「費用がいくらかかるのか、全然わからない」
「後悔した人の話を聞いてから決めたい」
実家の老朽化や耐震性への不安から、建て替えを考え始めた方は多いはずです。
でも、いざ動き出そうとすると、費用の目安すらわからず、どこに相談すればいいのかも迷いますよね。
そんな気持ちを抱えたまま、なんとなく1社に声をかけて話を進めてしまう——その「なんとなく」が、後から大きな後悔につながるケースは少なくありません。
この記事では、不動産×住宅業界のプロが『【体験談】実家の建て替えで後悔。栗本さん52歳が語る失敗と本音』と題して紹介します。
実際に建て替えを経験した方のリアルな声をもとに、費用・業者選び・間取りまで、建て替えのリアルな実態を包み隠さずお伝えします。
建て替えを検討中の方にとって、具体的な判断材料になれば幸いです。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)

-
不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士

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ここで紹介するのは、注文住宅で家づくりをした体験談の1つです。「同じ境遇の人はどう動いたのか」「後悔しないためにどんな準備をしたのか」、貴重な生の体験談からハウスメーカー選びや家づくりの流れまで幅広く知りたい方は『注文住宅・家づくりの成功と後悔の全記録!体験談から学ぶハウスメーカーの選び方』をぜひ参考にしてください。
【この記事の取材・確認方法】
この記事は、実体験者への取材・ヒアリング内容をもとに作成しました。不動産の種類や住まいの状況、当時の悩み、検討した選択肢、実際に取った行動、その後の暮らしの変化などを確認したうえで、個人が特定されないよう一部情報を調整。実務・専門的な判断を要する箇所は、不動産コンサルタントの執筆者・西田が補足。※体験談は個別事情に基づく内容であり、同じ結果を保証するものではありません。
【体験談】後悔あり・満足もあり。実家を建て替えた52歳が正直に話すこと

実家の建て替えを前にして、「本当にこれでいいのか」と何度も迷った経験がある方は多いのではないでしょうか。
神戸市内にある築53年の実家を、81歳の母が一人で暮らし続けられるようコンパクトな平屋に建て替えた、兵庫県在住の栗本澄代さん(52歳)に話を伺いました。
後悔した点も、よかった点も、包み隠さず語ってもらいます。
- 栗本 澄代さん(仮名)

-
【年齢】52歳【居住地】兵庫県
【自己紹介】神戸市内に築53年の実家を持ち、一人暮らしの高齢の母(81歳)の耐震面への不安をきっかけに建て替えを決断。売却も一度検討したが、母の「土地を離れたくない」という希望を尊重し建て替えの方向へ。母一人が暮らすコンパクトな平屋への建て替えで、複数社からの見積もりは1,800万円〜2,500万円とばらつきがあり、仮住まい費用や間取りの打ち合わせ不足など後悔した点も多かったが、完成後は母に喜んでもらえ、今は建て替えてよかったと感じている。
プロ20年 栗本さん、本日は貴重な
経験を話していただき
ありがとうございます
栗本さん 私の失敗が少しでも
誰かの役に立てるなら
ぜひ聞いてほしいです
- 建て替えを決意したきっかけと「売却ではなく建て替え」を選んだ理由は?
- 複数のハウスメーカーへ見積もりを依頼して、どう比較・絞り込んだ?
- 解体費用・仮住まい費用など、予想外にかかったコストは?
- 打ち合わせ不足で後悔した「間取りのすり合わせ」の失敗、具体的には?
- 新居の完成後、母の暮らしや気持ちはどう変わった?
- 実家の建て替えで後悔しないために、これだけはやるべきことは?
それでは、建て替えに至るまでの経緯から、詳しく聞いていきましょう。
建て替えを決意したきっかけと「売却ではなく建て替え」を選んだ理由は?
神戸市内で81歳の母が一人暮らしをしている実家。栗本さんが異変に気づいたのは、数年前のことです。
栗本さん 母から「壁にひびが入った」
「冬は隙間風がひどい」と
連絡が来るようになって
もともと幼少期に阪神・淡路大震災を経験している栗本さんにとって、築53年の木造住宅の耐震性への不安は、頭の片隅にずっとあったといいます。
「次の大地震が来たとき、この家は大丈夫なのか」——その思いが、いよいよ無視できなくなりました。
プロ20年 最初から建て替え一択
だったんですか?
売却という選択肢は?
栗本さん 最初はわからなくて
一度、不動産会社に
査定をお願いしたんです
売却して、どこか別の場所で母が住みやすい物件を探す——そんな選択肢も頭にありました。
栗本さんが利用したのは、複数の不動産会社にまとめて査定を依頼できる一括査定サービスです。
プロ20年 一括査定を使われたんですね
実際にどんな結果でしたか?
栗本さん 3社から査定が届いて
金額に差があって
正直、驚きました
| 査定会社 | 査定額 | 備考 |
|---|---|---|
| A社(大手) | 1,650万円 | 土地値として評価 |
| B社(地元) | 1,420万円 | 建物の価値はほぼゼロ |
| C社(大手) | 1,700万円 | 周辺需要が高いと説明あり |
プロ20年 査定額にばらつきが
あるのはよくあることで
複数社に依頼するのが正解です
売却か建て替えか——その判断をするうえで、まず「土地がいくらで売れるか」を数字で把握することが欠かせません。
仮に高値で売却できれば、新しい住まいへの住み替え費用を賄えるだけでなく、余剰分を老後資金として確保できる場合もあります。
「売るなんて考えていない」と思っていても、査定額を知ることで初めて見えてくる選択肢があります。
栗本さんの場合、査定額は最高で1,700万円。
ただ、母の意向は明確でした。
栗本さん 「この土地は離れたくない」
それだけははっきり
言われたんです
生まれ育った土地への思い、近所の知人とのつながり——母にとって、それは金額では測れない価値でした。
査定額と母の気持ち、両方を天秤にかけた末、栗本さんが出した答えが「建て替え」です。
複数のハウスメーカーへ見積もりを依頼して、どう比較・絞り込んだ?
建て替えの方向が決まると、次に立ちはだかったのが「どこに頼むか」という問題です。
母が一人で暮らすためのコンパクトな平屋を前提に、栗本さんは複数のハウスメーカーへ見積もりを依頼しました。
プロ20年 見積もりはどのように
集めましたか?
自分で1社ずつ?
栗本さん 注文住宅の見積もりを
まとめて依頼できるサイトを
利用しました
そのおかげで、手間をかけずに幅広く比較できたといいます。
| ハウスメーカー | 初期見積もり額(税込) | 構造・特徴 |
|---|---|---|
| D社(大手HM) | 2,480万円 | 鉄骨造・耐震性を強調 |
| E社(中堅HM) | 2,050万円 | 木造・断熱性能をアピール |
| F社(地元工務店) | 1,820万円 | 木造・コスト重視の提案 |
| G社(大手HM) | 2,300万円 | 木造・バリアフリー提案が充実 |
栗本さん 提示額が1,800万〜2,500万と
かなりバラバラで
最初は戸惑いました
プロ20年 700万円近い差は大きいですね
金額以外で判断した
基準はありましたか?
栗本さん 担当者の対応がすごく
大事だと感じました
母のことを理解してくれるかどうか
栗本さんが最終的に判断の基準にしたポイントは以下の通りです。
- 高齢者の一人暮らしに対する理解と提案力があるか
- こちらの質問に対して丁寧かつ具体的に答えてくれるか
- バリアフリーや断熱など、暮らしやすさへの配慮があるか
- 費用の内訳を明確に説明してくれるか
それだけの期間を一緒に進めていく相手ですから、金額だけで決めるのは少し危うい、と栗本さんは話します。
栗本さん 安さだけで選ばなくて
本当によかったと
今は思っています
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解体費用・仮住まい費用など、予想外にかかったコストは?
建て替えにかかる費用といえば、多くの方がまず「建築費」を思い浮かべるはずです。
でも、栗本さんが「思ったより手痛かった」と振り返るのは、その前後に発生するコストでした。
栗本さん 解体費用と仮住まいの費用が
想像以上にかかって
最初から把握しておけばよかった
| 費用項目 | 栗本さんの実費(概算) | 一般的な目安 |
|---|---|---|
| 解体費用(木造2階建て) | 約150万円 | 100万〜200万円程度 |
| 仮住まい家賃(約10カ月) | 約55万円 | 工期・家賃による |
| 引っ越し費用(2回分) | 約18万円 | 規模・距離による |
| 仮住まい中の光熱費・雑費 | 約10万円 | 生活状況による |
プロ20年 こうした付帯費用は
見積もりに含まれないことが
多いので注意が必要です
栗本さん 最初の見積もり額だけ見て
「これで収まるかな」と
思っていたのが甘かったです
また、解体工事では、地中に古い基礎や廃材が埋まっていると追加費用が発生するケースもあります。
建て替え費用の総額は「建築費+解体費+仮住まい費用」で試算するのが現実的です。
栗本さんの最終的な建築費総額は、初期見積もりから変動し、当初の想定より上振れる結果となりました。
詳細は次の項目で触れますが、打ち合わせの進め方次第で費用は変わります。
打ち合わせ不足で後悔した「間取りのすり合わせ」の失敗、具体的には?
建て替えを終えた今、栗本さんが最も後悔しているのは費用のことではなく、「もっと打ち合わせに時間をかければよかった」という点です。
栗本さん 忙しくて打ち合わせを
端折ってしまった部分が
完成後に出てきたんです
具体的に後悔した点を挙げてもらいました。
- 洗面所が狭く、母が車いすを使う将来を想定できていなかった
- 収納の位置が使いにくく、後から棚を追加する費用が発生した
- 南向きの窓を優先したが、夏の日差しが強すぎてカーテンが手放せない
- トイレの引き戸が開けにくく、高齢者には負担になっている
プロ20年 どれも打ち合わせ段階で
確認できたはずの内容ですね
担当者からの提案はなかったですか?
栗本さん 提案はあったんですが
「それでいいです」と
流してしまって…
忙しい日々の中で、打ち合わせを「こなすもの」にしてしまった——栗本さんはそう苦笑いします。
「担当者に任せればなんとかなる」という思い込みが、間取りの後悔につながったと栗本さんははっきり言います。
打ち合わせの回数については、ハウスメーカーによって違いはあるものの、契約後から着工までに最低でも5〜10回程度の打ち合わせが必要になることが多いです。
栗本さん 打ち合わせは
「面倒くさい」と思わず
徹底的にやるべきでした
新居の完成後、母の暮らしや気持ちはどう変わった?
後悔した点をいくつも話してくれた栗本さんですが、完成後の母の様子を語るときだけは、表情がふっと和らぎました。
栗本さん 「暖かくて安心して眠れる」
って母に言ってもらえたとき
建て替えてよかったって心から思えました
平屋を選んだ理由のひとつは、母が階段の昇り降りに不安を感じることへの備えでした。
プロ20年 平屋にしようと決めたのは
どのタイミングでしたか?
栗本さん 最初から迷いなかったです
81歳の母が一人で暮らすのに
2階は必要ないと思って
段差のない動線、温かみのある断熱性能、手の届く場所に収まった水回り——古い家では当たり前だった「不便」が、ひとつひとつ解消されていきました。
平屋は建築費が2階建てより高くなりやすい面もあるものの、高齢者の暮らしやすさという点では優れた選択肢です。
母が暮らし始めてから、栗本さんが感じた変化は小さくありませんでした。
- 冬でも室内が暖かく、体への負担が明らかに減った
- 段差がなく、足元への不安がなくなった
- 「家が気になる」という栗本さんの心配が大きく減った
- 母が友人を呼びやすくなり、外との交流が増えた
プロ20年 高齢者の住まいは
建てた後のメンテナンス計画も
早めに考えておきたいですね
栗本さん 後悔もあるけど
母の笑顔を見たら
やっぱりやってよかったです
建て替えの本当の目的は「誰かの暮らしをよくすること」——栗本さんはそう静かに、でも確かな言葉で話してくれました。
費用のことで頭がいっぱいになりがちな建て替えですが、完成後の母の笑顔が「答え合わせ」になったといいます。
実家の建て替えで後悔しないために、これだけはやるべきことは?
最後に、これから実家の建て替えを検討している方へ、栗本さんが実体験から伝えたいことを聞きました。
プロ20年 同じ状況の方へ向けて
「これだけはやるべき」と
思うことを教えてください
栗本さん 私みたいな後悔を
してほしくないので
正直に全部話しますね
栗本さんが「これだけはやるべき」と断言するポイントは、以下の通りです。
- 建築費だけでなく、解体・仮住まい・引っ越しの費用も含めて総額で予算を組む
- 見積もりは必ず複数社から取り、金額だけでなく担当者の対応力も見る
- 打ち合わせは省かず、将来の暮らしまで想定して間取りを決める
- 高齢者が住む場合は、10〜20年後の身体状況も見据えた設計にする
プロ20年 一括査定で相場を知ることと
複数社から見積もりを取ることは
どちらも「比較する」という点で共通していますね
栗本さん そうなんです
1社だけで判断しないことが
後悔を減らす一番の近道だと思います
実家の建て替えで後悔しないための第一歩は、選択肢を複数持つことです。
売るべきか、建て替えるべきか——その答えは、実際に動いて情報を集めてみないと見えてきません。
栗本さん 私が後悔したことが
誰かの「やっておいてよかった」に
変わってくれたらうれしいです
以上、実家の建て替えで後悔した経験を持つ栗本澄代さん(52歳・兵庫県)の貴重な体験談を、インタビュー形式でご紹介しました。
「見積もりをとる前は、どこも似たような金額だと思っていた」——栗本さんがそう話すように、実際に比較してみるまで金額差の大きさに気づけないケースは少なくありません。
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判断しても遅くないですよ
建て替えを本格的に動き出す前に、まず相場感をつかんでおくことをおすすめします。
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【アンケート】経験者141人に聞いた!実家の建て替えで多い後悔は何?
実家の建て替えを経験した141人に、後悔した理由を聞いてアンケートにまとめました。
プロ20年 アンケート結果は以下の通りです

「建築予算のオーバー」と「設計や間取りの失敗」による後悔が同程度で最も多く、それに次いで「リフォームでよかった」と「建築会社選びの失敗」による後悔が多い結果になりました。
どれも大きな後悔になりそうですね…
特に、設計や間取りの失敗については、
- 部屋数を多くしたため、1つ1つの部屋が小さくなり暮らしにくくなった
- 自分の部屋を広く作ってもらったが、結局あまり住まなかった
- 狭い土地で3階建てにしたが、上の階は年々使わなくなった
- 親が要介護になる可能性を考えて、バリアフリーにこだわればよかった
などなど、後悔の声も多い印象です。
【建て替え前チェック】実家の建て替えで後悔を招く不安要素はない?
実家の建て替えで後悔した方の多くは、着工前の段階で見落としていた不安要素を抱えたまま話を進めています。
今のあなたの状況に、その芽が隠れていないか確認してみませんか。
プロ20年 チェックが多いほど
悪いという話ではなく
未確認の項目を洗い出す目的です
どれも1つずつ調べれば白黒がはっきりする項目なので、気楽な気持ちで進めてみてください。
| 項目 | |
|---|---|
- 0~3個
→準備がよく進んでいる状態です。残った項目だけ埋めて動き出せます - 4~6個
→大枠は見えている段階です。未確認の項目を1つずつ潰していきましょう - 7~9個
→情報が不足しがちな状態です。契約を急がず、比較と家族の話し合いを優先しましょう - 10個以上
→まだ検討の入り口です。まずは土地の条件と費用の全体像から確認していきましょう
チェックが付いた項目は、どれも今からでも確認できることばかりです。
プロ20年 特に土地の条件と
お金の出どころは
あとから直せない部分ですね
大事なのは数の多さより、1つ1つがどれくらい重い項目かという点。
たとえ2個しか付かなくても、それが土地の条件やお金に関わる項目なら、影響は小さくありません。
逆にいえば、未確認のまま契約まで進んでしまうと修正がきかなくなるのが、実家の建て替えという買い物のこわいところ。
後悔の大半は、能力や予算ではなく確認不足から生まれます。
急がず1つずつ埋めていけば、それだけで失敗する確率はぐっと下がります。

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実家は建て替えるべき?リフォーム・売却も含めた後悔しない判断基準
実家の建て替えが正解とは限りません。
土地の条件・住む方の年齢や暮らし・出せる予算、この3つで適した答えは変わります。
建て替え・リフォーム・売却のうち、どれが自分の家に向くかを比べないまま1つに絞ることが、後悔のいちばんの入口。
業界20年以上の私が、判断の物差しを順に整理します。
建て替え・リフォーム・売却(住み替え)は何がどう違う?
まずは3つの選択肢を、費用・期間・暮らしへの影響で並べてみます。
| 建て替え | リフォーム | 売却(住み替え) | |
|---|---|---|---|
| 主な費用 | 建築費+解体費+設計・申請費+仮住まい費など | 部分改修から大規模改修まで、工事範囲により大きく変わる | 仲介手数料・登記費用・税金など |
| 期間の目安 | 計画・設計から引き渡しまで1年前後かかる場合もある | 規模により数日から数カ月以上 | 売り出しから引き渡しまで数カ月が目安だが、物件により異なる |
| 住まいへの影響 | 仮住まいへの引っ越しと新居への引っ越しが必要 | 住みながら進められる場合もある | 住み替え先を別に用意する |
| 間取りの自由度 | 法令や敷地条件の範囲内で設計できる | 既存の構造や法令上の制約を受ける | 次の住まいを希望条件に合わせて選べる |
どれが優れているという話ではありません。
土地と家族の事情しだいで、正解の順位は簡単に入れ替わります。
プロ20年 3つを同じ表で
並べてみるだけでも
気持ちの整理が進みますよ
私が相談を受けるとき、まずこの比較から入るのは、最初から建て替え前提で動く方が少なくないから。
比べたうえで建て替えを選べば、ほかの選択肢を検討しなかったことによる迷いも残りにくくなります。
実家の建て替えを選んだほうがいいのはどんな場合?
建て替えが力を発揮するのは、建物の状態や希望する間取りから見て改修では対応しにくく、なおかつその土地に住み続けたい理由がある場合です。
- 基礎や柱など構造部分の傷みが進んでいる
- 耐震補強や断熱改修などを重ねると、工事範囲が大きくなる
- 親が土地や近所付き合いを離れたくないと望んでいる
- 平屋化や大幅な間取り変更など、既存の構造では実現しにくい希望がある
- 今後も長期にわたり、家族の誰かが住み続ける見通しがある
特に重いのが、最後の「誰が住み続けるのか」という点。
プロ20年 建てたあとに空き家になる
可能性が高いなら
建て替えは慎重に考えたいですね
新しい家は、住む方がいてこそ価値が生きます。
住む予定が固まらないまま建てると、完成後の管理や処分に困る可能性があります。
なお、資金を子が出す場合は、資金の負担割合と新居の持分を確認しておくことが大切。
実際の負担と登記上の持分が合っていないと、資金を負担していない方への贈与と判断される場合があります。
住宅取得等資金の贈与には一定の非課税制度もありますが、適用要件や申告手続きがあるため、着工前に税理士や税務署へ確認しておくと安心できます。
建て替えよりリフォームのほうが後悔しにくいのはどんな場合?
建物の構造や状態に大きな問題がなく、希望する暮らしを改修で実現できるなら、リフォームで十分こたえられる場面もあります。
- 耐震診断の結果、必要な補強で安全性を高められる見込みがある
- 敷地の接道条件などにより、建て替えが難しい可能性がある
- 現在の建物が既存不適格で、建て替えると今より小さくなる可能性がある
- 建て替えよりも工事範囲を絞って費用を抑えたい
- 親が仮住まいへの引っ越しに強い不安を感じている
高齢の親にとって、仮住まいへの引っ越しと新居への引っ越しは、体力的にも精神的にも負担になり得ます。
プロ20年 住み慣れた環境が変わることの
負担は、数字に出ないぶん
見落とされがちなんです
私も、水回りと断熱、手すりなど必要な部分を整えて、暮らしやすくなったお宅を何軒も見てきました。
一方で、工事を始めてから隠れていた傷みが見つかり、追加費用が発生することがあるのはリフォームの弱点。
だからこそ、着工前に建物の状態を調べ、追加工事が生じる可能性も含めて見積もることが、後悔を減らす分かれ目になります。
実家を売って住み替える選択が向いているのはどんな場合?
言い出しにくい選択肢ですが、売却が家族にとって負担の少ない答えになる場面もあります。
- 親が施設への入居や子との同居を考えている
- 実家が遠方で、住むのも管理するのも現実的でない
- 相続人が複数いて、将来的に不動産のまま分けにくい
- 売却資金を住み替え費用や老後の生活資金に充てたい
- 建て替え費用を出すと、生活資金に余裕がなくなる
売却は「実家を手放す」という言葉の重さがあるぶん、感情のブレーキが強くかかります。
プロ20年 売る決断をしなくても
今いくらの価値があるかは
知っておいて損はありませんよ
私がいつもお願いするのは、金額を知ってから決めてほしいということ。
土地や建物のおおよその価値がわかると、建て替えにいくらまで使えるのかという上限も考えやすくなります。
ただし、古い木造住宅だからといって、必ず建物の価値がゼロになるわけではありません。
築年数だけで低く評価されることもありますが、建物の状態・耐震性・維持管理・リフォーム履歴などが査定に反映される場合もあります。
土地だけでなく建物の状態も確認したうえで、査定内容の根拠を説明してもらいましょう。
なお、複数社の比較には『スーモ売却(無料)』一括査定がおすすめです。
選択時に各社の売却実績数を確認できるので、どの会社に査定を依頼するか迷わずに進められます。
※面積はおおよそで大丈夫です
※査定後に売るかどうかは自由
3つで迷ったときはどんな順番で判断すればいい?
3つを同時に考えると、頭の中がぐるぐるして決まりません。
順番を決めて、1つずつふるいにかけていくのがおすすめです。
- 土地の条件を調べる(接道・建ぺい率・容積率・建て替えの可否)
- 建物の状態を調べる(耐震診断や住宅診断で構造や劣化の状態を確認)
- 誰がいつまで住むのかを家族で話し合う
- 出せる金額の上限を決める(自己資金・ローン・土地と建物の価値)
- 残った選択肢について複数社から提案と見積もりをもらう
この順番には理由があります。
1と2は専門家や行政窓口などへの確認で整理できる事実、3と4は家族で決める話、5は外から集める情報だからです。
プロ20年 事実→家族の意思→比較
この順に進めると
判断がぶれにくくなりますね
ローンを使うなら、申込時や完済時の年齢、返済期間、収入などの条件が金融機関ごとに異なるため、早めに確認しておきたいところ。
完済時年齢を80歳未満とする商品もありますが、すべての金融機関に共通する条件ではありません。
私は、十分に比べないまま急いで決めたことで、迷いが残る場面を何度も見てきました。
実家の建て替えは、迷っている時間も情報を集め、家族で話し合うための準備期間になります。
焦らず順番に進めれば、自分たちに合う選択肢を絞り込みやすくなるはずです。
以上、実家の建て替えを軸に、リフォームと売却まで含めた後悔しないための判断基準を整理しました。
家づくりの体験談を読むと「自分ならどうするか?」が少しずつ見えてきます。注文住宅では、ハウスメーカー選びや予算計画、間取りの決め方など、判断すべきことが数多くあるため、実際に建てた方々のリアルな体験談をまとめて確認したい方は、下記の記事をあわせてご覧ください。
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まとめ:実家の建て替えを急がず家族で将来と選択肢を話し合おう
今回の不動産とーくは『【体験談】実家の建て替えで後悔。栗本さん52歳が語る失敗と本音』と題して、下記の項目を解説しました。
- 【体験談】後悔あり・満足もあり。実家を建て替えた52歳が正直に話すこと
- 【アンケート】経験者141人に聞いた!実家の建て替えで多い後悔は何?
- 【建て替え前チェック】実家の建て替えで後悔を招く不安要素はない?
- 実家は建て替えるべき?リフォーム・売却も含めた後悔しない判断基準
プロ20年 実家の建て替えへの不安は
少し軽くなりましたか?
実家の建て替えで後悔を残した方に、私がいつも感じる共通点があります。
それは、家族の誰か1人が全部を背負い込んでいたこと。
栗本さんが打ち合わせを流してしまったのも、仕事と親の世話を一人で抱えていたからです。
しかも、抱え込むほど親は口を出しづらくなります。
「あなたが大変なんだから、私は何でもいいわ」——実家の打ち合わせで、私が何度も耳にした言葉です。
プロ20年 この一言が出たときこそ
本音を聞くチャンスだと
私は思っています
家族で話すときは、結論から入らず次の点から始めると噛み合いやすくなります。
- 親が今の家で不便に感じていることを、本人の言葉で聞く
- あと何年、その家で暮らしたいと思っているかを確かめる
- 建て替えたあと誰が住み、誰が管理していくかを共有する
- 兄弟姉妹がいる場合は、費用の負担と将来の相続を同じ場で話す
とくに最後の1つは、後回しにするほどこじれます。
お金を出した方と家を継ぐ方がずれたまま完成すると、数年後に必ず話題として蒸し返されるからです。
業界歴20年以上「不動産コンサル西田」のアドバイス
私が20年以上この仕事をしてきて思うのは、実家の相談は「家の問題」の顔をした「親子の問題」だということ。
家の性能や費用の話は詰められても、親子だと肝心の気持ちだけが後回しになりがちです。
プロ20年 親子だからこそ
遠慮してしまう部分って
どうしてもありますよね
そこで私がすすめているのが、親と話す日までに数字を1つだけ用意しておくやり方。
土地の価値でも、建て替えのざっくりした見積もりでも構いません。
数字がないまま話すと、感情だけがぶつかって平行線になるもの。
「1,700万円で売れるらしいよ」の一言があるだけで、話し合いは驚くほど具体的に動きだします。
見積もりも査定も、取り寄せた時点では何も決まりません。
まずは実家の現在地を知ることから、肩の力を抜いて始めてみてください。

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最後まで読んでくれてありがとうございます。
実家をどうするか悩めるのは、それだけ大切に思っている証拠です。
あなたと家族が「これで良かった」と笑える答えに、きっとたどり着けます。
以上『【体験談】実家の建て替えで後悔。栗本さん52歳が語る失敗と本音』でした。
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