、今の生活を無理なく続けられるかです。
篠原さんの場合、夫の休職後は傷病手当金だけでは月12万円の住宅ローンと生活費を賄えず、230万円あった貯蓄を取り崩し、最終的には3カ月分を滞納しました。
プロ20年 家への思いとは別に
今の家計がこの先も
続くかを見ることが
判断の土台になりますね
収入の回復や家計の立て直しが見込める場合と、貯蓄を減らし続けなければ維持できない場合では、同じ「家を残したい」という希望でも判断は変わります。
住み続けるほど家計が厳しくなる状態ではないかまで確認できていれば、この項目にチェックを入れてください。
売るか残すかを判断できる期限があるのか確認していますか?
家を売るのが寂しいと迷っている間にも、事情によっては選択肢を検討できる時間が減っていく場合があります。
篠原さんは期限の利益喪失通知を受けた後も4カ月ほど迷い、半年後のインタビューでは「迷った時間がもったいなかった」と振り返っていました。
プロ20年 気持ちの整理には
時間も必要ですが
期限の確認だけは
先にしておきたいですね
一方、返済や生活に時間的な余裕があり、急いで売る必要がない方なら、家族で考える時間を取れるケースもあります。
自分にはいつまでに何を判断する必要があるのかを確認できていれば、チェックを入れられます。
家の査定額と住宅ローンの状況を確認できていますか?
悲しい気持ちの中で家を売るか考えるときも、今の家が現実にどの程度の金額で評価されるのかは重要な判断材料です。
篠原さんは3社へ査定を依頼し、2,150万円・2,280万円・2,200万円という結果を比較したことで、当初はショックを受けながらも相場として納得できたと話しています。
プロ20年 査定額だけを見るより
ローンの状況と合わせて
考えるほうが現実的な
判断につながりますね
家の価格を確認しても住宅ローンの状況が分からなければ、売却によって何が変わるのかまでは見えてきません。
査定額とローンの現状を両方確認しているかを基準に、この項目を考えてみてください。
家族への影響と、転居後も守りたい生活条件を整理できていますか?
家を手放す判断では、自分の気持ちだけでなく、家族の生活で何を守りたいのかも整理しておきたいところです。
篠原さんが決断できなかった大きな理由は、中学3年生だった次女の受験期に転居させることへの罪悪感でした。
プロ20年 家そのものを残す以外にも
家族の生活を守る方法が
ないか考えてみると
選択肢が広がりますね
篠原さん一家は同じ吹田市内で、次女が転居後も通学を続けられる賃貸を選んだことで、「家を残すこと」と「子どもの環境を守ること」を切り分けて考えられるようになりました。
学校・通勤・家族の時間など、転居しても変えたくない条件を家族で整理できていればチェックを入れてください。
家を手放した後の住まいと暮らしを具体的に考えていますか?
「今の家を失う」とだけ考えると悲しさが強くなりやすいため、その先にどんな暮らしがあるのかまで考えておくことも判断材料になります。
篠原さん一家は4LDKの一戸建てから吹田市内の2LDK賃貸へ移り、引っ越し直後の1カ月は家族全員が元気をなくしたものの、その後は一緒に食事をする時間が増えていきました。
プロ20年 今の家との比較だけでなく
次の住まいで何を
大切にするかまで考えると
整理しやすくなりますね
広さを優先する方もいれば、家計の負担や学校、通勤、家族で過ごす時間を重視する方もいるため、適した転居先はそれぞれ違います。
家を売ることだけで思考を止めず、売却後の住まいと生活を具体的に思い描ける状態なら、この項目は確認できています。
家を売る悲しさの中身と、残しておきたい思い出を整理できていますか?
家を売るのが悲しい、寂しいという気持ちは、必ずしも「この家に住み続けるべき」という結論と同じではありません。
篠原さんの場合は、子どもたちの写真や作品を整理するたびに手が止まり、引き渡し当日には家族で過ごした約10年の記憶を振り返っていました。
プロ20年 何が寂しいのかを
言葉にしてみるだけでも
家を残したい理由が
見えやすくなりますね
家そのものを失うことがつらいのか、家族との思い出が消えるように感じるのかによって、気持ちの整理の仕方も変わります。
残しておきたい記憶や物を自分なりに整理できているかを考え、まだなら売却を決める前の確認事項として残しておきましょう。
- チェックが付かなかった項目は、まだ判断材料が不足している可能性があります
- 返済や期限など、今後の選択肢を大きく左右する未確認項目から優先して確認します
- 家計・家族・次の住まい・気持ちの材料をそろえたうえで、売る場合と残す場合を比べます
家を売るのが悲しい、寂しいと感じていても、その感情を無理に消す必要はありません。
気持ちと現実の両方を確認したうえで選ぶことが、自分や家族にとって納得できる判断につながります。
どこに査定を頼めばいいのか迷い、1社の金額だけで決めてしまう方は少なくありません。実際、3社以上に査定を出した612名の約75%が「最高値と最低値に100万円以上の差があった」と回答しています。複数社の比較に役立つプロ厳選の一括査定サイトを知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
「不動産査定はどこに頼めばいいの?」 「1社だけでは損するって聞いたけど?」 「まだ売るか決めていない…査定していい?」 いざ売却を考え始めたけど、こうした不安を抱えていませんか? 結論、不動産査定で大切なのは、「どの1 …
専門家が分析!家を売る悲しさの中で篠原さんの決断を動かした分岐点
篠原さんの体験で注目したいのは、悲しさがなくなったから家を売れたわけではない点です。
むしろ、悲しい気持ちを抱えたまま現実的な判断材料を1つずつ増やしたことが、最終的な決断につながっています。
一方で、篠原さんと同じように家を売るのが寂しい方でも、返済状況や家族構成、転居後の生活条件が違えば結論は変わります。
そこで、今回の実体験から「なぜ篠原さんは売却へ進めたのか」を4つの分岐点に絞って分析します。
- 悲しさが消えるのを待つ間にも返済問題は進んでいた
- 「家を残す」から「娘の生活を守る」へ判断軸が変わった
- 3社の査定で「希望」ではなく現実的な価格帯が見えた
- 売却後も寂しさは残ったが家族の暮らしは整い始めた
プロ20年 家への思いと
売却の判断は
分けて考えても
いいんですよ
篠原さんがどこで立ち止まり、何が決断を後押ししたのかを知ると、同じ結論をまねるのではなく、自分に必要な判断の仕方が見えやすくなります。
悲しさが消えるのを待つ間にも返済問題は進んでいた
篠原さん一家は、夫の長期休職後も月12万円の住宅ローンを払い続けるため、230万円あった貯蓄を取り崩していました。
その貯蓄が底をついたあと、住宅ローンを3カ月分滞納し、金融機関から催告書や期限の利益喪失通知が届いた状況で家の売却と向き合うことになります。
それでも任意売却を決断するまで4カ月以上かかった背景には、次女が中学3年生の受験期だったことや、家族で約10年暮らした家への強い思いがありました。
プロ20年 ここで難しいのは
気持ちが追いつく速度と
返済問題が進む速度は
同じではない点ですね
篠原さん自身も半年後のインタビューで、催告書が届いてから迷った4カ月について「時間がもったいなかった」と振り返っています。
ここから読み取れるのは、「すぐ売るべきだった」という単純な話ではありません。
大切なのは、売却を決断できなくても、状況確認まで止める必要はないということです。
住宅ローンの状況、不動産会社へ相談した場合に取れる方法、家がどの程度で売れそうかなどは、家を売る決断とは分けて確認できます。
プロ20年 売るか迷っている段階でも
情報は集められます
結論を急ぐことと
早く調べることは別ですね
反対に、まだ返済を続けられる余力が十分あり、収入回復など具体的な見通しがある方なら、篠原さんほど時間に追われず検討できる場合もあります。
家を売るのが悲しいと感じるほど思い入れがあるなら、なおさら「気持ちを決めてから調べる」のではなく「調べながら気持ちを整理する」考え方が、選択肢を失わないために重要です。
「家を残す」から「娘の生活を守る」へ判断軸が変わった
篠原さんを特に苦しませたのは、次女の受験期に家を手放すことへの罪悪感でした。
「この時期に家を失わせる」という思いが強く、夫が回復すれば返済を続けられるのではないかと何度も迷ったそうです。
しかし最終的には、吹田市内で次女が転校せず通学を続けられる賃貸を選ぶことで、家を手放しても守れるものがあると気づきます。
プロ20年 家そのものではなく
家によって守っていた
暮らしに目を向けたのが
大きな転換点ですね
篠原さんにとって「娘のために家を残すこと」と「娘の生活を守ること」は、当初ほぼ同じ意味になっていたのだと思います。
ところが、学区内で新しい住まいを探すことで、その2つを切り離して考えられるようになりました。
守りたいものを別の方法で維持できるとわかったことが、売却を受け入れる後押しになったわけです。
これは、家を売るのが寂しい方にとって大切な視点ではないでしょうか。
プロ20年 住まいを変えても
守れる生活があるなら
選べる道は
少し広がりますね
ただし、篠原さんと同じ方法が誰にでも当てはまるわけではありません。
希望する地域で賃貸が見つからない、通勤や介護の都合で転居先が限られるなど、家を手放すことで今の生活条件まで大きく崩れるケースなら、判断は変わってきます。
「家を残せるか」だけに焦点を当てず、その家によって今守られている生活のうち、転居後も何を残せるのかまで考えることが、後悔を減らすポイントです。
3社の査定で「希望」ではなく現実的な価格帯が見えた
任意売却へ動き始めた篠原さんは、対応できる不動産会社を探す目的もあり、複数社へ査定を依頼しています。
結果は次の通りでした。
| 査定会社 | 査定額 | 査定で重視された点 |
|---|---|---|
| A社 | 2,150万円 | 土地評価を重視する |
| B社 | 2,280万円 | 周辺の成約事例を重視する |
| C社 | 2,200万円 | 築年数と建物状態を総合的に見る |
最高額と最低額には130万円の開きがありましたが、3社を並べたことで、篠原さんは「自分の家がどの程度の価格帯で評価されているのか」を受け止めやすくなったと話しています。
プロ20年 思い入れが強い家ほど
金額を見た瞬間は
ショックを受けることも
ありますよね
その後の売却活動は約5カ月にわたり、成約額は3社の査定額の中央値である2,200万円をやや下回る金額でした。
この結果からも、査定額はその金額で売れる保証ではないことがわかります。
一方で篠原さんの場合、複数の査定結果を比較したことで、金融機関との売却に関する話し合いでも価格の根拠を示しやすくなりました。
プロ20年 高い査定額だけではなく
なぜその金額なのかまで
確認しておくと
判断しやすいですね
もし1社だけが2,280万円と提示していたら、それが高いのか低いのかを篠原さん自身が判断する材料は少なかったはずです。
家を売るのが悲しいときほど、「思い出が詰まっているから、もっと高く評価されるはず」という気持ちと市場での評価が混ざりやすくなります。
だからこそ査定額を売却の答えではなく、現実を把握するための材料として使うことが大切です。
売却後も寂しさは残ったが家族の暮らしは整い始めた
篠原さん一家は4LDKの一戸建てから、吹田市内の2LDK賃貸アパートへ移りました。
引っ越し直後の1カ月ほどは家族全体に元気がなく、特に受験期だった次女は口数が減ったといいます。
つまり、家を売ればすぐ気持ちが楽になるわけではなかったのが、篠原さんの実体験です。
プロ20年 売却が終わることと
気持ちの整理がつくことは
同じタイミングとは
限らないんですよね
その後、夫は少しずつ回復し、家族で一緒に食事をする時間も増えていきました。
次女も志望校に合格し、篠原さんは「あの家ではなくても娘の生活を守れた」と感じられるようになっています。
ここで重要なのは、売ったことへの寂しさと、売却後の暮らしへの納得は同時に存在できる点です。
プロ20年 寂しい気持ちが残るから
売却が失敗だったとは
言い切れないことが
よくわかる体験ですね
実際、売却から約半年たった今も、篠原さんはあの家で家族4人が過ごしている夢を見て、帰りたくなることがあると話しています。
それでも、忘れようとするのをやめ、新居でお気に入りのカーテンを選んだり植物を置いたりしながら、新しい暮らしを少しずつ作っています。
もし転居後の住居費が大きな負担になったり、通学や家族関係に深刻な問題が生じたりしていれば、今回とは違う振り返りになっていた可能性もあります。
プロ20年 そのため、家を売るのが寂しい方ほど、
「悲しくなくなるか」だけで
売却後の良し悪しを判断しないことが大切です
家を失った悲しさだけではなく、返済負担や家族の暮らしがその後どう変わるのかまで含めて考えると、自分にとって納得できる判断を目指しやすくなるでしょう。
以上、家を売るという悲しい決断を経験した篠原さんの実体験から、売却判断を左右した4つの分岐点を専門家視点で分析しました。
まとめ:今は家を売るのは悲しい…寂しい。でも少しずつ前に向ける
今回の不動産とーくは『【体験談】家を売る悲しい経験。篠原さんが売却半年後に語った本音』と題して解説しました。
プロ20年 今のあなたの気持ちに
近い場面はありましたか?
篠原さんの話でいちばん心に残ったのは、「家が家族を守ってくれた10年だった」という言葉でした。
家を手放すことは、その10年を否定することではありません。
悲しいという感情は、その家で幸せだった証拠だと私は思っています。
ただ1つ気をつけてほしいのが、気持ちが大きく揺れている時期の決め方です。
プロ20年 つらいときは
「全部投げ出したい」と
「絶対に手放したくない」が同居しますよね
どちらに引っ張られても、後から見て納得しづらい形になりやすいものです。
私が相談の場でお願いしているのは、次のような決め方です。
- 「家を残せたか」ではなく「暮らしを守れたか」で選ぶ
- 結論は急がなくてよいので、決める期限だけ先に置く
- 引き渡し日や売り出し価格は、その場の勢いで返事をしない
- 家族の中で1人だけ情報を知らない状態をつくらない
とくに3つ目は大切で、一度決めた引き渡し日は、あとから動かすのが難しくなります。
家を売るのが寂しいという気持ちは、家族を大切にしてきた方だからこそ生まれるもの。
その気持ちは、これからの住まいを選ぶときの判断力にも変わっていきます。
業界歴20年以上「不動産コンサル西田」のアドバイス
3,000件を超える相談を受けてきて、はっきり感じていることがあります。
家を手放した方から聞く後悔は、「売ってしまった」ではなく「もっと早く現状を人に話せばよかった」のほうが多いんです。
状況を口に出した瞬間から、頭の中が整理されていく方をたくさん見てきました。
プロ20年 相手はプロでなくても
かまいませんよ
家族でも友人でも十分です
もう1つ、あまり語られない話をしておきます。
家を手放した後の寂しさは、引き渡しの直後ではなく、暮らしが落ち着いてから戻ってくることが少なくありません。
引っ越した月、家を買った月、子どもの入学式。
日付や季節がきっかけで、気持ちがあの家に引き戻される時期があります。
その日を弱った日にしないために、私は前もって予定を入れておくことをお勧めしています。
プロ20年 外食でも散歩でも
新しい家での予定を
1つ決めておくと違いますよ
そして、判断材料は思っているよりも簡単にそろいます。
ローンの残高は金融機関で確認でき、返済が苦しい事情も相談として受け付けてもらえます。
今の家の価値も、査定を頼めば費用はかかりません。知ることと売ることは別なので、金額を見てから考えても遅くないでしょう。
家を手放すのが悲しくて動けないなら、今日はどれか1つだけでかまいません。

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つらい状況の中で、ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
答えを今すぐ出さなくても大丈夫です。
あなたと家族の暮らしが、少しずつ穏やかな方向へ向かっていくことを願っています。
以上『【体験談】家を売る悲しい経験。篠原さんが売却半年後に語った本音』でした。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)

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不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士
どこに査定を頼めばいいのか迷い、1社の金額だけで決めてしまう方は少なくありません。実際、3社以上に査定を出した612名の約75%が「最高値と最低値に100万円以上の差があった」と回答しています。複数社の比較に役立つプロ厳選の一括査定サイトを知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
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