「今のマンションに住み続けたいけど行く末が心配…」
あなたも同じ気持ちを抱えていませんか?
一戸建てなら個人の判断で売却も建て替えもできますが、マンションは集合住宅のため、1人の判断ではどうにもできません。
老朽化したマンションの最後は?行く末は?寿命の先に未来はあるのでしょうか?
この記事では、不動産業界18年のプロが『老朽化した分譲マンションの最後はどうなるの?取り残されない対策』と題して徹底解説します。
自分のマンションの最後がどうなるのかを、具体的に考えるきっかけになるはずです!
- 西田 喜宣(ニシダ ヨシノブ)
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不動産×住宅業界18年。3,000人以上の売却・購入・住み替えなどをサポート。不動産コンサルティングのクラウドハーツ・リアルエステート代表。ブログ116万PV超 ≫運営者情報
【経歴】大手不動産会社・ハウスメーカー営業15年10ヶ月→現職の代表
【資格】公認 不動産コンサルティングマスター|宅地建物取引士|2級FP技能士
最後はどうなるの?
老朽化した分譲マンションの最後は3つ
老朽化した分譲マンションの最後はどうなるのかは、下記3つが考えられます。
1つずつ解説するぞ!
1.現状のまま又は解体後に売却
売却は誰かが勝手に決めることはできず、原則、区分所有者である住人全員の同意の上で進むことになります。
老朽化したマンションの価値はほぼゼロに等しく、主に土地の価値で評価され、買主は不動産会社やハウスメーカー、デベロッパーなどが一般的です。
売却で得た代金は、持分割合に応じて分配されますが、多額の解体費用が発生するため、大きな手残りは期待できないでしょう。
現状での売却の場合は、
売却後に買主が解体ですね
うむ、解体後の売却の場合は、
住人側が解体を行なうんじゃ
現状での売却、解体後の売却、いずれにしても解体費用は差し引かれますが、「解体後の売却」の方が、買主の解体する手間がないことから、現状より高値での売却が期待できます。
とはいえ、「現状のまま売却」の方が、住人負担での解体が必要なく、なにより早くお金が手元に入るため、多くの住人が比較的同意しやすいでしょう。
現状or解体後のどちらで進めるかは
各マンションでの協議次第になるぞ
2.住人によるマンションの建て替え
区分所有者である住人4/5以上の同意の上で進むことになります。(全50戸の分譲マンションなら「40戸」の同意が必要)
実際に建て替えが決まれば、住人全員が一時的に仮住まい等へ引っ越して、新しいマンションの建築完了と共に戻ってくる流れが一般的です。
ただし、建て替え費用は
住人の負担なる点がネックじゃ
マンション全体の規模、各住戸の広さにもよりますが、参考として住人1人1人が2,000万円前後は必要になる場合が多いと考えられます。(支払い方法は、住宅ローンや現金など)
さらに、建設中の仮住まいや引っ越し等の負担も上乗せされるため、住人それぞれが多額の経済的負担を覚悟する必要があります。
でも、年金暮らしの高齢者の方は
住宅ローンも組めないでしょうし…
この最後は現実的でない
気がしてきましたね…
老朽化した分譲マンションの建て替えは、経済的な負担をしてでも今の場所から離れたくない特別な事情や思いが、住人4/5以上にある場合に行なわれることになるでしょう。
3.売却も建て替えもできずに廃墟化
住人から、売却の全員同意、建て替えの4/5同意も集まらない場合、あるいは売却の全員同意が集まっても、購入に手を挙げる買主が見つからない場合に起こり得る深刻な問題です。
つまり、売る事もできない、
建て替える事もできんわけじゃ…
こうなると、老朽化した状態で住み続けるのは危険なため、住人が所有権を残したまま1人また1人と離れていき、管理組合は機能せず、管理費や修繕積立金の滞納者は増え、いずれは資金が底をついて解体もできず、廃墟化の最後が濃厚となるでしょう。
廃墟化した分譲マンションは、環境や景観の悪化、治安や住みつきの問題、周辺の不動産価値の低下など、地域にとってかなりの悪影響です。
この最後は何とか食い止めたいところですが、資金が底をついたマンションに選択肢はないのがつらいところです。
以上、老朽化した分譲マンションの最後はどうなるのかについて、3つ解説しました。
老朽化した分譲マンションの最後はどうなるのがベスト?
ベストな最後は、やはり「現状のまま又は解体後に売却」と考えます。
主な買主である不動産会社やハウスメーカー、デベロッパー等が、購入後に再開発を行ない、宅地分譲や自社の新築マンションに建て替えて販売活動を行なうことで、市場に循環していくからです。
また、住人にとっては、少ないながらも持分割合に応じて売却代金が分配されることもメリットになると考えます。
住人によるマンションの建て替えはあまり実施されていない
売却に代わって、住人によるマンションの建て替えは、実際のところあまり実施されていません。
建て替えには区分所有者である住人4/5以上の同意が必要な中、やはり経済的な理由等による「反対意見が多いから」です。
参考に、国土交通省が公表する「マンション建替え等の実施状況」によると、過去に建て替え工事を行なったマンションは日本全国で累計282件(約2.3万戸)だけです。※2023年3月時点
同じく国土交通省の公表で、2022年末時点で日本全国に約694.3万戸のマンションがあり、その内、築40年以上のマンションが約125.7万戸あることを考えると、建て替え実績はほんのわずかと言えます。※最新の数字は、国土交通省HP「マンションに関する統計・データ等」を参照
老朽化した分譲マンションの住人による建て替えは、そう簡単なことではないようですね。
ベストな最後は「売却」ではあるが…廃墟化の可能性も
ベストな最後は、やはり「現状のまま又は解体後に売却」と考えますが、区分所有者である住人全員の同意が原則必要になるため、一筋縄ではいかないマンションも多いでしょう。
また、地方都市や人口減少地域では、土地の価値が相対的に低く、解体費用を含めると再開発の採算が合わないことが多く、売却自体が困難になりがちです。
もし売るに売れないとなれば、いずれは「廃墟化」の最後を辿るマンションも少なくないでしょう。
老朽化した分譲マンションで
最後に取り残されない対策は?
それは「最後の段階になる前に、あなたの住戸は売却すること」です。
つまり、マンションが老朽化して、最後に向けた協議が行なわれる前に、別のマンションや一戸建てに住み替えることです。
仮に、このまま老朽化が進んで、他の住人が自分の住戸をこぞって売り始めると、マンション内に競合物件が増えて、なかなか売れないリスクがあります。
そのため、あなたの住戸の査定額を早めに確認して売り時を相談し、いつでも売却できる準備を整えて、今後訪れるマンションの最後を未然に回避することが大事です。
もし仮に「今なら高値で売却できる」と査定されたなら、今の内に売って住み替える選択もできるでしょう。
はじめてでも簡単に
マンションの査定依頼をする方法とは?
今は、あなたのマンション住戸がいくらで売れるか、簡単に査定依頼できるサイトがあって、とても便利です。
中でも、大手リクルート運営の下記『スーモ売却』は特におすすめです。
おすすめ度 | 4.8 |
---|---|
査定費用 | 無料 |
査定地域 | 日本全国(47都道府県) |
査定候補 | 大手+地元会社 |
運営開始 | 2009年~ |
運営会社 | (株)リクルート |
スーモ売却の強みは、
- 全国の大手+地元に強い不動産会社が多数
- たった60秒の入力で複数社に査定を出せる
- テレビCMでも評判が高いスーモの一括査定
- 売りたい地域で実績が多い会社に査定を出せる
- 大手リクルートが10年以上も運営していて安心
※リクルートは、ゼクシィ・タウンワーク・じゃらん・リクナビ・カーセンサー・スタディサプリ・ホットペッパーなど、数多くの有名サービスを展開する大手企業です。
信頼のおける不動産会社を集めたサイトが限られる中、『スーモ売却』では大手リクルート独自の審査にクリアした会社のみ登録しているので、安心して利用できます。
もちろん無料で使えるぞ!
利用方法は簡単で、いくつかの質問に答えたあと、比較したい不動産会社を選んで送信すれば依頼完了です。
各不動産会社で300~500万円の差はごく普通に出るため、複数社の査定結果を取り寄せて比較することで、正確な売却相場と高く売れる見込みがわかります。
査定4社に300万円ほど差がありましたが、大体の相場感がわかってよかったです。
気軽に査定を依頼できるのは嬉しいです。
とにかく早く査定額を知りたかったので、スピーディーな対応に感謝です。
お金を支払ってもいいレベルの丁寧な査定結果をもらいました。
売却はしませんでしたが無料でした。
『スーモ売却』では査定に出しても必ず売る必要はありません。
今後訪れるマンションの最後を未然に回避するために、まずは「今あなたのマンションがいくらで売れるか」を知ることから始めてみて下さい。
以上、老朽化した分譲マンションで最後に取り残されないための対策を解説しました。
最後はいつになる?
分譲マンションの寿命はどのくらい?
分譲マンションの最後とは、一体いつのことを指すのでしょうか?
一般的に「最後=寿命」となるため、まずはマンション寿命について理解していきます。
できるだけわかりやすく
解説していくぞ!
まず、マンション寿命の考え方は、調査方法等の違いにより見解が異なります。
2013年に公表された国土交通省の資料「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書では、大半のマンションの基本構造である鉄筋コンクリート造(RC造)の建物寿命について、その研究例を下記の通り4つ掲載しています。
これら4つの調査結果から分かることは、
嚙み砕くと下記じゃ↓↓
つまり、マンションは117年や120年、適切な修繕等をすれば150年はもつが、実際には平均68年程度で解体等がなされていると解釈できます。(おそらく耐震性の問題や構造体以外の寿命等が原因と考えます)
以上より、分譲マンションの最後はどうなるのかを考える際に、現段階でその最後がいつなのかは「築68年程度」が参考目安の1つと言えそうです。
ただ、日本で初めて分譲マンションが建築されたのは1956年(昭和31年)のことであり、現在の分譲マンションは建築品質が向上しているため、「68年」という平均寿命は今後もっと長くなると予想します。
マンションの耐用年数は
「47年」とよく聞くんですが、
これも考え方の違いですか?
「47年」という数字は、税務上の減価償却における鉄筋コンクリート造住宅の耐用年数なので、物理的なマンション寿命とは全く異なります。(正式には「法定耐用年数」と言います)
まとめ:マンションが最後を迎える前に早めに行動しよう
今回の不動産とーくは『老朽化した分譲マンションの最後はどうなるの?取り残されない対策』と題して、下記の項目を解説しました。
お役に立てたかの~?
老朽化した分譲マンションが最後にどの行く末を辿るかは、各住人の価値観や経済面などに大きく左右されます。
マンションにとって良い最後を迎えるためにも、住人全体で積極的な対話を図りたいものですね。
とはいえ、現実には管理組合が積極的に機能しておらず、行く末が不安なマンションも多いです。
仮にそのようなマンションで最後に取り残されて後悔しないためにも、早めの情報収集や売却計画が吉です。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
『老朽化した分譲マンションの最後はどうなるの?取り残されない対策』でした。