転勤族がマイホームを購入するタイミングは?そもそも購入すべき?

「マイホームが欲しい!でも転勤がありそう…」
「マイホームを購入したいけど、会社からいつ辞令が出るかわからない…」

マイホームの購入を検討している転勤族の方にとって、誰もが一度は直面する悩みですよね。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査によると、新卒から定年まで働いた場合の国内転勤回数の統計は、

新卒~定年までの国内転勤回数1~2回:40.6%
3~4回:31.4%
5~6回:15.3%

つまり、転勤の可能性がある会社に勤めていれば、定年までに少なくとも1回は異動する機会があると考えられます。

とはいえ、マイホームには賃貸にない多くの魅力があります。
購入を諦めたくないですよね。

転勤族のマイホーム購入は現実的ではないのでしょうか?
適切なタイミングはあるのでしょうか?

ニシダ社長-不動産業界15年-ニシダ社長-不動産業界15年-

転勤族だからって本当は欲しいマイホームを見送る人は多いですね

レオ教授レオ教授

うむ、どうしても仕事が優先な社会じゃからの~
今回の目次は下記の通りじゃ!

それでは、今回の不動産とーく『転勤族がマイホームを購入するタイミングは?そもそも購入すべき?』を始めていきましょう!

転勤族はマイホームをどのタイミングで購入している?

転勤族はマイホームを下記3つのタイミングで購入しているように思います。

  1. 多くが30~40代
  2. 転勤辞令を受けてからすぐ
  3. 子供が小学校に入学する前
レオ教授レオ教授

では1つ1つ見ていくぞ!

タイミング1.多くが30~40代

転勤族のマイホーム購入について『多くが30~40代』が1つタイミングです。

国土交通省住宅局の平成29年度住宅市場動向調査報告書によると、分譲戸建・分譲マンションを初めて購入する世代の内訳は、30代が約50%、40代が約25%を占めています。

30~40代のマンション購入

つまり、購入者の約75%が30代から40代であり、転勤の可能性とは無関係に、このタイミングでマイホームを購入していることが考えられます。

タイミング2.転勤辞令を受けてからすぐ

転勤族のマイホーム購入について『転勤辞令を受けてからすぐ』のタイミングも多いです。

独立立行政法人労働政策研究・研修機構では、1度の転勤に係る赴任期間を調査しています。

この調査によると、赴任期間3年程度が全体の約37%と一番多く、次いで5年程度が約26%となっています。

なお、赴任期間2年以下は全体の10%程度のため、転勤の多くは赴任期間が3年以上であることが伺えます。

このように、一般的には2年以下の短期間で転勤が繰り返されるケースは少ないことが分かります。

よって、転勤辞令が出たタイミングでマイホームを購入した場合には、比較的長く新居に居住できることが考えられます。

タイミング3.子供が小学校に入学する前

転勤族のマイホーム購入について『子供が小学校に入学する前』も多いタイミングです。

子供の小学校入学前

子供のことを優先した選択肢であり、学友や習い事などの交流関係や学業環境の充実を考慮した購入のタイミングといえます。

このケースは、子供がマイホームから引っ越ししないことを前提としているため、転勤辞令が出た際には単身赴任を選択するのが一般的となっています。


以上、転勤族がマイホームを購入する3つのタイミングについて解説してきました。

そもそもな話、転勤族がマイホームを購入すること自体どうなんでしょうか?

そもそも転勤族がマイホームを購入するのはNG?

転勤族のマイホーム購入は、あまりおすすめしません。

詳しくは本記事のデメリットの箇所で解説しますが、単身赴任の可能性、転勤先の家賃と住宅ローンの二重払いが大きな理由です。

もちろん、会社の転勤に対する取り決めや、マイホーム購入後の待遇、福利厚生の程度などによって変わりますが、慎重に進めるべきです。

レオ教授レオ教授

住居費は、食費や教育費と並んで家計への影響が高い支出じゃ。
社宅や家賃補助が手厚い場合、マイホームは買わん方が生活がぐっと安定するぞ。

生徒:リョウヘイ生徒:リョウヘイ

なるほど。
でも、転勤族のマイホーム購入もデメリットばかりじゃないんでしょ?

レオ教授レオ教授

そりゃもちろんメリットもあるが、デメリットとのバランスを見て、どこまでリスクをとれるかが大切じゃ。

生徒:マチ生徒:マチ

わかりました。
レオ教授、そのメリット&デメリットを紹介して下さい!

レオ教授レオ教授

うむ、了解じゃ。
では解説していこうかの〜

転勤族がマイホームを購入するメリット&デメリット

転勤族がマイホームを買うメリット・デメリット
転勤族のマイホーム購入における、メリットとデメリットをまとめていきます。

現在お勤めの会社の転勤条件と照らし合わせながら、見てもらえるといいと思います。

ではまずメリットからです。

転勤族がマイホームを購入するメリット

まずは、転勤族がマイホームを購入するメリットを3つあげていきます。

  1. 将来の資産として残る
  2. 定年退職後の住まいに困らない
  3. 会社によって転勤しなくても良くなる

転勤族の方のなかには、「マイホームを購入後、すぐに転勤しないだろうか」といった不安から賃貸住宅を選択する方はたくさん。

ただ、転勤族がマイホームを購入する上でも、実はメリットこんなメリットがあるんです。

1.将来の資産として残る

『将来の資産として残る』ことは、転勤族がマイホームを購入するメリットの1つです。

賃貸住宅とは異なり、マイホームは購入後にあなた自身の資産となります。

たとえば、賃貸住宅で月々10万円の賃料がかかるケースを考えた場合、30年間で支払う金額は3,600万円 (10万円×12ヶ月×30年)となります。

住居費(賃貸)の計算

もちろん賃貸住宅のため、多額の賃料を支払ったとしても30年後に資産として残るものはありません。

次に3,000万円 (土地1,500万円+建物1,500万円)のマイホームを購入したケースを想定してみましょう。

1,500万円で購入した建物の資産価値は年々減っていきますが、1,500万円の土地は、相場が変わらなければ価値はそのまま残ります。

また、分譲マンションの場合は周辺相場によって資産価値が変動するのが通常です。

一般的なマンションの耐用年数は60年と長いことから、もし築年数が30年の物件であっても資産価値は十分に残されています。

このように、転勤族のマイホーム購入であっても、将来的な資産形成になることが大きなメリットといえます。

レオ教授レオ教授

ただ、ちゃんと価値のある物件によるぞ!

2.定年退職後の住まいに困らない

『定年退職後の住まいに困らない』ことは、転勤族がマイホームを購入するメリットです。

賃貸で忘れがちなポイントは、その物件を借りる際にはオーナーの許可が必要という点です。

たとえば、借り手の年齢が若く、収入にも問題がなければ入居を断られる心配はほぼありません。

賃貸住宅の鍵渡し

しかし、借り手が定年後で収入が不安定だったり、さらには高齢になるほど入居を断られる可能性は高くなります。
なぜなら、近年では単身の高齢入居者による万一の事態が増えており、こうした履歴のあった部屋では、次の借り手を見つけるのが困難となるためです。

こうした背景があることから、定年退職後に住居の心配がいらない点でマイホームには大きなメリットがあるといえます。

3.会社によって転勤しなくても良くなる

『会社によって転勤しなくても良くなる』ことは、転勤族がマイホームを購入するメリットです。

生徒:リョウヘイ生徒:リョウヘイ

これは会社によりますね。

現在、8割以上の会社では、会社に転勤への配慮を申し出る制度があります。

この申し出方法は人事面談や自己申告など会社ごとに異なり、また受けられる配慮もバラバラです。

転勤辞令への申し出

たとえば、受けられる配慮の参考例として、

  • マイホーム購入後に転勤が一定期間免除になる
  • 転勤先が新居からの通勤圏内に限定される

上記のようなケースがあります。

よって、転勤について会社の制度を上手に活用できるのであれば、マイホーム購入がより魅力的なものとなるでしょう。

レオ教授レオ教授

総務課の方などに一度確認してみるといいぞ。


以上が、転勤族がマイホームを購入する場合のメリットです。

続いて、デメリットもおさえておきましょう。

転勤族がマイホームを購入するデメリット

転勤族がマイホームを購入するデメリットを3つあげていきます。

  1. 将来単身赴任になる可能性
  2. 住宅ローンと家賃の二重払い
  3. 荷物をまとめるのは一苦労

マイホームの購入後に「こんなはずではなかった…」と後悔をしないためには、事前にデメリットをしっかり把握しておくことが大切です。

1.将来単身赴任になる可能性

『将来単身赴任になる』ことは、転勤族がマイホームを購入するデメリットです。

単身赴任で転勤

一般的にマイホームの購入は、本人だけでなく家族全員がその地域で長く生活することを意味します。

このため、居住期間が長くなるにつれて子供の友達、近所の知人といった地域のコミュニティとの関係が深くなります。

よって、家族の一人ひとりがその土地を離れづらくなるわけです。

また、家族単位での転勤をためらう理由のなかに、子供の卒業が近い時期的なものもあります。

こういった場合は、家族をマイホームに残して単身赴任を覚悟する必要があると考えます。

なお、近年では転勤全体のうち単身赴任の占める割合は約28%となっており、4人に1人以上が単身赴任をしています。

家族との距離を伴う単身赴任には、わが子の成長をそばで見られないなどのデメリットもあります。

2.住宅ローンと家賃の二重払い

『住宅ローンと家賃の二重払い』は、転勤族がマイホームを購入する大きなデメリットです。

転勤先の家賃にとどまらず、生活費も二重払いです。

会社により、社宅や家賃補助が出る場合もありますが、補助が不十分な場合には金銭的な負担が大きくなります。

家賃や生活費の二重払い

また、単身赴任をせずにマイホームを売却する選択肢もありますが、予定の異動期日までに売却が完了しないリスクがあります。

転勤先での業務開始日を過ぎてもマイホームを売却できずにいると、転勤先の家賃と住宅ローンの二重払いがその分長引くことになります。

3.荷物をまとめるのは一苦労

『荷物をまとめるのは一苦労』なのは、転勤族がマイホームを購入するデメリットです。

マイホームを購入すると、家具家電を中心に家財が増えると思います。

多くのマイホームではスペースが充実していることが多く、問題ありません。

ただ、万一転勤になり、赴任先の社宅や賃貸住宅に引っ越す場合、収納スペースが少ないことが多いんです。

まとまらない家財

よって、転勤先の賃貸物件の収納を考えて家財の整理が必要となり、その処分作業などに苦労する可能性があります。


以上、転勤族のマイホーム購入におけるメリット&デメリットを解説してきました。

生徒:リョウヘイ生徒:リョウヘイ

転勤族であっても「どうしても購入したい!」と考える人も多いはずですよね。

レオ教授レオ教授

うむ、それはもちろんじゃな。

生徒:マチ生徒:マチ

私もそう思います。
将来も見すえて「やっぱりマイホームを手に入れたい!」そう思ったら、どんなポイントに注意すればいいんでしょうか?

レオ教授レオ教授

マイホームに憧れる転勤族の人も多いじゃろうからな。
続けて、解説していこうかの〜

転勤族がマイホーム購入で失敗しないためのポイント[6選]

転勤族のマイホーム購入において、失敗しないためのポイントは下記6つです。

  1. 新築は避けるべき
  2. 過去の売却事例を必ずチェックする
  3. 必ず貯金を残しておく
  4. 駅からの距離は10分以内を選ぶ
  5. 広すぎる住宅には注意する
  6. 住環境を最優先する

1.新築は避けるべき

転勤族のマイホーム購入では、『新築は避けるべき』です。

一般的に、新築物件では不動産会社からの積極的な販売活動がおこなわれます。

たとえば折込広告やモデルルームなど、物件をより魅力的に見せるための演出がこれにあたります。

よって、購入者としては「せっかくのマイホームなら新築を選びたい!」と考えるのは当然のことといえます。

新築一戸建て

しかしながら、新築物件、特に新築マンションは、転勤族にとって購入は要注意といえます。

なぜなら、中古住宅と異なり新築の価格には販売業者の利益や広告費用が含まれます。

このため、新築プレミアムという言葉もあるように、新築から中古になる際には価格が大きく下がるのが一般的なんです。

よって、新築を購入後、転勤によりやむを得ず売却をする場合には、たとえ居住期間が短くても中古として扱われ、購入時よりも大きく価値が下がります。

このため、マイホームの資産性を重視する転勤族の方は、新築を避けるのが無難といえます。

2.過去の売却事例を必ずチェックする

転勤族のマイホーム購入では、『過去の売却事例を必ずチェックする』ことです。

建物は一戸建てやマンションにかかわらず、築年数に応じて資産価値が減少していきます。

ここで注意したいのは、将来売却する際に、建物が古くなっても流通性があるかどうかのチェックです。

同じ地域内の一戸建てやマンションを対象に、過去の成約事例を確認する必要があります。

過去事例の調査

人気な立地であれば、築古になったマイホームでも、比較的売却がしやすいでしょう。

一方、不人気な立地ではこうはいきません。

資産価値の想定外の減少に、売却時は大きく損をする可能性があります。

過去の事例は、不動産業者なら簡単に調べることができます。

「将来的に転勤が決まった場合は、売却も考えています。
周辺地域の売却事例の資料をいただけませんか?」

と、依頼すれば快く調べてくれるでしょう。

3.必ず貯金を残しておく

転勤族のマイホーム購入では、『必ず貯金を残しておく』ことです。

購入者のなかには、住宅ローンの支払いを抑えるために、自己資金をできるだけ投入する人も多いです。

ただ、あまりおすすめしません。

不測の事態に備えた手元資金は、転勤族にとって特に重要となるからです。

たとえば、転勤辞令によってマイホームの売却を選択する際、すぐに買い手が見つからないケースもあります。

この場合は住宅ローンと転勤先の家賃の二重払いが発生し、この金銭的な負担は売却が成立するまで続きます。

こうしたリスクに対応するためにも手元資金は重要で、目安としては住居費を含めた生活費の1~2年分が理想とされています。

4.駅からの距離は10分以内を選ぶ

転勤族のマイホーム購入では、『駅からの距離は10分以内を選ぶ』ことです。

転勤族がマイホームを売却する過去事例のなかには、突然の辞令によって転勤までの時間が少ないケースも多々。

ただ、せっかく大金をはたいて購入したマイホーム。

期間が限られている場合でも、できるだけ高く売却したいと考えるのは当然のことでしょう。

マイホームを短期間で高く売却するためには、購入検討者にとって魅力的な物件であることが不可欠です。

この魅力的な要件の一つとして「交通利便性の良さ」が挙げられます。

駅と電車

なお、この「交通利便の良いところに住みたい」という購入者の希望は、大手不動産仲介会社で構成されるメジャーセブンの調査において、マイホームの購入動機の第3位にランクインしています。

また多くの物件検索サイトでは、検索時の絞り込み条件の重要な1つが「駅徒歩10分以内」となっているそうです。

よって、駅から近いこと、なかでも徒歩10分以内であることは重要な要件となります。

もし、転勤族で将来的にマイホーム売却の可能性がある場合には、こうした交通利便を重視して検討しておくことが大切です。

5.広すぎる住宅には注意する

転勤族のマイホーム購入では、『広すぎる住宅には注意する』ことです。

先のマンショントレンド調査において、購入動機の第2位は「広い住宅に住みたい」です。

売却主の立場からは「間取りが広いほど良い物件」という見方が一般的ですが、買い手の立場からはこれが弊害となる場合もあります。

この弊害の一つが、「間取りが広い住宅は価格も高い」ということです。

広すぎるLDK

たとえば、「1㎡あたり50万円」のマンションの場合を考えてみましょう。

60㎡3,000万円
80㎡4,000万円
100㎡5,000万円

売却時の需要を考えてみると、より高額な5,000万円の住戸を購入できる人が少ないのは当然といえます。

よって、たとえ広い物件であっても相対的に購入希望者が少なくなるため、狭い物件よりも売れにくくなるケースも考えておくべきです。

なお、不動産売買情報で有名な東日本レインズの集計によると、マンション売買における専有面積は平均64㎡、中古戸建の建物面積は平均105㎡です。

よって、これらの面積から大きく離れた物件は、売却しづらい傾向があるため注意が必要です。

6.住環境を最優先する

転勤族のマイホーム購入では、『住環境を最優先する』ことです。

転勤を心配して「将来的に売却しやすい」という基準でマイホームを選ぶと、駅から近い平均的な広さが無難な物件となります。

もちろん、この選択は間違いではありません。

ただし、せっかくのマイホームです。

転勤族であろうとも、売却のことばかり考えるより、あなた自身や家族の好みを優先した物件を選ぶのも選択肢の一つです。

あなた自身は少しさみしい気持ちは残りますが、単身赴任を前提に考えれば、売却を考えず希望のマイホームを購入できるのではないでしょうか。

緑豊かな自分好みの住宅

たとえば、希望に合わせた緑の多い静かな住環境、少し利便性は悪いけど実家に近い環境など。

つまり、転勤族の場合でも単身赴任を前提にすることで、家族のスタイルを叶えるマイホーム購入も可能です。

まとめ

「転勤族のマイホーム購入」記事のまとめ

今回の不動産とーく『転勤族がマイホームを購入するタイミングは?そもそも購入すべき?』のお話もいよいよまとめです。

レオ教授レオ教授

さて、参考になったかの〜?

本記事で解説したこと・転勤族がマイホームを購入する主なタイミング
・転勤族がマイホームを購入するのはそもそもNGなのか
・転勤族がマイホームを購入するメリット・デメリット
・転勤族がマイホーム購入で失敗しないためのポイント

マイホームを購入するメリットは多々ありますが、転勤族の場合には事前に検討しておきたい注意点があります。
なぜなら、マイホーム購入後の転勤においては、経済的な理由だけでなく家族とのかかわり方まで影響が及ぶからです。

たとえば転勤に際しての単身赴任もしくは家族全員での異動という選択には、子供の教育方針や家族の在り方といった内容も含まれます。

このため、マイホーム購入後の後悔を避けるためにも、ここで挙げた事例についてご家族で事前にシュミレーションをしておくことが大切です。

マイホーム購入の検討において、転勤族であることが大きな懸念となっている方に、本記事が納得のいく選択への参考になれば幸いです。

以上、『転勤族がマイホームを購入するタイミングは?そもそも購入すべき?』でした。