「おしゃれなキューブ型に惹かれるけど不安もある」
「建てた人のリアルな声をちゃんと知りたい」
そう感じている方は、決して少なくありません。
スタイリッシュな外観に惹かれながらも、後悔談を目にするたびに「自分は大丈夫だろうか」と不安がぬぐえない。その感覚は、軒なし住宅を真剣に検討しているからこそ生まれる、正直で大切な感覚です。
軒のない家は、設計段階での仕様選びひとつで、入居後の快適さとメンテナンスコストが大きく変わります。
「かっこいいから」だけで進めた場合と、リスクを知った上で選んだ場合とでは、同じ軒なし住宅でも、数年後の暮らしがまったく違うものになることがあるのです。
この記事では、不動産×住宅業界のプロが『【ブログ】軒のない家で後悔した和泉さんが3年分のリアルと今の本音』と題して紹介します。
愛知県在住・和泉沙織さん(38歳)は、憧れのキューブ型住宅を建て、トラブルを経験し、それでも「この家が好き」と言い切ります。
その3年間のリアルには、これから建てるあなたが今すぐ使える判断材料が詰まっています。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)

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不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士

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【この記事の取材・確認方法】
この記事は、実体験者への取材・ヒアリング内容をもとに作成しました。不動産の種類や住まいの状況、当時の悩み、検討した選択肢、実際に取った行動、その後の暮らしの変化などを確認したうえで、個人が特定されないよう一部情報を調整。実務・専門的な判断を要する箇所は、不動産コンサルタントの執筆者・西田が補足。※体験談は個別事情に基づく内容であり、同じ結果を保証するものではありません。
【体験談】軒のない家で後悔した経験から得た3年分のリアルを語る

SNSで見かけるたびに惹きつけられるキューブ型のシャープな外観。でも、いざ建てようとネットで調べると、後悔しているという声も目に入ってくる……。そんなもやもやを抱えている方は多いのではないでしょうか。
今回は、軒のない家を建てて3年、後悔とその先を経験した愛知県在住の和泉沙織さんに、率直な体験談を伺いました。
- 和泉 沙織さん(仮名)

-
【年齢】38歳【居住地】愛知県
パートと子育てを両立する2児の母。結婚7年目を機に家づくりをスタートし、インスタで見たキューブ型住宅に惹かれ、地元の工務店で軒ゼロのフラットルーフ住宅を2021年に建てた。入居後の夏は西日の強さに悩まされ、翌年の梅雨には外壁の目地から雨水が染み込みシミが出現。保証で補修してもらったものの、約6万円の自己負担も発生した。現在は対策を重ねてトラブルなく暮らしており、これから建てる方に自身の体験を役立てたいと話してくれた。
入居後に起きたトラブルも、今の本音も、包み隠さず語っていただきます。
- 軒なしのキューブ型住宅に決めた「決め手」は何だった?
- 軒のない家を建てる前に「後悔するかも」と不安を感じた瞬間はあった?
- 入居後に直面した「西日・雨漏り」トラブルの実態は?
- 工務店との交渉で、無償対応と自己負担6万円の境界線はどこだった?
- 3年目以降トラブルなしをキープできている再発防止策の中身は?
- キューブ型の「外観満足度」は今も変わらない?正直なところは?
- 軒のない家で後悔したくない人へ。建てる前に絶対確認すべきことは?
それでは、和泉さんの3年分のリアルをじっくりと聞いていきましょう。
プロ20年 和泉さん、本日は
お時間をいただき
ありがとうございます
和泉さん こちらこそ!同じで悩む方の
参考になればと思って
来ました
軒なしのキューブ型住宅に決めた「決め手」は何だった?

和泉さんがキューブ型住宅に惹かれたのは、インスタやYouTubeで外観画像を眺めはじめた頃からです。
プロ20年 もともとキューブ型を
意識して探していたんですか?
それとも偶然の出会いでしたか?
和泉さん 最初はそこまで
決めていなかったんです
でも見れば見るほどハマって
インスタで「#外観おしゃれ」を検索するたびに、フラットルーフの真四角の家が目に飛び込んでくる。気づけばそればかり保存していたと笑います。
夫も外観画像を見た瞬間「これにしよう」と即答。夫婦の意見が珍しく最初から一致した、数少ない選択でした。
和泉さん 正直、機能面は
あまり深く考えていなかった
外観が全てでしたね(笑)
プロ20年 建築プランや見積もりは
どのように検討しましたか?
いくつか比較されましたか?
和泉さん 一括プラン請求サイトを
使ったんです
希望条件を入力すると複数の会社からプランと見積もりをまとめて取り寄せられるサービスです。1社ずつ連絡する手間なく比較できたのが、忙しい子育て中には助かったと話してくれました。
| 会社名 | 初期見積もり額(目安) | 提案・印象 |
|---|---|---|
| 地元工務店A(実際に依頼) | 約2,100万円 | 施工実績が豊富。担当者との相性が良く、細かい希望を汲んでくれた |
| ハウスメーカーB | 約2,680万円 | 規格外のフラットルーフは割高。キューブ型の自由度は低め |
| 設計事務所C | 約2,920万円 | デザインの自由度は最高だが、コスト面でオーバー |
| 地元工務店D | 約2,250万円 | 見積もりは安いが軒ゼロの実績が少なく、担当者の説明が曖昧だった |
和泉さん 比較してみると金額だけでなく
軒ゼロへの対応経験が
会社によってかなり違うと気づいて
プロ20年 その視点は大切ですね
軒のない家は雨仕舞いや
防水の処理が特に重要なので
和泉さんが最終的に選んだのは、軒ゼロの施工実績が多く、過去の事例を写真つきで見せてくれた地元工務店Aでした。
和泉さん 「何棟建てましたか?」って
直接聞いたんですよね
実績ゼロの会社には頼めないなと
実際の打ち合わせを経て、最終的な建築費総額は約2,380万円(土地代別・外構込み)。初期見積もりからは多少増えましたが、仕様の変更や追加要望も含めた上での金額だったそうです。
土地についても、サービスを通じて紹介を受けた不動産情報の中から候補を絞り込み、最終的には自分たちで現地を確認しながら決めていったと教えてくれました。
プロ20年 土地探しからプランまで
まとめて動けると、優先順位を
整理しながら進めやすいですよね
和泉さん 土地のことで
別途動く必要がなかったのは
かなり助かりました
家づくりの期間は、土地契約から完成・引き渡しまでおよそ1年3カ月。間取りや仕様の打ち合わせに約4カ月、着工から竣工まで約6カ月がかかっています。
プロ20年 家づくりはおよそ
1年以上かかると
見ておくのが現実的ですね
軒のない家を建てる前に「後悔するかも」と不安を感じた瞬間はあった?
建てることはほぼ決まっていた和泉さん。でも、情報収集を進める中で「あれ、大丈夫かな?」と思う瞬間はあったそうです。
和泉さん 「軒なし 後悔」って
検索したら出てくるわ出てくるわ…
ちょっとビビりましたよ(笑)
特に気になったのが、「外壁が傷みやすい」「雨音がうるさい」「夏は暑い」という声。自分たちが建てようとしている仕様と重なる部分が多く、不安を感じたと言います。
プロ20年 実際に工務店に
そのあたりの懸念は
相談しましたか?
和泉さん 全部ぶつけましたよ
工務店の担当者さんが
ちゃんと答えてくれたんですが
担当者からは「外壁材とシーリングの仕様をしっかり選べば問題ない」という説明を受け、一度は安心したそうです。
ただ、どのシーリング材を使うか、具体的な選択肢と性能差について深く聞けなかったのは、今振り返ると悔やまれると話してくれました。
プロ20年 「問題ない」という
言葉を信頼しすぎず
具体的な仕様を確認するのが大事ですね
不安を抱えながらも外観への強い憧れが勝り、最終的には「もし問題が起きたら工務店の保証があるから大丈夫」と自分を納得させて進んだそうです。
和泉さん でも「保証があるから大丈夫」って
考えは少し甘かったなと
後になって思いました
入居後に直面した「西日・雨漏り」トラブルの実態は?
2021年に完成し、待望のキューブ型の家での生活が始まった和泉さん一家。しかし入居後の夏、想定外の洗礼を受けることになります。
和泉さん 南向きリビングに
西日がどうしてきついか
引っ越すまで知らなくて
軒がないため、夏の西日は窓ガラスに直接当たります。特に午後3時以降はリビングの床や壁が熱を持ち、エアコンをかけても室温がなかなか下がらない状態が続き、光熱費も想定を上回りました。
初年度の夏の電気代は前の賃貸と比べて月1万円以上増えたそうです。
プロ20年 軒がある家なら
高度の高い夏の陽光を
自然にカットできるんですよね
和泉さん それを体感してから
「軒って日よけだったんだ」って
初めて実感しました
さらに翌年の梅雨、リビングの窓枠まわりに茶色いシミが広がっていることに気づきます。
外壁サイディングの目地のシーリング材に細かいひびが入っており、雨水が目地から浸透して窓枠内部にまで染み込んでいたのです。
プロ20年 軒がないと雨水が
外壁を直撃しやすいので
目地のシーリングへの負荷が大きいですね
原因を特定するまでに現地確認を含め約2週間かかり、その後の補修完了まで、流れをまとめると以下の通りです。
- 窓枠まわりにシミを発見し、工務店へ連絡する
- 担当者が現地確認(発見から約1週間後)。目地のシーリング劣化が原因と特定
- 雨水の浸入経路を確認し、補修範囲を決定する
- 保証の範囲でシーリングの打ち直し補修を実施(無償)
- 再発防止のため高耐候シーリング材へグレードアップ(自己負担 約6万円)
- 補修完了・経過観察へ移行
和泉さん 補修が終わるまで
ハラハラしましたし
やっぱり軒は必要だったのかと落ち込みました
工務店との交渉で、無償対応と自己負担6万円の境界線はどこだった?
補修費用の話になると、和泉さんの表情が少し真剣になります。
プロ20年 無償で対応してもらえた部分と
そうでなかった部分の
違いはどこにあったんですか?
和泉さん 工務店の保証の対象が
「施工不良」かどうかが
境界線でした
シーリング材のひびは「経年または環境による劣化」と判断され、施工そのものの不良とは認められませんでした。
一方、雨水の浸入と内部への染み込みという「現象」に対しては保証対象として、シーリングの打ち直し補修を無償で行ってもらえたと言います。
| 対応内容 | 費用負担 | 理由 |
|---|---|---|
| 目地シーリングの打ち直し補修 | 無償(保証対応) | 雨水浸入という現象が保証の対象と判断された |
| 高耐候シーリング材へのグレードアップ | 自己負担(約6万円) | 標準仕様以上の材料への変更は保証の対象外 |
| 窓枠まわりのシミ補修(内部) | 無償(保証対応) | 浸水による内装への影響として保証範囲に含まれた |
プロ20年 標準仕様のシーリング材について
当初から選べる説明は
あったんでしょうか?
和泉さん そこが後悔ポイントなんです
最初から選択肢として
見せてほしかった
和泉さんが使用していた標準仕様のシーリング材は、耐用年数がおよそ5~10年といわれる一般的なものでした。
一方、高耐候タイプのシーリング材は製品によって耐用年数が20年以上を目安とするものが多く、差額は工事範囲によって異なりますが、今回のケースでは約6万円だったそうです。
和泉さん 最初の見積もりに
オプションとして載っていたら
確実に選んでいたと思う
外壁材についても振り返ってもらいました。
和泉さん サイディングの目地の数が
少ないパネル系にすれば
よかったかなとは思います
外壁材の選定とシーリング材の仕様は、軒ゼロ住宅では特に慎重に選ぶべき判断です。
目地の数が少ないほどシーリングの劣化リスクが下がり、長期的なメンテナンスコストにも直結します。
3年目以降トラブルなしをキープできている再発防止策の中身は?
補修完了後、和泉さんは工務店と一緒に再発防止に取り組みました。その後、3年目以降はトラブルなしの状態が続いています。
和泉さん 工務店の担当者さんが
親身に一緒に考えてくれたのが
本当に助かりました
現在実施しているケアの内容を聞いてみると、以下のようなものでした。
- 年1回、自分で目地のシーリング状態を目視確認する
- 窓まわりと外壁の接合部を中心に、ひびや浮きがないかチェックする
- フラットルーフのドレン(排水口)周辺の詰まりを年2回掃除する
- 3年に1回を目安に専門家による外壁点検を依頼する予定にしている
和泉さん ドレンが詰まると水が溜まって
屋根に深刻なダメージが出るって
業者さんに言われて怖くなって
気になるメンテナンスコストについても率直に聞きました。軒あり住宅と比べてどうなのかという点は、これから建てる方が気にするところです。
| メンテナンス項目 | 軒あり住宅(目安) | 軒なし住宅(和泉さんの場合) |
|---|---|---|
| 外壁塗装・シーリング打ち直し | 10~15年ごと | 7~10年ごとを目安に点検・検討 |
| 屋根(スレートなど)の塗装・補修 | 10~15年ごと | 防水層の点検を5年ごとに実施 |
| ドレン(排水口)の清掃 | ほぼ不要 | 年2回を目安に自分で清掃 |
| 外壁点検(専門家) | 10年ごと程度 | 3年ごとを目安に実施予定 |
和泉さん 軒あり住宅より
メンテナンスが少し手間と
コストがかかるのは正直なところです
プロ20年 ただ、早め早めの点検で
大きな修繕を防げれば
トータルのコスパは変わってきますよね
こまめなセルフチェックと定期的な専門家点検の組み合わせが、軒なし住宅でのコスト管理の鍵だと和泉さんは感じているようです。
キューブ型の「外観満足度」は今も変わらない?正直なところは?
トラブルを経験し、手間もお金もかかった和泉さん。それでも外観への気持ちはどうなのか、正直に聞きました。
和泉さん 変わってないです
今も朝、家を見るたびに
「かっこいいな」って思う(笑)
即答でした。ただ、続けてこう言います。
和泉さん 「軒なしでよかった」という気持ちと
「機能面をもっと重視すべきだった」
という気持ちは両方あります
外観の満足度を100点とするなら、機能面への後悔を引いて今は85点。その85点はトラブルを乗り越えてたどり着いた数字だからこそ、揺るぎないものになっている、と和泉さんは話します。
プロ20年 後悔を乗り越えた上での
85点はかなり
重みがありますね
工務店と一緒に問題を解決し、自分の家のことを深く知ることができた経験が、家への愛着をさらに強くした面もあるようです。
あなたも「外観への憧れ」と「機能面への不安」の間で揺れているなら、和泉さんの85点という正直な言葉は参考になるのではないでしょうか。
和泉さん 子どもたちが
「うちの家かっこいいね」って
言ってくれるのが何より嬉しい
プロ20年 家族全員がその家を
好きでいられるのが
一番大切なことですよね
軒のない家で後悔したくない人へ。建てる前に絶対確認すべきことは?
最後に、これから軒のない家を建てることを考えている方へ向けて、和泉さんの実体験から伝えたいことを聞きました。
プロ20年 和泉さんの経験を踏まえて
建てる前に確認しておくべきことを
教えていただけますか?
和泉さん 私の失敗から逆算すると
確認しておけばよかったことが
いくつかはっきりあります
和泉さんが「これだけは必ず確認して」と言う項目は以下の通りです。
- 軒ゼロ・フラットルーフの施工実績が何棟あるか直接聞く
- 使用するシーリング材の種類と耐用年数を事前に確認する
- 高耐候シーリング材へのアップグレード費用を見積もり段階で提示してもらう
- フラットルーフの防水仕様と保証内容を書面で確認する
- 西向き・南向き窓への日差し対策(庇・フィルムなど)を設計段階で検討する
- ドレン(排水口)の位置と清掃方法を事前に教えてもらう
プロ20年 特にシーリング材の仕様は
「標準で問題ない」という
言葉をそのまま信じないことが大切ですね
和泉さん そうです!具体的に
「どんな製品か」「何年持つか」を
必ず確認してほしいです
また、「やり直せるなら変えたい1つのこと」を聞くと、少し間を置いてこう答えてくれました。
和泉さん 南向きのリビング窓に
初めから「深めの庇」を
つけておけばよかったです
軒のない家でも、窓の上だけに小さな庇(ひさし)をつけることはできます。
深さ40~60cm程度の庇を設ければ、夏の直射日光をある程度カットしながら、外観のシャープさも保てることを、建てた後に知ったそうです。
プロ20年 設計段階なら数万円の
追加で対応できますが
後付けだとコストが大きくなりますよね
和泉さん 本当にそう!
建築士さんに
もっと聞けばよかったです
最後に、軒のない家を検討している方へ向けてメッセージをいただきました。
プロ20年 経験者の言葉は
何より説得力がありますね
本日は本当にありがとうございました!
和泉さん 同じ選択で迷っている方の
背中を少しでも
押せれば嬉しいです
以上、愛知県在住の和泉沙織さんによる、軒のない家で後悔した経験とその先の3年分のリアルを、インタビュー形式でお届けしました。
軒のない家は、仕様選びの段階で「知っているかどうか」の差が、入居後の満足度に大きく影響します。
和泉さんのように、シーリング材の選択肢を設計段階で比較できていれば、6万円の自己負担も、あの夏の後悔も、結果が違っていたかもしれません。
プロ20年 また、軒ゼロ・フラットルーフの
施工経験が豊富かどうかは
会社によってかなり差があります
軒のない家はメンテナンスの仕様差が大きく、どの会社に依頼するかで長期コストが変わることを、忘れないでほしいと思います。
だからこそ、最初の1社に絞る前に、複数社のプランを一度に取り寄せて比較する手順を踏んでおくことが、和泉さんの経験から導き出せる、シンプルで確かなアドバイスです。
なお、複数社の比較には『タウンライフ家づくり(無料)』がおすすめです。
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※質問に答えていくだけで簡単です
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【建築前チェック】軒のない家で後悔しやすい人の特徴は?
軒のない家で後悔する方には、実はいくつかの共通した傾向があります。
和泉さんの体験談でも見えてきた通り、その多くは建てる前の確認不足から生まれるものです。
プロ20年 当てはまる数が多いほど
契約前に立ち止まる価値が
ありますよ
今のあなたの状況を、下記の項目でチェックしてみて下さい。
| 項目 | |
|---|---|
- 0~3個
→準備はかなり整っています。このまま仕様の細部を詰めていきましょう - 4~6個
→あと少しです。空欄になった項目を担当者に質問するだけでリスクを下げられます - 7~9個
→情報が不足したまま話が進んでいる可能性があります。契約前に一度整理を - 10個以上
→外観の印象が先行している状態です。設計段階からの見直しをおすすめします
いくつ当てはまったでしょうか。
ただ、見てほしいのは数の多さそのものではありません。
プロ20年 1つでも雨や防水に
関わる項目が残っていたら
そこから確認したいですね
同じ1個でも、干し方の希望が決まっていないのと、屋根の防水仕様を知らないのとでは、暮らしへの影響がまるで違います。
重い項目が残っていないかという視点で、もう一度見直してみて下さい。
そして軒のない家で後悔した方の多くは、そもそも聞くべき項目を知らないまま契約日を迎えています。
つまり知らないまま進めた分だけ、入居後に想定外が起きやすくなるということ。
このブログを読んでいる今の段階なら、まだ何一つ手遅れではありません。

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軒のない家で後悔を防ぐ雨仕舞・日射・外壁メンテナンス対策
軒のない家で後悔を防ぐ鍵は、雨仕舞・日射・外壁メンテナンスの3つを設計段階でまとめて検討することです。
- 雨水の浸入を防ぐ「雨仕舞」で外せない3つの部位を確認する
- 夏の西日と暑さをやわらげる日射対策はどう選ぶ?
- 外壁を長持ちさせる材料選びと点検のポイントを押さえる
- 対策費用の考え方を知り、優先順位をつける
どれか1つが抜けると、その部分が建物の弱点になりかねません。
私が相談を受けてきた中でも、この3点を早い段階で図面に落とし込めた方ほど、入居後の不安や追加対策を減らしやすい傾向にあります。
雨水の浸入を防ぐ「雨仕舞」で外せない3つの部位を確認する
雨仕舞とは、建物にかかった雨水を内部へ浸入させず、外へ適切に排出するための設計と施工のことです。
軒があれば屋根が外壁にかかる雨を減らしてくれますが、軒がない家は外壁や窓まわりが風雨にさらされやすいため、水の流れを意識した設計が欠かせません。
特に確認しておきたいのは、次の3つの部位です。
- 屋根と外壁が接する部分や屋根端部
→屋根から流れる水が集まりやすく、納まりによっては外壁側へ回り込むおそれがあるから - 窓サッシの上端と左右の取り合い部分
→外壁を伝った水が集まりやすく、防水テープや水切りなどの施工が重要になるから - バルコニーの手すり壁と外壁が接する部分
→水平面と垂直面が交わり、笠木や防水層の納まりに注意が必要だから
3カ所に共通するのは、素材や部材が切り替わる境目だという点です。
プロ20年 雨水は平らな面だけでなく
継ぎ目や開口部まわりから
入りやすいので確認が必要です
私が図面を見せてもらうときに確認するのが、笠木(かさぎ・手すり壁や立ち上がりの上に載せるふた状の部材)まわりの防水処理と、水切り金物(水を壁から離して落とす部材)の納まりです。
建物の構造や採用する工法によって必要な納まりは異なりますが、図面に明記されていない場合は、口頭で確認して終わらせず、どのように防水するのかを書き込んでもらうと認識のずれを防ぎやすくなります。
もう1つ大切なのが、外壁材の裏側に設ける通気層です。
外壁材の裏側へ入った雨水を外へ排出し、湿気を逃がす役割を担っています。
ただし、通気層を設けるだけで十分とは限りません。
透湿防水シートや防水テープ、水切りなどを適切に組み合わせ、排水経路を塞がない施工が重要です。
軒がない家ほど、この「入れにくくする工夫」と「入った水を排出する工夫」を両方そろえておきたいところです。
夏の西日と暑さをやわらげる日射対策はどう選ぶ?
軒がない家の夏の暑さは、窓から入る日差しをどのように抑えるかで変わります。
ポイントは、室内に入る前の窓の外側で日差しを遮ることです。
カーテンや室内ブラインドにも一定の効果はありますが、日射熱がガラスを通過したあとに遮るため、外付けの対策より熱を抑えにくい場合があります。
窓の外側や窓そのものでできる代表的な対策を、性質の違いで並べてみます。
| 対策 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 窓上の庇(ひさし) | 出幅や設置位置が適切であれば、夏の高い位置からの日差しを遮りながら、冬の低い日差しを取り入れやすい | 南向きの大きな窓 |
| 外付けシェード・すだれ | 必要な季節や時間帯に使いやすく、西日のような低い角度の日差しにも対応しやすい | 西向きや東向きの窓 |
| 日射遮蔽型のLow-E複層ガラス | 窓から入る日射熱を抑えやすい。製品によって断熱性能や日射熱の取り込み方が異なる | 外観をすっきり保ちたい場合 |
| 落葉樹の植栽 | 配置や樹種が適切であれば、夏は葉で日差しを遮り、冬は落葉によって日差しを取り入れやすい | 植栽スペースを確保できる敷地 |
選ぶときに覚えておきたいのが、南と西では日差しの角度が異なるという点です。
夏の南面には高い位置から日差しが入りやすいため、適切な出幅の庇が役立ちます。
一方、西日は低い角度から差し込むため、窓上の庇だけでは十分に遮れない場合があります。
プロ20年 西向きの窓は
外付けシェードなども含めて
考えておくと安心ですよ
そのうえで私がいつもおすすめしているのが、間取りが固まる前に「西面の窓をひと回り小さくできないか」を一度検討してみることです。
窓の大きさや位置は、入居後に変更しようとすると外壁工事をともない、簡単には変えられません。
設計段階であれば、採光や眺望、換気とのバランスを見ながら調整しやすいため、早めに検討する価値があります。
外壁を長持ちさせる材料選びと点検のポイントを押さえる
軒のない家の外壁は、軒の深い家に比べて雨や日射の影響を受けやすくなります。
だからこそ、外壁材だけでなく、表面の仕上げや目地、防水層を含めて選ぶことが、その後の手間と費用を左右します。
| 外壁材 | 主な目地・継ぎ目 | 軒なし住宅で確認したい点 |
|---|---|---|
| 窯業系サイディング | 板同士や開口部まわりに目地がある | 表面塗装だけでなく、シーリングや透湿防水シート、防水テープの施工と維持管理を確認する |
| 金属サイディング | 板同士や役物との接合部がある | 接合部や開口部まわりの防水処理に加え、傷やさび、表面塗装の状態を確認する |
| 塗り壁(モルタル・左官仕上げ) | サイディングほど板間の目地はないが、必要な位置に目地を設ける場合がある | ひび割れ、塗膜の劣化、開口部まわりの防水処理、雨だれによる汚れを確認する |
| ALCパネル | パネル間や開口部まわりに目地がある | 吸水を防ぐための仕上げ材とシーリングの防水性能を維持する |
| タイル | タイル間の目地や下地との接着部分がある | タイル表面だけで判断せず、目地、ひび割れ、浮きや剥離の有無も点検する |
外壁材を選ぶときは、目地の数だけで優劣を決めるのではなく、どの部分に点検や補修が必要になるのかを把握することが大切です。
プロ20年 どれが正解ということはなく
「うちはどこに手がかかるか」を
知って選ぶのが大事ですね
そのうえで私が施主の方に必ず伝えているのが、同じ家でも方位や周辺環境によって傷み方が変わるという点です。
日射を受けやすい面では塗膜の色あせや劣化が目立つことがあり、日当たりや風通しが悪く湿気が残りやすい面では、汚れや藻、カビが発生しやすくなります。
また、台風や強い風雨を受けやすい面では、外壁の接合部やシーリング、開口部まわりに負担がかかる場合があります。
つまり全周を同じように見るだけでなく、日射や風雨、湿気の影響を受けやすい面を意識して確認するほうが、変化に気づきやすいということ。
見るべきサインは、シーリングのひび割れや剥離、塗膜の膨れや剥がれ、外壁材のひび割れや反り、雨だれや藻などの汚れです。
汚れだけで直ちに雨漏りしているとは限りませんが、以前にはなかった変化や気になる症状に気づいたら、早めに施工した会社や専門業者へ相談してみて下さい。
高所の点検や補修を自分で行うのは危険なので、地上から確認できない部分は専門業者に任せましょう。
対策費用の目安を知り、優先順位をつける
ここまでの対策には、当然ながら費用がかかります。
ただ、私の経験からいえば、設計段階で納まりや下地を整えておくほうが、入居後に外壁を外して補修するより負担を抑えやすい傾向にあります。
| 対策 | 設計段階で確認すること | 入居後に対応する場合の注意点 |
|---|---|---|
| 窓上の庇の追加 | 庇の大きさ、窓との位置関係、外壁との取り合いを含めて見積もりを取る | 外壁への固定方法や防水処理、高所作業の有無によって費用が変わる |
| 高耐候タイプのシーリング材への変更 | 使用する製品、適用箇所、外壁材との相性、保証内容を確認する | 既存シーリングの撤去や打ち替え、高所では足場が必要になる場合がある |
| 外付けシェードの設置 | 固定用の下地や取付位置、風が強いときの収納方法を決めておく | 下地の位置によっては希望する場所に固定できず、補強工事が必要になる場合がある |
| 日射遮蔽型Low-E複層ガラスの採用 | 方位や地域に合わせて、日射熱の遮り方と断熱性能を確認する | 既存窓の仕様により、ガラス交換、内窓の設置、窓全体の交換など対応方法が異なる |
入居後の工事費が大きくなりやすい理由の1つが、足場や既存部分の撤去・復旧など、対策そのもの以外の工事が必要になることです。
足場費用は建物の大きさや形状、敷地条件、作業範囲によって変わるため、金額だけでなく、どこまでの工事が見積もりに含まれているかも確認して下さい。
プロ20年 予算が限られるなら
私はまず雨仕舞を優先し
次に日射対策を考えます
雨仕舞の不具合は、雨漏りや下地材の劣化につながるおそれがあります。
一方、日射については窓の大きさやガラスなど設計段階で決めたい部分があるものの、外付けシェードや植栽など、入居後に追加できる対策も残されています。
限られた予算の配分に迷ったら、雨水の浸入に関わる部分と、あとから変更しにくい部分を先に選ぶ。
この考え方で進めれば、優先順位を整理しやすくなるはずです。
以上、軒のない家で後悔を防ぐための雨仕舞・日射・外壁メンテナンスの対策を、優先順位とあわせて紹介しました。
あなたは軒のない家にする?しない?後悔せず判断する方法

軒のない家にするかしないかを後悔せず判断するなら、
- 軒「あり」プラン
- 軒「なし」プラン
必ず「両方の建築プラン」を作成してもらうことをおすすめします。
プロ20年 それぞれの家で暮らすイメージを
しながら比較検討するんです
そうすれば、あなたとあなたの家族には、軒「あり」「なし」どちらが合っているのか具体的に見えてくるはずです。
「軒のない家は後悔する…」の声はたしかに多いですが、決して安易に流されず、あなた自身が理想とする暮らしのイメージを照らし合わせて、慎重に検討してみて下さい。
でも、両方のプランなんて
簡単に作ってくれるのかな…
プロ20年 今はネットから
無料で依頼できますよ
ネットで簡単3分!
無料で建築プランを依頼できるサイト
最近は、希望の建築プランを簡単に依頼できるサイトがあってとても便利です。
プロ20年 おすすめは下記3サイトです
| タウンライフ家づくり | 家づくりのとびら | ハウジングバザール | |
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軒「あり」「なし」両方の建築プランを依頼するには、希望記入欄に下記の記載をしておけばOKです。(参考例:タウンライフ家づくり)

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わざわざ住宅展示場やショールームに行く必要はなく、自宅から手っ取り早く依頼できるのでとても楽です。
家づくりの体験談を読むと「自分ならどうするか?」が少しずつ見えてきます。注文住宅では、ハウスメーカー選びや予算計画、間取りの決め方など、判断すべきことが数多くあるため、実際に建てた方々のリアルな体験談をまとめて確認したい方は、下記の記事をあわせてご覧ください。
「注文住宅の家づくりって何から動けばいいの?」 「ハウスメーカーが多すぎて、どこに頼めばいいの?」 「間取り・金額・土地・会社選び…考えることが多すぎ…」 マイホームを真剣に考え始めたとき、こんな気持ちを抱える方はとても …
ブログまとめ:軒のない家の弱点と対策を理解し、後悔のない選択を

今回の不動産とーくは『【ブログ】軒のない家で後悔した和泉さんが3年分のリアルと今の本音』と題して、下記の項目を解説しました。
- 【体験談】軒のない家で後悔した経験から得た3年分のリアルを語る
- 【建築前チェック】軒のない家で後悔しやすい人の特徴は?
- 軒のない家で後悔を防ぐ雨仕舞・日射・外壁メンテナンス対策
- あなたは軒のない家にする?しない?後悔せず判断する方法
プロ20年 軒のない家への不安は
少しほどけましたか?
ここまで調べる中で、後悔の声ばかりが目に入ってきたのではないでしょうか。
これには理由があって、満足して暮らしている方は、わざわざブログに書き残さないのです。
つまり、あなたが読んできた声は、軒のない家の全体像ではなく、つまずいた部分だけが集まった一部分。
その一部分を、和泉さんは3年かけて85点まで持ち上げました。
失点になったのは、知らないまま決めた箇所だけだったと言い換えることもできます。
業界歴20年以上「不動産コンサル西田」のアドバイス
私が20年以上この仕事をしてきて思うのは、後悔をゼロにしようとすると、かえって家づくりが苦しくなるということです。
住み始めれば、大なり小なり「こうすればよかった」は必ず出てきます。
大切なのは数を減らすことより、取り返しのつく後悔と、つかない後悔を分けて考えることでしょう。
- あとから手を打てる…日よけ、植栽、点検の頻度、暮らし方の工夫
- 手を打ちにくい…窓の大きさと位置、外壁材、屋根の防水、依頼する会社
プロ20年 悩む時間は
下の4つに使ってほしいですね
和泉さんが悔やんだシーリング材も窓まわりも、契約書に判を押した時点でほぼ決まる、後戻りしにくいほうの項目でした。
そして厄介なことに、その答えを持っているのはあなたではなく、設計する側にあります。
だからこそ、聞ける相手を1社に絞らないでほしいのです。
同じ「軒なしで」という要望を伝えても、返ってくる図面は会社ごとにまるで違います。
届いたプランを並べたら、次の3点だけ横に見比べてみて下さい。
- 南と西の窓に、庇や日よけの提案が入っているか
- 外壁材の名前と、目地の量が図面から読み取れるか
- 屋根の防水の種類と保証年数が書かれているか
プロ20年 この3点が書かれているかで
軒なしの経験値は
けっこう見えてくるものですよ
書いてある会社は、聞かれる前から分かっている会社です。
1社しか見なければ、その差に気づく機会そのものがないまま契約日を迎えます。
今はネットから、希望条件を入れるだけで複数社の間取りと見積もりをまとめて受け取れます。
展示場を回る時間がなくても、並べて比べる一手間だけは、どうか省かないでください。

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最後までお読みいただき、ありがとうございます。
あの外観に惹かれた気持ちは、決して間違いではありません。
その憧れを何年先も好きでいられる形にするために、まずは比べる準備から始めてみて下さい。
以上『【ブログ】軒のない家で後悔した和泉さんが3年分のリアルと今の本音』でした。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)

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不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士











