
「実家の相続、本当に大丈夫?」
「持ち家って資産じゃないの?」
「親とどう話せばいいの?」
親の高齢化が進む現代において、実家の将来を心配する子世代の悩みは深刻化しています。
「実家があるから将来は安心」と考えていた方も多いでしょうが、現在の住宅事情では必ずしもそうとは限らないのが現実です。
何も対策をしないまま時間が過ぎると、予想外の負担が家族にのしかかる可能性があります。
しかし、正しい情報を知って今から行動すれば、多くの問題を未然に防ぐことができるのも事実です。
そこでこの記事では、不動産×住宅業界のプロが『実家の持ち家はヤバい?6つの理由&今すぐできる6つの事前準備』と題して徹底解説します。
最後まで読めば、実家の持ち家問題を冷静に判断できる知識と、家族が納得できる解決策の見つけ方が身につきます。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)

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不動産×住宅業界18年。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。ブログ116万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士
「実家じまいって何から始めればいいの?」 「手続きが多すぎて何が必要かわからない」 このような悩みを抱えている方は、実は非常に多くいらっしゃいます。 親御さんの他界や施設入所をきっかけに、突然実家じまいが必要になったもの …
実家の持ち家がヤバいと言われる理由6つ

実家の持ち家が「資産」ではなく「負債」になってしまうケースが急増しています。
親世代が安心だと信じていた持ち家も、現在の住宅事情では大きなリスクを抱えているのが現実です。
- 老朽化した実家は「修繕費用」がヤバい
- 評価の高い実家は「相続税」がヤバい
- 立地の悪い実家は「売れなくて」ヤバい
- 遠方の実家は「維持管理」がヤバい
- 親族が多い実家は「相続争い」がヤバい
- 親が認知症の実家は「手続き」がヤバい
実家が負担になるなんて
想像もしていませんでした
1.老朽化した実家は「修繕費用」がヤバい
築20年を超えた実家では、一度に数百万円の修繕費用が発生する可能性があります。
木造住宅の場合、屋根・外壁・設備機器などの劣化が同時期に進行するため、まとまった出費が避けられません。
| 築年数 | 起こりやすい不具合 | 修繕費用の目安 |
|---|---|---|
| 築15~20年 | 給湯器故障、エアコン故障、外壁ひび割れ | 50万円~100万円 |
| 築20~25年 | 雨漏り、水道管水漏れ、畳・床の傷み | 80万円~150万円 |
| 築25~30年 | シロアリ被害、屋根瓦ずれ、床の腐食 | 100万円~200万円 |
| 築30年以上 | 雨漏り拡大、基礎ひび割れ、配管老朽化 | 150万円~300万円 |
さらに厄介なのは、古い実家ほど予想外の不具合が次々と見つかることです。
配管の水漏れ、電気配線の劣化、シロアリ被害など、一つ修理すると別の場所に問題が発覚するパターンがよくあります。
修理費用がどんどん
膨らんでいきそうです
実家を相続予定なら、事前に複数業者から修繕見積もりを取っておき、現実的な負担額を把握することが重要です。
修繕費用を甘く見ては
いけないということじゃな!
2.評価の高い実家は「相続税」がヤバい
都市部や人気エリアの実家では、相続税の負担が重くのしかかります。
相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人数」となっており、これを超える評価額の実家では相続税が発生します。
基礎控除を超えると
税金がかかるんですね
- 相続税は相続開始から10カ月以内に現金で納税が必要になる
- 分割払い(延納)は利子税がかかり、不動産による納税(物納)は審査が厳しい
- 急いで売却すると相場より10~20%安くなることが多い
問題は、相続税は現金での一括納付が原則だということです。
実家の評価額が高くても、相続人に現金がなければ税金を支払えません。
結果的に実家を急いで売却することになり、希望価格より安く手放すケースが多発しています。
急に売却するのは
もったいないですね
相続税対策は親が元気なうちから計画的に進める必要があります。
そのため、不動産査定サービスなどを利用して実家の現在価値を正確に把握し、相続税の概算を事前に計算しておくことが大切です。
相続税対策は早めに
始めるべきじゃぞ!
3.立地の悪い実家は「売れなくて」ヤバい
過疎地や交通の便が悪いエリアの実家は、買い手探しに非常に苦労します。
現在の住宅市場では主に利便性が重視されるため、駅から遠い、商業施設がない、学校が統廃合されたエリアは需要が激減しているからです。
立地の影響って
そんなに大きいんですか
実際に地方の実家では、売り出しから2年以上経っても買い手がつかず、最終的に大幅な値下げを余儀なくされるケースが珍しくありません。
売れない実家は固定資産税や維持費が毎年発生し続けるため、持っているだけで赤字が蓄積していきます。
立地の悪い実家を相続予定の場合、早めに地元の不動産会社数社に相談して売却可能性を確認しておきましょう。
早めの確認が
大切なんですね
場合によっては、親の生前から売却を検討することも現実的な選択肢になります。
売れない実家は早めの
対策が肝心じゃな!
4.遠方の実家は「維持管理」がヤバい
実家が現住所から離れた場所にある場合、維持管理の負担は想像以上に重くなります。
空き家状態の実家には、定期的な換気・清掃・点検などが欠かせません。
- 月1回以上の換気・清掃
- 庭木の剪定(年2~3回)
- 郵便物・新聞の整理
- 台風・地震後の被害確認
- 不法投棄・ゴミ対策
- 防犯対策(戸締まり・照明)
しかし遠方では月1回通うのも大変で、どうしても管理が疎かになってしまいます。
遠方だと頻繁に
通えませんもんね
管理不足が続くと、雨漏り・害虫発生・雑草繁茂などの問題が次々と発生し、近隣住民からのクレームに発展するケースもあります。
このような問題を解決するには、地元の管理会社への委託も検討する必要があります。
管理委託費用は月1万円~3万円程度が相場ですが、年間にすると大きな負担になります。
管理費用も
ばかにならないですね
遠方の実家を相続予定なら、管理サービスを提供する会社を事前にリサーチし、維持コストを含めた収支計算をしておくことが重要です。
5.親族が多い実家は「相続争い」がヤバい
兄弟姉妹が複数いる家庭では、実家をめぐる相続争いが深刻化しやすくなります。
現金と違って実家は物理的に分割できないため、「誰が相続するか」「売却するか」「どう活用するか」で意見が対立するからです。
| 対立パターン | 主な争点 | 解決の困難さ |
|---|---|---|
| 長男vs他の兄弟 | 実家への思い入れの差 | 感情論になりやすい |
| 近居vs遠方居住 | 維持管理の負担格差 | 公平性で揉める |
| 現金化派vs保有派 | 活用方針の相違 | 価値観の違いで対立する |
| 介護経験者vs未経験者 | 親への貢献度の差 | 過去の感情が影響する |
家族だからこそ意見が
分かれますよね…
相続争いが長引くと、実家は誰も管理できない状態になり、資産価値がどんどん下落していきます。
最悪の場合、弁護士費用や調停費用で多額の出費が発生し、実家の価値以上にお金がかかってしまうケースもあります。
相続争いを避けるには、親が元気なうちに家族全員で話し合いを重ねることが不可欠です。
争っている間に価値が
下がるなんてもったいない
一例として、査定を通じて実家の客観的な価値を共有すれば、感情論ではなく現実的な議論ができるようになります。
家族の話し合いは
早めが一番じゃぞ!
6.親が認知症の実家は「手続き」がヤバい
親が認知症を発症すると、実家に関するあらゆる手続きがストップしてしまいます。
認知症により判断能力が低下した親は、法的に単独での契約行為ができなくなるためです。
- 不動産売買契約の締結不可
- リフォーム工事の発注不可
- 賃貸契約の締結不可
- 火災保険の変更手続き不可
- 銀行からの借入れ不可
- 税務署への各種申告が複雑化
認知症になると
契約できないんですか
特に深刻なのは、売却の最適なタイミングを逃してしまうことです。
たとえば地価が高騰している時期や、買い手が見つかりやすい時期でも、親の同意なしには売却手続きを進められません。
認知症の親がいる場合、成年後見制度の利用が必要になりますが、後見人の選任には数カ月かかります。
しかも後見人が選任されても、実家の売却には家庭裁判所の許可が必要で、手続きが非常に煩雑になります。
手続きがそんなに
大変になるなんて…
実家の持ち家問題を回避するには、親が元気なうちに将来の方針を決め、家族信託など必要な準備を整えておくことが最も重要です。
認知症対策は
待ったなしじゃからな!
以上、実家の持ち家がヤバいといわれる6つの理由について解説しました。
どの問題も、事前の準備と早めの対策によって大幅に軽減できるものばかりです。
実家の持ち家問題を回避する事前準備6つ

実家の持ち家が将来的に負担とならないよう、親が元気なうちから準備を進めることが重要です。
事前の対策により、多くの問題を未然に防ぐことができます。
- 実家の現在価値を正確に把握する
- 家族全員で将来の方針を話し合う
- 相続税の概算を事前に計算しておく
- 残す場合、実家の活用方法を検討する
- 相続放棄の手続き方法も調べておく
- 実家の解体費用を概算で知っておく
具体的な準備方法を
知りたいです
準備1.実家の現在価値を正確に把握する
実家の持ち家問題を回避する第一歩は、現在の市場価値を正確に把握することです。
親世代が「昔は高かった」と信じている実家でも、現実の市場価値は大幅に下がっている可能性があります。
まずは不動産会社数社に査定を依頼し、客観的な評価を受けましょう。
実際の価値を知るのは
大切ですね
1社だけの査定では偏った評価になりがちですが、複数社の査定を比較することで適正な価格帯を把握できます。
査定時には修繕が必要な箇所や問題点も合わせて確認してもらい、売却・活用・相続のどの選択肢が最適かを判断する材料を集めることが重要です。
複数社の査定で正確な
判断ができるのじゃ!
また、近隣の成約事例や固定資産税評価額も調べておくと、より現実的な価値を理解できます。
準備2.家族全員で将来の方針を話し合う
実家の将来について、親が元気なうちに家族全員で話し合いを重ねることが重要です。
しかし、いきなり「実家をどうする?」と聞いても、感情的な対立を招く可能性があります。
どんな風に話し合えば
いいんでしょうか
まずは親の気持ちや希望を丁寧に聞くところから始めましょう。
| 話し合いの段階 | 具体的な内容 | 注意すべきポイント |
|---|---|---|
| 第1段階:気持ちの確認 | 実家への思い入れ、将来への不安 | 否定せず最後まで聞く |
| 第2段階:現状の把握 | 維持費、修繕箇所、管理の現状 | 数字で客観的に整理 |
| 第3段階:選択肢の検討 | 売却、活用、相続の比較 | メリット・デメリットを冷静に |
| 第4段階:方針の決定 | 具体的なスケジュールと担当者 | 曖昧な決定は避ける |
感情論ではなく現実的な数字(査定額、維持費、税金など)をもとに議論することで、家族間のトラブルを防ぐことができます。
段階を踏んで話し合うのが
大切なんですね
重要な決定事項は口約束ではなく、文書に残しておくことをお勧めします。
話し合いは記録に残すのが
賢明じゃぞ!
準備3.相続税の概算を事前に計算しておく
相続税の負担を事前に把握することで、適切な対策を立てることができます。
改めて、基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人数」で、この金額を超える場合に課税されます。
相続税の計算って
複雑そうですね
相続税の計算は非常に複雑で、素人が計算すると大きな間違いを犯しやすい分野です。
実家の評価方法、各種控除の適用、税率の計算など、専門知識が必要な項目が多数あります。
ポイントは以下の通りです。
- 税理士に実家の評価額を査定してもらう
- 相続財産全体の把握と評価を依頼する
- 各種控除制度の適用可能性を確認する
- 相続税の概算額をシミュレーションしてもらう
- 節税対策のアドバイスを受ける
専門家に相談しないと
正確な金額がわからないんですね
くれぐれも相続税が発生する場合、現金での一括納付が原則となるため、納税資金の準備が必要です。
実家を売却して納税資金を確保する場合は、売却にかかる期間も考慮に入れましょう。
税理士への相談費用は5万円~15万円程度かかりますが、間違った計算で後悔するよりもはるかに安心です。
相続税は必ず専門家に
相談するのが確実じゃな!
準備4.残す場合、実家の活用方法を検討する
実家の持ち家を残す決断をした場合、空き家のまま放置するのは避けなければなりません。
維持費ばかりかかり、実家がヤバい状況に陥ってしまうからです。
活用方法は立地条件や建物の状態によって大きく左右されるため、現実的な選択肢を複数検討することが重要です。
どんな活用方法が
ありますか
| 活用方法 | 月収入の目安 | 初期投資 | 管理の負担 | 成功しやすい立地 |
|---|---|---|---|---|
| 一般賃貸として貸し出し | 3万円~12万円 | 50万円~200万円 | 中程度 | 駅徒歩圏内、生活便利地 |
| 民泊(許可制エリアのみ) | 2万円~8万円 | 100万円~300万円 | 非常に高い | 観光地、都市部中心地 |
| シェアハウス | 6万円~15万円 | 150万円~400万円 | 高い | 大学近く、都市部 |
| 貸倉庫・貸駐車場 | 1万円~6万円 | 20万円~100万円 | 低い | 住宅密集地、商業地 |
| 解体してアパート経営 | 10万円~30万円 | 1,500万円~3,000万円 | 中程度 | 賃貸需要の高いエリア |
立地によって成功するかどうか
決まるんですね
ただし、地方の実家では賃貸需要がほとんどない場合も多く、表の収入は都市部や人気エリアを前提としています。
まずは地元の不動産会社に需要調査を依頼し、現実的な収益性を確認することが最も重要です。
活用方法を検討する前に、そもそも賃貸需要があるかどうかを慎重に見極めましょう。
需要がないエリアでは
活用自体が困難じゃからな!
準備5.相続放棄の手続き方法も調べておく
実家の持ち家が明らかに負債となる場合、相続放棄という選択肢があります。
ただし、相続放棄は非常に複雑な手続きで、一度放棄すると撤回できない重要な決断です。
相続放棄をすると、実家だけでなくすべての相続財産(借金も含む)を相続しないことになります。
相続放棄って
どんな手続きですか
相続開始から3カ月以内に家庭裁判所に申述する必要があり、この期間中は相続財産に一切手を付けてはいけません。
実家の家財を処分したり、固定資産税を支払ったりすると「相続を承認した」とみなされ、放棄が認められなくなる可能性があります。
先走った行動には
要注意ですね…汗!
また、自分が相続放棄をすると、次順位の相続人(兄弟姉妹など)に相続権が移ります。
そのため、相続放棄を検討する場合は、他の相続人にも事前に相談しておく必要があります。
相続放棄の手続きは専門知識が必要なため、弁護士や司法書士に相談することを強くお勧めします。
相続放棄は必ず専門家に
相談すべきじゃぞ!
準備6.実家の解体費用を概算で知っておく
実家を取り壊して更地にする場合の解体費用を把握しておくことも重要な準備の一つです。
解体費用は建物の構造や立地条件によって大きく変わりますが、一般的な木造住宅では坪単価3万円~5万円程度が相場となっています。
具体的にどのくらい
かかりますか?
30坪の木造住宅なら90万~150万円、40坪なら120万~200万円程度を見込んでおきましょう。
ただし、これは基本的な解体費用だけで、実際にはさまざまな追加費用が発生します。
- アスベスト調査・除去:30万円~150万円
- 地中埋設物の撤去:10万円~80万円
- 整地・清掃:8万円~25万円
- 各種手続き:3万円~10万円
特にアスベストが使用されている場合、除去費用が大幅に増加する可能性があります。
アスベストがあると
費用が跳ね上がるんですね
解体業者によって見積もり金額に大きな差が出ることも多いため、必ず複数業者から見積もりを取って比較検討しましょう。
また、解体後の土地活用や売却についても同時に検討し、解体が本当に最適な選択かを慎重に判断することが大切です。
解体は慎重に検討すべき
選択肢じゃな!
以上、実家の持ち家問題を回避するための準備について解説しました。
これらの準備を通じて、親子で納得のいく選択ができるよう願っています。
ヤバい…実家の持ち家は相続する?判断基準

実家の持ち家を相続するかどうかの判断で最も重要なのは、「売却できるかどうか」という市場性です。
売れる見込みがあれば、たとえ活用に失敗したり維持が困難になったりしても、最終的に売却という選択肢で問題を解消できるからです。
売却可能性が
決め手になるんですね
まずは実家の「売れやすさ」をチェック
実家の持ち家が将来ヤバい状況に陥らないためには、売却市場での競争力を把握することから始めましょう。
以下のチェックリストで実家の売却可能性を確認してみてください。
| □ | チェック項目 | 詳細条件 |
|---|---|---|
| □ | 交通アクセス | 最寄り駅から徒歩20分以内、またはバス便が1時間に3本以上 |
| □ | 生活利便性 | スーパー・コンビニ・病院が車で10分以内にある |
| □ | 人口動態 | 周辺地域の人口が維持されている、または微増傾向 |
| □ | 建物の築年数・状態 | 築25年以内、または大規模修繕済みで良好な状態 |
| □ | 土地の形状・面積 | 整形地で間口が4m以上、敷地面積が100㎡以上 |
| □ | 道路条件 | 幅員4m以上の道路に2m以上接している |
| □ | 周辺環境 | 工場・墓地・騒音源などの嫌悪施設が近くにない |
| □ | 災害リスク | ハザードマップで浸水・土砂災害の危険区域に入っていない |
| □ | 近隣相場 | 過去1年以内に周辺で成約事例がある |
| □ | 法的制限 | 建築制限や都市計画の変更予定がない |
- 7項目以上該当:売却しやすい優良物件
- 5~6項目該当:条件次第で売却可能
- 4項目以下:売却困難の可能性が高い
チェック項目が多いほど
安心なんですね
ただし、簡易な目安じゃぞ!
具体的に売却を検討する場合は、不動産会社数社に査定を依頼することで、これらの条件を専門家の目線で評価してもらえます。
査定額にばらつきがある場合、売却時期や条件によって価格が大きく変動する可能性があるため注意が必要です。
売れやすさは専門家に
見てもらうのが確実じゃな!
「相続する」「相続しない」の分かれ道
実家の売却可能性が把握できたら、次は総合的な判断を行います。
相続すべきかどうかの分かれ道は、メリットとリスクのバランスにあります。
どんな基準で判断すれば
いいんでしょうか
| 判断要素 | 相続に有利な条件 | 相続に不利な条件 |
|---|---|---|
| 経済性 | 査定額が修繕費の2倍以上 | 査定額が修繕費を下回る |
| 活用性 | 住む・貸すなどの具体的な計画がある | 活用方法が見つからない |
| 管理性 | 近距離に住んでいて管理しやすい | 遠方で維持管理が困難 |
| 税負担 | 相続税が基礎控除内または軽微 | 相続税が高額で現金準備が困難 |
| 家族関係 | 家族全員が相続に同意している | 相続をめぐって家族が対立 |
「不利な条件」に1つでも該当する場合は慎重に検討しましょう。
条件を整理すると
判断しやすくなりますね
特に経済性は重要な要素で、実家の持ち家を維持するために赤字が続くようでは本末転倒です。
赤字が続く実家なら
手放すのも賢明じゃぞ!
ただし、相続放棄を判断する際は一点注意が必要です。
相続放棄すると相続権が他の親族に移るため、実家の負担を回避できても親族間の関係に影響が出る可能性があります。
親族関係への影響も
考慮が必要なんですね
相続放棄は個人だけの問題ではないため、判断前に関係する親族への影響も含めて検討することが重要です。
迷った時は専門家の「セカンドオピニオン」を
相続の判断に迷う場合は、感情に左右されず冷静な判断を下すため、専門家の意見を聞くことが重要です。
費用はかかりますが、1人の専門家だけでなく、複数の分野の専門家から意見を聞くことで、より正確な判断材料を得られます。
複数の専門家に相談するのが
やはり安心ですね
まず無料で相談できる不動産会社から始めて、必要に応じて有料の専門家に相談する段階的なアプローチがお勧めです。
不動産査定(無料)→ 税理士相談(10万円~20万円)→ 弁護士相談(20万円~40万円)の順番で進めれば、無駄な費用を抑えながら必要な情報を収集できます。
また、親が元気なうちに相談しておけば、急な判断を迫られることもありません。
時間的な余裕があると
選択肢も広がりますね
実家の相続は一度決めると後戻りが困難な重要な決断ですが、適切な情報収集と冷静な判断により、家族にとって最良の選択を見つけることができるでしょう。
情報をしっかり集めれば
きっと良い判断ができるぞ!
まとめ:実家の持ち家問題は早めに話し合いを

今回の不動産とーくは『実家の持ち家はヤバい?6つの理由&今すぐできる6つの事前準備』と題して、下記の項目を解説しました。
- 実家の持ち家がヤバいと言われる理由6つ
- 実家の持ち家問題を回避する事前準備6つ
- ヤバい…実家の持ち家は相続する?判断基準
- まとめ:実家の持ち家問題は早めに話し合いを
実家の持ち家について
お役に立てたかの~?
「うちの実家は大丈夫」という思い込みが一番危険
多くの方が「うちの実家に限って問題ない」と考えがちですが、これが最も危険な落とし穴です。
築年数が浅くても、立地が良くても、現在の住宅市場では予想外の問題が発生する可能性があります。
どんな実家でも
安心はできないんですね
実際に、都心の一等地にある実家でも相続税の負担で手放すケースや、人気住宅地の実家でも維持管理の問題で空き家になってしまうケースが増えています。
「大丈夫だろう」という楽観的な判断が、後々大きな問題を引き起こすことを忘れてはいけません。
まずは客観的な目で実家の現状を見つめ直すことから始めましょう。
楽観視は禁物
ということですね
親の「売りたくない」気持ちとどう向き合うか
実家の持ち家問題で最も難しいのは、親の感情面への配慮です。
長年住み慣れた実家への愛着は深く、「売却」という言葉を聞いただけで拒絶反応を示す親も少なくありません。
親の気持ちを考えると
話しにくいですよね
そんな時は、いきなり「売却」を提案するのではなく、「将来の選択肢を一緒に考えよう」という姿勢で接することが重要です。
「実家を大切に思っているからこそ、最良の方法を見つけたい」という気持ちを伝えれば、親も耳を傾けてくれるはずです。
親の価値観を否定するのではなく、現実的な情報を共有しながら一緒に考えていく姿勢が、良い結果につながります。
一緒に考える姿勢が
大切なんですね
完璧な解決策はない、でも最善の選択はある
実家の持ち家問題に完璧な解決策は存在しません。
どの選択肢にもメリットとデメリットがあり、すべての人が満足する答えを見つけるのは困難です。
完璧な答えがないのは
ちょっと不安ですね
しかし、家族の状況や価値観に最も適した「最善の選択」は必ず見つけることができます。
大切なのは、感情的な判断ではなく、冷静に情報を整理して検討することです。
専門家のアドバイスを受ける場合も、高額な費用がかかることがあるため、相談内容と費用を事前に確認してから依頼することをお勧めします。
専門家への相談も
費用を確認してからですね
時間をかけて検討すれば、家族全員が納得できる道筋が見えてくるでしょう。
焦らずじっくり考えることが
良い結果を生むのじゃ!
実家の持ち家問題は避けられない現実ですが、適切な準備と情報収集によって、必ず乗り越えることができます。
この記事が、あなたとご家族の実家問題解決の一助となることを心から願っています。
以上『実家の持ち家はヤバい?6つの理由&今すぐできる6つの事前準備』でした。
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