「維持費もかかるし、誰も住んでいないのに」
「近所に迷惑かけてないか、いつも不安」
親の介護や相続をきっかけに実家を引き継ぎ、実家の管理が大変だと感じている方は、想像以上に多くいます。
遠方に住んでいたり、仕事との両立が難しかったりすれば、その負担はなおさら大きくなるでしょう。
ただ、空き家の管理が大変な状態をそのままにしておくと、固定資産税や修繕費といった支出だけが積み重なり、気づかないうちに大きな負担になっているケースもあります。
この記事では、不動産×住宅業界のプロが『【体験談】実家・空き家の管理が大変…榎本さんが年間34万円で限界』と題して紹介します。
実際に管理の限界から売却を決断した方の体験談や、今の状況を客観的に判断できる基準まで、具体的な判断材料をまとめました。
今抱えている負担を少しでも軽くするお手伝いができれば嬉しく思います。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)

-
不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士

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【この記事の取材・確認方法】
この記事は、実体験者への取材・ヒアリング内容をもとに作成しました。不動産の種類や住まいの状況、当時の悩み、検討した選択肢、実際に取った行動、その後の暮らしの変化などを確認したうえで、個人が特定されないよう一部情報を調整。実務・専門的な判断を要する箇所は、不動産コンサルタントの執筆者・西田が補足。※体験談は個別事情に基づく内容であり、同じ結果を保証するものではありません。
【体験談】実家の管理が大変…年間34万円の負担と限界の末に売却判断

早速、実家の管理が大変で限界を迎え、売却という決断にいたった榎本さんにお話を伺います。
- 榎本さん(仮名)

-
【年齢】54歳【居住地】神奈川県
横浜市在住の会社員。父の施設入所と母の転居をきっかけに、栃木県にある築43年の木造二階建てを引き継いだ。月1回、片道約2時間半かけて通い、換気や郵便物の回収、雨漏り跡の確認などを続けていたが、夏場の雑草や庭木の手入れ、台風後の建物確認が大きな負担に。固定資産税や火災保険、作業費、交通費などで年間34万円ほどかかり、父母や妹と何度も話し合った末に不動産会社3社へ相談。査定額だけでなく、古家付き土地として売れるか、解体費や残置物の整理まで比較し、最終的に現況渡しで売却を終えた。
プロ20年 榎本さん、本日は貴重な
お時間をいただき
ありがとうございます
榎本さん こちらこそ、同じように
実家の管理で悩んでいる方の
参考になれば嬉しいです
横浜市内で会社員として働く榎本さんは、ご家族の事情をきっかけに栃木県にある実家を引き継ぎました。
慣れない空き家の管理にどう向き合い、何が決断の後押しになったのか、詳しくお聞きしていきます。
- 実家の管理を引き継いだきっかけは?
- 月1回の実家管理で大変だった作業は?
- 空き家の管理で、近隣トラブルが不安になった場面は?
- 固定資産税や維持費は年間いくらかかった?
- 「もう家の管理は限界」と感じた決定打は?
- 査定前に家族で何を話し合った?
- 3社の査定で、金額以外に何を比べた?
- 空き家・実家の管理が大変な人へ伝えたい判断基準は?
それでは、実家を引き継ぐことになった経緯から順番にお聞きしていきましょう。
実家の管理を引き継いだきっかけは?
プロ20年 まず、実家の管理を
引き継ぐことになった経緯を
教えてください
榎本さん 父が要介護3になって
介護付き有料老人ホームへ
入ることになったんです
少し間を置いて、榎本さんはそのときの状況を振り返ります。
母も腰を痛めてしまい、埼玉県に住む妹夫婦のもとへ身を寄せることになったため、栃木県にある築43年の木造二階建ての家には誰も住まなくなりました。
プロ20年 ご兄弟の中で、なぜ
榎本さんが管理を
引き継ぐことになったんですか?
榎本さん 妹は母と一緒に暮らすことになり
動きやすいのが私だけだったので
自然と私の担当になりました
横浜から栃木までは片道2時間半ほどかかる距離です。
プロ20年 それだけ離れていると
通うこと自体が
かなりの負担になりますよね
他に管理できる家族がいなかったため、仕事を続けながら実家の管理を引き継ぐことになったそうです。
何から手をつければいいのか分からないまま、月1回の通いが始まったといいます。
月1回の実家管理で大変だった作業は?
プロ20年 月1回の訪問では
具体的にどんな作業を
していたんですか?
榎本さん 窓を開けて空気を入れ替えて
郵便物を回収するのが
まず基本でした
榎本さんが毎回欠かさず行っていた作業は、次の通りです。
- 窓を開けて空気を入れ替える
- 郵便物を回収する
- 雨漏りの跡がないか確認する
- ブレーカーと水道の元栓を点検する
- 庭の草刈りと庭木の剪定をする
プロ20年 これを月1回で
こなすのは、なかなか
体力も時間も使いますね
特に夏場は雑草が1カ月でひざ丈まで伸びてしまい、月1回の訪問だけでは追いつかなくなったそうです。
榎本さん さすがに自分だけでは
無理だと思って、シルバー人材
センターに頼むようにしました
草刈りと低木の剪定、落ち葉の掃除を年4回依頼することで、なんとか実家の管理を維持していたといいます。
空き家の管理で、近隣トラブルが不安になった場面は?
榎本さんが最も気を遣っていたのは、自分自身の不便さよりも、近隣への迷惑につながらないかという点でした。
榎本さん 空き家って、何かあったら
すぐ近所に迷惑をかけて
しまう気がして怖かったです
実際に不安を感じた場面を整理してもらうと、次のような出来事があったそうです。
| 放置すると心配だったこと | 実際にあった出来事 |
|---|---|
| 庭木の枝が伸びる | 枝が道路側まで伸びて、通行の支障になりかけた |
| 雨どいの劣化 | 台風の翌週、隣家から「外れかけている」と連絡があった |
| 落ち葉の蓄積 | 隣の敷地に飛び込んでしまい、掃除を頼まれることがあった |
プロ20年 台風の後に連絡が
来たときは、すぐに
対応できましたか?
榎本さん 平日でしたが、有休を取って
その日のうちに栃木へ
向かいました
平日に有休を使ってでも、すぐに対応しなければならないのが、空き家の管理ならではの難しさだと語ります。
固定資産税や維持費は年間いくらかかった?
プロ20年 維持費の面では、
年間でどのくらい
かかっていましたか?
榎本さん 誰も住んでいないのに
これだけお金が出ていくのは
正直つらかったです
榎本さんに、誰も住んでいない実家にかかった年間の費用を教えてもらいました。
中でも大きな割合を占めていたのが、月1回の訪問にかかる交通費だったそうです。
| 項目 | 年間の目安 |
|---|---|
| 固定資産税 | 9万6,000円 |
| 火災保険 | 2万円 |
| 電気代 | 1万8,000円 |
| 水道基本料 | 1万2,000円 |
| シルバー人材センターへの作業費 | 6万円 |
| 交通費 | 13万4,000円 |
合計すると、年間で34万円ほどが、誰も住んでいない家のために出ていく状況になっていたそうです。
プロ20年 空き家でも税金や
保険料はかかり続けます
からね
「もう家の管理は限界」と感じた決定打は?
プロ20年 管理を続けてきた中で
「もう限界」と感じた瞬間は
いつでしたか?
榎本さん 台風対応で有休を使った
翌週に、また別の修繕の
連絡が入ったときです
仕事と実家の管理を両立させてきた榎本さんですが、立て続けに対応を求められたことで、心が折れてしまったといいます。
プロ20年 管理疲れは積み重なると
ある日突然限界がくる
ケースが多いですね
使った時間やお金に対して、得られるものが何もないと気づいた瞬間でもあったそうです。
榎本さん このままだと自分の生活も
おかしくなってしまうと
本気で思いました
査定前に家族で何を話し合った?
プロ20年 売却を考え始めてから、
ご家族とはどんな話を
されましたか?
榎本さん 父も母も思い出のある家
なので、なかなか踏み込んだ
話ができませんでした
思い出のある家を手放すかどうかという話は、簡単には進められなかったといいます。
それでも、今後のことを決めるために、家族で次のような点を話し合ったそうです。
- いつまで実家を残すのか
- 今後、誰が様子を見に行くのか
- 修繕が必要になったら誰が費用を負担するのか
- 思い出のある家をどう気持ちの上で整理するか
プロ20年 家族間でこうした話を
早めにしておくことは
とても大切ですね
家族全員が納得できる形で話し合いを重ねたことが、後の判断にもつながったそうです。
榎本さん 話し合いを重ねるうちに
気持ちの面でも
納得できるようになりました
3社の査定で、金額以外に何を比べた?
プロ20年 査定額は、どのように
確認したんですか?
榎本さん 不動産の一括査定サイトで
3社にまとめて依頼しました
一度の入力で済むから
忙しくても助かりましたね
3社から提示された内容を、榎本さんに振り返ってもらいました。
| A社 | B社 | C社 | |
|---|---|---|---|
| 査定額 | 680万円 | 750万円 | 720万円 |
| 提案内容 | 古家付き土地(現況渡し)として売却。解体費は買主負担を想定 | 解体して更地で売却。解体費約120万円が必要 | 現況のまま「現況渡し」で売却。残置物の扱いも交渉可能 |
| 査定額の根拠 | 周辺の土地相場と建物の老朽化を踏まえた価格 | 更地のほうが需要を見込めるという判断 | 空き家を活用したい層からの需要があるという分析 |
同じ家でも、会社によって提案の方向性がまったく違うと、榎本さんは実感したそうです。
プロ20年 3社で提案が
ここまで変わるのは
空き家の売却ではよくありますね
榎本さん 解体費を差し引かれるより
今のまま引き渡せる
C社の案が現実的でした
残置物の整理や解体費の負担を考えると、現況渡しでの売却が一番無理のない選択だったといいます。
なお、複数社の比較なら、全国約2,500社が集まる日本最大級の『HOME4U一括査定(無料)』が便利です。
約1分で最大6社にまとめて依頼でき、「実際に売るかどうか」を決める前に相場をしっかり把握できます。
※面積はおおよそで大丈夫です
※査定後に売るかどうかは自由
最終的に、査定額720万円に対して、成約額は698万円ほどに。売却活動を始めてから契約まで、4カ月ほどかかったそうです。
プロ20年 査定額と成約額に差が出るのは
よくあることなので
焦らず進められたのは良かったですね
榎本さん 査定額より少し下がりましたが
納得できる金額で
手放すことができました
空き家・実家の管理が大変な人へ伝えたい判断基準は?
プロ20年 同じように実家や空き家の
管理に悩んでいる方へ、
判断基準があれば教えてください
榎本さん 管理にかかる時間とお金を
一度きちんと計算してみる
ことをお勧めします
榎本さんが、実体験から大切だと感じた判断基準は、次の通りです。
感情だけでなく、数字で実態を把握することが、後悔のない判断につながると榎本さんは話します。
- 年間の維持費と移動の手間を数字で把握する
- 家族で「いつまで残すか」を話し合う
- 修繕が必要になった場合の負担者を決めておく
- 査定だけでも複数社に依頼してみる
プロ20年 数字と気持ちの両面から
整理することが
大切なんですね
榎本さん 今は週末に栃木へ向かう
予定を考えなくて済むので
本当に楽になりました
ずっと背負っていた荷物を下ろせたような気持ちで、毎日を過ごせていると榎本さんは話します。
以上、実家の管理が大変で限界を迎え、年間34万円の負担と向き合った末に売却を決断した榎本さんの貴重な体験談を、インタビュー形式で紹介しました。
榎本さんも経験したように、実家や空き家を「いつまで残すか」という話は、家族だけで結論を出しにくいものです。
そんなときは、複数の不動産会社から査定を取って比べてみると、今の家がどれくらいの価値で、どんな売り方ができるのかが具体的に見えてきます。
プロ20年 査定は依頼した時点で
契約する必要はないので
情報収集として気軽に
利用して大丈夫ですよ
榎本さんも、3社の査定を比べたことで、現況渡しという無理のない選択にたどり着いた一人です。
今の負担を数字で把握することが、後悔のない判断への第一歩になると思います。
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【現状チェック】実家・空き家の管理が大変なら確認したい6つの判断材料
家の管理が大変だと感じても、負担感だけで「残す・手放す」を決める必要はありません。
榎本さんも、片道約2時間半の移動や年間34万円ほどの維持費だけでなく、外部へ頼んでも残る作業、近隣への影響、家族の意向、売却条件まで整理しながら答えを出しました。
プロ20年 同じ空き家でも
距離や家の状態で
管理の重さは
かなり変わります
大切なのは榎本さんと同じ結論を選ぶことではなく、自分には何が確認できていて、何がまだ分からないのかを整理することです。
以下の□は「問題があるか」を数えるものではなく、判断に必要な情報を確認できた項目へチェックを付けるために使ってください。
チェックが付かなかった項目は、今後の判断に必要な情報がまだ不足している可能性がある部分として見ていきましょう。
実家へ通う時間と管理作業の負担を具体的に把握できていますか?
空き家の管理負担は、現地で作業する時間だけでなく、往復の移動や予定を空ける時間まで含めて考えることが大切です。
榎本さんは横浜から栃木まで片道約2時間半をかけて月1回通い、換気や郵便物の回収、雨漏り跡、ブレーカー、水道、庭などを確認していました。
プロ20年 月1回と聞くと
少なく感じますが
遠方の場合は移動も
大きな負担になります
実家が近く短時間で管理できる場合と、仕事や休日を調整して遠方まで通う場合では、同じ管理内容でも負担は変わります。
訪問頻度だけを見るのではなく、今の管理を無理なく続けられる時間があるかまで確認しておきたいところです。
税金・保険・交通費・外注費を含む年間維持費を把握できていますか?
誰も住んでいない家でも、固定資産税だけでなく、保険や水道・電気、管理のための移動などにお金がかかります。
榎本さんの場合は、固定資産税9万6,000円、火災保険2万円、電気・水道3万円、外部への作業費6万円、交通費13万4,000円で、年間約34万円の負担になっていました。
プロ20年 税金だけを見ると
実際の負担を
小さく見積もりやすい
ところなんです
家の距離や管理方法によって必要なお金は異なるため、榎本さんの34万円を基準にする必要はありません。
あなたの場合に1年間で実際にいくら出ているのかを整理できれば、管理を続ける場合の負担をより現実的に考えられます。
緊急対応や近隣への影響まで含め、今の管理体制で対応できるか確認していますか?
定期的に様子を見ていても、空き家では予定外の対応が必要になることがあります。
榎本さんの実家では、枝が道路側まで伸びたり、落ち葉が隣地へ飛んだりしたほか、台風後には外れかけた雨どいについて隣家から連絡がありました。
プロ20年 普段の管理だけでなく
何か起きたときに
動けるかどうかも
大事な確認点ですね
その際は平日に有休を取り、その日のうちに栃木へ向かったため、急な対応が仕事や日常生活へ影響する状態になっていました。
近隣への影響が出そうな場所と、連絡を受けたときに誰が対応できるのかまで確認すると、今の管理体制を続けられるか考えやすくなります。
外部に任せられる作業と自分が担う作業を整理できていますか?
家の管理が大変でも、一部を外部へ任せることで負担を減らせる場合があります。
榎本さんも、自分だけでは難しくなった草刈りや低木の剪定、落ち葉の掃除を年4回シルバー人材センターへ依頼していました。
プロ20年 全部を自分で
抱える必要はありませんが
任せたあとに何が残るかも
見ておきたいですね
一方で、換気や建物の確認、台風後の対応などは残ったため、外部へ頼んだだけで管理負担がなくなったわけではありません。
外部へ任せた後も自分や家族に残る作業まで整理し、それなら今後も続けられるのかを考えてみてください。
家族で「いつまで残すか」と管理・修繕の負担者を話し合えていますか?
実家には家族それぞれの思い出があるため、管理が大変という理由だけでは方向性を決めにくいこともあります。
榎本さんのご家族もすぐに売却を決めたのではなく、家を残す期間や今後の負担について何度も話し合いました。
- いつまで実家を残すのかを話す
- 今後、誰が様子を見に行くのかを決める
- 修繕が必要になった場合の負担者を決める
- 思い出のある家をどう気持ちの上で整理するかを話す
プロ20年 残す場合にも
手放す場合にも
家族の気持ちと役割を
分けて考えると整理しやすいです
話し合いを重ねたことで、ご家族全員が納得できる形へ進み、榎本さん自身も気持ちを整理できたそうです。
誰か1人が管理を背負い続ける状態になっていないかも含め、家族それぞれの考えを確認しておきたいですね。
売却する場合の価格だけでなく、解体・残置物・引き渡し条件まで比較できていますか?
家を手放す可能性があるなら、査定額だけを見るのではなく、売るために自分が負担する費用や手間まで含めて比較する必要があります。
榎本さんが相談した3社では査定額が680万円、750万円、720万円と異なり、最高額の750万円を提示した案では約120万円の解体費が必要でした。
プロ20年 査定額が高くても
売るまでの負担まで含めると
選び方が変わることは
珍しくありません
榎本さんは、解体せず現況のまま売り、残置物の扱いも相談できる720万円の提案を現実的と判断し、最終的には698万円で約4カ月後に契約しています。
あなたの場合も、価格だけでなく解体や家財整理、引き渡し時の条件まで確認してから比べると、管理を続ける場合との違いが見えやすくなります。
- 管理を続けるなら、時間・年間維持費・緊急対応・外部へ任せた後の負担を確認する
- 家を残すか迷っているなら、家族の意向や今後の役割を整理する
- 手放す選択肢も考えるなら、価格だけでなく売却時の費用や条件も確認する
- 未確認の中でも、今の生活や近隣への影響が大きい項目から情報を揃える
必要な情報が揃ってから「管理を続ける場合」と「手放す場合」を比べれば、家の管理が大変という気持ちだけに左右されず、自分と家族に合った選択を考えやすくなります。
どこに査定を頼めばいいのか迷い、1社の金額だけで決めてしまう方は少なくありません。実際、3社以上に査定を出した612名の約75%が「最高値と最低値に100万円以上の差があった」と回答しています。複数社の比較に役立つプロ厳選の一括査定サイトを知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
「不動産査定はどこに頼めばいいの?」 「1社だけでは損するって聞いたけど?」 「まだ売るか決めていない…査定していい?」 いざ売却を考え始めたけど、こうした不安を抱えていませんか? 結論、不動産査定で大切なのは、「どの1 …
【プロが分析】家の管理が大変だった榎本さんの現況渡しを決めた3つの理由
榎本さんは、築43年の実家に片道約2時間半かけて通い、年間約34万円の維持・管理負担を抱えた末に売却へ動きました。
注目したいのは、単に査定額が高い会社を選ばず、解体費や残置物まで含めて売り方を比較したことです。
プロ20年 空き家の売却では
査定額の数字だけでなく
売るまでの負担まで
見る必要がありますね
- 査定額30万円の差より解体費約120万円の先行負担が重かった
- 「高く売る」より管理を早く終える目的と現況渡しが合っていた
- 現況渡しでも不具合と残置物の扱いは契約前に詰める必要がある
榎本さんが現況渡しを選んだ流れを整理すると、家の管理が大変な方が売却方法を考えるときに見落としやすい部分が見えてきます。
査定額30万円の差より解体費約120万円の先行負担が重かった
榎本さんが受けた査定では、解体更地渡しを提案したB社が750万円、現況渡しを提案したC社が720万円で、査定額だけならB社が30万円高い結果でした。
ただ、B社の案では売主側で約120万円の解体費を負担する想定だったため、750万円という数字だけを見て有利とは判断できません。
プロ20年 査定額が高くても
その金額で売れる保証はなく
売却前の支出まで含めて
考えることが大切ですね
実際、C社の査定額720万円に対して成約額は698万円だったため、査定額と最終的な売却価格が一致するとは限らないことも、このケースからわかります。
| B社 | C社 | |
|---|---|---|
| 査定額 | 750万円 | 720万円 |
| 売却方法 | 解体して更地で売却 | 現況のまま売却 |
| 売却前の主な負担 | 解体費約120万円 | 先に解体する必要なし |
| 残置物 | 記事内に記載なし | 扱いを買主と交渉可能 |
ここで「750万円-120万円」と単純計算して売却方法の優劣を決めるのも適切ではありませんが、榎本さんにとって解体費を先に出さずに売却へ進めることは大きな判断材料になったと考えられます。
一方、解体後の土地需要が高く、費用をかけても売却条件の改善が十分に期待できる土地なら、解体更地渡しが有力になる場合もあるため、査定額だけではなく「その価格になる根拠」まで比べることが重要です。
「高く売る」より管理を早く終える目的と現況渡しが合っていた
榎本さんは、月1回の訪問だけでも片道約2時間半かかり、草刈りなどは年4回シルバー人材センターへ依頼していました。
さらに、台風後には雨どいの異常を知らせる連絡を受け、平日に有休を取って栃木まで向かった経験もあり、お金だけでは測れない時間と仕事への負担まで生じています。
その翌週にも別の修繕連絡が入り、「このままだと自分の生活もおかしくなってしまう」と感じたことが、売却へ動く大きなきっかけでした。
プロ20年 このケースでは
売却価格だけでなく
管理から離れられることも
大きな価値だったんですね
つまり、榎本さんにとっての目的は、土地から少しでも高い金額を引き出すことだけではなく、終わりの見えない実家管理を区切ることにもあったと考えられます。
現況渡しなら解体工事という新しい作業を増やさずに売却活動へ進めるため、すでに管理疲れが限界に近かった榎本さんの状況とは相性のよい方法でした。
とはいえ、現況渡しならすぐ売れるわけではなく、榎本さんも売却活動の開始から契約まで約4カ月かかっています。
何を優先して売却方法を選ぶかはとても重要で、近くに管理できる家族がいて時間にも資金にも余裕があるケースなら、解体更地渡しを含めて時間をかけた売却を考える余地もあるでしょう。
現況渡しでも不具合と残置物の扱いは契約前に詰める必要がある
現況渡しは「今の状態で売る」という意味ですが、何も説明せず、そのまま渡せばよい売却方法ではありません。
榎本さんは管理中に雨漏り跡を確認しており、台風後には雨どいが外れかけていると隣家から連絡を受けています。
また、C社からは残置物についても交渉できる提案を受けていましたが、残してよい物の範囲は買主との合意次第です。
- 把握している雨漏り跡や建物の不具合を正確に伝える
- 残置物を残す範囲と撤去する範囲を決める
- 契約不適合責任の範囲や引き渡し条件を契約書で明確にする
プロ20年 現況渡しほど
「どこまでそのままか」を
契約前に具体化しておくと
トラブルを防ぎやすいですね
築年数が古い家では、売主も気づいていない劣化が隠れている可能性があるため、現況渡しという言葉だけで安心しないことが後悔を避けるうえで大切です。
その一方で、把握している状態を伝えたうえで買主と条件を整理できれば、榎本さんのように解体や残置物処分の負担を抑えながら売却できる可能性があります。
以上、家の管理が大変だった榎本さんの実体験から、現況渡しという判断を支えた3つの理由を専門家視点で解説しました。
「実家、どうすればいいのかまったく見当もつかない」 「費用がかかるのはわかるけど、総額がこわくて調べられない」 「売却したいけど、古い家でも本当に売れるのかな…」 親が亡くなったり、介護施設への入居が決まったりして、突然 …
まとめ:実家の管理が大変で限界なら、費用と負担を見える化しよう
今回の不動産とーくは『【体験談】実家・空き家の管理が大変…榎本さんが年間34万円で限界』と題して解説しました。
プロ20年 実家や空き家の管理について
気になっていた疑問は
解決できましたか?
実家や空き家の管理が大変だと感じる気持ちは、決して特別なものではありません。
同じように悩みながらも、一歩を踏み出せずにいる方は少なくないはずです。
- 管理にかかる時間とお金を、一度数字で書き出してみる
- 家族で「いつまで残すか」を話し合う機会をつくる
- 売却するかどうかは、査定を取ってから判断する
こうした小さな一歩が、感情だけに頼らない判断につながります。
業界歴20年以上「不動産コンサル西田」のアドバイス
ここまで読んでいただいた方に、最後にもう1つだけお伝えしたいことがあります。
実は、空き家を放置したまま老朽化が進むと、自治体から「特定空き家」に指定され、解体していなくても固定資産税の住宅用地の軽減が外れてしまうケースがあります。
プロ20年 管理が大変だと
感じている段階で
早めに方針を整理することが
大切なんです
つまり、迷っている間にも、状況は静かに悪化していく可能性があるということです。
今すぐ売却を決める必要はありませんが、家の状態と今後の方針を一度整理しておくことが、将来の負担を抑える一番の近道になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
実家や空き家とどう向き合うかに、決まった正解はありません。
ご自身とご家族にとって納得できる形を、今日から少しずつ探していってもらえたら嬉しいです。
以上『【体験談】実家・空き家の管理が大変…榎本さんが年間34万円で限界』でした。
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)

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不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
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実家じまいは、相続の手続き・家族との話し合い・家財の片付け・不動産会社選びなど、やるべきことが同時に押し寄せる大変な作業です。何から始めればいいのか迷っている方は、下記の記事を参考にしてください。
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