
「空き家をそのままにして大丈夫?」
「放置すると法的問題になる?」
「近隣に迷惑をかけてしまう?」
相続や転居により空き家を所有することになった方の多くが、このような不安を抱えています。
実際、全国レベルで年々空き家が増え続け、その多くが適切な管理をしないまま放置されているのが現状です。
しかし、空き家をそのままにしておくことは決して軽い問題ではありません。
倒壊や火災といった物理的な危険から始まり、固定資産税6倍・罰金50万円という法的制裁まで、所有者が想定していない様々なトラブルが待ち受けているのです。
「今は特に問題ないから」という理由で先延ばしにすることで、状況はさらに悪化し続けることになります。
そこでこの記事では、不動産×住宅業界のプロが『空き家を放置するとどうなる?危険な8つのリスクと対策※体験談あり』と題して徹底解説します。
最後まで読めば、空き家の放置によるリスクを正しく理解し、あなたの状況に最適な解決策を見つけることができるでしょう。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)

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不動産×住宅業界18年。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。ブログ116万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士
「空き家の維持管理がもう限界…」 「古い空家でも本当に売れるの?」 「売却手続きが複雑すぎてわからない」 このような悩みを抱えている方は決して少なくありません。 実際に、相続や転勤などにより空き家を所有することになった方 …
空き家を放置するとどうなる?起こるリスク8選

相続や転居により空き家を所有することになった方の中には、「しばらく放置していても大丈夫だろう」と考える方も少なくありません。
しかし、空き家の放置は予想以上に深刻なリスクを招く可能性があります。
- 建物が劣化や災害時に倒壊する
- シロアリや害虫が大量発生する
- 不審者が侵入して住み着く
- 放火や火災の危険性が高まる
- 雑草や庭木が近隣に迷惑をかける
- 建物の資産価値が大幅に下落する
- 近隣住民から損害賠償を請求される
- 相続時に子どもや孫に迷惑がかかる
空き家のリスクって
こんなにあるんですね
これらのリスクは時間が経つほど深刻化していくため、早めの対策が重要になってきます。
1.建物が劣化や災害時に倒壊する
空き家を放置する最大のリスクは、建物の劣化による倒壊の危険性です。
人が住まなくなった建物は3~5年で急激に劣化が進行します。
定期的な換気や掃除、設備の点検が行われないため、湿気がこもってカビや腐食が発生しやすくなってしまうのです。
人が住んでいる家と
空き家では劣化の
速度が全然違うぞ!
建物で起こる主な劣化現象がこちらです。
- 屋根材のズレや破損により雨漏りが発生
- 外壁のひび割れから雨水が浸入
- 床材の腐食により床が抜ける危険性
- 柱や梁の腐朽により建物の強度が低下
- 基礎部分のひび割れや沈下
地震や台風といった自然災害では、劣化した空き家が凶器と化し、近隣住民や通行人に重大な被害をもたらします。
倒壊して人に怪我を
させたら大変です
台風により管理不十分な空き家が倒壊し、隣家の屋根を直撃した実例もあります。
月1回程度の見回りと年1回の専門点検で、このような深刻な事態は十分に防げるでしょう。
2.シロアリや害虫が大量発生する
人の気配がない空き家は、害虫たちにとって絶好の楽園となってしまいます。
特にシロアリによる被害は建物の構造そのものを破壊し、修復に数百万円を要するケースも珍しくありません。
湿気がこもった床下や、手入れされない庭は害虫の温床となり、あっという間に近隣にまで被害が拡散していくのです。
シロアリって建物の
強度まで弱くするん
ですか
空き家で発生する害虫と被害状況を整理しました。
| 害虫の種類 | 発生場所 | 主な被害 |
|---|---|---|
| シロアリ | 床下・柱・梁 | 構造材の破損、建物強度の低下 |
| ネズミ | 屋根裏・床下 | 配線の破損、病原菌の媒介 |
| ハチ | 軒下・壁の隙間 | 近隣住民の刺傷被害 |
| ゴキブリ | キッチン・浴室 | 不衛生な環境の拡散 |
| 蚊・ハエ | 水たまり・腐敗物 | 感染症のリスク増加 |
害虫の駆除費用は被害の程度により50万円~150万円に膨らむことも多く、早期発見が経済的負担を大きく左右します。
害虫は一度住み着くと
駆除が大変になるんじゃ!
近隣住民から「ハチが飛んでくる」「ネズミを見かけるようになった」といった苦情が寄せられた時点で、すでに被害は相当深刻化していると考えるべきでしょう。
3.不審者が侵入して住み着く
誰も住んでいない空き家は、不審者にとって理想的な隠れ家になってしまいます。
一度不法占拠されると法的手続きが必要となり、退去させるまでに数カ月から1年以上を要するケースも珍しくありません。
しかも、その間の光熱費や固定資産税は所有者が負担し続けることになるのです。
不法占拠って
そんなに簡単に
起こるんですか!
不審者侵入により想定される被害がこちらです。
- 室内設備の破損や盗難
- 不法投棄による建物内の汚染
- 火気の使用による火災リスクの増大
- 薬物使用などの犯罪の温床化
- 近隣住民の治安不安の増大
人通りが少なく、周囲から見えにくい立地では特にリスクが高まります。
近所の方にも
迷惑をかけてしまい
ますね
実際、空き家に不審者が住み着いたことで近隣の治安が悪化し、地域全体の不動産価値が下落した事例も報告されています。
防犯カメラの設置や見回りサービスなど、物理的なセキュリティ対策で多くの問題は未然に防げるでしょう。
4.放火や火災の危険性が高まる
空き家は放火犯にとって絶好のターゲットになります。
全国の空き家火災件数は年々増えており、その多くが放火や電気設備の劣化による漏電が原因とされています。
管理が行き届いていない建物では、古い配線やガス設備の腐食により、思わぬ場所から火災が発生することも少なくありません。
空き家って火災の
リスクも高いんですね
火災発生の主要因を確認してみましょう。
- 放火犯に狙われやすい環境
- 電気設備の劣化による漏電
- ガス設備の腐食によるガス漏れ
- 不審者による火気の不適切な使用
- 枯れ草や落ち葉の蓄積による延焼リスク
木造住宅が密集する地域では、空き家の火災が地域全体を巻き込む大災害へと発展する恐れもあります。
火災は本当に怖いから
早めの対策が大事じゃ!
火災保険に加入していても、管理不十分による火災は保険適用外となるケースが多いため、経済的な損失も甚大になりがちです。
電気・ガスの元栓遮断と敷地内の可燃物除去だけでも、火災リスクは大幅に軽減できるはずです。
5.雑草や庭木が近隣に迷惑をかける
人の手が入らなくなった庭は、まるで自然に返ったかのようにどんどん荒れ果てていきます。
雑草は年間で2m以上、竹や樹木は3~5m伸びることも多く、隣地への越境は避けられません。
これらの植物は見た目だけでなく、害虫の住処となったり防犯面での死角を作ったりと、様々な問題を引き起こします。
庭の管理も大変な
問題なんですね
庭の荒廃によって起こる具体的な問題がこちらです。
- 隣地への枝や根の越境
- 害虫の発生源となる
- 景観の悪化による地域イメージの低下
- 防犯面での死角の増加
- 火災時の延焼リスクの増大
竹や大型の樹木は根が深く張るため、放置期間が長いほど伐採費用が高額になってしまいます。
庭木の伐採って
結構お金がかかる
んですか
空き家の庭木が台風で隣家の屋根に倒れかかり、修理費用200万円の賠償請求を受けた実例もあります。
年2回の草刈りと樹木の剪定により、近隣トラブルの大部分は回避できるのではないでしょうか。
6.建物の資産価値が大幅に下落する
空き家状態が続くと、建物の価値は築年数以上のスピードで目減りしていきます。
不動産業界では「空き家5年で資産価値は半減」といわれることもあり、これは決して大げさな話ではありません。
適切に管理された同築年の物件と比較すると、売却時の価格差は数百万円から1,000万円以上に広がることも珍しくないのです。
資産価値がそんなに
下がってしまうん
ですか!
劣化要因別の修復費用と資産価値への影響を整理しました。
| 劣化要因 | 資産価値への影響 | 修復費用の目安 |
|---|---|---|
| 屋根・外壁の劣化 | 大幅な価値下落 | 100万円~300万円 |
| 水回り設備の破損 | 居住性の大幅低下 | 50万円~150万円 |
| 床・壁の腐食 | 構造的な問題として評価 | 80万円~200万円 |
| 害虫被害 | 衛生面での懸念 | 20万円~100万円 |
| 庭・外構の荒廃 | 外観の印象悪化 | 30万円~80万円 |
修復費用を考えると
早めの対策が
経済的じゃの!
周辺地域の不動産相場にも悪影響を与え、近隣住民の財産価値まで押し下げてしまう恐れもあります。
年間30万円程度の管理費用で数百万円の資産価値を守れるなら、決して高い投資ではないはずです。
7.近隣住民から損害賠償を請求される
空き家が原因で近隣に実害が生じた場合、所有者には法的責任が発生します。
民法第717条により、土地工作物の管理不備による他人への損害は所有者が賠償責任を負うと明確に定められているからです。
「知らなかった」「遠くに住んでいて管理できなかった」といった理由は、法的には一切通用しないのが現実なのです。
法的責任まで
問われてしまう
んですね
損害賠償が発生する代表的なケースがこちらです。
- 建物の倒壊により隣家や車両を損傷
- 屋根材の飛散により近隣住民が怪我
- 火災の延焼により近隣住宅が被害
- 害虫の拡散により近隣の駆除費用が発生
- 庭木の倒木により隣地の建物を損傷
建物全壊や人身事故では、賠償額が数千万円から億単位に達するケースも珍しくありません。
億単位って聞くと
背筋が寒くなります
責任範囲の広さを甘く見ていると、人生を左右する巨額な賠償責任を負うことになりかねません。
施設賠償責任保険への加入は、このようなリスクに備える最低限の対策といえるでしょう。
8.相続時に子どもや孫に迷惑がかかる
空き家の問題は現在の所有者だけで終わらず、次世代へと引き継がれてしまいます。
特定空家に指定された物件を相続した場合、行政指導や罰則もそのまま継承されることになるのです。
相続人が遠方に住んでいる場合、解体や売却の手続きは更に複雑化し、精神的・経済的な負担は計り知れません。
子どもたちに迷惑を
かけるのは避けたい
ですね
相続時に発生する負担を具体的に見てみましょう。
| 負担の種類 | 費用の目安 | その他の影響 |
|---|---|---|
| 建物解体費用 | 100万円~300万円 | 更地にするまでの期間と手続き |
| 廃棄物処理費用 | 50万円~150万円 | 分別や運搬の手間 |
| 土地整備費用 | 30万円~100万円 | 売却可能な状態への復旧 |
| 法的手続き費用 | 10万円~50万円 | 行政との協議や手続き |
| 固定資産税の累積 | 年間数万円~数十万円 | 滞納分の利息も含む |
これだけの費用が
かかるとは知りません
でした
相続放棄を選択しても、他に相続人がいなければ管理責任は残り続けてしまいます。
親世代が今のうちに対策を講じることで、子どもや孫が安心して生活できる環境を残してあげることができるのです。
今のうちに対策すれば
次の世代も安心じゃ!
以上、空き家を放置することで起こる8つのリスクについて詳しく解説しました。
これらのリスクは時間の経過とともに深刻化し、解決コストも急激に増大していきます。
所有者の皆様だけでなく、近隣住民や将来の相続人への負担を最小限に抑えるためにも、早期の判断と行動が何より重要といえるでしょう。
法的リスクは?空き家放置の行政指導から罰則まで

空き家を放置し続けると、個人的なトラブルだけでなく法的な問題にも発展する可能性があります。
2015年に施行された空家等対策特別措置法により、管理不十分な空き家の所有者には段階的な行政処分が科されるようになりました。
最終的には固定資産税が最大6倍になり、50万円以下の過料が科される恐れもあるため、法的リスクを正しく理解しておくことが重要です。
法律で決まってるなら
しっかり知っておかない
とですね
空家等対策特別措置法とは何か
空家等対策特別措置法は、全国で急増する空き家問題に対処するため2015年5月26日に施行された法律です。
この法律により、自治体が空き家の実態調査や所有者への指導・勧告・命令を行う権限が明確化されました。
従来は空き家の放置に対する法的な対応手段が限られていましたが、この法律の制定により強制的な措置が可能になったのです。
これで空き家問題に
本格的に取り組める
ようになったんじゃ!
法律の主な内容は以下の通りです。
- 自治体による空き家の実態調査権限
- 所有者の特定と情報収集の強化
- 特定空家への段階的措置(助言・指導・勧告・命令)
- 行政代執行による強制解体の実施
- 固定資産税の住宅用地特例からの除外
この法律により、空き家のリスクが単なる個人の問題から地域社会全体の課題として位置づけられることになりました。
個人の問題だと
思ってましたが
そうじゃないんですね
令和5年2月に公表された国土交通省の参考データ集によると、2019年時点で除却や修繕などがなされた特定空家等は19,599件に上り、法的措置は確実に実行されているのが現状です。
特定空家に指定される4つの条件
空家等対策特別措置法では、問題のある空き家を「特定空家」として指定する基準が明確に定められています。
以下の4つの条件のいずれかに該当する空き家は特定空家に指定される可能性があります。
これらの条件は専門的に見えますが、実際には日常的な管理不足から容易に該当してしまうレベルなのです。
どんな条件なのか
気になります!
特定空家指定の4つの条件がこちらです。
| 指定条件 | 具体例 | 判断基準 |
|---|---|---|
| 保安上危険な状態 | 建物の傾き、屋根の破損、外壁の剥落 | 倒壊や部材落下の危険性 |
| 衛生上有害な状態 | 害虫の大量発生、汚物の放置、悪臭 | 近隣への健康被害の恐れ |
| 景観を著しく損なう状態 | 外観の著しい劣化、雑草の繁茂 | 地域の景観への悪影響 |
| 生活環境の保全に不適切 | 不法投棄、不審者の侵入、防犯上の問題 | 地域の安全・安心への脅威 |
思ったより幅広い
条件なんですね
特定空家の指定は、近隣住民からの通報や自治体の巡回調査により発覚することが多いとされています。
つまり、所有者が気づかないうちに指定されてしまうケースも珍しくないということです。
行政指導から罰則までの5段階プロセス
特定空家に指定されると、自治体から段階的に厳しい措置が講じられます。
助言・指導から始まり、最終的には行政代執行による強制解体まで、法的プロセスが着実に進行していきます。
各段階で適切な対応を取らない限り、より重い処分へとエスカレートしていく仕組みになっているのです。
段階的に厳しく
なっていくんですね
行政措置の5段階プロセスを詳しく見てみましょう。
| 段階 | 措置内容 | 期限 | 従わない場合 |
|---|---|---|---|
| ①助言・指導 | 改善の必要性を伝達 | 通常1~3カ月 | 次の段階に進行 |
| ②勧告 | 具体的改善策を要求 | 通常3~6カ月 | 固定資産税の優遇除外 |
| ③命令 | 法的拘束力のある改善命令 | 通常6カ月~1年 | 過料50万円以下 |
| ④代執行 | 自治体による強制解体 | 期限なし | 解体費用の請求 |
| ⑤費用徴収 | 代執行費用の回収 | 期限なし | 財産の差し押さえ |
最終的には強制解体
まで行くんですか
勧告の段階で固定資産税が急増するため、多くの所有者がこの時点で何らかの対応を取ることになります。
しかし、経済的な事情や物理的な距離の問題で対応が困難な場合、更に厳しい措置へと進んでしまうのが現実です。
勧告の段階が
一つの分岐点
になるんじゃの!
固定資産税6倍の衝撃的な負担増
特定空家への勧告が行われると、最も大きな影響を受けるのが固定資産税の大幅な増額です。
住宅用地の特例措置から除外されることで、固定資産税は従来の最大6倍まで跳ね上がります。
年間5万円だった固定資産税が30万円になるケースも珍しくなく、所有者にとって深刻な経済的負担となるのです。
6倍って聞くと
とても払えません!
固定資産税増額の仕組みを整理しました。
| 土地の状況 | 軽減率 | 実際の負担 | 年額例(評価額1,000万円) |
|---|---|---|---|
| 住宅用地(200㎡以下) | 1/6に軽減 | 通常の負担 | 約2万3,000円 |
| 住宅用地(200㎡超) | 1/3に軽減 | 通常の負担 | 約4万7,000円 |
| 特定空家(勧告後) | 軽減なし | 更地と同等 | 約14万円 |
| 更地 | 軽減なし | 満額負担 | 約14万円 |
これは家計に大打撃
ですね
この税負担増は勧告を受けた翌年から適用されるため、対策の猶予期間はそれほど長くないのが実情です。
多くの所有者がこの時点で売却や解体を真剣に検討し始めることになります。
税金の負担を考えると
早めの決断が大切になるの!
過料50万円と行政代執行のリスク
命令に従わない場合、最大50万円以下の過料が科されることになります。
さらに深刻なのが、自治体による行政代執行で強制的に建物が解体されることです。
代執行による解体費用は所有者に請求され、支払いを拒めば財産の差し押さえまで行われる可能性があるのです。
過料に加えて解体費用も
請求されるんですか
過料と代執行のリスクを具体的に見てみましょう。
- 過料50万円以下の支払い義務
- 行政代執行による強制解体
- 解体費用150万円~400万円の請求
- 支払い拒否時の財産差し押さえ
- 延滞税や督促手数料の追加負担
実際に全国で年間数十件の行政代執行が実施されており、決して脅しではない現実的なリスクといえます。
本当に実行されてる
んですね
空き家の法的リスクは年々厳格化の傾向にあり、2023年12月には管理不全空家への対策も強化されました。
早期の対応により法的トラブルを未然に防ぐことが重要になるでしょう。
空き家放置のリスクを避ける4つの対策は?

空き家を放置することで生じる様々なリスクを回避するには、早めの行動が何より重要になってきます。
どうなるかわからない状況を放置し続けるよりも、具体的な対策を講じることでリスクを大幅に軽減できるのです。
- 空き家管理サービスを活用する
- 空き家を解体して一旦更地にする
- できるだけ高く売れる内に手放す
- 自治体の空き家バンクに登録する
具体的な解決策を
知りたいです
どの対策を選ぶかは所有者の状況や希望によって変わりますが、放置を続けることだけは避けるべきでしょう。
1.空き家管理サービスを活用する
遠方に住んでいて定期的な管理が困難な場合、専門の管理サービスを利用するという選択肢があります。
月額1万円~3万円程度で建物の劣化を防ぎ、リスクを最小限に抑えることができるのです。
管理会社が代わりに見回りや簡単なメンテナンスを行ってくれるため、空き家の放置によるトラブルを未然に防げます。
プロに任せれば
安心じゃの!
管理サービスで対応してもらえる内容は以下の通りです。
| サービス内容 | 頻度 | 効果 |
|---|---|---|
| 建物の外観・内部点検 | 月1~2回 | 劣化の早期発見、防犯対策 |
| 換気・通水作業 | 月1回 | カビ・腐食の防止 |
| 庭の草刈り・剪定 | 年2~4回 | 景観維持、害虫発生の抑制 |
| 郵便物の整理 | 随時 | 不法侵入者への対策 |
| 緊急時の対応 | 必要時 | 近隣への被害防止 |
月1万円なら固定資産税
より安いかもしれませんね
管理サービスを選ぶ際は、複数の会社から見積もりを取って比較検討することで、サービス内容と費用のバランスを見極めることができます。
将来的に売却や活用を検討している場合、建物の状態を良好に保っておくことは資産価値の維持にもつながるでしょう。
2.空き家を解体して一旦更地にする
建物の老朽化が激しく修繕費用が膨大になる場合、思い切って解体してしまうのも有効な対策です。
解体費用は100万円~300万円程度かかるものの、放置によるリスクを完全に排除できます。
更地にすることで近隣への迷惑もなくなり、土地の活用方法も幅広く検討できるようになります。
解体って結構
費用がかかるんですね
解体を検討する際の判断基準は以下の通りです。
- 建物の築年数が40年以上で大規模修繕が必要
- 修繕費用が解体費用を上回る見込み
- 建物の倒壊リスクが高く危険な状態
- 売却時に建物が足かせになる立地
- 土地活用や建て替えを前提とした計画
ただし、更地にすると固定資産税が最大6倍になることも覚えておく必要があります。
税金が上がるのは
痛いですね
解体業者を選ぶ際は、複数社から相見積もりを取ることで適正価格を把握でき、不当に高額な費用を請求されるリスクも避けられます。
3.できるだけ高く売れる内に手放す
空き家の放置によるリスクを根本的に解決したい場合、資産価値が下がる前に売却するのが賢明な判断です。
建物の状態が良いうちに手放せば、想定以上の高値で売却できる可能性があります。
放置期間が長くなるほど建物の価値は目減りし、最終的には土地値でしか売れなくなってしまうのです。
高く売れるタイミング
があるんですね
高値売却を実現するための戦略は以下の通りです。
| 売却戦略 | 高値につながる理由 | 投資対効果 |
|---|---|---|
| 軽微な補修での売却 | 第一印象が大きく改善される | 低コストで印象アップ |
| プロの清掃・演出 | 住宅としての魅力を最大化 | 費用に対し価格上昇が期待 |
| 建物診断書の取得 | 購入者の不安を解消できる | 売却期間の短縮にも寄与 |
| 複数社での競争入札 | 最高値での売却が可能 | 手間をかける価値が高い |
少しの工夫で
値段が変わるんじゃ!
不動産会社選びでは、複数社に査定を依頼することで各社の販売力や提案価格を比較でき、最も高値で売却してくれる業者を見つけることができます。
市場相場より20~30%高く売却できるケースもあるため、売却のタイミングと方法は慎重に検討すべきでしょう。
「空き家の維持管理がもう限界…」 「古い空家でも本当に売れるの?」 「売却手続きが複雑すぎてわからない」 このような悩みを抱えている方は決して少なくありません。 実際に、相続や転勤などにより空き家を所有することになった方 …
4.自治体の空き家バンクに登録する
売却は難しいが活用してもらいたい場合、自治体が運営する空き家バンクへの登録も選択肢の一つです。
移住希望者や地域活性化を目指す方とのマッチングが期待できます。
空き家バンクは自治体が仲介役となるため、信頼性が高く安心して利用できる仕組みです。
自治体が運営してるなら
安心できそうです
空き家バンクのメリットと注意点を整理しました。
| 項目 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 費用面 | 登録料無料、仲介手数料が安い | 売買価格は相場より低めの傾向 |
| 手続き | 自治体サポートで安心 | 手続きに時間がかかる場合有 |
| 買主 | 移住者など活用意欲の高い方 | 購入希望者が限定的 |
| 地域貢献 | 地域活性化に寄与できる | 必ずしも成約するとは限らない |
地域のためにもなる
なんて素敵ですね
空き家バンクに登録する際は、建物の状態を正直に申告し、購入者が安心して検討できる情報を提供することが重要です。
自治体によって制度の内容が異なるため、まずは地元の役所に相談してみることをおすすめします。
まずは地元の役所に
相談してみることじゃ!
以上、空き家放置のリスクを避ける4つの対策をご紹介しました。
どの方法を選ぶにしても、現状をそのまま放置することだけは避けるべきです。
所有者の状況に応じて最適な解決策を選択し、近隣住民や将来世代への責任を果たしていきましょう。
[体験談]実際に空き家の放置で失敗した人の事例

空き家を放置してしまった方々の生の声をお聞きください。
相続や家族の事情で管理が困難になり、気がつけば深刻な問題に発展してしまったケースばかりです。
近隣トラブル、行政指導、想像以上の修繕費用など、実際に体験された方だからこそ語れるリアルな失敗談と、そこから学んだ教訓を紹介します。
藤原 健太郎さん(47歳・栃木県)
- なぜ空き家を放置することに?
- 父の死後、実家を相続することになったんです。
でも当時の私は東京で激務に追われており、正直どうしていいかわからない状況でした。
片道3時間もかかる実家のことを考える余裕もなく、固定資産税さえ払っていれば何とかなるだろうという甘い考えでいました。 - 放置中に起こった具体的な問題は?
- 放置から3年後のある日、近所の方から電話が。
「お宅の屋根瓦が飛んできて、うちの車に傷をつけた」と言われたんです。
急いで現地に向かうと、想像以上の惨状でした。
雨漏りで床板が腐り、シロアリが家中に広がっていたんです。
業者に見積もりを依頼したら、修理に200万円近い費用がかかると告げられました。 - 最終的にどのような解決策を選んだ?
- 修理費用を考えると、売却の方が現実的だと判断しました。
幸い不動産会社の方が親身になって相談に乗ってくれて、最終的に土地代として300万円で売却することができました。
約3ヶ月で全ての手続きが完了し、長年の重荷から解放された気分です。 - 空き家の放置で悩む人へアドバイス
- 私のように後回しにしていると、問題はどんどん深刻化してしまいます。
早い段階で専門家に相談することが、結果的に一番の近道になります。
一人で抱え込まずに、まずは不動産会社に話を聞いてもらってください。
西野 亜希子さん(38歳・長野県)
- なぜ空き家を放置することに?
- 祖母から受け継いだ古い木造の家があったんですが、正直住む気はありませんでした。
子供の世話と仕事の両立で手一杯の毎日。
「そのうち考えよう」と先延ばしにしているうちに、あっという間に5年が過ぎていました。
年に1、2回見に行くくらいで、まともな管理なんてできてませんでした。 - 放置中に起こった具体的な問題は?
- 一番困ったのは庭の草木でした。
雑草が人の背丈を超えるほど伸び放題になって、隣接する畑にまで迷惑をかける始末。
さらに人が住んでいない家だとバレて、不審者の侵入痕が見つかったときは本当に怖かったです。
警察にも相談しましたし、冬の雪で屋根が一部壊れた時の修理代もバカになりませんでした。 - 最終的にどのような解決策を選んだ?
- 思い切って地元の管理サービス会社にお願いすることにしました。
月8000円で月1回の点検と草刈りをやってくれます。
お金を払う価値は十分あると感じています。
今後は売却の方向で進めており、管理会社の方でも買い手を探してもらっています。 - 空き家の放置で悩む人へアドバイス
- 完璧を求めちゃダメですよ!
小さなことからでも始めれば、必ず状況は良くなります。
まずは行動を起こしてみることが大切です。
森川 昭夫さん(62歳・愛知県)
- なぜ空き家を放置することに?
- 母が介護施設に入所したため、長年住んでいた実家が空き家となりました。
母はいつか家に戻りたいと言っていたので、私としても簡単に処分するわけにはいかない心境でした。
しかし時間が経つにつれ、母の体調を考えると現実的な帰宅は困難になっていき、それでも感情的になかなか決断できずにいたのです。 - 放置中に起こった具体的な問題は?
- 4年という歳月で、家の傷みは想像以上に進行してしまいました。
雨漏りの影響で畳一面にカビが生え、窓ガラスも割れたまま放置している状態でした。
町内会の集まりでも「防犯面で心配だ」との声が上がり、近隣の皆さんにご迷惑をおかけしていることを痛感しました。
税金以外にも予期しない修繕費が発生し、経済的な負担も増える一方でした。 - 最終的にどのような解決策を選んだ?
- 母とじっくり話し合った結果、思い出は心に刻んでおくということで売却に踏み切りました。
古家付き土地として450万円で売ることができ、不動産業者の方が手続きを全て代行してくださったので思っていたより簡単でした。
母も「気持ちがすっきりした」と言ってくれて、決断して良かったと思っています。 - 空き家の放置で悩む人へアドバイス
- 感情論と現実問題は切り分けて考える必要があると感じます。
大切な思い出は建物と一緒に消えるものではありません。
むしろ重荷から解放されることで、家族との大切な時間により集中できるようになるはずです。
高橋 美紀さん(41歳・福島県)
- なぜ空き家を放置することに?
- 離婚を機に実家に戻ったのですが、父の家がそのまま残っていて…。
離婚手続きや子どもの転校など、やることが山積みで空き家どころじゃありませんでした!
毎日がいっぱいいっぱいで、空き家の管理なんて頭の片隅にもない状態が続いてしまったんです。 - 放置中に起こった具体的な問題は?
- 突然、市役所から茶封筒が届いて驚きました。
「特定空家等」に認定されたという通知書だったんです。
建物が倒壊の危険があり、早急な対応が必要だと書かれていました。
実際に見に行くと外壁が剥がれ落ちそうで、道路に落下したら大変なことになるところでした。
近隣の方々に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。 - 最終的にどのような解決策を選んだ?
- 市役所の空き家相談窓口で解体業者を紹介していただきました。
解体費用120万円は痛い出費でしたが、市の補助金制度で50万円が戻ってきました。
更地になってからは精神的にもスッキリして、今では小さな家庭菜園として楽しく使っています。 - 空き家の放置で悩む人へアドバイス
- お役所からの通知が来る前に、自分から相談に行ってください!
補助金などの支援制度がいろいろあることを知りませんでした。
恥ずかしがらずに早めに行動することで、選択肢が広がりますよ。
岡村 宏明さん(55歳・鹿児島県)
- なぜ空き家を放置することに?
- 叔父から築40年の家を相続したのですが、当時は本業が非常に忙しい時期でした。
田舎の古い家だし、買い手なんて見つからないだろうと決めつけていたんですよね。
年に数回、顔を出す程度で、具体的な対策は何も講じていませんでした。
時間ばかりが無為に過ぎていく状況でした。 - 放置中に起こった具体的な問題は?
- 7年間という長期間放置した結果、建物としての価値が完全に失われてしまいました。
屋根の損傷は深刻で、柱の腐食も進行していました。
庭の木が成長して電線に接触し、電力会社から緊急の伐採要請を受けることになりました。
近隣住民からの苦情も相次ぎ、精神的にも追い詰められる思いでした。 - 最終的にどのような解決策を選んだ?
- 建物を解体して更地にした後、地元の農業従事者の方に畑として貸し出すことにしました。
毎月5000円の賃料収入が得られるようになり、管理の負担からも解放されました。
土地が有効活用され、地域の方にも感謝していただいています。
将来的には売却も視野に入れています。 - 空き家の放置で悩む人へアドバイス
- 売却以外にも様々な解決方法が存在します。
地域のニーズを調査すれば、思わぬ活用法が発見できるかもしれません。
地元の不動産業者や自治体に相談されることをお勧めします。
以上、実際に空き家の放置で失敗した人の体験談を紹介しました。
「空き家になった実家に住むってどう?」 「住む?売却?どう判断したらいいの?」 このような迷いを抱えている方は、実は想像以上に多くいらっしゃいます。 多くの方が「とりあえず様子を見よう」と先延ばしにしがちですが、時間が経 …
まとめ:手遅れになる前に今すぐ行動しよう

今回の不動産とーくは『空き家を放置するとどうなる?危険な8つのリスクと対策※体験談あり』と題して、下記の項目を解説しました。
- 空き家を放置するとどうなる?起こるリスク8選
- 法的リスクは?空き家放置の行政指導から罰則まで
- 空き家放置のリスクを避ける4つの対策は?
今回の空き家のリスクについて
疑問は解決できたかの~?
空き家をそのままにしておくことで生じる問題は、想像以上に深刻で広範囲にわたることがお分かりいただけたでしょう。
建物の倒壊から法的な罰則まで、8つの具体的な危険が待ち受けているのです。
特に、固定資産税が6倍になり、50万円の過料まで科される法的責任は、多くの所有者が想定していない深刻な問題といえます。
こんなにたくさんの
リスクがあるなんて
知りませんでした
しかし、これらの危険は決して避けられないものではありません。
正しい知識と早めの行動により、すべてのトラブルを回避することが可能なのです。
知識があれば
対策できるんじゃ!
今すぐできる行動から始めましょう
記事でご紹介した4つの解決方法の中から、あなたの状況に最も適したものを選んで実行することが重要です。
管理サービスの活用、解体、売却、空き家バンクへの登録など、どの選択肢も現状維持より確実に状況を改善できます。
売却を検討している場合は、複数の不動産会社に査定を依頼することで、最も条件の良い取引先を見つけることができるでしょう。
複数社に相談するのが
大切なんですね
「まだ大丈夫だろう」「もう少し様子を見てから」といった先延ばしは、問題を確実に悪化させるだけです。
建物の劣化は待ってくれませんし、法的な規制も年々厳しくなっています。
先延ばしは危険
なんですね
あなたの決断が未来を変えます
空き家の危険性を知った今、行動を起こすかどうかはあなた次第です。
近隣住民への配慮、将来世代への責任、そして何より自分自身の安心のために、今こそ決断の時です。
一歩踏み出す勇気があれば、専門家があなたの状況に応じた最適な解決策を必ず見つけてくれるはずです。
勇気を出して
相談してみます
空き家の問題から解放され、安心して暮らせる日々を取り戻しましょう。
今日から新しい
スタートじゃ!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事があなたの空き家問題解決の第一歩となり、より良い未来への道筋を見つけるお手伝いができれば幸いです。
以上『空き家を放置するとどうなる?危険な8つのリスクと対策※体験談あり』でした。
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