媒介契約とは?不動産売却時に結ぶ媒介契約の種類や手数料を解説!

「媒介契約ってなに?」
「媒介契約には種類がある?」
「媒介契約には手数料がかかるの?」

不動産取引において「売買契約」「賃貸契約」は耳にした事があっても、「媒介契約」は知らない方が多いです。
また、名前は聞いたことがある方でも、具体的にどんな契約なのか、詳細までは知らない方がほとんどかと思います。

そこで今回は、媒介契約の種類や手数料に触れ、また3種類ある媒介契約のメリット&デメリットなどを詳しく説明していきます。

本記事では、媒介契約の種類により活動内容が異なる「不動産売却の媒介契約」を中心に解説していきます。
不動産売却時は、どの媒介契約がおすすめなのかなどにも触れていますので、ぜひ最後までお付き合い下さい!

不動産の媒介契約とは?

媒介契約とは、戸建てやマンションなど不動産の売却・購入・賃貸借の仲介業務を、不動産業者へ依頼する際に必要な契約です。
不動産売却の場合は売却活動の開始時、購入の場合は売買契約時に締結することが多く、不動産業者が行う業務内容、手数料(報酬)の額や支払い時期などが記載されている重要書類です。

媒介契約の手数料はいつ発生する?

媒介契約の手数料とは、売買契約や賃貸契約の成立を受けて、はじめて発生する不動産業者への成功報酬です。
よって、媒介契約を締結しただけでは、手数料は発生しない点は覚えておくといいでしょう。

続いて、媒介契約にともなう手数料、いわゆる仲介手数料はいくらかかるのか?
それは、実際の売買価格によって異なり、下記の表のように計算されます。

売買価格の内、

200万円以下の金額 5%
200万円超〜400万円以下の金額 4%
400万円超の金額 3%
※別途消費税が必要です。

売買価格2,000万の物件の場合、
200万×5%+200万×4%+1,600万×3%=66万(税別)

部分部分で計算するのは面倒なので、下記の速算法を使うことがほとんどです。

売買金額が200万円超400万円以下 売買価格×4%+2万
売買金額が400万円超 売買価格×3%+6万
※別途消費税が必要です。

売買価格2,000万の物件に当てはめると、
2,000万×3%+6万=66万(税別)

同じ金額になります。
計算が簡略化され、間違いも少ないため、速算法の方が便利ですね。

また、大半の不動産は400万円超であることが多いので、基本的に「売買価格×3%+6万+消費税」を覚えておくといいと思います。

マスターマスター

つまり、売却活動が始まっても、あなたの不動産が売れなければ原則手数料は発生しないと考えて下さいね。

リョウヘイリョウヘイ

不動産の売却活動には、物件情報サイトへの掲載や折込広告などに費用がかかりますよね?
それでも売れなければ手数料はかからないんですか?

マスターマスター

はい、かかりません!
ただし、売却活動時の広告について、売主側がやり方を指定するなど、別段の取り決めがある場合は、この限りではありませんね。

カエデカエデ

この限りではない場合って?

マスターマスター

例をあげると、売主の希望で、
「広範囲にたくさんの広告を毎週まいてほしい」
「多数の物件情報サイトに登録してほしい」
「プロのデザイン会社で広告を作成してほしい」などの場合は、広告費用を請求されると思います。

カエデカエデ

なるほど、それはそうね。

売却活動を仲介業者が行ったとしても、不動産売買契約まで至らなければ費用を請求されることはありません。
これは、仲介業者の目線に立った場合、折込広告などの先行投資を行っても、売買契約に至らなければ、その費用は回収できないことを意味しています。

媒介契約のメリットデメリットを理解していただく上で、仲介手数料が発生するタイミングはとても重要ですので、しっかりと覚えておいてください。

不動産の媒介契約の種類は「3つ」!それぞれのメリット&デメリットは?

ここではまず媒介契約の種類をご紹介します。
媒介契約には一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類があります。
媒介契約の種類によって、仲介業者の売却活動の力の入れ具合が変わってきますので、それぞれの特徴を把握しておきましょう。

1.専属専任媒介契約

専属専任媒介契約は、3種類の媒介契約の中で売主への拘束力が一番強い契約です。

1つの仲介業者だけに売却活動を依頼する契約ですので、2社3社と複数の仲介業者に依頼することはできません。
また、売主が自分自身で買主を見つけたとしても、専属専任媒介契約を結んだ仲介業者を通じて売買しなくてはなりません。

一方で、専属専任媒介契約は売主への拘束力が強い分、仲介業者の方にも他の媒介契約に比べて厳しいルールが定められています。
専属専任媒介の場合、売却活動の依頼を受けた日の5営業日後までに、全国の仲介業者が売却情報を掲載するレインズというインターネットサイトに登録することが義務付けられています。
他の媒介契約に比べると登録までの期間が短く制限されており、早めに他の仲介業者へ情報を共有することが求められています。
また、媒介契約に基づく売却活動の報告を週1回以上の頻度で実施しなければなりません。

仲介業者にとっては、売買契約が成立すれば、必ず売主側の仲介手数料を受領できるため、売却活動に力を入れやすい媒介契約とも言えます。

専属専任媒介契約のメリットは?

  • 折込広告など先行投資となる売却活動を行いやすい
  • 売却活動のレポートを受け取る頻度が高い
  • 他社への情報共有スピードが早い

専属専任媒介は、売主の選択肢を少なくする分、仲介業者もしっかりと活動しなければならない媒介契約です。
売却情報の依頼を受けた仲介業者がそれを独占しないように、短い期間で情報公開をしなくてはなりません。

専属専任媒介契約のデメリットは?

  • 複数の仲介業者に依頼することができない
  • 売却情報を共有するまでの期間が短すぎる
  • 売却活動のレポート頻度が高過ぎる

売主にとって大きなデメリットはありませんが、仲介業者にとっては厳しいルールがデメリットになってしまいます。
後ほど詳しくご説明しますが、仲介業者が最初に考えたいのは仲介手数料を2倍受領できる両手契約です。
他社に情報を公開することで両手契約が難しくなってしまうので、レインズ登録までの期限が短いことは仲介業者の活動の足かせになる恐れもあります。

2.専任媒介契約

専任媒介は、専属専任媒介と名前が似ている通り、専属専任媒介のルールを少し緩和した媒介契約と考えて良いでしょう。
売却活動を依頼できる仲介業者は1社のみですが、売主が自分自身で買主を見つけた場合はこの仲介業者を通さずに売買契約を結ぶことができます。

売主への拘束力も少し緩和されている分、仲介業者に対しても同様に緩和されます。
レインズへの登録期限は売却活動の依頼を受けた日の7営業日以内となっており、売却活動の報告頻度も2週間に1回です。

売主が買主を見つけて自分自身で売買契約を結ぶケースは少ないため、仲介業者にとっては専任と専属専任に大きな差はありません。
専任媒介の方がレインズの登録期限が長く、活動報告の頻度も少ないため、こちらを売主に進める仲介業者も多いようです。

専任媒介契約のメリットは?

  • 折込広告など先行投資となる売却活動を行いやすい
  • 他の仲介業者へ売却情報を公開しなければならない義務がある
  • 窓口が一本化される

後ほどご説明しますが、一般媒介ではレインズへの登録義務がありません。
そのため、他の仲介業者へ情報を公開するか否かは売却依頼を受けた仲介業者に委ねられています。
専任媒介では、レインズへの登録義務がありますので、売却情報が必ず他の仲介業者に伝わります。
他社の購入検討者へも情報が行き渡るので、良い購入希望者が見つかりやすいでしょう。
また、一般媒介の場合は窓口が複数になりますので、内覧予定の調整などを自分自身で行う必要があります。
専任媒介では窓口が一本ですので、依頼した仲介業者で内覧希望などを調整していただけます。

専任媒介契約のデメリットは?

  • 複数の仲介業者に依頼ができない
  • 依頼した仲介業者の力量に左右される

専任媒介と専属専任媒介のデメリットは大きく変わりません。
一番の懸案は1社しか売却活動を依頼することができず、依頼した仲介業者の力量によって上手く売却できるかが左右されることです。

3.一般媒介契約

一般媒介は、他2つの媒介と違い、複数業者に売却活動を依頼することができます。
もちろん売主自身で買主を見つけて売買契約を結ぶこともできます。

一番拘束力が弱い形態ですので、仲介業者に対するルールも厳しくありません。
他業者へ情報を公開するレインズへの登録は義務付けられておらず、売却活動の報告義務もありません。

複数の仲介業者に依頼して、良い購入希望者を見つけた仲介業者に対して仲介手数料を払いますという姿勢です。

一般媒介契約のメリットは?

・複数の仲介業者を競わせることができる

複数の仲介業者に売却活動を競わせることができるのは一般媒介だけです。
競わせることで仲介業者が精力的に活動する環境が整えることができれば、一般媒介を選択するメリットが生まれます。

一般媒介契約のデメリットは?

  • 仲介業者が精力的に活動しない場合がある
  • 内見希望日時のとりまとめを売主が行う必要がある
  • 価格変更のアドバイスなどが少ない

仲介業者は企業として仲介手数料を得ることが目的です。
一般媒介では、他社で売買契約が決まった場合、仲介手数料を得ることができないため、売れるかどうか分からない状況では、競わせる目的であった複数の仲介業者が精力的に動かないことがあります。
また、内見希望日時などの諸連絡が各社から届きますので、その取りまとめや調整は自分自身で行う必要があります。
そして、一番のデメリットは売却活動が上手くいかないときの原因を自分で考えなければならないことです。
窓口が複数社に分かれているため、内見数の集計やどの購入検討者がどのくらい検討しているのかという情報をまとめるのは売主しかおらず、自分自身での判断が強く求められます。

不動産の媒介契約の注意点は?「専属・専任・一般」どれがおすすめなの?

3種類の媒介契約には各々メリットとデメリットがありますので、一概には言えませんが、仲介業者の目線も考慮して考えていきますと、専任媒介が一番おすすめできる契約形態です。
売主の一番の願いは、売却する不動産が高く早く売れることでしょう。
それには、実際に売却活動を行う仲介業者が意欲的に活動できる環境を整えることが重要です。

一般媒介の場合、売却活動を複数の仲介業者に依頼することができます。
売却活動の依頼を受けたA社が購入希望者を見つけるために折込広告を実施して15万円の費用を先行投資したとします。
しかしながら、残念なことに同じく一般媒介で売却活動の依頼を受けたB社のホームページに問合せがあった方がその物件を気に入り、売買契約に至ったとしましょう。
この場合、A社は15万円の先行投資を回収することはできず、B社が仲介手数料を受け取ることになります。
この事例のように、一般媒介は仲介業者にとって折込広告やポスティングなど先行投資が必要になる売却活動を実施しにくいというデメリットがあります。
売主は、売却活動を依頼した仲介業者が競い合うことによって良い購入希望者が見つかることを望んで一般媒介を選択すると思いますが、それが裏目となってしまい、仲介業者としては、精力的に動きにくい環境を作ってしまうのです。

これまでの一般媒介のデメリットを読むと、仲介業者への依存度が一番高い専属専任媒介が良いのではと感じるかもしれません。
ですが、実際には専属選任ほど縛りの強い契約形態を仲介業者としては望んでいないことの方が多いのです。
なぜならば、日本全国の仲介業者に売却情報が共有されるレインズへの登録期限が短いからです。
仲介業者にとって一番魅力的な売買契約とは、売主と買主の両方の仲介をして、両方から仲介手数料が得られる、両手と呼ばれる売買契約です。
3,000万円が売買価格の場合、売主が仲介業者へ支払う仲介手数料は、上限で96万円(税別)です。
もしこの売買契約の買主を自社で見つけることができた場合、仲介業者は買主側からも仲介手数料をもらうことができるため、1つの売買契約で2倍の192万円(税別)を受け取ることができます。
仲介業者にとっては、1つの売買契約によってできるだけ多くの仲介手数料を得られる方が魅力的です。
レインズへの登録期限が短いということは、早めに他の仲介業者へ売却情報を公開しなければならないことを意味します。
できるだけ両手で売買契約を結びたい仲介業者にとって、これが足かせになりやすいのです。
また、週1回以上の媒介活動報告は、売主にとって魅力的な反面、仲介業者にとってはその分労力を割く事務作業になります。
内見希望などがあれば、その都度予定確認などで連絡を取り合うことになりますので、実際には週1回程度の連絡を取り合うことは多く、そのときに活動状況を知ることはできますので、この媒介活動報告は実質的な事務作業となり、無駄な労力になります。

専任媒介は、仲介業者にとって、一般媒介と比較すると売却活動が1社のみに限定されるメリットがあり、専属専任媒介と比較するとレインズへの登録期限が長く、両手契約を狙いやすいというメリットがあります。
専任媒介と専属専任媒介の違いとして、売主が買主を直接見つけることができるという点がありますが、実際には売主が買主を見つけたとしても、売買契約書の作成や条件面の調整、住宅ローンの手配などの実務を行うのは難しく、仲介業者の仲介が必要になります。

良い購入希望者を見つけるという売主の希望を叶えるためには、仲介業者に精力的に活動してもらう必要があります。
仲介業者の目線で考えたとき、一番動きやすい専任媒介が一番おすすめできる契約形態です。

媒介契約書とは?仲介業者とどんな書面を締結するの?

これまで媒介契約の種類、メリットやデメリットをご説明してきました。
ここでは仲介業者と締結する媒介契約書とは実際にどのような書面なのか、概要をご説明いたします。

はじめに記載されているのは「成約に向けての義務」として、仲介業者が成約に向けて行うべき活動内容が記されています。
成約に向けて積極的に努力することはもちろん、売却活動状況の報告頻度やレインズへn登録期日などが記載内容です。

続いて、「媒介に係る業務」として、宅地建物取引士の資格を持つ者が重要事項説明や売買契約に携わることが記されています。
また、ここで重要なのは、登記や引き渡し決済までの補助を媒介業務として定めている点です。
良い買主を見つけて売買契約を締結したら終わりではなく、最後まで見届けるのが媒介業務です。

この他、「違約金」や「有効期間」、「約定報酬額と受領の時期」などが項目としてあります。
有効期間は最長で3ヶ月間とされており、有効期間内で売買契約に至らなければ、改めて媒介契約を締結する必要があります。

媒介契約書の詳細につきましては、以下のサイトをご参照ください。
媒介契約はどのような売却活動をするのかという基本方針になりますので、売主としてもしっかりと理解しておくことをおすすめします。

まとめ

媒介契約は売却活動をスタートさせるときの手続きです。
不動産に同じものはありませんので、全く同じ事例は無く、その売却活動が成功であるかは売主の気持ち次第といっても良いでしょう。
すぐに売れれば「もっと高く売れたかも」と思うかもしれませんし、値下げ後に売れれば「別の仲介業者なら上手く売れたかも」と思うかもしれません。
このように気持ちにならないようにするには、媒介契約を締結するまでに複数の仲介業者の提案を受けて、「この仲介業者なら信頼できる」という気持ちになることが大切です。
そして、このような気持ちで売却活動を依頼するなら信頼する仲介業者が動きやすい専任媒介を選ぶことをおすすめします。

以上、『媒介契約とは?不動産売却時に結ぶ媒介契約の種類や手数料を解説!』でした。