家賃12万13万はもったいない?10万以上の賃貸なら家を買うべき?

「家賃12万ってもったいないよね?」
「毎月10万以上の家賃は無駄?家を買う方がいいのかな?」

高い家賃を払って賃貸に住み続けるか、それともいっそのこと家を買うべきか。
専門家でも意見が分かれるため、あなたが悩むのも仕方ありません。

たしかに、賃貸なら20年・30年を払い続けても家賃は掛け捨て。
しかし将来あなたの資産になりません。

一方、持ち家を買う場合は資産価値や維持費用が一長一短。
将来の景気変動により、価値が右肩下がりになっては逆に損することもありえます。

家賃12万や13万、10万以上を払うなら、本当に家を買うべきでしょうか?

この記事では、不動産業界18年のプロが『家賃12万13万はもったいない?10万以上の賃貸なら家を買うべき?』と題して徹底解説します。

毎月家賃10万円以上の支払いに不安を持っている方は、ぜひ参考にして下さい!

レオ教授レオ教授

今回の話、高所得者やお金持ちの人は参考にならん!
あくまで年収400~600万円ぐらいのサラリーマンをイメージしとるぞ!

この記事を執筆した専門家
西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)
西田 喜宣|クラウドハーツ・リアルエステート代表
不動産×住宅業界18年。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。ブログ116万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士
プロ18年プロ18年

家賃10万以上の賃貸はもったいないと考えるか、難しいテーマですね

レオ教授レオ教授

もちろん人それぞれじゃろうが、1つの考え方を話していくぞ!

家賃12万13万はもったいない?
10万以上の賃貸なら家を買う方がいい?

家賃12万13万はもったいない?10万以上の賃貸なら家を買う方がいい?

結論から言うと、
「家を買う方がいい」と考えます。

一般家庭で家賃10万円以上の掛け捨ては結構な負担ですからね。

レオ教授レオ教授

無駄とまでは言わんが、もったいないと考えていいじゃろう

ただし、冒頭でも少し触れたように、購入する家の資産価値や維持費用には左右されます。

  • 相場より割高な家
  • 繰り返し修繕が必要な家

など買う家を間違えると、「家賃10万以上でも結果賃貸の方が得だった(泣)」なんてことは普通にありえますからね。

世間はどうでしょう?

200名の人に「今、家賃10万以上払っているとして、家を買う?or買わない?」、この回答についてアンケートを取ってみました。

[アンケート結果]家賃10万以上なら家を買うor買わない

  • 家を買う:128人(64%)
  • 家は買わない:72人(36%)
※調査対象:200人・調査日:2020.12.14・調査方法:インターネット調査

結果、「家を買う」に軍配が上がりました。
家賃10万以上はさすがにもったいないと感じる人が多いようです。

さらに言えば、適正な価格で状態の良い家を買い、住宅ローンを早い段階で完済できればグッド。
老後の生活で住居費を気にすることも無くなるので、大きなメリットにもなります。

家賃12万13万…
10万以上はもったいないと考える理由[4つ]

家賃12万13万…10万以上はもったいないと考える理由[4つ]

家賃12万13万…10万以上はもったいないと考える理由は以下の4つです。

賃貸で家賃10万円なら年間120万円もの住居費。
特に何も考えずに毎月払い続けていたなら、この機会にぜひ考えてみて下さい。

高い家賃がもったいないと気付き、人によっては無駄な支出と思う人も多いでしょう。

では、家賃10万円以上の賃貸がもったいないと考える理由を1つずつ解説していきます。

理由1.家賃10万の賃貸に35年←総額で家が買える

賃貸をやめて家を買う

家賃10万以上はもったいない1つ目の理由は、
『家賃10万の賃貸に35年←総額で家が買える』からです。

例えば、現在30歳のサラリーマンが定年65歳の35年間、家賃10万・12万・13万をそれぞれ払い続けたとします。

35年間の家賃総額家賃10万×12ヶ月×35年=4,200万円
カエデ③

よ、4,200万…!?

リョウヘイ

これは驚きの数字ですね(汗)

もちろん賃貸なので、この4,200万円は掛け捨てです。

一方、35年返済の住宅ローンで4,200万円の「一戸建て」の家を買う場合はどうでしょう?

レオ教授レオ教授

賃貸と購入、表で比較した方がわかりやすいかの~

項目 賃貸 購入 備考
家賃総額 4,200万円 家賃10万×12ヶ月×35年
購入価格 4,200万円 住宅ローン借入額も同じ
住宅ローン(金利) 780万円 年利1.0%
諸費用 340万円 4,200万×8% ※概算
固定資産税 350万円 年平均10万×35年 ※概算
【小計】 4,200万円 5,670万円
資産価値 ▲1,980万円 ※予想売却価格
【合計】 4,200万円 3,690万円

このシミュレーションでは、将来土地が1,980万円で売却できると予想した場合、家賃10万で35年間賃貸に住み続けるより、家を買う方が「510万円」も負担が少ない計算になりました。

また、一般の住宅ローンには、団体信用生命保険が付帯されている点も見逃せません。
あなたに万一があった場合、その後の返済が無くなります。

残された家族への負担がなくなることに加え、家が資産としても残るので、とても手厚いです。

以上から、家賃10万を35年払うなら総額以内で家を買うことができるため、高い家賃はもったいないと考えます。

レオ教授レオ教授

ただし、マンションを買う場合は注意が必要じゃ
土地が残らん分、将来の売却価格が予想しづらいからの~

リョウヘイ

あくまで土地付の一戸建てを買う場合ですね

理由2.賃貸では「住宅ローン控除」が使えない

住宅ローン控除

家賃10万以上はもったいない2つ目の理由は、
『賃貸では「住宅ローン控除」が使えない』からです。

サラリーマン最大の節税とも言われる「住宅ローン控除」。
年末の住宅ローン残高1%を基準に年間最大40万円まで、支払った所得税等から10年間控除してくれる制度です。

実際の控除額は、新築or中古、借入金額にもよりますが、10年間の総額で考えると結構なメリットになります。

もちろん賃貸の場合には無縁のメリットです。
家賃10万円も払っているのに、税制優遇が全くないのはもったいないですね。

理由3.退職後に10万以上の家賃は負担が大きい

家賃10万以上はもったいない3つ目の理由は、
『退職後に10万以上の家賃は負担が大きい』からです。

家賃10万以上の賃貸住宅は、駅やスーパーに近く、利便性が高い物件が多いです。
退職後の老後生活こそ、快適で慣れた生活を送りたいと思うものです。

ただし、年金が中心の老後の暮らしで家賃10万円を支払っていけるでしょうか?

リョウヘイ

大半の人が難しいと思います

カエデ

家賃の低い賃貸へ移ればいいんじゃないの?

レオ教授レオ教授

住まいのレベルはなかなか落とせんもんじゃ

よって、将来を考えると、家賃10万円以上を毎月掛け捨てにするのはもったいないと考えます。

収入に余力のある若い内に、希望の立地で家を買う方がいい場合が多いですね。

一方で、今は賃貸でも「退職金で家を買う」という計画の方もいます。

ただ、希望通りの退職金が支払われるかは不確実ですし、むしろ老後の備えとして残しておくべき資金です。

以上から、退職後にも生活レベルを落とさず暮らしたいと考えるなら、賃貸で家賃10万円を掛け捨てにするのはもったいないですね。

理由4.自由にリフォームできない

リフォーム工事やDIY

家賃10万以上はもったいない最後の理由は、
『自由にリフォームできない』からです。

自由が制限される賃貸で、10万以上の高い家賃を支払い続けるのはもったいないと感じます。

10万以上の家賃を払う人は、平均的な生活レベルより上の人が多いと思います。
長年住んでいると、同じ設備や内装に不満を感じる人も多いでしょう。

「最新のキッチンやお風呂にしたい」
「和室をフローリングの洋室にしたい」
「好みの壁紙に貼り替えたい」

など、夢を膨らませても、自由にリフォームできないのが賃貸です。

10万円以上の高い家賃を支払っていても条件は同じ。
少しもったいないと感じます。


以上、家賃10万以上はもったいないと考える理由を解説しました。

リョウヘイ

正直、納得の理由ばかりでした

カエデ

長期目線で判断する大切さを感じたわ

とはいえ、焦って家を買うと後悔します。
最低限の注意点を次で解説します。

「家賃10万以上はもったいない!無駄だ!」←焦って家を買うと後悔

「家賃10万以上はもったいない!無駄だ!」←焦って家を買うと後悔

「家賃10万以上はもったいない!無駄だ!」という焦りから、安易な決断で家を買うのは禁物です。

カエデ

結局どっちなのよ!…って読者さん思ってるわよ

レオ教授レオ教授

順に解説するから待て待て!
慎重に購入せいという話じゃ!

早く現状を変えたいという気持ちはわかります。
ただ、冷静に考えて、数千万円もする人生で一番大きな買い物ですからね。

ここからは、焦って家を買うことで後悔しないように、最低限守っておきたい2つの注意点を解説します。

1.相場を知って検討する

まず、『相場を知って検討する』ことは大前提の注意点です。

「家賃10万がもったいない…」その焦りから、相場より割高な家を買わされては、取り返しのつかない後悔になるからです。

レオ教授レオ教授

家賃10万の賃貸と家を買うことを比較するならなおさらじゃ

だから、あなたが物件を探す希望の地域で、

「どんな物件がいくらで売りに出ているのか?」

SUUMO(スーモ)やHOME’S(ホームズ)などの住宅情報サイトを中心に、できるだけ多くの物件の特徴や価格を、時間をかけてチェックすることは必須です。

そうすれば、不動産会社から紹介される物件が「割高・適正・割安」かどうか、あなたなりに判断できるようになります。

資産価値の残る家を「適正または割安」で買うことができれば、将来大きな安心になりますからね。

2.簡単に買い替えできない

賃貸と違い『簡単に買い替えできない』ことが2つ目の注意点です。

「なんか治安が悪い…」
「駅まで遠く通勤が大変…」
「急に遠方への転勤辞令が…」
「子供が増えて手狭になった…」
「両親と同居することになった…」

こんな状況に直面した時、「よし!引っ越そう!」と短期間で住む家をコロコロ変えることはできません。

「家賃10万はもったいない…」その思いに至ったとしても、家を買うことだけは絶対に焦ってはいけません。

万一、売却せざるを得ないことになり、買い替えや賃貸に戻ってしまっては元も子もないですからね。
それこそもったいないですし、無駄になります。

家を買うことのメリットを充分に得るためにも、将来を見据えてしっかりと人生設計し、様々なリスクを想定しておくことが大事です。


以上、焦って家を買うことで後悔しないために、最低限守っておきたい2つの注意点を解説しました。

ところで、10万以上など高い家賃を承知で賃貸に住む人もたくさんいます。
どんな理由からそう決断しているのでしょうか?

これなら納得!あえて家賃10万以上払って賃貸に住む理由とは?

家賃10万の賃貸生活

一般家庭において、家賃10万円の賃貸はたしかに大きな負担。
冒頭のアンケート結果のように、もったいないと感じる人が大半です。

ただその逆、家賃10万円以上を毎月払い続けることに納得し、賃貸に住む人もたくさんいます。
例えば、下記3つの理由からです。

1.人気な立地でも手が届きやすい

あえて家賃10万円以上の賃貸に住むのは、
『人気な立地でも手が届きやすい』からです。

人気立地で家を買う場合、「えっ、そんなに高いの!?」と目に入った価格につい驚いてしまうことも多いです。

例えば、新築住宅を建てる目的で30坪の土地を探しているとします。
一般的に人気な立地での土地の坪単価は高く、仮に相場が「100万円/坪」とするとどうでしょう?

土地30坪×100万円=3,000万円

その上、建物は別ですから、誰もが気持ちよく購入できるとは言えません。

また、マンションも同様に高く、さらには管理費と修繕積立金もかかります。
住宅ローンに加えた支払いの大きさに、購入を断念する人も多いでしょう。

一方、賃貸の場合、家賃10万円以上払えば、人気立地でも結構物件が見つかります。

  • 大きな商業施設のある町
  • 環境かつ利便性の良い町
  • 駅に近くアクセスが良い町
  • 人気な小学校区の町

などの好立地でも手が届きやすいわけです。

どうしても人気の高いエリアに住みたい希望が強いのなら、10万円以上の家賃がもったいないとは思わないはずです。
生活の快適さが勝り、あえて高い家賃の賃貸を選ぶ1つの理由になるでしょう。

ただ、賃貸の場合は、「今」だけでなく、「退職後」の住居計画もしっかり描いておくべきです。

収入が安定している現役時代なら家賃10万円以上が問題なくても、退職後にはもちろん支払いが厳しくなるからです。

家賃10万円以上の賃貸のレベルに慣れていたら、住まいの質はなかなか落とせませんからね。
利便性の劣る地域に引っ越す決断はなかなかできないものです。

また、定年後に生活環境が変わるのは、大きなストレスとなるため要注意です。

人気な立地でも手が届きやすい賃貸ですが、早めに家を買って馴染みの町で暮らし続ける選択も検討の1つです。

2.急な転勤に備えられる

あえて家賃10万円以上の賃貸に住むのは、
『急な転勤に備えられる』からです。

日本全国、海外展開している会社に勤めていれば、「転勤」で居住地が変わるのは想定内のこと。
そのため、「賃貸での暮らしの方がいい」人も多いでしょう。

そして、住まいに希望を求めるのであれば、家賃10万円以上も致し方ありません。

もちろん転勤族であっても家を買う人はいます。
ただ、家の購入後に転勤が決まると、「家を売る」「家を貸す」「単身赴任をする」など、何かしらの判断を迫られるため注意。

レオ教授レオ教授

単身赴任の場合は、住宅ローンと転勤先の家賃が二重払いになる可能性もあるからの~

そのため、賃貸に暮らす人がやはり多いです。

賃貸なら、転勤辞令に合わせて、新しい地域で新しい賃貸を探せば良く、柔軟でフットワークも軽いですからね。

もちろん、家賃10万円以上はもったいないと感じる転勤族の方も少なくありません。
ただ、せっかくマイホームを買って住めないリスクも考えると、賃貸生活が最適かもしれませんね。

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3.会社からの住宅手当が手厚い

あえて家賃10万円以上の賃貸に住むのは、
『会社からの住宅手当が手厚い』からです。

2に紐づきますが、転勤の多い会社は、住宅手当も手厚いケースが多いです。

例えば、家賃10万円の内「半分は会社負担」、大企業であれば「7~8割を会社負担」など福利厚生がしっかり整った会社も見られます。

レオ教授レオ教授

これが一番納得の理由じゃ!
待遇のいい会社があるもんじゃの~

転勤が多い会社に限らず、住宅手当が手厚い場合は、そもそも家を買う方がもったいないと考えます。
家賃10万円以上の賃貸に格安で住めるわけですからね。

よっぽどの理由がなければ、お金を無駄にするようなものです。

よって、会社からの住宅手当が手厚い場合は、家を買う方がもったいないと考え、あえて家賃10万円以上の賃貸に住む大きな理由になります。

レオ教授レオ教授

ただし、住宅手当の規定が変わるリスクは考えておく必要があるの~


以上、あえて家賃10万円以上の賃貸に住む人の理由について解説しました。

リョウヘイ

これらの理由なら賃貸の方が良さそうですね

では最後に記事のまとめです。

まとめ

家賃10万の賃貸をやめて家を買う

今回の不動産とーくは『家賃12万13万はもったいない?10万以上の賃貸なら家を買うべき?』と題して、下記の項目を解説しました。

レオ教授レオ教授

参考になったかの~

家賃10万円以上でも賃貸に住み続けるべきか?
家を買う方がいいのか?

極論を言うと、人それぞれ。
住まいは、お金の損得だけで選ぶものではなく、生活の快適さも重視すべきだからです。

結果、家賃12万13万払わなければ、希望の生活が叶わないのであれば、それも正しい選択なのかもしれません。

注意点は周囲の声ですね。

「家賃10万にずっと住むなんてもったいない!絶対無駄に決まってる!」

こんな声を根拠なく鵜呑みにしてはいけません。
あなたやあなたの家族の価値観を大事にした上で、決断してほしいと思います。

ただ、今なんとなく家賃10万円以上を払い続けているのなら、一度を真剣に考えてみてはいかがでしょうか。

以上、『家賃12万13万はもったいない?10万以上の賃貸なら家を買うべき?』でした。

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