【体験談】一戸建て4000万はもったいない?三枝さんが18軒比較して出した答え
「一戸建てに4000万はもったいない?」
「3,000万円台の家で十分じゃない?」
「35年も返し続けられるか不安…」

家探しを始めた途端、こんな迷いが頭から離れなくなる方は本当に多いです。

周りに相談しても「高すぎる」「それくらい普通」と意見が割れて、余計にわからなくなる。あなたも同じような状態ではありませんか。

4,000万円という数字は、たしかに大きな金額です。ただ、価格を優先した結果、通勤時間や住み心地の我慢が10年、20年と続いてしまうケースも現実にあります。

しかも住まいは、合わなかったからと買い替えるにも数百万円の費用がかかるもの。金額の見方を知らないまま進めると、あとから軌道修正しづらいのが難しいところです。

この記事では、不動産×住宅業界のプロが『【体験談】一戸建て4000万はもったいない?三枝さんが18軒比較して出した答え』と題して紹介します。

18軒を見比べたうえで決断した方のリアルな数字と本音を、購入前の迷いから入居2年後の実感まで包み隠さず公開します。読み終える頃には、自分たちにとって高い買い物なのかどうか、判断する物差しが手に入るはずです。

この記事の執筆者
西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)
西田 喜宣|クラウドハーツ・リアルエステート代表
不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士

【この記事の取材・確認方法】
この記事は、実体験者への取材・ヒアリング内容をもとに作成しました。不動産の種類や住まいの状況、当時の悩み、検討した選択肢、実際に取った行動、その後の暮らしの変化などを確認したうえで、個人が特定されないよう一部情報を調整。実務・専門的な判断を要する箇所は、不動産コンサルタントの執筆者・西田が補足。※体験談は個別事情に基づく内容であり、同じ結果を保証するものではありません。

【体験談】一戸建て4000万はもったいない?18軒比較した決断と2年後

インタビューを受ける三枝さん
※記事内の写真はイメージです

一戸建てに4000万はもったいないのでは…そう迷い続けながら、最終的に4,080万円の新築を選んだ方がいます。

京都市在住の三枝さん(38歳)は、約7カ月かけて18軒を見学し、3,000万円台の中古住宅も市外の建売も賃貸継続も並べて比べたうえで結論を出しました。

今回お話を聞いた方
三枝さん(仮名)
三枝さん
【年齢】38歳【居住地】京都府
【家族構成】妻・小学2年生・5歳の子どもの4人家族
長男の小学校入学を前に住まい探しを始めた三枝さん。3,300万円前後の中古住宅や京都市外の3,000万円台前半の建売、賃貸を続ける場合まで比較し、約7カ月で18軒を見学した。契約直前まで「一戸建てに4000万はもったいないのでは?」と悩んだものの、価格だけでなく通勤や子育て、買い物のしやすさ、間取りまで夫婦で整理。最終的に京都市右京区で4,080万円の新築木造2階建てを購入した。入居から2年が経った現在は、返済とのバランスを意識しながらも、自分たちが望む暮らしに費用をかけた選択に納得している。
プロ20年プロ20年

三枝さん、本日は
リアルなお話を
ありがとうございます

三枝さん三枝さん

同じところで
足踏みしている方の
ヒントになればと思います

購入当時の世帯年収は約760万円。頭金400万円を入れて、3,680万円を35年ローンで借りました。

決して余裕たっぷりの資金計画ではありません。それでも三枝さんは、金額の大きさではなく「その暮らしに払う価値があるか」で判断したと言います。

質問項目

  1. 一戸建てに4,000万円は「もったいない」と感じた理由は?
  2. 3,000万円台の家や賃貸と比べて、何が違った?
  3. 世帯年収760万円で3,680万円の住宅ローンに不安はなかった?
  4. 将来の資産価値や売却しやすさは、購入前にどこまで考えた?
  5. 最後に「4,080万円を払う価値がある」と決断できた理由は?
  6. 購入から2年、4,080万円の一戸建てを買ったことをどう感じている?
  7. 一戸建てに4000万円はもったいないと迷う方へ、購入前に比べてほしいこと

入居から2年が経った今の本音まで、順番に伺っていきます。

一戸建てに4,000万円は「もったいない」と感じた理由は?

家探しのきっかけは、長男の小学校入学でした。

当時は築18年・約53㎡の2LDK賃貸マンション。家賃9万3,000円に駐車場代1万2,000円で、毎月10万5,000円を払っていたそうです。

プロ20年プロ20年

お子さんの入学は
住まいを考える
大きなきっかけですよね

三枝さん三枝さん

学習机を置く場所が
どうしても作れなくて
そこが限界でした

夫婦で最初に話し合った予算は3,300万円前後。4,000万円という数字は、そもそも候補にすら入っていなかったといいます。

三枝さん三枝さん

4000万と聞いた瞬間
自分たちには無関係な
金額だと思っていました

プロ20年プロ20年

最初の予算感は
今の家賃から逆算する方が
多いですよね

もったいないと感じた理由は、大きく3つあったそうです。

  • 利息が上乗せされるため、借入額よりかなり多く払うことになる
  • 返済が35年続き、完済時は70歳を超えてしまう
  • 建物は古くなるほど評価が下がり、売る時に金額が残りにくい

特に引っかかったのは、総支払額の話でした。

3,680万円を金利1.0%・35年・元利均等で借りた場合、毎月の返済は約10万4,000円。35年間の総返済額は約4,360万円になります。

プロ20年プロ20年

借入額と総返済額の差は
最初に必ず確認して
おきたいところですね

三枝さん三枝さん

数字を見た時は
正直ぞわっとしました
本当に払えるのかなと

700万円近い利息を払ってまで家を買う意味があるのか。そこが、もやもやの正体だったと振り返ります。

さらに、周囲からの言葉も迷いを深めました。

三枝さん三枝さん

同僚に相談したら
3,000万円台で十分だろって
何人にも言われました

プロ20年プロ20年

周りの意見は参考になる反面
生活スタイルが違えば
答えも変わりますからね

ここから三枝さんの、長い比較の日々が始まります。

3,000万円台の家や賃貸と比べて、何が違った?

約7カ月で見学した住まいは18軒。中古住宅、市外の建売、そして賃貸を借り続ける道まで、幅広く比べたそうです。

プロ20年プロ20年

18軒は多いほうですが
それだけ見ると
相場観が身につきますよね

三枝さん三枝さん

最初は予算内の中古から
そこから条件を変えては
また見に行く繰り返しでした

見学を重ねるほど、ある共通点が見えてきたといいます。

三枝さん三枝さん

価格を下げるほど
何かを諦める場面が
必ず出てくるんです

実際に比べた3つの選択肢を、当時のメモをもとに整理してもらいました。

選択肢 良かった点 気になった点
3,300万円前後の中古住宅
  • 借入額を抑えられる
  • 希望エリア内で見つかる
  • 築年数が古く設備の交換時期が近い
  • リフォーム費を足すと差が縮まる
  • 間取りが今の暮らしに合いにくい
市外の3,000万円台前半の建売
  • 新築で価格を抑えられる
  • 敷地が広めで駐車もしやすい
  • 通勤時間が片道で30分以上増える
  • 買い物や医療機関まで距離がある
  • 車がもう1台必要になる可能性
賃貸を借り続ける
  • 住み替えの自由度が高い
  • まとまった初期費用がいらない
  • 広い部屋にすると家賃が上がる
  • 更新のたびに条件が変わる不安
  • 払い続けても手元に何も残らない
※三枝さんが当時検討したエリア・条件での比較です
プロ20年プロ20年

安い家ほど妥協が増えるのは
価格に必ず理由が
あるからなんですよね

中でも決定打になったのは、通勤時間でした。

大阪市内まで通う三枝さんにとって、片道30分の差は往復1時間。1年で200時間以上が通勤に消える計算になります。

三枝さん三枝さん

その時間を子どもと
過ごせないのかと考えたら
すっと気持ちが冷めました

賃貸を続ける場合の金額も、夫婦で電卓をたたいて出しました。

毎月10万5,000円は年間126万円。10年で1,260万円、20年なら2,520万円になります。しかも、子ども2人分の個室を確保するなら、この金額はさらに上がります。

プロ20年プロ20年

賃貸は身軽ですが
広さを求めた瞬間に
コストが跳ね上がりますね

三枝さん三枝さん

このまま借り続けても
安心は買えないなと
気づいたんです

価格差だけを見ていた時期には、まったく見えていなかった違いだったと三枝さんは語ります。

世帯年収760万円で3,680万円の住宅ローンに不安はなかった?

不安がなかったといえば嘘になる、と三枝さんは正直に話してくれました。

購入当時の年収は本人が約560万円、配偶者が約200万円。世帯で約760万円です。

プロ20年プロ20年

借入額を決める時
何を基準に
考えていきましたか?

三枝さん三枝さん

借りられる額ではなく
返せる額で考えようと
妻と決めていました

金融機関からは、もっと多くの借入も可能だと案内されたそうです。

三枝さん三枝さん

上限まで借りたら
生活がぎすぎすするのが
目に見えていました

プロ20年プロ20年

借入可能額と
無理なく返せる額は
まったくの別物ですからね

借りられる上限で組むと、教育費が重なる時期に苦しくなりやすいため、三枝さん夫婦は返済額を家賃の水準に近づける方針を取りました。

頭金400万円を入れた理由も、そこにあります。

  1. 借入額を減らして毎月の返済を抑える
  2. 返済額を今の家賃+駐車場代の範囲に収める
  3. 手元には生活費の半年分以上を必ず残す
プロ20年プロ20年

手元資金を残す判断は
とても大切です
急な出費は必ず来ますから

三枝さん三枝さん

貯金を全部入れるのは
かえって危ないと
夫婦で話し合いました

実際の数字を並べると、判断の理由がよく見えてきます。

項目 購入前(賃貸) 購入後
毎月の住居費 10万5,000円 約10万4,000円
内訳 家賃9万3,000円+駐車場1万2,000円 住宅ローン返済のみ
年間負担 126万円 約124万8,000円
年収に対する割合 約16.6% 約16.4%
※金利1.0%・35年・元利均等返済で試算した目安です
三枝さん三枝さん

毎月の支払いが
ほぼ変わらないと分かって
肩の力が抜けました

プロ20年プロ20年

返済比率が2割を切ると
教育費が増える時期にも
対応しやすくなりますね

ただし、購入後は固定資産税や火災保険料、将来の修繕費が別にかかります。

三枝さん夫婦は、その分を毎月3万円ずつ別口座に積み立てる仕組みを、入居前から用意していました。

三枝さん三枝さん

住宅ローンだけ見ていたら
たぶん途中で
慌てていたと思います

返済額と積立額をセットで考えたことが、不安を数字で消す一番の近道になったそうです。

将来の資産価値や売却しやすさは、購入前にどこまで考えた?

一生住むつもりでも、将来を考えないわけにはいかない。三枝さんはそう考えていました。

プロ20年プロ20年

売る前提でなくても
出口を意識するかどうかで
選ぶ家は変わりますよね

三枝さん三枝さん

転勤や親の介護など
何が起きるか
分からないですからね

購入したのは右京区の土地約84㎡・延床約87㎡の新築木造2階建て。駐車1台分が付いた3LDKです。

不動産の価値を考えるうえで、三枝さんが理解したのは建物と土地の性質の違いでした。

  • 建物は設備や内装が古くなるため、築年数とともに評価が下がる傾向がある
  • 木造住宅は20年を過ぎると、建物部分の評価がほとんど残らない場合が多い
  • 土地は減っていかないため、建物ほど急には価値が下がりにくい
  • 駅や生活施設が近いほど買いたい方が多く、売りやすさにつながりやすい
プロ20年プロ20年

売却時に効いてくるのは
建物より立地です
ここは覚えておきたい点ですね

三枝さん三枝さん

だから安さだけで
郊外を選ばなくて
よかったと思っています

市外の建売と最後まで悩んだ時、判断材料にしたのがこの視点でした。

価格が安い土地は、売りたい時にも買い手が付きにくい傾向があると知り、目先の300万円~500万円の差が絶対ではないと考え直したそうです。

三枝さん三枝さん

住んでいる間の便利さと
将来の売りやすさが
同じ方向を向いていたんです

プロ20年プロ20年

暮らしやすい場所は
需要も落ちにくいので
理にかなった判断ですね

とはいえ、三枝さんは値上がりを期待したわけではありません。

三枝さん三枝さん

儲けようとは
まったく考えず
極端に困らなければいいと

資産価値は増やすものではなく、大きく崩れない場所を選ぶもの。そう割り切ったことで、判断がぶれなくなったといいます。

最後に「4,080万円を払う価値がある」と決断できた理由は?

18軒目を見学したあと、三枝さん夫婦は紙とペンを用意して、条件を全部書き出したそうです。

プロ20年プロ20年

頭の中だけで比べると
どうしても
ぐるぐるしますからね

三枝さん三枝さん

書き出した瞬間に
何を諦められないかが
はっきりしました

やったことは、とてもシンプルでした。

  1. 希望条件をすべて書き出す
  2. 絶対に譲れないものと、我慢できるものに分ける
  3. それぞれに、いくらまでなら払えるかを話し合う
  4. 候補の家がその条件を満たしているか確認する

書き出した結果が、こちらです。

譲れなかった条件 我慢すると決めた条件
  • 通勤時間を今より増やさない
  • 小学校まで子どもの足で通える
  • 徒歩圏に日常の買い物先がある
  • 子ども2人の個室を将来つくれる
  • 庭の広さは求めない
  • 駐車は1台分で足りる
  • 設備のグレードは標準で十分
  • ブランドや外観の見栄えは重視しない
三枝さん三枝さん

我慢できる項目が
思ったより多くて
自分でも驚きました

プロ20年プロ20年

譲れない条件が絞れると
候補が減って
判断が速くなりますよね

そして最後は、4,080万円という金額を「4,000万円の家」ではなく「毎月10万4,000円の暮らし」として捉え直したそうです。

三枝さん三枝さん

総額で見ると怖いのに
月々で見ると
今と変わらなかったんです

プロ20年プロ20年

同じ金額でも
見る単位を変えると
判断しやすくなりますね

4,000万円が高いかどうかではなく、その暮らしに払う価値があるかどうか。三枝さん夫婦がたどり着いた基準は、そこでした。

三枝さん三枝さん

もったいないかどうかは
金額ではなく中身で
決まると気づきました

契約の日も迷いはゼロではなかったものの、比べ尽くしたという実感が背中を押してくれたそうです。

購入から2年、4,080万円の一戸建てを買ったことをどう感じている?

入居から2年。今の心境を率直に聞いてみました。

プロ20年プロ20年

実際に住んでみて
一番変わったのは
どんなところですか?

三枝さん三枝さん

子どもたちの声が
明らかに大きくなりました
のびのびしています

53㎡の賃貸では、下の階を気にして「静かにして」と何度も言っていたそうです。

三枝さん三枝さん

あの言葉を言わずに
済むだけで
ずいぶん気が楽です

プロ20年プロ20年

数字に出ない価値ですが
毎日のことなので
積み重なると大きいですよね

一方で、想定と違った部分も正直に話してくれました。

  • 光熱費が広さの分だけ増え、冬場は特に負担を感じる
  • 固定資産税や火災保険など、住宅ローン以外の支出が思ったより多い
  • 庭木の手入れや外まわりの掃除に、休日の時間を取られる
  • 10年後を見据えた外壁や給湯器の費用を、自分で備える必要がある
三枝さん三枝さん

マンションの管理費は
面倒を代行してもらう
費用だったんだと実感しました

プロ20年プロ20年

一戸建ては維持を
自分で背負う分
計画性が問われますね

住宅ローンの返済額だけで判断していたら、家計は確実に苦しくなっていたと三枝さんは振り返ります。

救いになったのは、入居前から始めていた月3万円の積立でした。

三枝さん三枝さん

備えがあったので
慌てずに済んだのが
本当に大きかったです

プロ20年プロ20年

先に仕組みを作った方は
2年目以降の余裕が
はっきり違ってきますね

お金をかけてよかったと感じるのは、やはり立地だといいます。

長男は歩いて小学校に通い、休日の買い物も徒歩圏。三枝さんの帰宅時間も、以前とほぼ変わりません。

三枝さん三枝さん

毎日夕食を家族で
食べられていることが
一番の贅沢だと感じます

払った金額の価値は、住んでからの毎日で回収していくもの。2年を経た今、三枝さんはそう考えています。

一戸建てに4000万円はもったいないと迷う方へ、購入前に比べてほしいこと

最後に、同じ迷いの中にいる方へ伝えたいことを伺いました。

プロ20年プロ20年

今まさに迷っている方へ
アドバイスを
いただけますか?

三枝さん三枝さん

金額だけを見て
判断しないでほしい
それに尽きます

三枝さんが「これは必ず比べてほしい」と挙げたのが、次の5つです。

  • 毎月の返済額を今の家賃と駐車場代に並べる…総額の怖さが現実の生活感に変わる
  • 安い家との差額で何を諦めるかを書き出す…金額差が高いか安いか判断できる
  • 通勤や送迎の時間を1年単位で計算する…毎日の数十分が想像以上の差になる
  • 住宅ローン以外の維持費も足して考える…入居後に家計が崩れるのを防げる
  • 賃貸を続けた場合の10年後を想像する…買わない選択の金額も見えてくる
プロ20年プロ20年

どれも見学の前に
できることばかりですね
準備の差は大きいです

三枝さん三枝さん

私は18軒回るまで
これに気づけず
遠回りをしました

そして、迷いが消えなくても動いてほしいと三枝さんは言います。

三枝さん三枝さん

迷いながら見学しても
基準は少しずつ
はっきりしてきますよ

比べた数だけ、自分たちの答えに近づけるのは、三枝さん自身が体験したことです。

プロ20年プロ20年

比較を重ねた方ほど
決断のあとに
後悔しにくいものですね

最後に、こんな言葉をいただきました。

「4,000万円が高いか安いかは、他人ではなく自分たちの暮らしが決めます。数字に飲み込まれずに、どんな毎日を送りたいかから考えてみてください」

プロ20年プロ20年

本日は率直なお話を
ありがとうございました!

三枝さん三枝さん

迷っている方の
判断材料になれば
これほど嬉しいことはありません


以上、一戸建てに4000万はもったいないと迷いながらも18軒を比べて決断した、三枝さんの体験談をインタビュー形式で紹介しました。

【検討前チェック】一戸建て4000万はもったいない?自分たちに合うか確認

一戸建てに4000万をかけるのがもったいないかどうかは、金額ではなく自分たちの条件で決まります。

三枝さんが夫婦で確かめた視点をもとに、購入前に押さえておきたい項目をまとめました。

プロ20年プロ20年

直感で構いません
まずは今の状況で
当てはまる数を見てみましょう

家計・暮らし・将来の3方向から並べているので、気になる項目にチェックを入れてみてください。

【チェック】□にチェックできます
項目
【チェック結果】
  • 0〜3個
    →まだ判断材料が足りない段階です。家計の数字を出すところから始めましょう
  • 4〜7個
    →方向性は見えていますが、抜けている視点があります。空欄の項目を埋めてみてください
  • 8〜11個
    →検討はかなり進んでいます。候補を絞って具体的に比べる段階といえます
  • 12個以上
    →自分たちに合うかを見極める材料はそろっています。自信を持って前へ進めます
※おおよその目安です。個数が少なくても購入が不向きという意味ではありません

チェックが少なかった方も、落ち込む必要はまったくありません。

埋まらなかった項目こそ、これから確かめるべきポイントだからです。

プロ20年プロ20年

空欄が多いほど
伸びしろがあるということ
1つずつ埋めていきましょう

反対に、数字を出さないまま雰囲気だけで判断すると、入居後に家計が苦しくなりやすいので気をつけたいところです。

また、チェックの数だけで良し悪しは決まりません。1つでも空欄がお金に関する項目なら、そこを優先して確認するほうが安全です。

4,000万円という金額そのものに、正解も不正解もありません。大切なのは、その費用をかけた先にある暮らしが、自分たちの望むものと重なっているかどうかです。

4000万円の一戸建てで失敗しない「返せる予算」と総住居費の考え方

4,000万円の一戸建てが家計にとってもったいないかどうかは、物件価格だけでなく、無理なく負担できる予算かで判断することが大切です。

私が20年以上この業界を見てきて感じるのは、購入後に苦しくなりやすいのが、借りられる額を基準に予算を決めてしまうケースだということです。

住宅ローンの返済額だけでなく、住み続ける限りかかる費用まで含めて予算を組む。ここを押さえるだけで、購入後の景色は大きく変わります。

借りられる額ではなく「返せる額」から予算を決める

金融機関の借入可能額は、審査基準をもとに算出される目安で、家計上無理なく返せる額と同じとは限りません。家庭ごとの将来の教育費や働き方の変化まで十分に織り込んだ金額でもありません。

私が予算相談を受ける時、最初にお伝えするのはこの違いです。

プロ20年プロ20年

上限まで借りると
数年後に効いてきます
まずは返せる額から考えましょう

返せる額を考える時、私は家計に余裕を持たせる確認ラインの一つとして、年間返済額を税込年収の20%以内でも試算するようおすすめしています。

これは住宅ローンの審査基準ではありません。たとえばフラット35では、住宅ローン以外の借入れも含めた総返済負担率について、年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下という基準があります。審査基準は金融機関や商品によって異なり、基準内だからといって家計に無理がないとは限りません。

共働きの場合は、どちらかの収入が減った時でも返済を続けられるかまで確認しておくと安心です。

世帯年収 年間返済額の目安(20%で試算) 毎月の返済額の目安
600万円 120万円 約10万円
700万円 140万円 約11万6,000円
800万円 160万円 約13万3,000円
900万円 180万円 約15万円
※20%は住宅ローン審査の基準ではなく、家計に余裕を持たせるための試算例です。家族構成や他の借入状況などによって適正額は変わります

ここで注意したいのが、車のローンや奨学金など毎月の返済がある場合、その分だけ住宅に回せるお金は少なくなるという点です。

プロ20年プロ20年

他の返済がある方は
その金額を先に引いてから
考えるのが安全ですね

車のローンなどの借入れは、住宅ローンの審査でも返済負担として扱われることがあります。たとえばフラット35では、自動車ローンや教育ローン、カードローンなども総返済負担率の対象です。

完済のめどが立つなら、手元資金とのバランスを確認したうえで、先に返済してから住宅ローンを申し込む選択肢もあるでしょう。

4,000万円の家を買うと毎月いくら返す?頭金500万円の場合

同じ借入額でも、金利によって返済額はかなり変わります。ここを確認せずに検討を進めると、想定していた住居費とのズレが生まれかねません。

たとえば頭金500万円を入れて3,500万円を35年で借りた場合、金利ごとの負担は次のようになります。

金利 毎月の返済額 総返済額
1.0% 約9万8,800円 約4,150万円
1.5% 約10万7,200円 約4,501万円
2.0% 約11万5,900円 約4,870万円
※借入3,500万円・35年・元利均等返済・ボーナス返済なし・金利が返済期間中変わらない前提で試算した目安です。実際の適用金利や各種手数料などは含みません

金利が1.0%から2.0%になると、毎月の返済額は約1万7,100円、総返済額では約720万円の差になる計算です。

プロ20年プロ20年

変動金利を選ぶなら
金利が上がった時の負担も
先に確認しておきたいですね

変動金利は、金利上昇時に返済額がどのタイミングでどう変わるかが商品によって異なります。私は相談の場で、金利が1%上がった場合でも家計に余裕があるかを試算するようお伝えしています。

その金額でも無理なく返済できるなら、金利上昇に対する家計の余力を確認できます。

反対に、その試算で家計が苦しくなるなら、借入額を減らすか、家の価格帯を見直す判断もあっていいでしょう。

住宅ローン以外にかかる総住居費を計算する

一戸建ての住居費は、住宅ローンの返済額だけではありません。税金や保険、将来の修繕費などを後回しにすると、購入後の家計が想定より苦しくなることがあります。

購入後に継続してかかる主な費用を整理すると、次のようになります。

費用の種類 金額の考え方 ポイント
固定資産税・都市計画税 評価額や所在地などによって異なる 新築住宅の固定資産税は、要件を満たすと一定期間減額され、終了後は本来の税額に戻る
火災保険・地震保険 所在地や建物構造、補償内容などによって異なる 購入前に実際の条件で見積もりを取って確認する
修繕費の積立 建物の仕様や劣化状況、工事内容によって異なる 外壁や屋根、給湯器など将来の修繕・交換に備える
光熱費 床面積や世帯人数、住宅性能、設備などによって異なる 現在の住まいより床面積が広がる場合などは増減を見込んでおく
※実際の金額は物件や地域、家族構成などによって異なるため、購入前に個別に確認してください

これらの費用は条件による差が大きいため、一戸建てなら年○万円と一律に考えるより、購入候補の物件ごとに確認する方が現実的です。

固定資産税などは年額を12で割り、保険料は契約期間に応じて月割りし、修繕費は将来のメンテナンス計画をもとに積み立てると、毎月の住居費として考えやすくなります。

プロ20年プロ20年

戸建ては修繕積立金のように
自動で積み立てられないので
自分で備える必要があります

修繕に備えるお金をあらかじめ毎月の予算に組み込んでおくと、将来、外壁や屋根、給湯器などの修繕・交換が必要になった時にも対応しやすくなります。

プロ20年プロ20年

積立は生活口座と
分けておくと
うっかり使わずに済みますよ

住宅ローンの返済額に、固定資産税などの税金や保険料の月割り、修繕費の積立を足した金額まで確認する。さらに光熱費の増減も含めて家計全体を見ることが、総住居費を考えるうえで大切です。

頭金と諸費用はいくら必要?手元に残すお金の考え方

購入時には、物件価格とは別に諸費用がかかります。この準備を軽く見ると、契約や引き渡しまでに必要な資金が想定を上回ることもあります。

  • 新築住宅の諸費用…価格の3%~6%程度が一例(4,000万円なら約120万~240万円)。仲介会社を通す建売住宅などでは、これを超える場合もある
  • 中古住宅の諸費用…価格の7%~10%程度が一例(4,000万円なら約280万~400万円)。仲介手数料の有無やローン費用、登記費用などによって変わる
  • 引っ越し費用や家具・カーテン代…諸費用とは別に見込み、世帯人数や移動距離、購入内容に応じて個別に見積もる
プロ20年プロ20年

諸費用は住宅ローンに
含められる場合もありますが
その分、借入額は増えます

そのうえで、私が最も大切だと考えているのが手元資金です。

貯蓄をすべて頭金に回すと、急な出費に対応しにくくなります。緊急時に備える資金は家族構成や収入の安定度によって変わりますが、生活費の3~6か月分程度は一つの目安です。私は住宅購入後の出費も考え、少なくとも半年分程度を残せるか確認するようおすすめしています。

頭金を増やせば借入額や利息負担は減らせますが、手元資金を減らしすぎてまで入れる必要はありません。

プロ20年プロ20年

頭金と手元資金の
バランスをとることが
長く安心して暮らすコツですね

大切なのは、買った瞬間ではなく、その後の長い暮らしをどう続けていくかという視点です。予算を組む段階でここまで見ておけば、4,000万円という金額だけに振り回されずに判断しやすくなります。


以上、4,000万円の一戸建てを検討する際に押さえておきたい「返せる予算」の決め方と、総住居費の考え方を紹介しました。

まとめ:一戸建て4000万で迷ったら、価格だけでなく暮らし全体を比べよう

今回の不動産とーくは『【体験談】一戸建て4000万はもったいない?三枝さんが18軒比較して出した答え』と題して解説しました。

この記事で押さえたいポイント

  • 一戸建てに4000万がもったいないかは、価格ではなく暮らしとの釣り合いで決まる
  • 安い家との差額で何を諦めるかを書き出すと、金額の意味が見えてくる
  • 住宅ローンの返済額に維持費を足した総住居費で、無理のない予算を決める
プロ20年プロ20年

あなたの迷いは
少し晴れてきましたか?

三枝さんの体験談で印象的だったのは、18軒を見て回るまで自分たちの基準がわからなかったという話でした。

最初から答えを持っている方は、ほとんどいません。比べる中で少しずつ輪郭がはっきりしてくる、それが住まい選びです。

プロ20年プロ20年

迷っている今の時間も
決して無駄には
なっていませんよ

もし今、判断がつかずに立ち止まっているとしても、それは慎重に向き合っている証拠ではないでしょうか。

業界歴20年以上「不動産コンサル西田」のアドバイス

最後に、20年以上この仕事をしてきた私から、記事では触れなかった視点をお伝えします。

住まい選びで後悔しやすい方には、ある共通点があります。それは、比べる相手が「他の家」だけになっていることです。

本当に比べるべき相手は、5年後・10年後の自分たちの暮らしだと私は考えています。

プロ20年プロ20年

家ではなく
これからの生活を
選んでいる感覚が近いですね

子どもが小学校を卒業するまでの時間、親の状況、働き方の変化。そうした未来を思い浮かべながら図面を見ると、同じ家がまったく違って見えてきます。

そして、頭の中で堂々巡りになった時は、次のような進め方を試してみてください。

  • 見学した家ごとに、良かった点を1つだけメモする…自分たちが何を喜ぶ家族かが見えてくる
  • 候補は2つまでに絞ってから悩む…選択肢が多いほど決断は遠のいていく
  • その家で過ごす休日の1日を具体的に想像する…価格では測れない価値に気づける

誰かの正解をそのまま当てはめると、自分たちの暮らしに合わない家を選びやすいので、そこだけは気をつけてほしいところです。

プロ20年プロ20年

納得して決めた方は
数年後の満足度が
やっぱり違ってきます

今日できることから、1つずつで大丈夫です。まずは今の住居費を書き出すところから始めてみてください。


長い記事を最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

4,000万円が高いか安いかを決めるのは、世間の相場でも周りの声でもなく、あなた自身の暮らしです。

三枝さんのように、比べた数だけ答えに近づけます。あなたが心から納得できる住まいに出会えることを願っています。

以上『【体験談】一戸建て4000万はもったいない?三枝さんが18軒比較して出した答え』でした。

この記事の執筆者
西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)
西田 喜宣|クラウドハーツ・リアルエステート代表
不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士