【体験談】賃貸の方がよかった…松永さんが5年で持ち家を手放した理由
「持ち家を買ったけど、正直しんどい…」
「こんなに縛られるなら賃貸のままでよかった」
「売りたいけど、ローンが残ってるし無理かな」

そんな気持ちを抱えながら、毎日をやり過ごしている方は、実は少なくありません。

家を買ったこと自体を後悔しているわけじゃない。でも、今の暮らし方には合っていない気がする。そのもやもやした感覚、なかなか人には話しにくいですよね。

持ち家から賃貸への住み替えは「逃げ」でも「失敗」でもありません。ただ、そのもやもやを放置したまま住み続けることで、家族の時間・お金・心の余裕が少しずつ削られていくのも、また現実です。

この記事では、不動産×住宅業界のプロが『【体験談】賃貸の方がよかった…松永さんが5年で持ち家を手放した理由』と題して紹介します。

5年前に新築戸建てを購入し、住み替えを決断した松永さんの体験談と、経験者だからこそ語れる「売却・住み替えのリアルな判断プロセス」をお届けします。

「自分たちと似ている」と感じる部分があれば、きっと次の一歩が見えてくるはずです。

この記事の執筆者
西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)
西田 喜宣|クラウドハーツ・リアルエステート代表
不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士
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【この記事の取材・確認方法】
この記事は、実体験者への取材・ヒアリング内容をもとに作成しました。不動産の種類や住まいの状況、当時の悩み、検討した選択肢、実際に取った行動、その後の暮らしの変化などを確認したうえで、個人が特定されないよう一部情報を調整。実務・専門的な判断を要する箇所は、不動産コンサルタントの執筆者・西田が補足。※体験談は個別事情に基づく内容であり、同じ結果を保証するものではありません。

【体験談】賃貸の方がよかった…購入5年後の売却と住み替え

松永さん
※記事内の写真はイメージです

早速、福岡県在住の松永さんに、持ち家を手放した経緯とその後の暮らしについてお話を伺います。

今回お話を聞いた方
松永さん(仮名)
松永さん
【年齢】39歳【居住地】福岡県
【家族構成】夫・小学生の長男・保育園に通う長女の4人家族
5年前、福岡県久留米市で新築戸建てを3,680万円で購入した松永さん。当初は「家賃を払うより資産になる」と考えていたが、月10万8,000円の返済に加え、固定資産税、庭木の手入れ、自治会清掃など、想像以上に家に縛られる生活に。さらに夫の勤務先変更で通勤時間が片道約1時間20分に延びたことも重なり、「自分たちの暮らしには賃貸の方が合っていたのでは…?」と感じるように。ローン残債がある中で3社の査定を比較し、納得できた1社で売却活動を開始。現在は、夫の勤務先や子どもの生活圏に合わせやすい賃貸マンションへ住み替えている。
プロ20年プロ20年

松永さん、本日は
貴重な体験をお聞かせ
いただきありがとうございます

松永さん松永さん

こちらこそ、同じように
「賃貸の方がよかった」と
悩む方の参考になれば嬉しいです

松永さんは夫・長男(小学生)・長女(保育園)の4人家族で、5年前に福岡県久留米市で新築戸建てを購入されました。

「家賃を払い続けるより自分たちの資産になる」と前向きな気持ちで踏み出したはずが、気づけば家に合わせて生活する毎日が続くようになっていたと言います。

住まいと暮らしのミスマッチに悩み、最終的に売却・賃貸住み替えを選んだその道のりを、詳しく聞いていきます。

質問項目

  1. 「賃貸の方がよかった…」と感じ始めたきっかけは?
  2. 持ち家で想定外だったお金の負担は?
  3. 通勤・送迎・子どもの成長で暮らしにどんなズレが出た?
  4. 持ち家の売却を考えるまで、夫婦で何に一番悩んだ?
  5. 3社の査定額に差が出たとき、何を基準に見比べた?
  6. 売却活動で成約につながった具体的な準備は?
  7. 賃貸に戻って「暮らしに合う住まい」を選べたと感じる場面は?
  8. 今「賃貸の方がよかった」と悩む人へ、経験者として伝えたいこと

それでは、松永さんの経験を一つひとつ丁寧に聞いていきましょう。

「賃貸の方がよかった…」と感じ始めたきっかけは?

家を買って最初の1〜2年は、持ち家の満足感に包まれていたと松永さんは振り返ります。

プロ20年プロ20年

「賃貸の方がよかった」と
思い始めたのは、どんな
場面からでしたか?

松永さん松永さん

ある日、夫が会社を変えて
通勤時間がぐっと伸びたんです
そこから一気に意識が変わりました

夫の勤務先が変わったことで、JRでの片道通勤時間が約1時間20分になりました。

家を基準に仕事を選ぶのではなく、仕事や生活の変化に住まいを合わせられたら…という気持ちが、じわじわと膨らんでいったそうです。

プロ20年プロ20年

転居前には想像できなかった
変化が起きたわけですね

松永さん松永さん

購入時は夫の職場も近くて
正直、こんなに状況が変わるとは
思っていませんでした

住宅ローンの返済が続く中で、家族の生活がどんどん変化していく。

そのたびに「もし今の場所に縛られていなければ」と思う瞬間が増えていったと、松永さんは静かに語ります。

持ち家で想定外だったお金の負担は?

お金の面でも、購入前に描いていたイメージとは少し違っていたと言います。

松永さん松永さん

毎月10万8,000円の
ローン返済は最初からわかって
いたんですが…

「今は払えていても、10年後・15年後の出費を考えると不安だった」と、松永さんは率直に打ち明けます。

松永さん松永さん

庭木の手入れも
自分たちでやるか
業者を呼ぶかで毎回悩んで

購入前に見落としやすいお金の負担をまとめると、以下のようになります。

費用の種類 内容・松永さんのケース
住宅ローン返済 毎月10万8,000円(約3,300万円のローン)
固定資産税 自治体の納期に合わせて年数回に分けて納付するのが一般的。一括納付を選べる場合もあり、新築住宅の軽減措置が終わると税額が上がるケースも
外壁・屋根の修繕費 10〜15年目を目安に点検や補修を検討するケースが多く、工事内容・面積・劣化状況によって数十万円〜200万円超になることもある
設備の交換・修理 給湯器やエアコンなどは10年前後で交換時期を迎えることがあり、キッチン・浴室などの住宅設備も築年数に応じて修理や交換費用が発生しやすくなる
庭・外構の維持 庭木の剪定や草むしりなど、定期的な手間とコストが発生する
自治会・管理費 地域によって自治会費や清掃当番などの負担がある
松永さん松永さん

購入前は「月々のローンは
今の家賃と同じくらい」と
安心していたんですが…

月々の返済額だけで比べると、こうした維持費や修繕積立の重さがすっぽり抜け落ちると、松永さんは経験者として話します。

通勤・送迎・子どもの成長で暮らしにどんなズレが出た?

お金の問題と並行して、家族の生活リズムと住まいの場所のズレも積み重なっていきました。

プロ20年プロ20年

夫の通勤以外にも
日々の生活で不便を感じる
場面はありましたか?

松永さん松永さん

長女の保育園の送迎に
長男の習い事の送り迎えと
毎日スケジュールがパツパツで

夫の帰宅が遅くなり、送迎がほぼ松永さん一人にのしかかるようになりました。

保育園と習い事の送迎が重なる日は、移動だけで一日の予定が大きく圧迫されることもあったそうです。

そして、長男が小学校高学年に近づくにつれ、新たな悩みも出てきました。

松永さん松永さん

塾や部活のことを
考え始めたとき、今の場所で
合う環境があるかなって

プロ20年プロ20年

子どもの成長とともに
必要な環境も変わるので
住まいの場所が合わなくなることは
よくあります

購入時には「これからずっとここに住む」という前提で場所を選んだけれど、家族の状況は毎年少しずつ変化していく。

暮らしが変わるたびに「場所ではなく、生活に合わせて動ける方がよかった」という気持ちが積み重なっていった、と松永さんは語ります。

持ち家の売却を考えるまで、夫婦で何に一番悩んだ?

お金・通勤・子どもの生活環境とさまざまな課題が重なる中、「売却」という選択肢が浮かんできます。

でも、簡単に踏み切れなかった理由がありました。

プロ20年プロ20年

売却を考えるまでに
夫婦でどんなことを
一番悩みましたか?

松永さん松永さん

ローン残債が残っているのに
売って大丈夫なのか
そこが一番引っかかりました

当時の住宅ローン残債は約2,940万円。

「売って足りなかったらどうする?」「また一から賃貸を探すのも大変では?」と、夫婦で何度も話し合いを繰り返したそうです。

プロ20年プロ20年

オーバーローン(売却額が
ローン残債を下回る状態)への
不安は大きいですよね

松永さん松永さん

そうなんです
でも売らないまま我慢し続けるのも
なんか違うなとも感じていて

松永さんがもう一つ悩んだのは、「持ち家を手放すこと=失敗」という意識でした。

せっかく手に入れた家を売るなんて、と後ろめたさを感じる時期もあったと正直に語ってくれました。

プロ20年プロ20年

持ち家の売却を「失敗」と
感じてしまう方は多いですが、
暮らしに合わせた選択は
前向きな決断ですよ

半年ほど夫婦で話し合いを重ねる中で、「今の暮らしに住まいを合わせる」という視点に少しずつシフトしていったと言います。

「持ち家=正解」という固定観念を手放したことで、選択肢の幅が一気に広がったと松永さんは振り返ります。

3社の査定額に差が出たとき、何を基準に見比べた?

売却に向けて動き始めた松永さんが最初に直面したのが、査定額の差でした。

プロ20年プロ20年

査定はどのように
進めていきましたか?

松永さん松永さん

一括査定サービスを使って
3社に依頼しました
複数社を一度に比較できて便利でしたよ

3社から提示された査定額は2,780万円〜3,180万円と、最大400万円の開きがありました。

松永さん松永さん

同じ家なのにこんなに
差が出るの?と最初は
正直戸惑いました

住宅ローン残債2,940万円との兼ね合いで、「売ってもローンが残るかもしれない」という不安も生まれたと言います。

そこで松永さんが見比べたのは、単純な数字だけではありませんでした。

A社 B社 C社
査定額 2,780万円 2,950万円 3,180万円
査定額の根拠説明 周辺の成約事例を中心に説明。やや簡潔 成約事例+建物状態を踏まえた丁寧な説明 高額提示だが、根拠が薄く「まず試してみましょう」という印象
販売方針・提案 特に具体的な提案なし 価格設定と内覧対策まで具体的に提案あり 高値スタートで様子見という方針
担当者の印象 事務的で質問しにくい雰囲気 話しやすく、不安な点にも丁寧に対応 積極的だが、強引さを感じる場面も
※松永さんへのヒアリングをもとに作成。査定額は当時のもの
松永さん松永さん

一番高いC社に飛びつきそうに
なりましたが、根拠の薄さが
気になって踏み切れなかったんです

プロ20年プロ20年

査定額が高い=それで売れる
とは限らないんですよね
根拠と販売戦略がセットで大事です

最終的に松永さんが選んだのはB社でした。

査定額の数字より「この担当者なら信頼して任せられる」という納得感が決め手になったそうです。

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複数社の査定額と住宅ローン残債を比べれば、「今売って賃貸へ移れるか」を現実的に判断しやすくなります。

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売却活動で成約につながった具体的な準備は?

B社と専任媒介契約を結んだあと、松永さんは売却活動に向けてさまざまな準備を進めました。

プロ20年プロ20年

実際の売却活動で
特に効果を感じた準備は
どんなことでしたか?

松永さん松永さん

内覧前の片付けが
思っていた以上に大事で
家がぐっと広く見えたんです

内覧に向けて徹底的に片付けを行い、使用頻度が低い荷物はあらかじめ処分や移動を済ませておいたそうです。

また、担当者のアドバイスを受けながら写真撮影にも丁寧に取り組み、Webの物件ページの見栄えを整えたことが、内覧数の確保につながったと感じたと松永さんは言います。

松永さん松永さん

写真一つで印象が変わると
聞いていたけど、本当にそうで
ページを見て来てくれた方が多かった

プロ20年プロ20年

今の購入検討者は
ネットで写真を見てから
内覧するか判断する方が多いですからね

売却活動の途中、反応が落ち着いてきた段階で担当者と相談のうえ1度の価格変更を行いました。

売却活動を始めてから成約まで、おおよそ3〜4カ月ほどかかりましたが、最終的な成約額は3,050万円で着地しました。

松永さん松永さん

ローン残債を上回る額で
売れたので、ほっとしました
担当者を信頼してよかったです

賃貸に戻って「暮らしに合う住まい」を選べたと感じる場面は?

売却を経て賃貸マンションへ住み替えた松永さんに、今の暮らしの変化を聞きました。

プロ20年プロ20年

賃貸に移ってみて
一番変わったと感じることは
どんなことでしたか?

松永さん松永さん

夫の通勤時間が
ぐっと短くなって
家族で過ごす時間が増えました

夫の通勤時間の短縮は、家族全体の生活リズムを変えました。

朝の余裕が生まれ、以前は松永さん一人にかかっていた送迎の負担も、夫が分担できるようになったそうです。

松永さん松永さん

長男の塾も今の場所から
通いやすいところを選べて
本人も嬉しそうで

プロ20年プロ20年

子どもの生活圏に合わせて
住む場所を動かせるのは
賃貸の大きな強みですね

持ち家のときは「家がある場所で生活を組み立てる」感覚だったのが、今は「生活に合わせて住まいを選べている」という感覚に変わったと言います。

修繕費や自治会、庭の手入れといった維持管理の手間から解放されたことも、精神的な余裕につながっているそうです。

松永さん松永さん

持ち家が悪いわけじゃなくて
今の自分たちには賃貸の
身軽さがよく合っている感じです

今「賃貸の方がよかった」と悩む人へ、経験者として伝えたいこと

最後に、今まさに「賃貸の方がよかった」と感じている方へ向けて、松永さんからメッセージをいただきました。

プロ20年プロ20年

同じように悩んでいる
読者の方へ、経験者として
何を一番伝えたいですか?

松永さん松永さん

「売る=失敗」じゃないよ、と
まず伝えたくて
生活に合わせる選択は前向きですよ

松永さんが特に伝えたいことは、次の3点です。

  • 「持ち家を手放す=後退」という思い込みを一度外してみる
  • 住宅ローン残債があっても、まず査定を受けて現実を把握する
  • 査定は複数社に依頼して、額だけでなく担当者の対応力を見る
プロ20年プロ20年

残債があると「どうせ売れない」と
諦める方も多いですが
実際に動いてみると意外と道が開けますよ

松永さん松永さん

半年悩んでから動いたけど
もっと早く動けばよかったとも
正直思います

悩んでいる時間が長いほど、暮らしのミスマッチを我慢し続ける期間も長くなる、という松永さんの言葉は、同じ境遇にいる方にとって重く響くはずです。

「今の家の価値がどのくらいか」を知ることが、迷いを一歩前に進める最初のきっかけになると、松永さんは経験者として背中を押してくれました。

プロ20年プロ20年

本日は貴重なお話を
ありがとうございました!

松永さん松永さん

同じように悩んでいる方が
少しでも楽になれれば
嬉しいです


以上、「賃貸の方がよかった」という気持ちを抱えながら、5年で持ち家を手放す決断をした松永さんの体験談を、インタビュー形式でお届けしました。

松永さんが半年間悩み続けた末に気づいたのは、「動かない時間こそが一番もったいない」ということでした。

査定を受けて初めて、売却の現実的なラインが見え、夫婦の話し合いも具体的に進み始めたと言います。

プロ20年プロ20年

「まず査定から」という
使い方で十分なんです
売る売らないはその後で決められます

「賃貸の方がよかった…」という気持ちは、今の家の価値を知ることで初めて、行動できる選択肢に変わります。

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査定額を正しく見極めるために不動産の査定額は売却価格の目安であり、その金額での売却を保証するものではありません。査定額の高さだけでなく、算出根拠と担当者の説明もしっかり確認しましょう。

「賃貸の方がよかった」と感じたら整理したい6つの判断材料

松永さんは、持ち家そのものが嫌になったのではなく、通勤・子どもの生活・住居費や維持管理など、購入後に変わった暮らしとのズレを整理したうえで賃貸へ住み替えました。

大切なのは、「今の家が悪いか」ではなく「今の暮らしに合っているか」を、自分たちの条件で考えることです。

プロ20年プロ20年

「賃貸の方がよかった」と
感じても、すぐ売る必要は
ありません
まず材料を揃えたいですね

以下は、松永さんの実体験をもとに、あなた自身が確認しておきたい内容へ置き換えたものです。

【確認】□にチェックできます

□は問題の数ではなく「確認できた項目」の記録に使い、チェックが付かない項目を次に調べることとして整理してみてください。

持ち家と賃貸の住居費や維持負担を比べられていますか?

松永さんは、購入時から住宅ローンが毎月10万8,000円かかることは把握していました。

一方で、暮らし始めると固定資産税に加え、庭木の手入れや将来の修繕など、ローン以外にも負担があると実感したそうです。

プロ20年プロ20年

月々の返済額だけだと
持ち家の負担を
見誤りやすいので
全体で比べたいですね

「賃貸の方がよかった」と感じていても、家賃だけを見て比較すると同じように判断を誤るおそれがあります。

今の家に住み続ける場合と賃貸へ移る場合について、住まいにかかる負担を同じ期間で比べられているかが判断材料になります。

持ち家の維持負担を許容できる場合と、今後の負担を減らすことを優先する場合では、選びやすい住まいも変わってくるでしょう。

今の立地が家族のこれからの生活に合うか整理できていますか?

松永さんが住まいを見直す大きなきっかけは、夫の勤務先が変わり、片道の通勤時間が約1時間20分になったことでした。

夫の帰宅が遅くなる中、保育園や長男の習い事の送迎も松永さんに集中し、さらに塾や部活を考える時期も近づいていました。

プロ20年プロ20年

購入時に便利だった場所も
家族の成長や仕事で
合わなくなることは
十分考えられますね

確認したいのは、今の不便さだけではありません。

仕事、通学、送迎、子どもの成長などを考えたときに、数年先も今の場所で生活を組み立てやすいかまで整理してみてください。

今の場所で十分対応できるなら持ち家を維持する考え方もありますが、生活圏が変わりやすい家庭では住む場所を動かせることの価値が大きくなります。

持ち家を維持する時間と手間まで負担として整理できていますか?

住居の負担は、お金だけでは測れません。

松永さんの場合、庭木の手入れや自治会清掃などの負担も、持ち家に縛られていると感じる理由になっていました。

プロ20年プロ20年

家の広さや庭が
魅力になる方もいれば
管理の手間が重くなる方も
いますよね

あなたの場合も、掃除や庭・外構の管理、地域で必要になる活動などを含め、今後も無理なく続けられるか考えてみてください。

自分たちで対応できるのか、必要に応じて外部へ頼めるのかによっても判断は変わります。

維持管理に使う時間まで住まいの負担として考えることで、「賃貸の方がよかった」と感じる理由も整理しやすくなるでしょう。

売却査定額と住宅ローン残債の関係を確認できていますか?

持ち家を手放す選択肢を考えるなら、気持ちだけでなく今売った場合の数字を把握できているかも重要です。

松永さんが売却を考えた当時、住宅ローン残債は約2,940万円でした。

3社へ査定を依頼したところ、査定額は2,780万円~3,180万円と幅があり、提示額によってはローン残債を下回る可能性もある状況だったそうです。

プロ20年プロ20年

売れそうな金額と
ローン残債が分からないと
売る選択肢そのものを
比べにくいですよね

最終的には3,050万円で成約しましたが、これは松永さんの家での結果です。

あなたの場合は、自宅の売却見込み額と現在のローン残債を確認したうえで、持ち家を維持する場合と売却する場合を比べる必要があります。

なお、複数社の比較には『スーモの一括査定』がおすすめです。

選択時に各社の売却実績数を確認できるので、どの会社に査定を依頼するか迷わずに進められます。

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※面積はおおよそでも進められます

住み続ける場合と賃貸へ移る場合の優先順位を家族で話し合えていますか?

松永さん夫婦は、ローンが残る不安や賃貸を探し直す負担などについて、半年ほど話し合いを重ねました。

その中で、「持ち家を維持すること」より「今の暮らしに住まいを合わせること」へ少しずつ考え方が変わったそうです。

プロ20年プロ20年

住まいの正解は
家族ごとに違うので
何を優先したいかを
揃えることが大事ですね

反対に、今の地域に住み続けたい、持ち家ならではの暮らしを残したいなど、家族にとって譲れない条件が見つかることもあります。

住み続けた場合と賃貸へ移った場合で何を得て何を手放すのかを家族で共有できているか、一度確認してみてください。

「持ち家だから住み続ける」「賃貸のほうが身軽だから移る」と先に結論を決めないことが、納得できる選択につながります。

賃貸へ移った場合の家賃・立地・生活動線を具体的に確認できていますか?

「賃貸の方がよかった」と思っていても、実際に移った後の生活が今より合うとは限りません。

そのため、賃貸へ移った場合の暮らしを具体的に想像できるところまで確認することも大切です。

プロ20年プロ20年

今の家への不満だけでなく
次の暮らしがどう変わるか
両方を見ると
比べやすくなりますね

松永さんは賃貸マンションへ移ったことで夫の通勤時間が短くなり、送迎を夫婦で分担できるようになったほか、長男の塾も通いやすい場所から選べました。

一方、インタビューでは住み替え後の具体的な家賃額までは紹介していません。

あなたの場合は、候補となる賃貸住宅について家賃だけでなく通勤・通学・送迎などの生活動線まで確認することで、今の持ち家との違いが見えやすくなります。


【チェック後の見方】
このチェックは、数が多いほど賃貸が向いていると判断するものではありません。

  • チェックが付いた項目は、すでに比較材料として整理できている
  • チェックが付かなかった項目は、まだ判断材料が不足している可能性がある
  • 住居費・生活動線・売却とローンの関係など、結論を大きく左右する未確認項目から確認する
  • 必要な情報が揃ってから、持ち家を維持する場合と賃貸へ移る場合を比べる

「賃貸の方がよかった」という気持ちだけで結論を急がず、自分たちの暮らしと数字の両面から確認できていることを増やすと、次に考えるべきことが見えやすくなります。

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松永さんの売却が現実になった住宅ローンと査定の3つの見極め方

松永さんが「賃貸の方がよかった」と感じながらも、すぐに持ち家を手放せなかった大きな理由が住宅ローン残債約2,940万円への不安でした。

半年ほど夫婦で悩んだあと、3社へ査定を依頼したことで、感情だけでは見えなかった売却の現実が具体的な数字に変わっています。

松永さんの売却判断で重要だったこと

  1. 残債2,940万円に対して査定額が2,780万円~3,180万円に分かれた
  2. 最高査定3,180万円ではなく根拠を説明できた会社を選んだ
  3. 成約3,050万円と残債の差をそのまま手残りとは考えない

この3点を見ると、残債と査定額は単純に大小を比べるだけでは不十分だとわかります。

ここからは、松永さんの実際の数字を使って、売却判断をどう読み解けばいいのか掘り下げます。

残債2,940万円に対して査定額が2,780万円~3,180万円に分かれた

松永さんが売却を考えた時点の住宅ローン残債は約2,940万円でした。

一方、3社の査定額はA社2,780万円、B社2,950万円、C社3,180万円と、最低額と最高額で400万円もの差があります。

つまり、A社だけを見れば「売ってもローンが残りそう」、C社だけを見れば「残債を上回って売れそう」と、依頼する1社によって売却できるかの印象まで変わる状況だったわけです。

プロ20年プロ20年

残債が大きいほど
1社の査定だけでは
判断がぶれやすいので
複数の根拠を見たいですね

残債2,940万円と各社の査定額を単純に比べると、次のようになります。

査定会社 査定額 残債との差
A社 2,780万円 -160万円
B社 2,950万円 +10万円
C社 3,180万円 +240万円
※残債約2,940万円との単純比較です。売却にかかる費用は含んでいません。

特に注目したいのはB社で、査定額は残債を10万円上回るだけでした。

「査定額が残債より高い=問題なく売却できる」とはいえないことが、この数字からよくわかります。

反対にA社の査定だけを見て「賃貸へ戻るのは無理」と決めるのも早く、松永さんのように査定額が大きく割れた場合は、まず現実的な成約価格の範囲を見極めることが重要です。

最高査定3,180万円ではなく根拠を説明できた会社を選んだ

松永さんは、最も高い3,180万円を提示したC社ではなく、2,950万円を提示したB社へ売却を任せています。

C社は高額査定でしたが根拠が薄く、一方のB社は周辺の成約事例と建物状態を踏まえた説明に加え、価格設定や内覧対策まで具体的に提案していました。

ここで重要なのは、査定額はその価格で買ってもらえる約束ではないという点です。

プロ20年プロ20年

高い査定そのものが
悪いわけではありません
なぜその金額なのかまで
説明できるかが大事ですね

松永さんの家はその後、約3~4カ月の売却活動と1度の価格変更を経て、3,050万円で成約しました。

結果だけを見るとB社の査定額2,950万円を100万円上回っていますが、だからといってB社の査定や販売方針だけが成約につながったとは断定できません。

内覧前の片付けや写真撮影、売り出した時期の市場状況、購入希望者との条件調整なども結果に影響した可能性があります。

それでも松永さんが最高額ではなく「価格の根拠と売り方」を重視した判断は、残債が大きい持ち家を売る場面では参考になります。

査定額が高い会社を外す必要はありませんが、「近隣で何がいくらで売れたのか」「この家ならなぜこの価格を目指せるのか」まで納得できる説明があるかを見ることで、数字だけに振り回されにくくなります。

成約3,050万円と残債の差をそのまま手残りとは考えない

松永さんの成約額3,050万円と、記事で確認できる残債約2,940万円を単純に比べると、差は約110万円です。

ただし、この110万円がそのまま手元に残ったとは判断できません。

売却では仲介手数料や抵当権抹消に関わる費用などがかかるうえ、賃貸へ移るなら引っ越しや新居契約の初期費用も別に考える必要があります。

また、記事の2,940万円は売却を考えた当時の残債であり、約3~4カ月後の引き渡し時点における実際の一括返済額は記載されていません。

プロ20年プロ20年

成約額だけ見て
安心するのではなく
最後にいくら必要かまで
確認しておきたいですね

住宅ローンが残っている持ち家を通常の方法で売却する場合、原則として引き渡しに合わせてローンを完済し、抵当権を抹消できる段取りが必要です。

そのため、査定額が出た段階では「査定額-残債」ではなく、完済と住み替えまで含めた資金を見ることが欠かせません。

  • 借入先に最新の住宅ローン残債と一括返済の手続きを確認する
  • 査定額ではなく現実的な成約見込み額で資金を考える
  • 仲介手数料など売却に伴う費用を見込む
  • 賃貸契約や引っ越しに必要な資金も別に残しておく

もし売却代金と自己資金を合わせても完済が難しい見込みなら、売却を先に決めてしまう前に借入先の金融機関へ相談することが大切です。

反対に、松永さんのように残債があるからと売却を諦めていた方でも、複数社の査定を取ることで現実的な道が見えてくる場合があります。

「賃貸の方がよかった」という気持ちだけで売るか我慢して住み続けるかを決めるのではなく、住宅ローン残債と根拠のある成約見込み額を並べることで、初めて自分たちに選べる道が具体的になります。


以上、松永さんの実体験から、賃貸へ戻る前に住宅ローン残債と査定額をどう読み解くべきかを解説しました。

売却を進める前に確認したいこと現状に悩みや負担があっても、すぐに売却したほうがいいとは限りません。ローン残債、家族や親族の意向、今後の暮らしや維持管理を整理しないまま進めると、売ったあとに後悔することがあります。検討の際は、売却した場合と売却せずに今の状態を続けた場合を十分に比べることが大切です。

まとめ:賃貸の方がよかったと悩むなら、まず今の家の価値を確認

今回の不動産とーくは『【体験談】賃貸の方がよかった…松永さんが5年で持ち家を手放した理由』と題して解説しました。

プロ20年プロ20年

記事の内容は
参考になりましたか?

「賃貸の方がよかった」という気持ちは、持ち家そのものへの後悔ではなく、今の暮らし方と住まいのズレに気づいたサインです。

松永さんがそうであったように、そのズレは我慢しても消えるものではありません。

だからこそ、感情のままに動くのではなく、まず「自分たちの立ち位置」を把握することが大切です。

  • 「賃貸の方がよかった」と感じる理由が、一時的なものか継続的なものかを見極める
  • チェック診断で、暮らしと住まいのズレが複数重なっていないかを客観的に確認する
  • 住宅ローンの残債を金融機関で正確に確認し、売却の現実的な可否を把握する
  • 複数社に査定を依頼して、今の家の価値と担当者の対応力を同時に見極める
プロ20年プロ20年

「売ろうかな」と思い始めた時点で
査定を受けて相場を知ることは
決して早すぎません

「売る・売らない」は、査定額という現実の数字を見てから考えれば十分です。

業界歴20年以上「不動産コンサル西田」のアドバイス

「賃貸の方がよかった」と感じている方に、私がよく話すことがあります。

持ち家か賃貸かに普遍的な正解はなく、その答えは家族の暮らし方の数だけ違います。

松永さんのように、購入時には最善の選択だったものが、数年後には合わなくなることは珍しくありません。それは失敗ではなく、生活が変化した証です。

プロ20年プロ20年

「住まいを変える」のは
生活の質を守るための選択です
後ろめたさを感じる必要はありません

私がいつも伝えていることは、「悩んでいる時間ではなく、動いた後に後悔しないための準備に時間を使ってほしい」ということです。

査定を受けることで初めて、「売れる・売れない」から「どう動くか」へ思考が切り替わります。

まだ決断できていなくても大丈夫です。今の家の価値を知ることが、その切り替えの第一歩になります。

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査定額を正しく見極めるために不動産の査定額は売却価格の目安であり、その金額での売却を保証するものではありません。査定額の高さだけでなく、算出根拠と担当者の説明もしっかり確認しましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。松永さんの体験が、同じように悩むあなたにとって「自分事」として響いていたら嬉しいです。

今の住まいに感じているもやもやを、ぜひ具体的な行動に変えるきっかけにしてみてください。

以上『【体験談】賃貸の方がよかった…松永さんが5年で持ち家を手放した理由』でした。

この記事の執筆者
西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)
西田 喜宣|クラウドハーツ・リアルエステート代表
不動産×住宅業界20年以上。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。運営メディアは累計120万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士
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